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FXの税金は“必要経費”が認められる。パソコンやネット費用は所得から一部控除可能

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FX(外国為替証拠金取引)は申告分離課税として1年分の利益を確定申告する必要があります。税区分としては“先物取引にかかる雑所得等”となり、一律20.315%(復興特別所得税を含む)となっています。株式投資や投資信託などの税率と同じですね。

ただ、一つ株や投資信託の利益と違って、FXの税金の方が優れている部分があります。それは“必要経費”が認められることです。株や投資信託の税金は売買益は全額課税されますが、FXでは利益から必要経費を差し引くことが認められているのです。

必要経費を差し引けばその分、所得が小さくなるので税額も安くなります。今回はそんなFX取引における確定申告の必要経費についてまとめていきます。

FXの税金と所得区分

FX取引による利益は「先物取引に係る雑所得等」という所得区分になり、2018年現在は20.315%(復興特別所得税を含む)の申告分離課税の対象となっています。

通常の雑所得は、給与所得など他の所得と合算して総合課税の対象となるのと比べると税制上優遇されています。店頭FXの税金は2011年分までは通常の雑所得だったのですが、2012年1月以降については、他の先物取引同様の扱いに代わりました。

なお、雑所得といえば、話題の仮想通貨(ビットコイン等)の売買益についてはFXと同じ雑所得ですが、“先物取引にかかる雑所得等”ではないため、分離課税ではなく総合課税の対象となります。税制的にはかなり不利な内容となっていますね。

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さて閑話休題、本筋のFXの確定申告と必要経費について本題に入りましょう。

 

なぜFXは、売買益から必要経費を差し引けるのか?

これは株式投資の所得と、FXの所得とで所得の区分が異なるからです。

  • 株式投資→譲渡所得
  • FX取引→先物取引に係る雑所得等

譲渡所得に関しては“年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除となっており、必要経費といえるのは取得費+手数料くらいです。

一方で、「先物取引にかかる雑所得等」の場合、“総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額”となっています。

つまり、収入を得るために直接要した費用であれば必要経費とできるわけです。

 

必要経費とできそうなFXにかかる諸費用

では、具体的に必要経費とできそうなFXにかかる諸費用にはどのようなものがあるのでしょうか?

  • パソコンの代金
  • 電話代や通信費、プロバイダ料金
  • FXに関連する書籍の購入費用
  • FXに関連するセミナー等への参加費用並びに交通費、宿泊費

なお、どこまで認められるか?というのは最終的には税務署の判断となります。申告しようと思えばどのように申告することもできますが、後から税務署に、「これは必要経費と認められません」というように指摘される可能性があります。

 

認められるのは“直接要した費用”

必要経費として認められるのは「直接要した費用」です。FXで利益を上げるために直接関係した支払いだけです。間接的な支払いは必要経費としては認められません。

たとえば、FXに関する書籍については、FXの専門誌などは経費として認められる可能性は高いでしょうが、日経新聞や一般誌(雑誌)を必要経費(直接要した費用)というのは難しいでしょう。

 

FX取引以外にも使えるものは按分が必要

また、FX取引のために直接要した費用であっても、それ以外の用途に使えるものは事業按分をする必要があります。

たとえば、FXはネットトレードが中心なのでパソコンやインターネット回線は必要不可欠です。その費用は直接要した費用といえるでしょう。ただし、パソコンやネットはFX取引以外にも使えますし、実際に使っていることでしょう。このようにFX(事業)と過程利用の両方がある費用を「家事関連費」といいます。

そういう場合は按分(あんぶん)といってFXに使った割合とそれ以外に使った割合に分けて、FXに使った分だけを必要経費として申告することになります。

たとえば年間に3万円のネット通信費がかかっているなら、20%分を事業用(FX用)の支払いとして経費にするといったものです。この按分割合については明確なルールはなく“利用の実態に則って”ということになっているので、後から税務署に指摘されても説明できる根拠を定めることですね。

一日のネットの利用時間が4時間で、そのうち平均して1時間をFX取引に充てているというのであれば1/5がFX取引に使っているということになり、20%になりますね。

 

あとから指摘されたらペナルティを支払う必要がある

とりあえず、たくさん必要経費を申告して、あとから指摘されたら、その分支払えばいいんじゃない?

と考える方もいらっしゃるかもしれません。中には申告してダメって言われたら、そうすればいいじゃん。という無責任なアドバイスをする人もいます。

そうしたケースで指摘されるとペナルティがあります。

たとえば税務調査などによって、間違いを指摘され結果として過少申告となった場合には、過少申告分の納税だけでなく、過少申告加算税や延滞税といったペナルティも併せて納付する必要があります。

また、悪質な隠ぺいや架空経費の申告などを行った場合は重加算税というもっと重いペナルティが課せられるケースもあります。

 

不安なら税務署に相談すること。面倒なら経費を申告しないのも手

ざっくりと、FXにおいて申告可能な必要経費についてまとめてみました。

ポイントとなるのは「直接要した費用」として第三者から見ても合理的と判断できるかです。理屈をこねくり回すのではなく、明確な基準であることが重要です。

税務署サイドでも確定申告の相談会などを実施しているので、不安であれば資料をもって相談に行くようにしましょう。

下手に必要経費を申告したことで税務署から指摘されるのが嫌だというのであれば必要経費を申告せずに、利益をそのまま申告するというのも手です。なお、ここで言っている申告しないというのは「経費を申告しない」という意味ですよ。当たり前ですけど、FXの利益の確定申告は絶対にしてくださいね。

ただし、サラリーマンの方で他に確定申告をするものがなく、FXの利益が年20万円以下で一定の条件を満たせば申告不要制度があり、該当する方は申告しなくてもよいです。

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以上、FXの税金は“必要経費”が認められる。パソコンやネット費用は所得から一部控除可能というお話でした。

 

※個別の税務相談には乗っておりません。税金に対する相談は所轄の税務署または、税の専門家である税理士にお尋ねください。税理士に相談したい方は「税理士ドットコム」で税理士を探すことができます。

ABOUT ME
ふかちゃん
マネーライフハックの編集長 兼 管理人です。節約やマネー術などについての情報発信を2004年から続けています。
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