社会保険とは何か?会社員が加入する健康保険と年金制度をわかりやすく解説
新社会人の方も初給料をもらったことかと思います。その給料の控除項目の中に「社会保険料」という項目があって、何万円もの大きなお金が差し引かれていることに気付いた方も多いでしょう。
今回はこの社会保険とは一体どんなもので、なぜ給料から差し引かれるのか?そもそも、保険料となっているけど、どんな保険なのか?さらに2026年から新設された「子ども・子育て支援金」などの最新事情も含め、こうした謎を分かりやすく解説していきます。
社会保険とは何か?
社会保険とは、会社員として働く人が加入する年金と健康保険を中心とした公的な制度です。
正確には、一定以上の勤務要件を満たす人が加入を義務付けられている保険となっています。正社員(フルタイム勤務)はもちろん、アルバイトやパートも条件を満たせば加入することになります。
狭義の社会保険というのは「厚生年金保険」と「健康保険」の二つを合わせたものです。なお、40歳以上の方は健康保険の中で「介護保険」にも加入することになります。
ちなみに日本は「国民皆保険制度」といって、年金も健康保険も原則として強制加入となっています。会社員として社会保険に加入しない人は「国民年金」と「国民健康保険」に加入することになっています。
厚生年金とは?
高齢になって引退した後の生活や、障害を負った時、家族を残して死亡した場合などの保障を担っています。サラリーマン(社会保険の加入条件を満たした人)は「第2号被保険者」という扱いになります。
大学生でも20歳以上なら「第1号被保険者」として国民年金へ加入していたはずです(大学生なら学生納付特例制度も利用できます)。
第2号被保険者になると、基礎部分である国民年金が含まれた「厚生年金」に加入することになります。給与明細に記載されている厚生年金保険料には、実質的に国民年金の保険料も含まれている形となっています。
保険料を払うことで「老後の年金の受取」の他、「病気やケガなどで障害を負った時の年金(障害年金)」や「家族を残して死亡した時の保障(遺族年金)」といった手厚い保障をうけることができます。
国民年金と厚生年金の違いについては「意外と知らない国民年金と厚生年金の違い」でもまとめ記事を作成しておりますのでこちらも御覧ください。
健康保険とは?
健康保険は、病気やケガで病院にかかった時の治療費(医療費)の大部分を保険が負担してくれる制度です。
健康保険は社会人だけでなくすべての国民が加入しています。社会人になるまでは「親の扶養として社会保険へ加入」していたり、「世帯単位での国民健康保険に加入」していたはずです。
- 国民健康保険(市区町村が運営)
- 健康保険(協会けんぽ、各種健康保険組合が運営)
健康保険制度は大きく上記の二つに分かれます。制度の基本は似ていますが、保険料の決め方や一部の保障内容などに違いがあります。
会社員として社会保険へ加入する義務を負うと、両親の扶養等からは外れて、自分自身で健康保険に加入する形となります。
国民健康保険よりも保障面が充実していて、病気やケガで長期間働けないときに支給される「傷病手当金」のほか、産休中の「出産手当金」などは会社員の健康保険ならではの制度です。
協会けんぽと健康保険組合の違い
健康保険のうち「協会けんぽ」は、主に全国の中小企業向けに提供されている健康保険です。一方の「健康保険組合」というのは、大企業や特定の業界などが単独または共同で作った自前の健康保険となります。
一般的には健康保険組合の方が福利厚生面や保険料率で有利なことが多いのですが、近年は高齢者医療への拠出金負担などの財政難を理由に、2024年から2025年にかけて組合を解散し協会けんぽへ移行する大企業も増加しています。
40歳以上は介護保険にも加入することになる
介護保険制度は、要介護認定を受けた高齢者や、特定疾病による要介護認定を受けた40歳以上の人が、保健医療サービスや福祉サービスを受けるための公的な制度です。
40歳に達すると自動的に加入することになり、毎月の健康保険料に上乗せされる形で「介護保険料」を支払うことになります。
【2026年4月新設】子ども・子育て支援金とは?
