NISAの活用法 PR

個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAの違いを比較。どっちを利用するべき?

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chosa2014年1月からスタートしたNISA(小額投資非課税制度)。にわかに注目が集まっておりNISA口座開設数は順調に増えているそうですが、将来のための投資、老後のための投資という場合には、NISA以外にも個人でできる対策として「個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)」という選択肢もあります。

iDeCoは2017年1月よりも利用可能な人が拡充して注目を集めています。

どちらも投資と運用に関する税制上の優遇措置のある制度ですが、それぞれで違いも大きいです。今回はこの個人型確定拠出年金(iDeCo)と小額投資非課税制度(NISA)についてそれぞれのメリット、デメリットを考え、自分にあった投資方法やどちらを選択するべきなのかを考えていきます。

個人型確定拠出年金とNISAの制度の簡単なまとめ

まずそれぞれの制度について簡単にまとめます。

 

iDeCo(個人型確定拠出年金)

年金の一つです。個人で加入することが出来ます。従来は自営業、サラリーマンのみが利用可能な制度でしたが、2017年に加入者が拡大しています(2017年からの個人型確定拠出年金(iDeCo)の変更点のまとめ)。

掛け金は月単位で5000円~68000円の間で自由に決めることが出来ます。運用方針は自分で決め、支払った年金保険料+運用益が年金原資となります。運用益は非課税となる上、年金の掛け金は全額所得控除されます。

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NISA(小額投資非課税制度)

小額投資非課税制度。年120万円(年100万円から拡大)までの投資による譲渡益、配当金などが最長5年間非課税となります。いつでも売却可能ですが、非課税枠は一度使うと回復しません。
未成年に対しては「ジュニアNISA」という類似制度があります

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また、2018年からは年間の非課税枠は40万円に制限されますが、非課税期間が20年となる「つみたてNISA」の制度もスタートしています。

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iDeCoとNISAを比較した際のそれぞれの強み、弱み

それでは、具体的に確定拠出年金とNISAのそれぞれの強みと弱みを見ていきましょう。どちらにも強み、弱みがあります。運用方針や投資資金の性格などを考えてどちらを利用するかを決めると良いと思います。

 

iDeCoのメリット、デメリット

最大の強みはその節税メリットです。掛け金は全額所得控除されます。そのため、確定拠出年金の掛け金を払うと所得税や住民税などの税金が安くなるわけです。この節税効果は高所得者(税率が高い人)ほど高くなります。

なお、年金や一時金として受け取るときは税金がかかりますが、税制上の優遇を受けることができますので、実質的には所得税・住民税を節税することができます。

また、運用における運用益の非課税についてもNISAは最長5年であるのに対して確定拠出年金の場合は超長期で運用できるということです。今30歳のかたなら30年間非課税で運用できます。複利効果を考えるとそのメリットはかなり大きいです。

また、これは一部の方に対するメリットになりますが、確定拠出年金の財産は強く保護されます。万が一自己破産などを行った場合でも年金資産は保護されます。リスクの高い仕事をしている方(起業家の方)などにとってはかなり有利な運用法補といえるでしょう、

一方の弱みは、あくまでも年金なので、それ以外の用途に利用できないということ。途中でお金が必要になっても60歳になるまで現金化するといったことができないという点です。

 

NISAのメリット、デメリット

NISAの最大の強みは、様々な投資商品が選べると言うこと。確定拠出年金でも多数の商品を選べますが、投資信託が中心です。NISA口座の場合は個別株へ投資や外国株投資も可能です。

一年に投資できる金額は120万円となっており、個人型確定拠出年金(iDeCo)の最大81.6万円(サラリーマンの場合は最大27.6万円)よりもスケールがおおきいのも強み。

こうした投資の自由度の高さはNISAの方に強みがあります。また、いつでも売却して現金化できるという点も魅力と言えます。

ちなみに、NISA口座で売買するのに適している投資商品については別エントリー「NISA口座で買うべき投資商品の選び方」でまとめているのでこちらもぜひご一読ください。

一方で非課税枠は使い切りとなるので、何度も売買することは出来ないという点。非課税期間が5年しかないため、超長期での運用は出来ないという点が弱みと言えるでしょう。

ある程度、運用期間がきまっている投資にはいつでも売却可能なNISAは魅力的といえそうです。たとえば、子供の学費や住宅購入の頭金、自動車購入費用といったようなものですね。

 

個人型確定拠出年金とNISAとの比較一覧

それぞれの大きな違いとなる部分を表でまとめてみました。

ざっくり比較するならiDeCoは税制上のメリットは大きいけれども資金が長期間固定されてしまう。一方でNISAは非課税メリットは小さいけれども、いつでも現金化できるという使い勝手が良い。というところでしょうか。

