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社内預金のメリット、デメリット。金利は高いがリスクもあるので注意。財形との違い。

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従業員に対する福利厚生の一環として社内預金という制度がある会社があります。比較的規模の大きな会社にみられる制度で、新入社員の皆様は諸先輩方からお得だから利用したほうがいいと進められるかもしれません。

今回はそんな社内預金制度の仕組みやメリット、デメリットの他、注意しておくべき点を紹介します。また社内預金と似た制度でもある財形(ざいけい)との違いも併せて紹介していきます。

社内預金制度とは?最大のメリットは金利

社内預金制度とは、給料から一定の金額を天引きして会社にお金を預ける任意の制度です。任意の制度であるため、預金するしないは社員が自由に決めることができます。銀行に預けるわけではなく、会社に預けるわけです。

なお、厚生労働省によると社内預金制度がある事業者は全国19000余となっており、利用者数は約50万人とのことです。

 

社内預金の利率は0.5%以上が確定している

この社内預金にはもちろん金利が付きます。この金利は厚生労働省令と呼ばれる省令で、下限金利が定められています。2017年4月現在の下限金利(利率)は0.5%です。ちなみに、0.5%は下限金利なので、もっと高い金利で社内預金を受け付けている会社もあります。

2017年4月の一般の銀行金利は普通預金は0.001%なのでおよそ500倍、金利が高いとされるネットバンクでも最高はイオン銀行の0.12%なので4倍~5倍もの金利がついている計算になります。

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いつでも出金可能

また、社内預金はいつでも出金可能です。社内預金制度については労働基準法第18条において、従業員から請求された遅滞なく支払うこととされています。

 

社内預金と財形の違い

給料から天引きで貯蓄する制度としては社内預金制度よりも「財形」のほうがよく知られていますね。

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財形貯蓄と社内預金の違いは、お金の保管先です。社内預金はお金の預け先はあくまでも会社です。その一方で財形貯蓄の場合は通常の金融機関(銀行)にお金を預けます。金利についてもそれぞれの預け先の金融機関が決めた金利です。

2017年現在の金利状況を見ると社内預金の最低0.5%といった高金利はつかないでしょう。

 

社内預金のリスク・注意点は倒産リスク

社内預金制度の最大のリスクは、「お金を会社に貸している状態」ということです。

社内預金はあくまでも、労働者(従業員)が会社にお金を預金として貸している状態です。お金を銀行に預ける(預金する)のとは性格が異なります。

実は社内預金について会社は預金している社員にたいして返済する義務はありますが、その資金使途は自由です。預けられた預金は事業の運転資金として利用することも認められています。

そのため、会社に万が一のことがあってお金を使い切ってしまっている場合に、社内預金が戻ってこないというリスクも少なからずあるわけです。

 

一応、保全措置は取られているはず……

社内預金は毎年3月31日現在の受け入れ預金額の金額についての保全措置をることが求められています。具体的な保全措置は以下の4つの中からいずれかを選択しておく必要があります。

  1. 金融機関等による保証契約
  2. 信託会社との信託契約
  3. 質権又は抵当権の設定
  4. 預金保全委員会を設置し、貯金管理勘定等の適当な措置を講じる

ただし、こうした保全措置が取られていたとしても、平常時には意味があるかもしれませんが、会社が倒産した場合にはあまり意味がなくなってしまいます。

 

会社が倒産したときの社内預金の返金の優先度は低い

会社が倒産した場合の債務の返済順位として従業員に対する給料は先取特権が認められているため、他の借金よりも優先して支払いが行われます。

一方で社内預金というのはあくまでも従業員が会社にお金を貸しているという一般債権になる為、優先順位は低いです。会社が倒産したというケースでは一円も戻ってこないというケースも想定しておく必要があります。

 

まとめ。社内預金は持ち株会同様に会社のリスクがある

社内預金制度は利率も高いため、従業員にとっての有利な資産形成手段となります。その一方で、会社が倒産した場合にはせっかくの預金がゼロになってしまう可能性もある運用方法です。

これは自分の会社の株を有利に買うという従業員持ち株制度とも同様のリスクがあります。

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それは、給料という収入面だけでなく、資産という部分まで会社に依存してしまうということです。収入は会社からのサラリーだけ、さらに資産は社内預金と持ち株会。高度経済成長期のサラリーマンであればそれでまとまった資産を築けたかもしれません。

一方で、JALの倒産、東芝の危機といったように大企業と呼ばれた会社でも危機に陥る時代です。収入も資産も会社に依存するのはリスクといえるでしょう。

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有利な制度には間違いないけど……

もちろん、社内預金制度はこの低金利時代に比較的高めの金利で運用できるため、有利な制度であることには違いはありません。

社内預金は、いつでもすぐに解約(返金)してもらうことができるということになっているので、万が一を感じ取った場合はできるだけ早めに解約の手続きをとることをお勧めします。

ちなみに、社内預金と同様に天引きされる財形の場合、従業員から天引きされた資金は従業員名義で金融機関に預けられているので会社が倒産した場合でも全額が保護されています。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)も一考

2017年からはすべてのサラリーマンが個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できるようになっています。個人型確定拠出年金も手続きをすれば給料からの天引きが可能です。

利率は運用次第となりますが、掛け金の全額が所得控除によって所得税や住民税の節税につながるというメリットもあります。こちらの場合は会社の倒産とはまったく無関係な自分の資産を税制上有利な方法で作っていくこともできます。

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以上、社内預金のメリット、デメリット。金利は高いがリスクもあるので注意。財形との違い。