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額面収入(年収・給与)と手取り、所得の違いを理解しよう

2017/07/13最終更新   マネー教育 ライフプラン

incomeよく寄せられる質問で混同されることが多いものに「収入(年収)」と「手取り」と「所得」の違いがあります。これら3つについてごっちゃになっているという方も少なくはないと思います。

社会人1年生の方も多い時期ですし、色々な申告・申請などで所得や収入を書いたりするようなケースも多いかと思いますので、一旦ここで整理しておきましょう。収入(年収・給与)と手取り、所得の違いはなんでしょうか?

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収入・年収とは?

収入というのは「入ってくるお金」のことです。年収というのは収入一年分ということになりますね。月収なら1か月分ということになります。

サラリーマンの場合、会社から支給されるお給料の額面が収入となり、年間のお給料+賞与(ボーナス)の合計が年収となります。

ちなみに、単純に年収という場合、所得税や社会保険料などが引かれる前の年収なので「税込年収(ぜいこみねんしゅう)」とも呼ばれます。

たとえば、給与明細の総支給のところに40万円と記載されている場合は年間ではその12倍+ボーナスが3か月分だとするとそれを合計した600万円が年収となります。

 

サラリーマンにおける手取りとは?手取りは収入比較には使えない

続いて紹介するのは「手取り」です。手取りというのは勤務先から支給される額面給与から勤務先が源泉徴収をする税金(所得税+住民税)や社会保険料(厚生年金保険料+健康保険料)や雇用保険料、その他会社で控除される項目を差し引いた金額です。

銀行に振込される、あるいは給料袋で手渡しされる金額が手取り金額(手取り収入)となります。手取りの金額が私たちが自由に使えるお金ということになりますので、より実感地に近いという収入を示す金額になるかと思います。

 

稼ぎの大きさを比較するなら年収?それとも手取り?

手取りが実際に使えるお金ということで、銀行に記帳されるのもこの金額なので実感されやすい金額です。でも、たとえば彼氏や彼女がどれだけ稼いでいるのか?という稼ぎの大きさを比較したいのであれば、手取りではなく年収で比較するようにします。

なぜなら、手取りは勤めている会社の給与システムで差が出ることも多いからです。

同じ手取り24万円でも以下のようにAさんとBさんとでは稼ぎは全然違います。

Aさん Bさん
月収 60万円 30万円
源泉所得税+住民税 △6万円 △2万円
社会保険料+雇用保険料 △8万円 △4万円
社宅家賃 △5万円 0円
個人型確定拠出年金 △2万円 0円
従業員持ち株会 △7万円 0円
財形貯蓄社内預金 △8万円 0円
手取り金額 24万円 24万円

手取りは同じでも稼ぎは倍違う。ちょっと極端な例ですがAさんは勤務先で目いっぱいの貯蓄や将来のための資産作りもできています。社宅も借りているので、手取りの24万円はほぼじゆうにできます。

一方のBさんはこの手取りで残った金額から家賃も払わないといけませんし、将来のための貯金だってしなければなりません。

なので、この人はどれだけ稼いでいるのか?ということを知りたいときは手取りではなく、年収のほうを聞いた方がいいですね。

 

自営業・フリーランスの年収(売上)は規模を示すけど儲かっている指標じゃない

今度は逆に、年収を信じてはいけない(?)場合についてです。

サラリーマンの稼ぐ力については手取りではなく年収を採用するべきですが、自営業やフリーランスとして働いている人(個人事業主)の場合は逆に手取り(利益)を重要視する必要があります。

自営業者にとって、年収は基本的に売上です。サラリーマンの場合は年収からおおよその所得を計算することができますが、自営業者の方は無理です。

今度は自営業者でCさんとDさんがいあるとして、Cさんは年収1000万円のフリーランスのデザイナー、Dさんは年収3000万円の小売店経営者としてましょう。

Cさん Dさん
年収 1000万円 3000万円
仕入れ 0円 900万円
家賃 120万円 700万円
人件費 0円 1000万円
光熱水費 10万円 40万円
利益 870万円 360万円

このように年収ではDさんのほうが大きいのですが、お店の経営に様々な諸経費が必要に案るため最終的な利益という面では逆に大きな差がつくということもあります。

 

自営業やフリーランスの年収は儲かっているかどうかとは関係が無いケースがあるのでご注意ください。

 

所得とは?

