最近では、主婦をしながら投資もやっているという主婦投資家の方も増えているようです。そのとき知っておきたいのは投資と税金の関係。下手をすると投資で利益が出ても、支払う税金や社会保険料などの増大によって大きなマイナスとなることもあります。

今回は、配偶者の扶養に入っている主婦(主夫)が気を付けておくべき株式投資の税金と扶養の関係性についてまとめていきます。2025年の税制改正にも対応した最新情報をお届けします。

主婦(専業主婦)の株式投資と税金と扶養の関係

最近では主婦(専業主婦)の方でも株式投資をしている方も少なくないかと思います。

主婦(主夫)のように配偶者の方の扶養に入っている方は、株式投資の利益に対する税金の申告方法によっては、そうした「扶養」に関する部分に影響が及ぶことがあります。

株の利益を申告したら、夫の扶養から外れてしまった……なんてことにならないように主婦の方が考えておくべき、株式投資の利益や税金についての関係を理解しておきましょう。

今回はサラリーマン(会社員・第2号被保険者)を配偶者に持つ、主婦(主夫)が株式投資をする上で注意したい税金や社会保険料の関係について紹介していきます。

※自営業者の配偶者の場合は話がまた別となります。

主婦の扶養の仕組みをまずは理解しよう

株式投資と扶養の関係を説明する前にまずは「主婦の扶養」という言葉の意味を理解しましょう。一般に扶養というのは二つの制度で利用されています。

主婦が扶養の範囲内で働くという意味と金額・計算方法。扶養から外れたら負担はどのくらい増える?扶養の範囲内で働くというのはよく聞かれる言葉ですね。一般的にはパートをしている主婦や、学生などが配偶者や両親の扶養に入っている人がそれを...

1)所得税上(税法上)の扶養

こちらは明確であり、収入から必要経費を差し引いた合計所得金額が58万円以下(2025年分以降)の人は税法上の扶養に入ることができます。夫の扶養に入った場合、夫は「配偶者控除」と呼ばれる所得控除が利用できるようになります。そのため、配偶者控除の分だけ夫は税金が安くなります。

2)社会保険上の扶養

夫が第2号被保険者(サラリーマンや公務員)で、妻の収入見込みが年間で130万円以下の場合は社会保険上の扶養に入ることができます。このときの妻は「第3号被保険者」となります。

第3号被保険者の場合、健康保険料ならびに国民年金保険料が事実上の免除となります。

なお、近年話題となっていた「106万円の壁」については、2025年の改正で事実上撤廃される方向となっていますが、こちらの130万円の基準は引き続き重要です。

株式投資の利益(税金)と扶養の関係

さて、この扶養と株式投資の税金の関係について説明していきます。

株式投資における税金は、利益部分の20%となっています(復興特別所得税を含めると20.315%)。

基本的には申告分離課税となっているので、利益の20%を支払えば課税関係は終了となります。

ただし、この利益部分は所得(収入)として扱われることになります。結果として上記であげた扶養基準をオーバーしてしまった場合には扶養から影響が出ることがあるのです。

株式投資における所得はどう計算する?

まずは株式投資における所得の計算方法から見ていきましょう。
1月1日~12月31日までの1年間において

  1. 一年間に売却した売却代金合計
  2. その売却した株の取得価格
  3. 売買に要した手数料などのコスト

①-(②+③)=所得
このようになります。

株の所得が58万円を超えた場合は配偶者控除から外れる

まず、税法上の扶養については株の儲け(所得)が58万円(2025年分以降)を超えると、満額の配偶者控除から外れます。

あれ?主婦の扶養って103万円(123万円)じゃなかったっけ?と思われる方も多いかもしれません。

たしかに、以前は主婦のパートについて103万円の壁というものがありましたが、2025年の税制改正により、給与収入の上限は「123万円の壁」に引き上げられました。

ただし、パートなどの給与収入に対しては、123万円の場合、給与所得控除(最低65万円)が認められるため、パート収入123万円 – 65万円 = 58万円の所得となります。

