所得控除と税額控除の違いとは?ふるさと納税や住宅ローン減税の計算方法をわかりやすく解説
所得税や住民税という税制は私たちの所得(1年間の収入から経費を差し引いたもの)に対してかかる税金となっています。この所得税や住民税においては、その減税手段として「所得控除」や「税額控除」といった仕組みが用意されている場合があります。
たとえば、人気の個人型確定拠出年金(iDeCo)は実施することで「所得控除」によって税金が安くなります。また、住宅ローンを組んでいる人で一定の条件を満たせば住宅ローン控除(減税)が利用できますが、こちらは「税額控除」となります。
今回はそんな税制における所得控除と税額控除の仕組みやそれぞれの違い、そして2025年以降の最新の税制改正も踏まえてわかりやすくまとめていきたいと思います。
所得税の計算方法を理解しよう
まず、控除について考えるとき、所得税の計算の仕組みを知る必要があります。
上記の記事でも紹介していますが、税金は基本的に以下のようなステップで決まります。
- 収入から必要経費を差し引く=所得
- 所得から所得控除を差し引く=課税所得
- 課税所得に税率を掛ける=税額
- 税額から税額控除を差し引く=実際の納税額
この記事のタイトルでもある「所得控除」と「税額控除」は、所得税を計算するときに引き算をする場所が違うということになります。なお、実務上は算出された所得税額に対して、さらに復興特別所得税(2.1%)が上乗せされる点にも留意が必要です。
たとえばサラリーマンの場合、必要経費にあたるものは「給与所得控除」として差し引かれます。そして所得控除として「基礎控除」「社会保険料控除」「配偶者控除」「扶養控除」「生命保険料控除」などを引くことができます。
それを引いた金額が「課税所得」となり、それに税率を掛けたものが税額です。最後にこの税額から「税額控除」を差し引くことで実際に納付する税金が決まるということになります。
所得控除の効果は控除額×税率
住民税の所得割は一律10%ですが、日本の所得税は超過累進税率を採用しており、課税所得額が大きくなるほど税率も段階的に高くなるように設定されています。
仮に課税所得が500万円であれば、20%が適用される所得税率となります。
そのため、所得控除による全体的な節税効果の目安は、簡略化すると「控除額×(住民税10%+適用される所得税率20%)」という形で計算できます(正確には復興特別所得税なども影響します)。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
税額から直接差し引ける税額控除
上記の式で計算されるのが所得税額や住民税額となります。しかし、これで終わりではありません。ここからさらに差し引くことができる控除があります。それが「税額控除」です。
代表的な税額控除としては、住宅ローンを組んで家を購入した時の「住宅ローン控除(減税)」があります。2022年度の税制改正により、現在は年度末のローン残高の0.7%が税額控除の対象となっています。
たとえば、課税所得が400万円の人は「4,000,000円×20% – 427,500円=37万2,500円」が目安の所得税額となります。
この人が仮に2000万円の住宅ローン残高があり、0.7%の控除を受けられる場合、14万円が税額控除となります。すると、37万2,500円の所得税額から直接14万円を差し引くことができ、支払う税額は23万2,500円にまで圧縮されます。
このように、計算された税金からダイレクトにマイナスできるのが税額控除の強みです。
所得控除の種類と特徴
所得控除というのは所得額から差し引くことができる控除です。代表的なものとしては以下のようなものがあります。
- 基礎控除:合計所得金額に応じて差し引かれます。2025年分からは58万円(最大95万円)へ引き上げられています。
- 社会保険料控除:支払った健康保険料や年金保険料を引ける控除です。
- 配偶者控除:所得の基準を満たす配偶者を扶養している場合の控除です。
- 扶養控除:要件を満たす子供や親族を扶養している場合の控除です。
- 生命保険料控除:支払った生命保険料の一部を引ける控除です。
- 医療費控除:一定以上の医療費を支払った際に差し引ける控除です。
- 特定支出控除:サラリーマンで特定の支出をしたときに利用できる控除です。
所得控除による影響は高所得者ほど大きい
所得控除というのは、税金を計算するための「所得」を小さくするというものです。一方の税額控除は、計算された「税額」から一定額を差し引くことができるというものです。
この違いをもう少し深く考えてみましょう。
たとえば、所得控除として50万円を差し引くことができるとしましょう。この所得控除による実際の減税効果は、適用される所得税率によって変わってきます。
- 税率5%の人:2.5万円の減税効果
- 税率10%の人:5.0万円の減税効果
- 税率20%の人:10.0万円の減税効果
- 税率23%の人:11.5万円の減税効果
- 税率33%の人:16.5万円の減税効果
- 税率40%の人:20.0万円の減税効果
- 税率45%の人:22.5万円の減税効果