「利益」の話が出ているので、続いてはこの利益(儲け)を示す収入に関する指標となるのが「所得(しょとく)」です。

サラリーマンの場合は年収だけでも稼ぐ力の大きさはわかりますが、個人事業主や経営者の場合は年収だけではどれだけ儲かっているかはわかりません。そのわかりやすい指標となるのが「所得」です。

ただ、一般的に所得というのは「所得税」「住民税」といった税金を決めるために使われる言葉となっています。

 

所得は所得税や住民税を決めるうえで計算される

日本の税制に稼いだ金額に対して払う税金として「所得税」「住民税」という税金があります。その税金の税額を決めるためにも、所得は一定の基準をもって計算されるようになっています。

所得とは収入(売上)からそれを得るために払って必要経費を差し引いた金額です。

必要経費というのは商売にたとえると、八百屋さんが売り上げを上げるために仕入れた「リンゴ」や「大根」などの原材料がこれにあたります。前述の3000万円の小売店を経営してい自営業のケースでは400万円が所得ということになります。

 

サラリーマンの必要経費は給与所得控除

サラリーマンの場合は必要経費として「給与所得控除」というものが認められています。これは簡易的にサラリーマンの必要経費を算出するものです。

サラリーマンやアルバイト・パートなどの給与所得者は目に見える必要経費というものはありません。ただし、仕事をするための諸経費相当として税務上「給与所得控除」という概算の経費が認められています。

たとえば、年収が600万円であれば「収入金額×20%+540,000円」となります。このケースだと174万円が給与所得控除となります。

なお給与収入(支払金額)ごとに適用される給与所得控除は下記のようになっています。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

※平成29年1月1日以降

ちなみに、一定額以上の経費を使った場合には上記の給与所得控除以外にも「特定支出控除」というものを利用でき、経費とできます。

サラリーマンも経費が使える「特定支出控除」のしくみ
2013-12-19 17:57
2012年の税制改正で、サラリーマン(会社員)の必要経費として認められている枠(給与所得控除)に対しての拡大措置が取られています。職務に関連する資格取得費用、新聞購読料等が「特定支
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仮に特定支出控除がゼロの場合は600万円(年収)から174万円(給与所得控除)を差し引いた426万円が「所得」となります

様々な申請などで「所得基準」がある場合はこの426万円がそれに該当することになります。

なお、家族がいる方で配偶者や子供における税法上の扶養(養っている)というのはこの所得が38万円以下の場合とされています。

ちなみにアルバイトやパートなどの給与所得の場合、年間で103万円以下であれば38万円以下になります。

これがいわゆる103万円の壁というわけです。詳しくは「子供や配偶者のアルバイト。103万円以上なら扶養控除(配偶者控除)、扶養手当が利用できない」をご覧ください。

 

所得控除によって所得から差し引いた所得が「課税所得」

所得控除の426万円が所得ですが、実際に税金を計算するときはこの所得から様々なお金を差し引くことができます。これらを「所得控除」と言います。
代表的なものとしては下記の所得控除があります。

・基礎控除(だれでも適用される控除)
・社会保険料控除(年金や健康保険料として支払った金額の全額)
・配偶者控除(無所得の配偶者がいる場合)
・配偶者特別控除(一定額以下の所得しかない配偶者がいる場合)
・扶養控除(扶養する者がいる場合)
・特定扶養控除(大学生など一定の条件を満たす子などがいる場合)
・生命保険料控除(生命保険料として支払った一定金額)
・小規模企業共済等控除(個人型確定拠出年金の掛け金など)
医療費控除(一定以上の医療費を支払った場合の金額。要確定申告)

