NISA(ニーサ)とは画像の通り、Nippon Individual Saving Accountの略です。直訳すると日本個人貯蓄口座になりますが、「少額投資非課税口座」と呼ばれる投資優遇制度です。
もともとはイギリスにあるISA制度を日本に輸入したもので、年間100万円(2016年からは120万円)までの投資に対する売買益や配当益などの税金を非課税とする制度です。20歳以上の方ならだれでも利用でき、未成年の方には少し制度が違うジュニアNISAという制度があります。
今回はそんなNISAについて、10分程度の短時間でその内容や要点を理解できるまとめ情報として記事にしてみました。
NISAの基本。NISAとは何か?
まずは抑えておきたいNISAの基本をまとめます。
NISAとはイギリスの投資非課税制度(ISA)を日本版にアレンジした小額投資非課税制度です。
株式等の売買益や配当課税の税率が10.147%の軽減税率から20.315%※の通常税利率に戻る際に採用された2014年に導入された制度です。
※復興特別所得税を含む。
年間に投資する一定の金額であれば、その投資から得られる収益が非課税となります。
NISA口座の作り方
証券会社や銀行に申し込みを行います。ただ、銀行の場合は投資信託のみの投資に限られてしまうため、よっぽどの理由がない限りは証券会社にNISA口座を開設することをお勧めします。
一人が開設可能なNISA口座は1つまでで複数の証券会社や銀行でNISA口座を持つことはできません。
2017年までは口座開設の際に、住民票の写しの提出が費梅雨で面倒でしたが、2018年よりこちらの提出が不要となりました(その代わり、マイナンバー(個人番号)の提出が必要)
なお、証券会社のNISA口座については多くの証券会社が優遇制度やキャンペーンなどを実施してます。おすすめのNISA口座(証券会社)については「証券会社のNISA口座の選び方・比較」でもまとめているので口座開設を考えている方は参考にしてみてください。
NISAの非課税枠
NISAの非課税枠は当初年100万円(2016年からは120万円)となっています。1月1日~12月31日までの1年間が対象で、NISA口座内で上限額までの購入分が非課税対象の商品となります。
年をまたいでの繰り越しはできません。また、NISA口座内で購入した投資商品はいつでも売却可能ですが、売却しても非課税枠は回復しません。つまり、短期売買には全く向かない制度といえます。
NISAの非課税期間(5年後はどうなる?)
5年間です。途中売却はいつでも可能で、売却時の売買益は非課税となります。その一方で損失が発生した場合、NISA口座外(課税口座と呼びます)での売買益との間での損益通算はできません。
2014年中に購入した商品は2018年12月末で非課税期間が終了します。期間中に売却しなかった投資商品は2019年1月から通常の課税口座(特定口座)で管理されることになります。
なお、NISA口座(非課税口座)から課税口座(特定口座など)に移されると以後は税金がかかるようになりますが、その時の取得価格は個別株の場合2018年12月末(大納会)の終値がベースとなります。
これを「取得価格の更新」と呼びます。
こちらについては「NISAが満期になったら預けている株や投資信託はどうなる?」でもまとめています。
NISAの非課税対象商品
上場株式、株式投資信託です。なお、株式投資信託に「株式」とついていますが、証券会社や銀行で販売されている投資信託のほとんどは債券に投資をするタイプでも株式投資信託に分類されています。
基本的には長期保有が前提です。前述の通り非課税枠は使い切り制度なので頻繁な売買をするようなものではありません。5年間という非課税期間を有効に活用するためには長期投資タイプの投資商品を選択するとよいでしょう。
NISA口座に向いている投資商品の選び方については「NISA口座で買うべき投資商品の選び方」でもまとめています。
2018年からは「つみたてNISA」の制度がスタートする
上記で紹介した一般NISAとは別に、2018年1月より「つみたてNISA」という制度もスタートします。一般NISAとつみたてNISAは選択制となります。
- 年間の非課税枠は40万円
- その代わり非課税期間は20年
- 投資対象は一部の投資信託に限定(インデックスファンド中心)
- 投資は積立投資
