福岡には関東におけるSuicaやPASMOのような交通系ICカードとしてnimoca(ニモカ・西日本鉄道)、SUGOCA(JR九州)、はやかけん(福岡市営地下鉄)の3社がそれぞれで交通系ICカードを発行しており、同じ地域に3つも交通系の電子マネーが存在することになっています。
今回はそんな福岡の交通系電子マネーについてどれを選ぶのがお得なのかを比較していきたいと思います。
福岡の交通系のIC乗車券3つのサービスの違い
福岡の交通IC乗車券はnimoca、SUGOCA、はやかけんという3種類があり、シェア的には書いている順番どおりです。福岡は「西鉄大牟田線」という私鉄と、日本でも最大級の台数を誇る西鉄バスという路線バスの利用者が多いことから、これを運営している西日本鉄道のnimocaが最も発行枚数が多くなっています。
次いで、JR九州のSUGOCA、最後の市営地下鉄のはやかけんという順になっています。
いずれのICカードも交通系ICカードの相互利用サービスに対応しているので、どれか一枚を持っていれば乗車券として利用できます。
SuicaやPASMOなどももちろん利用できます。
それぞれの乗車ポイントサービス等を比較
まずは、それぞれのICカード別の特典を見ていきましょう。それぞれのIC乗車券では、対応する交通機関の利用でポイントがたまるようになっています。
交通ICカード | ポイント対象 | 備考・特徴 |
---|---|---|
nimoca | 西鉄バス、熊本市電、筑豊電鉄 | 2021年4月1日より付与廃止 |
西鉄電車の利用 | 2021年4月1日より付与廃止 | |
お買い物ポイント | スターニモカ(記名式nimoca)またはクレジットnimocaの場合、お買い物に応じて加盟店でポイントがたまります。 付与率は店舗により異なるが0.5%程度が多い。 |
|
クレジットチャージ | クレジットnimocaの場合、オートチャージでポイントがたまります。 | |
SUGOCA | JR九州在来線 | 1回の乗車あたり運賃の1%分 |
自由特急券の購入 | 特急料金×5% | |
お買い物ポイント | SUGOCAポイント加盟店での利用でポイントがたまります。 | |
クレジットチャージ | JQカードでオートチャージが可能です。チャージ分はJQポイントがたまります。 | |
はやかけん | 福岡市営地下鉄 | 利用金額の2%の固定ポイントに加え、1か月間の地下鉄乗車料金に応じてボーナスポイントがもらえます。 |
福岡市営地下鉄(1駅区間) | はやかけんを使って一駅区間を利用すると100ポイントが付与されます。これは大きい。 | |
お買い物ポイント | なし | |
クレジットチャージ | なし(現金のみ) |
見ていただくとわかりますが、それぞれが独自の経済圏を作って運用されています。
どれか一枚に絞るというのであれば、もっとも利用頻度が高いものを使うのがベストですが、西鉄もJR九州もどちらも使うという人は2枚持ち、あるいは3枚持ちも選択肢になりそうなほど、それぞれのカードで独自の割引が大きいです。
nimocaのメリット、デメリット、活用法
nimocaは福岡を地盤として鉄道、バスを経営する大手の私鉄の西日本鉄道がサービス展開している交通ICカード。冒頭にも書きましたが、福岡の交通ICカードではシェア1位です。
福岡は地下鉄よりもバス路線が発展しているため、バス利用者が多く、バスの利用でポイントがたまるnimocaは使用率が高いため、シェアも高いのであろうと考えられます。
バスなら2~5%+α、電車なら1~3%がポイント還元(nimocaポイント)がされていましたが、2021年4月1日より乗車ポイントサービスを終了しました。新型コロナウイルスによる持続可能なサービス提供のためとしています。残念です。
お買い物でポイントを貯めやすい
福岡の商業の中心である天神地区は西鉄のお膝元でもあるため、ソラリアプラザ、ソラリアステージなどの西鉄グループの商業施設だけでなく、近隣施設もnimocaでのお支払いでポイントがたまるようになっています。
ただ、ポイント付与率は0.5%程度としている店舗が多いため、それならあえてnimoca(電子マネー)で払うのではなく、還元率の高いクレジットカードを使ったほうがお得になります。
nimocaポイントの使い道、交換
ポイント有効期限は暦年(1月~12月)に獲得したものが翌年末の最長2年(最短1年)となります。ためたポイントはnimocaへの再チャージに利用可能です。
nimocaへのクレジットチャージ
電子マネーのポイント活用術としては電子マネー(交通系ICカード)にクレジットカードでチャージをしてクレジットカードのポイントと電子マネーのポイントの二重取りをするという方法があります。
nimocaへのクレジットカードでのチャージができるのはnimoca一体型のクレジットカードのみとなっています。
おすすめはANAカード一体型のANA nimocaですね。