2026年(令和8年)4月より、少子化対策や育児支援施策(育児休業給付の拡充など)の財源として、新たに「子ども・子育て支援金」の徴収が開始されました。
この支援金は健康保険料と合わせて給与から天引きされます。2026年度の支援金率は個人負担分で「0.23%」となっており、事業主も同率を負担します。給与明細上は少額に見えても、手取り額に直結する新しい公的負担として理解しておく必要があります。
2026年10月よりパート・アルバイトの社会保険適用が大幅拡大
社会保険は正社員だけでなく、パートタイム労働者にも適用されますが、2026年10月にその加入条件が大きく変わります。
「106万円の壁」の賃金要件が撤廃へ
これまで、短時間労働者が社会保険に加入する目安として「月収88,000円以上(年収約106万円以上)」という賃金要件がありましたが、2026年10月よりこの要件が撤廃されます。これにより、週20時間以上働くパート・アルバイトは、月収額に関わらず社会保険の加入対象となります。
厚生労働省の試算では新たに約200万人が加入対象になるとされており、将来の年金が増えるメリットがある一方で、目先の手取りが減ってしまう点には注意が必要です。なお、2027年10月以降は企業規模要件(現在は従業員51人以上)も段階的に撤廃される予定です。
広義の社会保険には雇用保険、労災保険も含まれる
なお、厚生年金と健康保険(+介護保険)は「狭義の社会保険」と言われます。これに加えて、労働者を守るための「雇用保険」や「労災保険」を含めて「広義の社会保険(労働社会保険)」と呼ぶこともあります。
雇用保険は失業に備える保険
労働者が会社を退職して失業した際の生活を保障するための公的な保険制度となっています。いわゆる「失業手当(基本手当)」などの給付が主だったものですね。
この他、職業能力開発のための教育訓練給付金や、育児休業給付金なども、この雇用保険の仕組みから賄われています。
労災保険は労働災害に備える保険で全額事業主負担
労災保険は、労働者が勤務中(仕事中や通勤中)に事故や災害にあうなどしてケガや病気、死亡した場合などに、本人や遺族に対して保険給付をする公的な制度です。
労災保険の保険料は全額を事業主(会社)が負担しているため、私たちの給与明細から天引きされることはありません。
社会保険料の決まり方
社会保険に加入すると毎月の給料から保険料が差し引かれます。「社会保険料」と一口に言っていますが、実際には「厚生年金保険料」と「健康保険料(+介護保険・子育て支援金)」の合計額となっています。
税金とは異なり、社会保険料は「標準報酬月額」という区分(等級)によって金額が決定されます。基本給だけでなく、通勤手当や各種手当を含めた総支給額がベースとなります。
- 健康保険料率: 9.63%(労使折半で個人負担 4.815%)
- 厚生年金保険料率: 18.3%(労使折半で個人負担 9.15%)※2017年以降固定
- 子ども・子育て支援金: 0.46%(労使折半で個人負担 0.23%)
【例:月給(標準報酬月額)が20万円の新社会人の場合】
・健康保険料(個人負担):200,000円 × 4.815% = 9,630円
・厚生年金保険料(個人負担):200,000円 × 9.15% = 18,300円
・子ども・子育て支援金(個人負担):200,000円 × 0.23% = 460円
給与から引かれる合計額:28,390円
新入社員の場合は、会社が申告する「見込額」をもとに最初の保険料が徴収されます。その後は毎年4月から6月の3カ月間に実際に支払われた給与額の平均をベースに見直しが行われ、その年の10月以降の保険料が決定します(定時決定)。
※上記の理由から、4月~6月に残業をたくさんして給与額が大きくなってしまうと、その年の10月から翌年9月までの社会保険料が高くなってしまうため注意が必要です。
社会保険料は会社が半分負担してくれているからお得?
社会保険料の最大の特徴は「労使折半(ろうしせっぱん)」であることです。給与から約2万8千円が引かれている場合、実は会社も同額の約2万8千円を負担して国に納めてくれています。
企業側にとってはこの社会保険料の負担は経営上の大きなコストとなります。一部の企業がパート従業員の労働時間を制限して社会保険への加入を渋る傾向があったのも、この会社負担分を嫌がっているためです。
逆に労働者側から見れば、社会保険に加入できるということは、それだけ会社側が自分のために手厚くコストを負担してくれており、より有利な条件で年金や健康保険に加入できている証拠でもあります。
将来受け取れる年金額が国民年金だけよりも大幅に増えるほか、万が一の障害を負った時の障害厚生年金や、遺族厚生年金など、非常に手厚い保障が約束されています。
会社員として保険料を払う以上、社会保険の仕組みをちゃんと理解しよう
社会保険料の金額は決して安くはありません。人によっては毎月支払う所得税や住民税よりも、社会保険料の負担額の方がはるかに高いというケースも少なくありません。
収入に対してこれだけ大きな負担をしているわけですから、社会保険(厚生年金、健康保険)の仕組みをきちんと理解して、病気やケガ、出産などのライフイベントの際には「使える制度はしっかり使う」ことが重要です。
シニア世代の働き方にも変化(在職老齢年金の緩和)
ちなみに、2026年4月からは働きながら年金を受け取るシニア世代に向けた制度緩和も行われました。「在職老齢年金」の支給停止基準額が月額51万円から62万円に引き上げられ、高齢になっても給与と年金をしっかり受け取りやすくなっています。長期的な視点で見ても、厚生年金に長く加入し続けることのメリットは高まっています。
新社会人の皆さんも、給与明細を見る際にはただ「引かれている金額」としてため息をつくのではなく、「自分を守るためのどんな保障を買っているのか」という視点を持ってみてくださいね。
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