収入と所得の違い。年収・税込年収・手取り・課税所得をわかりやすく解説【2026年版】
「年収はいくらですか」「所得はいくらですか」「手取りはいくらですか」。どれもお金に関する言葉ですが、税金や社会保険、補助金、ふるさと納税の上限額を考えるときには意味がまったく違います。
この記事では、収入、所得、年収、税込年収、手取り、課税所得の違いを、会社員・個人事業主の両方に分けて整理します。2026年分と2027年分に適用される給与所得控除も確認できます。
まず結論:収入と所得の違い
収入は「入ってきたお金の総額」、所得は「収入から必要経費や給与所得控除などを差し引いた金額」です。
| 言葉 | 意味 | 会社員の例 | 個人事業主の例 |
|---|---|---|---|
| 収入 | 入ってきたお金の総額 | 源泉徴収票の支払金額 | 売上高 |
| 所得 | 収入から必要経費等を引いたもの | 給与収入-給与所得控除 | 売上-必要経費 |
| 課税所得 | 所得から所得控除を引いたもの | 所得税率をかける前の金額 | 同左 |
| 手取り | 実際に受け取る金額 | 給与から税金・社会保険料を引いた額 | 売上から経費・税金・保険料等を払った後の資金 |
税金の計算では「収入」ではなく「所得」や「課税所得」を使うことが多いです。
年収・税込年収・額面・手取りの違い
年収・税込年収・額面
会社員の年収は、一般的には税金や社会保険料が引かれる前の支給総額です。源泉徴収票では「支払金額」にあたります。基本給、残業代、賞与や課税される手当などを含みます。非課税の通勤手当は源泉徴収票の「支払金額」に含まれないため、給与明細の総支給額と一致しないことがあります。
「税込年収」「額面年収」もほぼ同じ意味で使われます。住宅ローン、クレジットカード、賃貸審査などでは、この税込年収を聞かれることが多いです。
手取り
手取りは、給与から所得税、住民税、社会保険料、雇用保険料などが差し引かれた後、実際に振り込まれる金額です。
生活実感に近いのは手取りですが、税金や給付金の判定では手取りを使わないことが多いです。「手取りが同じでも、扶養控除や住宅ローン控除の有無で税額が違う」ことがあるためです。
給与所得とは?
会社員や公務員の給与は、税金計算上「給与所得」に分類されます。給与所得は、給与収入から給与所得控除を差し引いて計算します。
給与所得控除は、会社員にとっての概算経費のようなものです。スーツ代や通勤に関する細かい経費を一つずつ申告しなくても、収入に応じた控除が認められています。
2026年分と2027年分の給与所得控除
国税庁が公表する2026年分と2027年分の表では、給与所得控除の最低額は74万円です。
2026年12月1日施行の改正が両年分の所得税に適用されます。
9月時点の毎月の源泉徴収額が、この年額の表に直ちに置き換わるわけではありません。
| 年間の給与収入 | 給与所得控除の速算表 |
|---|---|
| 220万円以下 | 74万円 |
| 220万円超〜360万円以下 | 収入×30%+8万円 |
| 360万円超〜660万円以下 | 収入×20%+44万円 |
| 660万円超〜850万円以下 | 収入×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円 |
これは所得税の対象年分を指定した表です。
2025年分の最低額は65万円で、適用される収入帯も異なります。
給与収入660万円未満の正確な給与所得は法定の表で求め、220万円未満には特例があります。
収入が少ない場合に、74万円を引いたマイナスを給与所得として申告するものではありません。
年末調整済みの源泉徴収票や対象年分の申告画面で確認してください。
給与収入300万円で、ほかの給与所得の調整がない例なら、給与所得控除は98万円、給与所得は202万円です。
勤務先が複数ある場合は、同じ年の給与収入を合計して計算し、会社ごとに最低控除を重ねて引きません。
源泉徴収票では3つの欄を順に読む
額面から課税所得までの確認順
1 支払金額
税金を計算する基になる年間の給与収入です。
銀行への振込合計とは異なります。
2 給与所得控除後の金額(調整控除後)
給与所得控除などを反映した所得です。
年末調整をしていない場合などは空欄のことがあります。
3 所得控除の額の合計額
社会保険料控除などの合計です。
上の所得から差し引いて課税所得を求めます。
手取りは、この3つの欄だけでは求められません。
住民税など給与から引かれる項目も含め、給与明細で確認します。
医療費控除で使う「所得」と給与の額面を取り違えないようにしましょう。
個人事業主の収入と所得
個人事業主やフリーランスの場合、収入は売上、所得は売上から必要経費を差し引いた金額です。
たとえば、売上1,000万円、必要経費700万円なら、所得は300万円です。売上だけを見ると大きく見えますが、利益がどれだけ残っているかは所得を見ないとわかりません。
会社員の「年収500万円」と、個人事業主の「売上500万円」は同じ意味ではありません。個人事業主は経費、社会保険、税金、事業資金も考慮する必要があります。
課税所得とは?
課税所得は、所得から所得控除を差し引いた金額です。所得税率はこの課税所得に対してかかります。
主な所得控除には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除、寄附金控除、iDeCoの小規模企業共済等掛金控除などがあります。
所得税の大まかな流れ
収入 - 給与所得控除・必要経費 = 所得
所得 - 所得控除 = 課税所得
課税所得 × 税率 - 控除額 = 所得税額
所得税額 - 税額控除 = 実際の税額
ふるさと納税・給付金・扶養判定で使う数字は違う
お金の制度では、同じ「年収」でも見る数字が違います。
- ふるさと納税:住民税所得割や所得控除の影響を受ける
- 扶養控除:合計所得金額で判定することが多い
- 配偶者控除・配偶者特別控除:本人と配偶者の所得で判定する
- 給付金:制度ごとに判定対象となる所得と対象年が異なる。児童手当の所得制限は2024年10月分から撤廃
- 住宅ローン審査:税込年収や返済負担率を見ることが多い
「手取りが少ないから対象になるはず」「年収が低いから大丈夫」と自己判断せず、制度ごとの判定基準を確認しましょう。
関連記事はこちらです。
住民税の所得割額と通知書を確認する
ふるさと納税の仕組みと上限を確認する
まとめ
収入は入ってきたお金の総額、所得はそこから経費や給与所得控除を差し引いた金額、課税所得は所得から所得控除を差し引いた金額です。手取りは生活実感に近い一方、税金や制度判定では別の数字が使われます。
税金、ふるさと納税、扶養、住宅ローン、給付金を考えるときは、どの数字を見ているのかを確認することが大切です。
給与所得控除の制度確認日:2026年9月23日。
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