こうした所得控除はサラリーマンの場合はたいていが勤務先が年末調整において代行してくれるようになっているのであまり気にする必要はありません。

年末調整の控除の種類と必要書類、申告書の書き方
2012-11-16 15:07
11月から12月にかけて年末調整の時期となります。サラリーマンの方やアルバイト・パートなどをされている方も、会社で年末調整をするから資料や書類を出して!といわれている方も多いのでは
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一方で「医療費控除」や「住宅ローン控除(減税)の初年度」のように確定申告が必要となるケースもあります。

勤務先で行っている「年末調整」によって必要書類等を提出することで適用を受けることができます。詳しくは「年末調整の控除の種類と必要書類のまとめ」をご覧ください。

 

収入と各種所得控除の計算例

所得から各種所得控除を差し引いた金額のことを「課税所得」と呼びます。

(例)所得(426万円)-{基礎控除(36万円)+社会保険料控除(84万円)+配偶者控除(36万円)+生命保険料控除(5万円)}=265万円

上記例だと265万円が課税所得です。
なお、各種所得控除の控除額はややこしいことに所得税と住民税で異なります。上記は所得税のケースですが、一般に住民税の控除額のほうが小さいので住民税のほうが課税所得は高くなります。

 

課税所得×税率=支払い税額

この課税所得に税率をかけたものが「所得税」や「住民税(所得割)」となります。なお、住民税については所得によって計算された所得割のほか、均等割と呼ばれる所得にかかわらずに課税される部分があります。

 

所得税は累進課税で税率が高くなる

所得税については課税所得の大きさに応じて税率が高くなるという累進税率が採用されています。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

たとえば、課税所得が前述の265万円という場合、195万円超330万円以下に区分されます。

265万円×10%‐9.75万円=167,500円(所得税額)

 

住民税の所得割は課税所得の一律10%

住民税については住民税の課税所得に対して10%分が所得割として課税されます。
また、これに加えて均等割りという所得に関わらず一人あたりにかかる税金も少ないですがかかってきます。

なお、市区町村が実施する補助金や助成金などの所得制限の算出には住民税の所得割額(や、その計算元となる課税所得)が利用されることも多いです。

住民税の計算については「住民税の所得割額とは?所得割額の仕組みと計算方法」や「住民税非課税世帯とは何か?非課税となる年収や収入の基準と100万円の壁」もご参照ください。

 

納税額からさらに差し引ける税額控除

最後に、ここで計算された税額(所得税額や住民税額(所得割額))から、税金が一部免除されることがあります。それが「税額控除」と呼ばれるものです。

代表的なものとして「住宅ローン控除(減税)」や「寄付金控除」などがあります。

住宅ローン控除は「住宅ローン減税(住宅ローン控除)の仕組みや申告の方法、活用方法のまとめ」でも説明している通り、住宅ローンの残高があるなど一定の条件を満たした人がローン残高の1%を限度に所得税や住民税から税金を差し引くことができます。

また、寄付金控除は話題の「ふるさと納税」が挙げられます。こちらも寄付した金額から自己負担(最低2000円)を差し引いた金額を所得税や住民税の金額から差し引けるようになっています。ふるさと納税の最低自己負担で寄付できる上限額は、住民税所得割の2割が目安です。詳しくは「ふるさと納税の基本。特産品・特典をもらって得をする仕組み、計算方法」もご覧ください。

 

以上の計算を持って、税金の計算は終わりです。収入から納税(税金)の計算をまとめると下記のようになります。

1)収入-必要経費=所得
2)所得-所得控除=課税所得
3)課税所得×税率=所得税額(住民税所得割額)
4)所得税額(住民税所得割額)-税額控除額=納税額

 

まとめ。収入と年収、手取り、所得の違い

上記はあくまでもサラリーマンやアルバイトなどの「給与」をベースに考えましたが、そのほかの所得の種類でもほぼ同様の考え方です。言い方が「売上」だったり「利益」だったりするだけです。

収入や年収、手取り、所得というように、お金を稼いだ時に使われる言葉は様々ですが、なんとなく違いをご理解いただけましたでしょうか?

 

以上、収入(年収・給与)と手取り、所得の違いを理解しようというお話でした。

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