株主優待というのは、上場企業が株主に対して自社サービスの利用券や割引券、自社商品、そのほか商品等を提供する優待です。
日本で独自に発展してきた株主に対する還元制度で、上場企業3771社中、1450社が株主優待を導入しており、全体の38.5%の企業が株主優待制度を導入していることになります(2019年現在)。
特に株主優待は個人投資家にとっては人気が高く、優待が充実した企業の株価はたとえ業績が悪化しても株価の下支えになっているといわれています。
今回はそんな株主優待について、投資初心者の方にもわかりやすく株主優待とは何か?また、株主優待を受け取るにはどのような形で株を買えばいいのか?保有していればいいのか?とうことをわかりやすく解説していきます。
そもそも株主優待とは何か?
株主優待とは企業が自社の株主に対して自社製品や割引券、サービス券などを提供してくれる特典の一つです。BtoCの会社でなくても、株主でいてくれることに感謝を込めてギフト券などを提供している企業もあります。
日本では株主優待制度が特に充実しており冒頭に書いたように上場企業の3割以上が優待制度を用意しています。
この株主優待制度は日本独自のもので、米国企業で株主優待のような制度を設けている会社はごく少数です。
日本独自の制度とは言え、日本株に投資をするのであればうまく活用したい制度ですね。
もらえる株主優待は会社によって異なります。
- 自社製品の詰め合わせセット
- 自社で使える無料券、割引券、サービス券
- クオカードや図書カードなどの金券
- お米や地域の特産品など
こんなところが中心でしょうか。中には投資額に対して5%、10%相当の価値があるような優待をくれる優待利回りが高い会社も多くあります。
株主優待をもらうには株を買って株主になる
当たり前ですが、株主優待は「株主」のための優待です。株主になるにはどうすればいいか?それはその会社の株式を購入する必要があります。
株を買ったら損をするのが怖い……という方へ
近年の上場企業は100株単位で株が買えるうえ、投資額も5万円、10万円程度で買える会社も増えています。手軽に投資ができる環境は整っています。
ただ、確かに株価は変動します。銘柄によっては大きく下げるケースもあるかもしれません。
その一方で、特に株主優待を目当てに投資をする場合は数年~10年以上という長期投資を前提考えればよいので、日々の価格変動は気にしないというのも手です。
株はどこで買えるのか?まずは証券会社に口座開設
株式は「証券会社」と呼ばれる金融機関を通じて購入することになります。銀行では投資信託は購入できますが個別の株式を売買することはできません。○○証券と書かれている会社です。
証券会社に口座を作るなら圧倒的に「ネット証券」が手数料も安くお勧めです。どの証券会社がいいか迷っている方は「証券会社比較ランキング」や「株主優待を目的としたときの証券会社の選び方とお勧めのネット証券」などを参考にしてもよいでしょう。
どこでもいいからとにかく、いいところを教えてくれというのであれば、ネット証券でも口座数が最大の「SBI証券」がお勧めです。後述しますが株主優待に関する情報も充実しています。
株主優待はどんなものがあるか?また、優待月を確認する
株主優待や配当金はそれぞれの企業が定めている「権利確定日」という日に株主として登録されている人に対して提供されます。
何月が権利確定日なのかは会社によって変わります。最も多いのは3月、続いて9月、12月、6月と続きます。年1回だけの会社もあれば、半年ごとに年2回提供する会社もあります。
詳しい株主優待の情報は前述の「SBI証券」に口座を開設すると詳しい株主優待検索や情報ページがあるので便利です。下の画像はSBI証券の情報ページのキャプチャです。優待内容や最低必要な資金、優待利回り、優待内容などで検索出来て便利です。
また、人気の優待については「株主優待人気ランキング」などをご覧いただければどんな会社があるのかが分かるかと思います。
<株主優待に関するまとめ記事>
<株主優待人気ランキング>
- オリックス(ふるさとカタログギフト)
- イオン(イオンオーナーズカード・優待券)
- すかいらーくホールディングス(食事券)
- 日清食品ホールディングス(自社商品詰め合わせ)
- 日本たばこ産業・JT(自社グループ商品)
- 日本マクドナルドホールディングス(食事券)
- 日本ハム(ハム詰め合わせ)
- ダイドードリンコ(飲料詰め合わせ)
- コロワイド(自社ポイント)
- ANAホールディングス(航空券割引券)
※ランキングは野村インベスターリレーションズ株式会社の2019年株主優待人気ランキングを参考に、当サイトが作成。
権利付き最終日と権利落ちを理解して期限までに株を買う
株主優待の権利を獲得するには「どの日までに株を買っておく必要があり、どの日以降なら売ってもよいのか?」ということをしっかりと把握しておく必要があります。
株式には「受け渡し日」というルールがあり、株を買っても受け渡し日までは株主として登録されません。受け渡し日は「売買日の翌日から2営業日後」となります。そのため、月末が権利確定日の会社の場合、その2営業日前までに株を買っておかないと月末で株主として名簿に載らないのです。
なお、以下の記事では毎年の最終日、権利落ち日を紹介しています。
[bloglink url=”https://money-lifehack.com/asset-management/stock-trading/yutai/15666″]
株主優待はいつごろ届く?
