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生命保険・医療保険は損をする金融商品。保険は本当に必要なのか?

生命保険や医療保険、万が一のために、家族のために加入されている方も多いかもしれません。また、貯蓄・投資と考えて保険に入っている方もいるかもしれません。しかし、保険という商品はその性質上、確率的には必ず「損」をする仕組みなっている商品です。

もちろん、損をするからといって価値がないというわけではないのですが、ベースとしては損をする金融商品だと踏まえた上で、私たちの人生に組み込んでいく必要があります。

今回は生命保険や医療保険が損をするというしくみと、どのように加入するべきなのかを考えていきたいと思います。

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生命保険や医療保険の保険料のしくみ

生命保険や医療保険の保険料がどのように使われるのか、その内訳を見ていきます。契約者から集めた保険料は下記のように使われます。

  1. 保険金を支払うための源泉
  2. 従業員のお給料や会社維持のためにかかる費用(事業費)
  3. 会社の儲け・利益

正確には「1」を純保険料、「2」と「3」を合計して付加保険料と呼びます。

 

保険会社の保険の経費率・原価率はどのくらい?

少し古いデータなのですが、2008年ごろに「ライフネット生命」という生命保険会社が上記の保険の原価について公開しています。

たとえば、死亡保険(定期保険)、30歳男性3000万円の生命保険保険料は月々3,484円となっており、内付加保険料は815円。ということは、この生命保険の原価は77%ということになるわけです。

加入者全体でみた場合、集めた保険料は上記のように使われることになるため、当然ですが、加入者が受け取ることができる「保険金の総額」は「支払った保険料の総額」よりも当然小さくなるわけです。

ライフネット生命の例でいえば、加入者が3484円の保険料を払った場合、加入者が受け取ることができる保険金は2669円にしかならず、815円は損をするという計算になります。

ちなみに、これを見ると「保険会社ってそんなに取るの!」と思われるかもしれませんが、ライフネット生命がこれを公開した時、「他社と比較してうちの付加保険料(運営費)は安いよー」という意味で公開したわけです。

こうした運営経費がどのくらいかを大手生命保険会社は公開しないわけです。憶測も含まれますし保険によって差異はあるでしょうが、保険料の7割くらいは保険会社の運営経費に充てられていると言われています

 

つまり、実際の生命保険や医療保険の加入者が払った保険料の内、保険金に充てられているのはたったの3割くらいで、残りの7割は保険会社の豪華な自社ビルの維持費や保険会社の社員の報酬(給料)へと消えているわけです。

 

生命保険・医療保険は不要なのか?

「損をする」というのはあくまで契約者全体を見た場合です。

損をするから生命保険や医療保険は不要なものである。なんて、乱暴なことを言うつもりはありません。保険というシステムは大変優れたものです。

保険はそもそも「確率」という不確実なものに対する備えをするためのシステムです。(参考:生命保険のしくみ・目的

自分では対応できない何かとんでもないリスクが自分の身に降りかかってきたとき、保険金という形でリスクをヘッジ(回避)しようという性質のものなのです。

  • 世帯主が死亡することで、子どもなどが困窮するリスク
  • 重病を患ってしまって、働けず生活に困窮するリスク、仕事を失うリスク
  • 交通事故などを起こして他人を死亡させてしまうリスク(賠償金)

最も代表的なものとしては、世帯主が加入する生命保険(死亡保険)が挙げられます。

世帯主に万が一のことがあれば残された家族は当然生活が破綻してしまいます。こうした万が一のために「保険」によって数千万円の財産を遺族に残せるのは保険という仕組みが役立ちます。

また、医療保険でいえば、重病や重傷を負うことで働けなくなり、収入が途絶えてしまう、あるいは医療費の支払いに困ってしまうというリスクに対応できます。

この他にも生保ではなく損保になりますが自動車保険も同様ですね。
自動車事故では状況によっては億単位の損害賠償責任が生じることもあります。そうしたリスクは個人では負えないので「保険」という仕組みよってそれを社会全体でカバーするわけです。

こうした意味で保険というのは社会的に必要なものです。

 

自分でカバーできるリスクなら保険はいらない

保険は、個人では負うことができないリスクを広くカバーするための仕組みです。

言い換えれば、自分でカバーできるレベルのリスクであれば、保険という仕組みに頼る必要はありません。それなら、期待値がマイナスとなる保険を使うのではなく、事故が起こった時に自分の貯金からお金を出す方が損をしません。

 

たとえば、医療保険を考えてみましょう。たとえば90日の入院まで日額一万円を保障してくれる医療保険があるとします。

しかし、もしあなたが自由になるお金として500万円の預金をもっているというような場合、こうした保険に加入する意味はありません。なぜなら、その程度の費用なら「自分でリスクをカバーできる」からです。

日本人はとても多くの保険の加入しています。しかしながら、「本来ならば自分で対応できるリスク」まで保険でカバーするのは単に保険会社を喜ばせるだけです。無駄な保険には入らないというのは極めて大切な考えです。

