お金持ちと富裕層の年収、金融資産の基準

お金持ちや富裕層という言葉には、法律で決まった一つの基準があるわけではありません。

ただし、年収、純金融資産、家計の平均値と中央値を分けて見ると、どのくらいから裕福と見られやすいのかはかなり整理できます。

この記事では、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査、NRIの2023年富裕層推計、金融広報中央委員会の家計の金融行動に関する世論調査をもとに、年収と金融資産の目安をまとめます。

この記事の要点

  • 給与所得者で年収1000万円超は、令和6年分の国税庁統計では約6.2%です。
  • 年収2000万円超まで見ると、給与所得者全体の約0.6%に絞られます。
  • NRIの分類では、純金融資産5000万円以上1億円未満が準富裕層、1億円以上5億円未満が富裕層です。
  • 2023年の富裕層と超富裕層は合計165.3万世帯で、純金融資産総額は469兆円と推計されています。
  • 二人以上世帯の金融資産中央値は、金融資産を持たない世帯を含めると330万円、金融資産保有世帯だけでは715万円です。

お金持ちの基準は年収だけでは決めにくい

年収は生活水準を決める大きな要素ですが、年収だけでお金持ちかどうかを決めると判断を誤りやすくなります。

同じ年収1000万円でも、単身か子育て世帯か、住宅ローンがあるか、都市部か地方かで手元に残るお金は変わります。

そのため、裕福さを見るときは、毎年入ってくるお金である年収と、すでに積み上がっている純金融資産を分けて考えます。

収入、所得、手取りの違いを整理したい場合は、次の記事も参考になります。

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年収1000万円超は給与所得者の約6.2%

国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者は5137万人、平均給与は478万円です。

同じ統計の給与階級別データを集計すると、給与が1000万円を超える人は約320.3万人で、全体の約6.2%です。

男性だけでは約9.8%、女性だけでは約1.6%です。

年間給与 人数 全体に占める割合 見方
1000万円超 約320.3万人 約6.2% かなり高収入だが、世帯構成や税負担で余裕は変わる
1500万円超 約89.7万人 約1.7% 給与所得者ではかなり上位の層
2000万円超 約32.1万人 約0.6% 給与だけで見れば明確な高所得層

年収1000万円は平均給与の2倍を超えるため、相対的には高収入です。

一方で、税金や社会保険料、児童手当などの所得制限、住宅費、教育費を考えると、生活実感としては必ずしも富裕層とは限りません。

年収1000万円世帯の手取りや生活感については、次の記事で詳しく整理しています。

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金融資産では5000万円以上が準富裕層、1億円以上が富裕層

富裕層を語るとき、金融機関や調査会社では年収よりも純金融資産を重視することが多くあります。

純金融資産は、預貯金、株式、債券、投資信託、保険などの金融資産から負債を差し引いた金額です。

NRIの2023年推計では、純金融資産保有額によって世帯を次のように分類しています。

階層 純金融資産の目安 読者目線での見方
マス層 3000万円未満 多くの世帯がここに入る
アッパーマス層 3000万円以上5000万円未満 住宅ローンや教育費が重くなければ、かなり安心感が出る
準富裕層 5000万円以上1億円未満 富裕層の一歩手前で、資産運用の成果が生活に影響し始める
富裕層 1億円以上5億円未満 金融資産だけで選択肢が大きく増える
超富裕層 5億円以上 一般的な家計管理とは別次元の資産管理が必要になる

2023年の日本では、富裕層が153.5万世帯、超富裕層が11.8万世帯と推計されています。

両者を合わせた165.3万世帯の純金融資産総額は469兆円で、2021年推計から大きく増えています。

株式や投資信託の値上がりで、会社員でもNISAや確定拠出年金を長く続けた結果、いつの間にか富裕層に近づくケースもあります。

家計の中央値から見ると3000万円でもかなり上位

金融広報中央委員会の家計の金融行動に関する世論調査では、2023年の二人以上世帯について、金融資産を持たない世帯を含めた平均は1307万円、中央値は330万円です。

金融資産保有世帯だけに限ると、平均は1758万円、中央値は715万円です。

平均が中央値より大きくなるのは、資産を多く持つ世帯が平均を押し上げるためです。

対象 平均 中央値 補足
金融資産を持たない世帯を含む二人以上世帯 1307万円 330万円 金融資産非保有世帯は24.7%
金融資産保有世帯のみ 1758万円 715万円 資産を持つ世帯だけで見ても中央値は1000万円未満

この数字と比べると、純金融資産3000万円はNRI分類ではアッパーマス層ですが、一般的な家計の中ではかなり上位です。

平均と中央値の違いは、貯蓄額や年収を読むときに特に大切です。

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不動産は大きな資産でも金融資産とは別に見る

自宅や土地を持っている人は多いですが、富裕層分類で使う純金融資産には、通常、自宅などの不動産は含めません。

不動産は売却までに時間がかかり、住宅ローン、固定資産税、修繕費も関係するため、すぐ使える資産とは見なしにくいからです。

もちろん、賃貸マンションや事業用不動産のように収益を生む資産は、家計の豊かさに大きく影響します。

ただし、金融資産1億円という基準を考えるときは、不動産評価額ではなく、現金化しやすい金融資産から負債を引いた金額で見るのが基本です。

金額別に見るお金持ち度の目安

基準 位置づけ 注意点
年収1000万円 給与所得者では上位約6.2% 税負担と家族構成で生活実感は変わる
年収2000万円 給与所得者では上位約0.6% 高所得層だが、支出が大きいと資産は増えない
純金融資産3000万円 アッパーマス層 一般家計の中央値から見るとかなり上位
純金融資産5000万円 準富裕層 老後資金や運用方針を具体的に考えたい水準
純金融資産1億円 富裕層 資産収入や相続、税務、分散投資の設計が重要になる

外から見た生活の派手さではなく、家計の自由度で考えるなら、年収よりも金融資産のほうが安定した基準になります。

高収入でも支出が大きければ資産は残りません。

反対に、平均的な年収でも、支出を管理して長く投資を続ければ、純金融資産3000万円や5000万円を目指す道はあります。

富裕層に近づくための現実的な順番

普通の家庭が資産を増やすなら、順番を間違えないことが大切です。

  • 生活防衛資金を作り、急な支出で借金しない状態にする。
  • 固定費を下げ、毎月の黒字を安定させる。
  • 新NISAやiDeCoなど、税制面で有利な制度を優先して使う。
  • 手数料の高い金融商品を避け、長期の分散投資を続ける。
  • 収入が増えたときに生活費を同じだけ増やさない。

この順番は地味ですが、年収だけを追うより再現性があります。

資産形成の全体像は、次の記事で整理しています。

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参照した統計と確認日

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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