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SUGOCAのメリット、デメリット、活用法
JR九州の電子マネー(交通系ICカード)です。JR九州の在来線でポイントがたまるようになっています。利用可能なエリアは下記のとおりです。
また、一部エリアをまたいでの利用ができない仕様になっています。新幹線(九州新幹線)にはSUGOCAで乗車できません。
- 鹿児島本線
- 香椎線
- 福北ゆたか線
- 日豊本線
- 若松線
- 長崎本線
- 筑肥線
- 長崎本線
- 指宿枕崎線
基本のポイントは運賃の1%になりますが、特急券をSUGOCAで購入すると5%のポイントが付与されます。
ただし、長距離の列車利用の場合はSUGOCA(電子マネー)の利用よりも同じJR九州のクレジットカードであるJQカードを使ってネット予約をするほうが割引が大きいですね。後述する一体型クレジットカードがお得です。
博多駅がお得だけど、それならJQカードがお得
SUGOCAはJR九州の電子マネーということもあって、博多駅周辺の商業施設はSUGOCA払いでポイントがたまるお店が多いです。
ただ、博多駅でのお買い物であれば、JR九州のJQカードがお得です。JQカードでのお支払いならアミュプラザ博多、アミュエスト、博多デイトスでのお買い物がいつでも5%オフになります。
さらに博多駅に隣接しているJR博多シティ・博多阪急でのお買い物でも2%のポイントが付与されます。このほかアミュプラザ小倉・アミュプラザ長崎・アミュプラザ鹿児島でも期間限定の5%オフセールが開催されます。
そう考えるとあえて、SUGOCAではなくJQカードのほうがお買い物的にもお得になりそうです。
JRキューポの使い道、交換
SUGOCAの利用でJRキューポというポイントがたまります。もともとは“SUGOCAポイント”というものでしたが、JR九州のポイントは複数あり、煩雑だったものが、2017年7月にJRキューポとして一つになりました。
貯めたJRキューポは1ポイント1円として利用できるだけでなく、ANAマイルやJALマイルに交換も可能になりました。
SUGOCAへのクレジットチャージ
SUGOCAに関してはJQカードでクレジットチャージ(オートチャージ)が可能になっており、チャージでJQポイントがたまるようになっています。
何度も書いていますが、SUGOCAについてはあくまでも近隣の乗車ポイントが特典の中心であって、お買い物などの利用であればJQカードのほうがスペック的に高いです。
JQカードは年1度でも利用すれば年会費無料になるのでJQカード(SUGOCA一体型)を作っておいて、近隣でのJR乗車はSUGOCA、遠距離のJR利用やアミュプラザ(博多駅)でのお買い物はJQカードで5%オフという賢い使い方がおすすめです。
はやかけんのメリット、デメリット、活用法
はやかけんは福岡市営地下鉄の交通IC乗車券です。
福岡市営地下鉄は空港線と七隈線の2つの路線で構成されている地下鉄です。余談ですが、先日落盤事故が大きく報道されたのはこの七隈線の延伸工事に伴うものとなっています。
はやかけんは市営地下鉄という限られた路線での特典しかありませんが、地下鉄をよく利用する人にとってはメリットの大きなIC乗車券となっています。
地下鉄の1駅区間がお得。ためたポイントは再チャージ
基本ポイントは乗車の2%ですが、1駅区間の移動が大変お得です。福岡市営地下鉄は1駅区間の料金は大人200円なのですが、はやかけん利用者はその半分の100円分のポイントがバックされる仕組みになっています。50%割引ですね。
仕事などで1駅区間を移動することが多いという人にとってはかなり魅力的な割引サービスといえます。
なお、ためたはやかけんのポイントは同IC乗車券に再チャージすることになります。
クレジットカードでのチャージは不可
対応していません。
まとめ。よく利用する場所を考えて
長くなりましたが福岡の交通ICカードについてまとめました。
最後にまとめると、やっぱりよく利用する交通機関をベースに考えるとよいかと思います。
福岡はやはりバス王国ということを考えると、多くの人にとってはnimocaが最もスタンダードなIC乗車券といえます。ただし、乗車ポイントが廃止されたこともあり、交通系ICとしての利用だけなら利用価値は大幅に下がりました。
一方でSUGOCAについては博多駅でお買い物をする人であればJQカード(クレジットカード)の特典が大きいので、JQカード(SUGOCA一体型)を作っておいて、買い物メインで活用してSUGOCAはオマケて気に考えて使ってもよいかと思います。
はやかけんに関しては地下鉄1駅区間の利用が大変お得なので、その路線をよく利用するのであれば保有を検討してもよいかと思います。
以上、nimocaとSUGOCAとはやかけんの違いを比較してみました。
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