株式投資の場合には給与所得控除のような所得控除はないので、利益=所得とみなされます

なお、パートと株投資の両方をやっている場合は、株の儲け+(パート収入 – 65万円)の合計所得が58万円を超えたら満額の配偶者控除から外れることになります。

合計所得が58万円を超えても、すぐに控除がゼロになるわけではありません。配偶者の所得が58万円を超え133万円以下であれば、「配偶者特別控除」が段階的に適用されるため、急激に税負担が増加することは避けられる仕組みになっています。

年間の株の収入が130万円を超えた場合は社会保険の扶養から外れる

続いて、夫がサラリーマンの場合は年間の株の収入が130万円を超えた場合、この場合は社会保険の扶養からも外れます。

社会保険の扶養は「所得」ではなく収入と表現されます。ただ、株式投資の場合は所得と同様になります。こちらの基準は年間130万円となります。ただし、株の儲け以外にパート収入などがある場合はそれも合算して考えます。パート収入の方は額面が対象になります。

これがいわゆる「130万円の壁」と呼ばれるものです。

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株の譲渡益で社会保険の扶養の計算に入れる?

なお、社会保険の扶養については「恒常的な収入が130万円以上(見込み)」となっています。そのため、暦年(1月~12月)で130万円以上の株式譲渡益や配当益があったからといって、それが恒常的な収入とみなしてよいのかという疑問はあります。

ただ、実務的には配当金については恒常的な収入として加えることが多く、譲渡益(売買益)への対応は微妙なところです。

中小企業が加入している社会保険制度である協会けんぽの場合、“扶養されるべき人であるかどうかの収入基準は継続的・恒常的な収入で判断します(突発的な譲渡所得などは判定の対象となりません)。”としています。

そのため、単年度で130万円以上の譲渡益が出たとしても扶養から即外れるという事は心配しなくても良さそうです。

配偶者が健康保険組合に加入している場合は、管理されている保険組合にお尋ねください。

社会保険の扶養から外れてしまったらどうなる?

これを超えてしまった場合、妻は第3号被保険者から第1号被保険者となります。

  • 国民健康保険に加入
  • 国民年金の保険料負担が必要

となります。こちらの影響はかなり大きいです。

第3号被保険者は上記のどちらも事実上の免除となっているため、国保+国民年金への加入だけで年間に数十万円の保険料負担が新たに生じることになります。

年金の第3号被保険者制度の問題点とその廃止議論についてのまとめ年金制度においていわゆる専業主婦や一定の収入以下のパート主婦は「第3号被保険者」という被保険者に区分されます。この第3号被保険者制度は専...

年金に加えて国民健康保険への加入が必要となり、家計としてはダブルパンチを受けることになります。

新NISAを活用すれば扶養への影響を抑えられる

株の利益による扶養外れを気にする主婦の方に最もおすすめなのが、「新NISA」の活用です。

新NISA口座内で得た利益(売却益や配当金)は非課税となります。非課税の利益は税法上の「所得」としてカウントされないため、どれだけ利益が出ても税法上の扶養(配偶者控除など)から外れることはありません。2024年から年間360万円(生涯1,800万円)まで非課税枠が拡大されたため、主婦の投資入門として最優先に検討すべき制度です。

ただし、社会保険上の扶養に関しては、健康保険組合によって判断が異なる場合があります。原則として非課税所得は収入に含めないケースが多いですが、一部の組合ではNISAの利益も収入とみなす可能性があるため、ご加入の健康保険組合に念のため確認することをおすすめします。

確定申告時の注意点!損益通算と住民税

損益通算のために確定申告をすると所得に算入される

複数の証券口座で利益と損失が出ている場合、「損益通算」をするために確定申告を行うことがあります。しかし、確定申告を行うと、その利益が合計所得金額に算入されてしまいます。その結果、意図せず税法上の扶養から外れてしまうリスクがあるため注意が必要です。

住民税の非課税ラインは基準が異なる

所得税の扶養ライン(58万円)を下回っていても、住民税には独自の非課税ライン(例:所得45万円以下など、自治体により異なります)が設定されています。所得税はかからなくても住民税だけ発生するケースがある点も覚えておきましょう。