このように、同じ金額の所得控除であっても、それを利用することによる恩恵は適用される限界税率が高い人(所得が高い人)ほど大きくなるということになります。
上記の個人型確定拠出年金(iDeCo)などは、自分がやる気になれば誰でも利用できる制度です。掛け金が全額所得控除になるため、所得が高い人ほど実施することでより大きな減税の恩恵が受けられるというわけです。
他にも中小企業経営者や個人事業主などが利用できる「小規模企業共済」なども同様ですね。
これは高所得者がずるいというわけではなく、単に高所得者ほど高い税率で税金を納めているため、控除制度を利用すればその分だけ戻ってくる金額も大きくなるという構造的な仕組みによるものです。
税額控除の種類と特徴
税額控除というのは、納めるべき税金を計算したあとで、税金の金額自体から直接差し引くことができる控除となっています。代表的なものとしては以下のようなものがあります。
主に、税額控除は寄付の促進やマイホームの取得といった社会政策を実現することを目的とした補助金的な役割を持つものや、二重課税を防ぐ目的で実施されます。
ふるさと納税は「所得控除」と「税額控除」の二段構え
人気が急上昇している「ふるさと納税」は、税額控除だけで処理されると思われがちですが、正確には所得税と住民税で仕組みが異なります。
ふるさと納税による寄付金は、まず所得税部分が「所得控除」として機能し、残りの住民税部分が「税額控除(基本分+特例分)」として直接税金から差し引かれるという二段構えの仕組みになっています。復興特別所得税も含めて精緻に計算され、自己負担額の2,000円を除く金額が控除されるように設計されています。
同じ控除額なら所得控除より税額控除の方が節税になる
たとえば所得控除30万円と税額控除10万円ならどちらがうれしいでしょうか?
所得控除というのは「税率」を掛ける前の金額から引くものです。なので30万円控除されても、適用される税率が20%なら減税額は30万円×20%となり6万円になります。一方で税額控除なら、10万円という金額がダイレクトに税金から引かれます。
したがって、額面が同じであれば税額控除の方が圧倒的にメリットが大きくなります。
また、税額控除の場合は本人の所得税率に関係なく、計算された税金から定額を差し引きます。そのため、住宅ローン控除のようなケースでは、2000万円の住宅ローンを組んで要件を満たせば、所得の多寡に関わらず14万円(0.7%)の税額控除を受けることができます。この点で税額控除は、所得税率に対して中立的な制度といえます。
税額控除は引く税金がないケースでは使いきれない
注意点として挙げられるのは、税額控除はあくまでも支払うべき税金が存在するときに初めて満額使える制度だということです。たとえば、そもそも収入が少なく納める税金がゼロの方などは、引く対象がないため控除を活用できません。
差し引くことができないからといって、その分が手元に現金として振り込まれるわけではありませんのでご注意ください。
代表的な例が住宅ローン控除です。現在、新築住宅で13年間、中古住宅で10年間、年末残高の0.7%が控除されます。また、2024年以降は新築住宅において省エネ基準への適合が要件化されるなど、借入限度額の区分が細分化されています。
仮に4000万円の住宅ローン残高がある場合、0.7%の28万円が上限として控除可能ですが、もし納めるべき所得税と対象となる住民税の一部を足しても28万円に満たない場合、引ききれなかった分は消滅してしまいます。
かつては住宅ローン金利が1%を下回る中で控除率が1%であったため、「住宅ローンを借りた方が実質的にお金がプラスになる(逆ざや状態)」という現象が起きていました。しかし、2022年の税制改正によって控除率が0.7%に引き下げられたことで、現在はこの逆ざや状態は基本的に解消されています。
こうした税額控除を限度額いっぱいまで活用するためには、ある程度の税金を納めている所得が必要になります。
ふるさと納税で控除できる上限額は課税所得で変わる
ふるさと納税においても、寄付による自己負担を2,000円に収めるための控除上限額は「住民税所得割額の約20%(0.2095…)」が目安の計算基準となっています。所得割額というのは課税所得の大きさで変わるため、高所得者ほど寄付できる上限額が大きくなります。
さらに、2026年(令和8年)から適用される税制改正により、高所得者層を中心に住民税における寄附金税額控除の限度額が一部見直されることになっています。高所得になるほど恩恵が大きい仕組み自体は変わりませんが、正確な限度額を把握することがより重要になります。
ちなみに「ふるさと納税の限度額の目安。年収や過去の住民税から計算する方法」で寄付可能な目安額を紹介していますが、年間の課税所得が200万円ならおよそ5万円くらい、課税所得が1000万円だと35万円くらい寄付が可能になります。
以上、所得税における所得控除と税額控除の違いについて、最新の税制も交えてまとめてみました。それぞれの仕組みを理解して、ご自身に最適な節税や控除の制度を活用してみてください。
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