会社によってバラバラですが、権利確定日から2か月~3か月くらいは少なくとも待つ必要があります。食べ物のように旬があるものの場合はタイミングさらに遅れることもあります。
気長に到着を待ちましょう。
株主優待投資で知っておきたいリスクと優待投資のコツ
最後に、株主優待投資といっても、株式投資です。元本が保証されているわけではないので、余裕資金で投資をすることが大切です。
また、一般的に、こうした人気の高い優待株は、権利落ち日に株価が下落します。
単純に権利付き最終日に株を買って、翌日売るという戦略は通常通用しないのでご注意ください。どちらかというと人気の株主優待の場合は、権利確定日に近づくにしたがって値上がりしていき、権利落ちになると下がり、また権利確定日が近づくと上昇していくという傾向があります。
遅くとも1か月前くらいに投資をするようにするとよいかと思います。ただし、これは相場全体の動きとも絡みますので、必ずそうすることで、損失を避けられるというわけではありません。
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上級者向けの株主優待投資(優待クロス)
株式投資についての理解度が高い人向けですが、信用取引(一般信用取引)の空売りなどを活用して、株主優待だけをゲットするような投資方法もあります。
全くのノーリスクというわけではないので注意が必要ですが、詳しく知りたい方は「株主優待のタダ取り(クロス取引・つなぎ売り)して無料で株主優待だけを受け取る方法」もご覧ください。
ただし、近年では企業側もこうした優待クロスを利用した株主対策かどうかわかりませんが、長期保有を前提とした株主優待制度に切り替える会社もふえています。こうした会社では優待クロスはつかえません。
[bloglink url=”https://money-lifehack.com/asset-management/stock-trading/yutai/14544″]
また、制度信用取引を利用した優待クロス取引は高額な逆日歩というリスクも抱えている点を忘れてはいけません。
株主優待によって適正株価を超える優待バブル銘柄も?
個人投資家にとっては楽しい株主優待ですが、過度な優待によって優待バブルともいえる銘柄も登場しています。
優待利回りが注目されうことによってその優待利回りをベースに株価水準が構成されているような銘柄もあります。PERやPBRなどの収益性・財務上の指標からは説明できない水準に株価が上昇しているケースがあります。
こうした銘柄は優待によるメリットを享受できる個人株主にとってはメリットが大きいですが、そうした優待レバレッジによって株価が上昇している銘柄は、優待の恩恵が小さいため機関投資家(大口投資家)からは評価が低いです。
株主優待は突然終了することがあることは大きなリスク要因
株主優待という制度は、基本的会社がいつでも変更できるということを理解しおいてください。
廃止や内容の変更というのは比較的簡単にできるのです(取締役会決議)。そのため、すごく魅力的な株主優待を提供していたのに、提供を中止します。ということができてしまうわけです。実際にそんな企業はたくさんありました。
まあ、終了するだけなら仕方ないで済むわけですが、そういう人気の株主優待銘柄というのは上記の優待バブル銘柄で説明したように、優待利回りで株価が高く維持されているようなケースもあるわけです。そんな会社が株主優待を終了したらどうなるか???
株価はおそらく急落します。優待人気銘柄への投資は優待廃止という大きなリスクがあることを和捨てはいけません。
保有する株数と優待内容はしっかりと把握しておくべき
株主優待における優待は配当金のように、保有株数に対してきれいに比例していくわけではありません。たとえば「マクドナルドの株主優待」では株数に応じて下記の優待となっています。
- 100株以上:1冊
- 300株以上:3冊
- 500株以上:5冊
注意したいのは100株の時は1冊だけど、200株でも1冊しかもらえず、300株にすれば3冊もらえるということです。この会社の場合で200株だけ株を買うというのは少し勿体ないですね。
このように保有株数と優待内容もしっかりとチェックしたいところです。
持株は家族で分散する方がいい場合もある
上記のマクドナルドの場合、100株、300株、500株という株数ならいずれも持ち株数に比例して株主優待がもらえます。ただ、多くの会社は、「保有株数が増えるほど優待内容が渋くなっていく」という傾向があります。
たとえば、外食系の株主優待として人気の高い「吉野家の株主優待」は下記の通りです。
- 100株以上:10枚(3000円相当)
- 1000株以上:20枚(6000円相当)
- 2000株以上:40枚(12000円相当)
100株は10枚で1000株だと20枚です。比例的に考えれば1000株だと100枚ほしいところですがそのような比率にはなっていません。
たとえば、1000株を一人で保有するよりは、100株を10人で分けて保有する方が圧倒的に高利回りとなります。そこで、100株を家族4人で分散してもてば、合計400株で100株×4という扱いになり、1000円相当の優待を4人分もらうことができます。
こうした株は一人でたくさん持つのではなく、家族で分散して持つようにすると良いですね。
こちらについては「優待利回りを高めるための株主優待銘柄への家族での投資方法」でも詳しく紹介しています。
以上、株主優待で得をする。株主優待ゲットで節約・お小遣い。というお話でした。
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