将来的な制度改正リスク(金融所得の社会保険料反映)

現在は、特定口座(源泉徴収あり)で申告不要を選択すれば社会保険料の算定には影響しません。しかし、政府は将来的に金融所得を社会保険料の計算に反映する方針を検討しており(2028年頃予定)、今後の制度改正には注意を払う必要があります。

主婦(主夫)なら特定口座(源泉徴収あり)を選ぼう

じゃあ株なんかやめておこうと思うかもしれませんね。ただ、このリスクを簡単にゼロにできる方法があります。

それは証券会社の口座を「特定口座(源泉徴収あり)」にしておくことです。こうしておけば株の利益に対する税金を証券会社が自動で計算して利益から天引きして納付までしてくれます。

この口座で「申告不要制度」を選択すれば、いくら株で儲けていても、あなた自身の合計所得金額には加算されません。当然に夫の税法上の扶養、社会保険上の扶養からも外れることはありません。

ただ、話は単純ではありません。それは、上記であげた基準を超えないのであれば源泉徴収なしを選択したほうが得になることがあるからです。

株投資の規模によっては源泉徴収なしも要検討

どういうことなのでしょうか?わかりやすいように年間の株の儲け別に税金の扱いを表にしてみました。

源泉徴収あり 源泉徴収なし
年間58万円以下の所得 総額の20%分が課税される 非課税(基礎控除内)
年間58万円超の所得 58万円を超えた金額の20%の税金
税法上の扶養から外れる(配偶者特別控除へ)
年間130万円超の収入 58万円を超えた金額の20%の税金
社会保険の扶養から外れる(可能性)

ポイントは年間58万円以下の儲けしかないときですね。源泉徴収ありの場合は一律で約20%の税率で税金がかかりますが、源泉徴収なしの場合は申告分離課税となります。申告をする際、人には年間58万円(2025年分以降)の基礎控除が認められています。

そのため「株の儲け – 58万円(基礎控除)」の範囲内であれば税金はゼロになるわけです。

そのため、株式投資はするけど、収入が少ないという方は源泉徴収なしの口座を使ったほうが税金分だけ得をできるということになります。

※こちらはパート収入のようなほかの収入がないケースを前提としています。年間で65万円以上のパート収入(給与収入)がある場合には金額が変わってきます。

結局、主婦は源泉徴収あり?源泉徴収なし?

結局どっちよ?という話になりますね。

まず、投資金額が少額で年間に58万円の利益なんて絶対に出ないよ。という方については源泉徴収なしを選択しておけばよいかと思います。

一方で、数百万円単位で株を保有している方は年間の利益が58万円を超える可能性もありえるはずです。そういう方はリスクを予防する意味でも源泉徴収ありを選択しておくほうが良いでしょう。

ただ、株の利益というのは出すタイミングをコントロールすることができます

含み益は売却をして実現しないと所得になりません。源泉徴収なしを選んでおいて、利益が58万円以下になるようにコントロールすればよいだけという考えもあります。

たくさん利益が出ていて現金化したい場合は、源泉徴収ありの口座に切り替えてから売ればいいだけです。切り替えは1月1日以降の初回取引前であれば変更可能です。

どうしても急いで売りたいけど、扶養から外れたくないという場合は、別の証券会社に口座を作って、源泉徴収ありの口座としてそこに株式を移管(移動させること)して、売ればいいです。

多少時間はかかりますが、1年待つよりは早いです。急いでいる方は以下のリンクも参考にしてみてくださいね。

また、今回は主婦のケースを取り上げましたが、他にもサラリーマン、個人事業主、学生といった立場によって株の税金が与える影響は違います。

主婦以外のケースについては以下の記事でも紹介しているのでこちらもぜひご参照ください。

以上、主婦(主夫)は把握しておきたい株式投資と税金について紹介しました。

主婦ではなく、自分のお子様の株式投資(証券口座)と税金については以下の記事も参考にしてください。

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