というようになっています。より長期投資に向いた形になっています。つみたてNISAの制度内容と、一般NISAとの違いについては下記の記事でも詳しくまとめています。
[bloglink url=”https://money-lifehack.com/tax/7237″]
NISAを利用するメリット
まずはメリットから紹介したいと思います。メリットは「投資による収益が投資から最大5年間非課税となる」ということです。非課税の範囲は「売買益」「配当金(分配金)」となります。
株の売買や配当金の税率は20%(+復興特別所得税がかかり20.315%)となります。この分がゼロになるわけです。100万円の運用で年間5%の利益(配当+値上がり益)が出るとした場合は1年あたり約5000円の節税×5年分ということになります。
金額的には決して大きくはないかも知れませんが、税金というのは100%確実に発生するマイナスリターンであるということを考えると、上手に活用したいものだと思います。
NISAを利用にするにあたって抑えておきたい注意点
NISAは制度スタートからまだ日が浅いということもあって、いろいろな問題点や注意点も指摘されています。
1)配当金の受け取り方法次第では課税対象になる
NISA口座の配当金の受け取り方法は「株式数比例配分方式」を選択しておく必要があります。これ以外の方法を選択すると非課税口座からの配当金かどうかが判断できないため課税されてしまいます。
これは証券会社の管理画面等でいつでも変更できます。
制度スタートの2014年はこれによって課税されてしまった人が多数いたようです……。
こちらについては当時「NISA口座で買った株の配当金に税金がかかっていると言う人が多発。原因は何?」でも取り上げました。取り戻す方法はないので、ご注意ください。
2)NISAが節税を考えたときの最高の運用方法とは限らない
NISA口座による運用は確かに節税効果がありますが、単純な節税だけを考えると「401k(確定拠出年金・DC)」の方が掛金まで所得控除できる、非課税期間に制限がない(老後まで)とメリットが大きいです。
一方で401kは「老後まで原則として解約(引き出し)ができない」という大きなデメリットもあります。投資する資金の性質や目的に合わせて最良な選択をするようにしましょう。
詳しい比較については「確定拠出年金とNISAの比較」の記事でも行っています。
3)損をしたときは損益通算ができない
これはかなり大きなデメリットといえます。NISA口座は課税されない口座です。
そのため、売買によって損失が発生した場合も、その損失は考慮されません。
たとえば、通常の課税口座ならAとBという株に投資をしてAで30万円の利益、Bで10万円の損失が発生した場合、損益通算をして、年間20万円の利益が発生したものとして税金の計算が行われます。
一方で上記のケースでA(課税口座で売買)、B(NISA口座で売買)という場合、Bの損失10万円は税金の計算上はなかったものとなり、Aによる30万円の利益が丸々課税対象となります。
NISAだけで運用する人は別ですが、通常の投資に加えてNISAでも投資をするという方はこの辺りに注意が必要だといえそうです。
NISA口座を開設するのにおすすめの証券会社
NISAは一人一口座となっているので、証券会社や銀行で開けるNISA口座は一つだけです。基本的にはNISAは株(個別株)も投資できるので、証券会社へのNISA口座開設がおすすめです。
詳しい比較は以下の記事でもまとめています。
[bloglink url=”https://money-lifehack.com/asset-management/1761″]
とりあえず一番おすすめはどこ?と聞かれたらSBI証券がおすすめです。ネット証券最大の口座数を持つ証券会社で、NISA口座なら株式やETFの売買手数料は無料(外国株を含む)となっています。
また、NISA口座開設に必要な住民票取得も代行してくれその費用もSBI証券が負担してくれます。投資信託の保有に対してもSBIポイントが貯まる投信マイレージサービスがあるので、投資信託の運用にも向いています。
[bloglink url=”https://money-lifehack.com/securities/11471″]
以上、当ブログでもNISAに関する記事を断片的に書いてしまったので、それらの情報をまとめてみました。
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