個人型確定拠出年金
(iDeCo)
少額投資非課税制度
(NISA)
投資対象商品 投資信託
定期預金
保険
投資信託
ETF
個別株式
投資可能期間 60歳まで
ただし、運用だけなら10年の延長が可能
年齢にかかわらず、2023年まで(予定)
運用は2028年まで
投資上限額 毎月5,000円~68,000円
ただし、加入している公的年金・企業年金によって上限額は異なる
年間で120万円まで
総額で600万円
節税メリット 掛け金が所得控除(所得税・住民税節税)
運用益は非課税
※1受け取り時に所得税や住民税がかかる
運用で得た利益が非課税
投資商品の売却 いつでも可能で、他の投資商品への乗り換えも可能 自由に売却できるが、売却しても非課税枠は復活しない
資金の引き出し 60歳までできない。もっとも遅い人で65歳から※2 いつでも可能。ただし、売却した場合の非課税枠は回復しない。

※1:受け取り時は退職所得(一時金)または公的年金控除(年金方式)が受けられるため、掛け金控除による節税効果の方が大きいのが一般的です。

※2:50歳をこえてから確定拠出年金を始めた場合は受給可能時期が遅れます。

 

iDeCoとNISAの使い分け、どちらを使うべき?

資金に余裕があるなら両方をフル活用するのがおすすめです。

ただ、投資に回すことができる資金には通常限界があるはずです。その限られた資金をどのように運用するべきか?iDeCoとNISAに分けるべきか?それともどちらかに振り分けるべきか?どっちを使うのがお得なのでしょうか?

老後資金として投資をしたいというのであれば節税メリットに優れるiDeCoがお勧めです。運用益非課税に加え、掛け金も所得控除することができるので、二重の節税効果があります。

一方で、目標が決まった投資をするというのであればNISAの方が優れていると言えるでしょう。たとえば、10年後の子供の教育資金のため、5年後の海外旅行のためといったように老後資金以外の用途で運用したお金を使うと言うのであればiDeCoは不向きです。

 

長期の余裕資金の運用はiDeCo。資金は固定化されるが早く始めるほうがお得

まず、老後の資産という意味ではiDeCoは有利です。また、掛け金を払っている期間に応じて、老後の一時金を受け取るときの所得控除(退職所得控除)が大きくなるので、なるべく早くから始めたほうがお得になります。また、掛け金が所得控除されるため、所得税や住民税が安くなるというのも見逃せません。

ただし、iDeCoは老後でないと現金化できません(解約できません)。一度運用を始めたiDeCoは老後まで取り崩せません。

目先に必要なお金があるのであれば、そちらを先に優先するべきです。貯金があまりない状況でiDeCoを始めるというのはあまり感心できる状況とは言えないでしょう。

あくまでも老後を見据えた余裕資金がある方向けです。とりあえず一定の貯金があって+αの運用を考えている人向けの運用商品といえます。

iDeCoで運用をスタートするのであれば、運営管理機関手数料が無料のSBI証券か楽天証券で始めるのがおすすめです。

SBI証券の個人型確定拠出年金公式ホームページ

楽天証券の個人型確定拠出年金公式ホームページ

なお、iDeCoについて詳しくは以下の記事でも証券会社(運営管理機関)について比較しておりますのでこちらも参考にしていただければ幸いです。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/asset-management/5790″]

 

NISAはいつ始めてもOK!使い勝手の良い非課税口座

一方のNISAは所得控除などの税制上の優遇はありません。あくまでも投資している資金の売買益や配当(分配金)の税金が非課税になるだけです。

いつでも売却をすることができ、資金を引き出して使うこともできます。iDeCo(イデコ)と比較して使い勝手は抜群に高いです。

お金が必要になれば売却して現金化することができるので、いつから始めてもOKです。

NISA口座における証券会社選びについては、以下の記事もご参照いただければと思います。証券会社によってはNISA向けに様々な特典(NISA口座で売買手数料無料など)も用意しているようです。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/asset-management/1761″]

※NISA口座は一人一口座までとなっております。

 

つみたてNISAという選択肢もでてきた

一般NISAに加えて2018年からは「つみたてNISA」というNISAも利用できるようになります。

  • 年間非課税枠40万円
  • 非課税期間20年
  • 投資対象は投資信託のみ

となっており、一般NISAよりもより個人型確定拠出年金(iDeCo)に近い内容となっています。こちらの比較については混乱しやすいので以下の記事にまとめています。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/tax/12746″]

 

まとめ。NISAとiDeCoをを上手に活用しよう

NISAと個人型確定拠出年金についてそれぞれの強みと弱み、特長を比較してきました。

この二つの制度はどちらも「併用が可能」となっているので、資産運用の目的に合わせて併用するというのが賢い投資家だと思います。

なお、投資先でいえば、SBI証券がおすすめです。NISAはもちろん、個人型確定拠出年金(iDeCo)にも対応しているので一つの口座で2つとも管理することができます。手数料も安いので長期投資に最適です。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/securities/11471″]

SBI証券公式ホームページ

 

以上、iDeCoとNISAの比較とどちらを使うべきか?どう使い分けるべきか?について解説しました。