以下は生命保険、医療保険等で加入するかどうか考えた時の、必要最小限の考え方をまとめたものです。

 

普通の人にとって必要な生命保険

子供が小さいうちはある程度大きめの保障を。子供が独立したら最小限でOK。利回りの低い今は定期保険(掛け捨て)で十分でしょう。

保険会社は遺族にとって必要な生活費から保険金を計算するかもしれませんが、公的な補償を除外しているケースもあります。

代表的なものが「遺族年金・遺族厚生年金」です。サラリーマンの妻であれば、それなりの遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。それを考えると、民間の生命保険で必要な保険金額はそう大きくないかもしれません。

貯蓄目的で終身保険や養老保険などに加入している人も多いかもしれませんが、この場合は投資信託などの他の投資商品との収益性とを比較する必要があります。保険による運用はかならずしもお得な運用方法ではありません。

 

普通の人にとって必要な医療保険

医療にかかる費用などがクローズアップされていますが、日本では公的な医療保険(国民健康保険や勤務先等の健康保険)によってかなりカバーされています。

高額な医療費に関しても「高額療養費制度」などでサポートされています。全額を自己負担するわけではありません。

また、働けなくなるリスクについてもサラリーマンであれば加入している健康保険の「傷病手当金」などの制度もあります。正直言って“短期間の入院を補償する”といったよくある医療保険は無駄です。

加入するのであれば、短期の保険よりも長期の保険です。

 

がん保険の必要性

医療保険と同様です。預金があるい程度あれば必要度は低いです。先進医療特約のように健康保険の対象ではない治療を受けたいという方やがん家系で加入したいという方は、入院日額などの保障を外せば割安に加入できます。

癌の治療で長期の入院等になる場合は大抵の場合で高額療養費制度によって1ヶ月あたりの治療費はかなり抑えられるはずです。

 

介護保険の必要性

公的な介護保険もあるので、私的な保険にどれだけ価値があるかは微妙なところです。若い時から入るなら預貯金などを貯めておく方がマシかもしれません。

詳しくは「介護保険とは何か?公的保険と民間保険の違い、民間介護保険の必要性とメリット、デメリット」で記事にしましたのでこちらも御覧ください。

 

個人年金保険の必要性

こちらもわざわざ保険で対応しなくても、個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAのようなより税制面で優遇を受けられる制度がたくさんあります。むしろ節税効果を考えれば確定拠出年金やNISA等を使って運用する方がお得だと考えます。

特に個人年金と個人型確定拠出年金(iDeCo)については以下の記事で違いを詳しくまとめています。

個人型確定拠出年金(iDeCo)と個人年金保険の違いを比較
2017-06-26 17:44
老後の年金を自ら備える方法としては、2017年より利用可能な人が大幅に広がった「個人型確定拠出年金(iDeCo)」と保険会社が販売する「個人年金保険」の二つが代表的です。どちらも同
リンク

 

学資保険の必要性

こちらも年金と同様です。積立預金(貯金)や投資信託などで自分で用意する方が効率的です。途中解約のリスクなどを考えるともったいない保険です。

子供の教育費を貯める上で人気の学資保険ですが「子供のための学資保険の選び方のポイント」や「学資保険の脅威はインフレリスクと途中解約リスク」でも記事にしています。

全くダメとはいいませんが、自分で管理できる人はわざわざ学資保険を利用するメリットはそこまで大きくありません。

特に、近年はマイナス金利政策によって金利水準が低下し保険による運用性は下落しているのでメリットはさらに薄くなっています。運用面はほぼ期待できなくなっています。

マイナス金利が学資保険などの貯蓄性保険に与える影響
2016-08-04 10:29
2016年1月の日銀によるマイナス金利政策は、長期金利などの下落を呼び、長期国債の利回りもマイナス金利に沈んでいます。こうしたマイナス金利政策によって普通預金や定期預金などの金利も
リンク

 

まとめ。保険は損せず賢く加入しよう

基本的に、保険は必要最小限の加入というのが原則だということを説明してきました。

ちなみに、ネット等でFPに生命保険等を無料相談できるサービスや店舗で様々な保険を比較できるサービスなども存在します。ただし、いずれの場合も「来店者(利用者)が保険に加入することによって得られる保険会社からの手数料」によって運営されているビジネスです。

このあたりについては「FPへの保険無料相談利用の注意点」や「来店型保険ショップの問題点と利用者が知っておくべき事実と活用方法」の記事でもまとめていますが、本当に中立なのか?といわれると微妙と言わざるをえない構造になっています(もちろん、彼らは中立だというでしょうが…)

じゃあ、どうやって自分にぴったりの保険や保障内容考えるべきなのか?
といわれると難しいですが、答えは自分自身で考える力を身につけることだと私は思っています。

当ブログでも自分の頭で自分のお金について考えることができるように役立つ情報を今後とも発信していきたいと思います。
頑張って勉強しましょう。

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