老後資金において大きな割合を占めることになるであろう公的年金。この年金は実際に自分いくらもらえるのかということを把握しておくのは大切です。

昔はこれを調べるには年金事務所へ確認するなど結構面倒だったわけですが、現在は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用することで、確認が非常に容易になっています。

将来の老後資金の不安をなくすためにも、ぜひ現時点での年金見込み額を確認しておきましょう。

公的年金の受給額は人それぞれ違う

公的年金について、まず、国民年金(老齢基礎年金)は保険料を支払った月数によって満額いくらもらえるかという基準があります。一方で様々な事情で払込月数が少ない場合は、それに合わせて受け取れる金額が少なくなります。

また、国民年金加入者の方でも「付加年金」などの付加的な年金保険料を払ってきた人は受給額が増加します。

現役時代に会社員や公務員だった人は、国民年金に上乗せする形となる厚生年金に加入していたはずです。厚生年金には基礎年金部分に加えて「報酬比例部分」という収入に応じて払ってきた掛金があります。

この収入に応じた部分は、これまでの支払金額(給与水準と加入期間)に応じて老齢年金の受取金額が変わります。

このように、公的年金の受給金額は働き方や納付状況によって人それぞれ違います。

実際に支給されている国民年金、厚生年金の平均受給額はいくら?老後の生活のための大切な収入源の一つである公的年金。一般的には自営業やサラリーマンの妻などが受け取る国民年金(老齢基礎年金)や、サラリー...

上記の記事では、実際に受け取っている方の平均額を調べていますが、あくまでも平均であって、貴方が受け取る金額ではありません。

この記事では、現時点であなたが受け取ることができる公的年金額の調べ方と、具体的な計算方法、将来に向けた対策を紹介していきます。

自分で年金見込み額を計算する方法

将来の年金額は、基本的な計算式を知っておくことで自分でも大まかにシミュレーションすることが可能です。

  • 国民年金(老齢基礎年金)の計算式
    年金額(令和8年度満額の目安:月額70,608円/年額847,296円)×保険料納付済月数÷480
  • 厚生年金の簡易計算式
    「これまでの加入実績に応じた年金額」÷現在の加入月数×(現在の加入月数+60歳までの月数)

※国民年金の満額は年度によって改定されます。ご自身で計算する際は最新の基準額をご参照ください。

ねんきん定期便、ねんきんネットとその読み方

ねんきん定期便は毎年誕生月に送付される年金記録をハガキや封書で知らせるもので、年1回送付されます。

これまでの公的年金(国民年金、厚生年金)への加入期間や納付額、年金の見込み額などを知ることができます。確認できる内容は年齢によって異なり、大きく違うのは50歳未満の方と50歳以上の方の違いです。

50歳未満のねんきん定期便

50歳未満の方に届くねんきん定期便は、通常、圧着ハガキで送られてきます。

この年齢の方のねんきん定期便は、これまでに払った公的年金の保険料で、今受け取ることができる年金額が記載されています。これから支払う分はゼロとして計算されています。

そのため、受け取れる年金額として記載されている金額はかなり(若い人はメチャクチャ)小さくなっているはずです。

これをみて老後の年金に不安を覚える人も多いと思いますが、今後納付を続けることで金額は増えていくため、心配しないでください。

なお、通常のハガキとは別に、35歳、45歳、59歳の節目の年齢には、A4サイズの封書で届きます。
記載内容は通常と同じですが、過去の詳細な加入履歴が記載されているので、加入漏れなどがないかを必ずチェックしてください。

特に59歳の封書は、「特別支給の老齢厚生年金」の受給見込額も確認できる非常に重要なタイミングとなります。

50歳以上のねんきん定期便

50歳以上になると、ねんきん定期便の内容が、実際に受け取れる金額に近くなってきます。

50歳以上の方には「老齢年金の種類と見込額(年額)」が記載されるようになります。この見込み額のところが、あなたが実際に受け取ることができるであろう年金額の目安となっています。

注意点
この年金見込み額は現在の状況で60歳まで同じ条件で年金保険料を納付した場合の金額となっています。

50歳以上に役職定年などで収入が下がった場合、あるいは早期退職をした場合のように給与(報酬)が下がった場合などは、最終的に受け取れる年金額がこの見込み額よりも小さくなります。

ねんきんネットの登録とシミュレーターについて

ねんきんネットは、日本年金機構が提供する年金情報のWebサービスです。標準では利用できず、利用者からのユーザー登録が必要ですが、利用料などは一切無料です。

現在は、マイナンバーカードを使って「マイナポータル」と連携させる登録方法が最も簡単で推奨されています。登録すると、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも年金の納付情報や将来の受給見込額をリアルタイムに確認することができます。

また、Webサービスとして他サービスと連携させることもできます。おすすめは「マネーフォワード」です。リンク先の記事でも説明していますが、年金情報を他の金融資産(銀行口座や証券口座の残高など)とリンクしてポートフォリオ表示をすることもできます。

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こうすることで老後資金として「いくらくらい現時点で用意できているのか?」ということが一目でわかります。ぜひ、ねんきんネットに登録しておきましょう。

公的年金シミュレーターの活用
厚生労働省が提供する「公的年金シミュレーター」も非常に便利です。ねんきん定期便に記載されているQRコードをスマートフォンで読み取るだけで、年齢や今後の働き方、受給開始年齢を変更しながら、将来の年金受給額を簡単に試算することができます。ID登録等も不要なので、手元にねんきん定期便が届いたらぜひ試してみてください。

年金の見込み金額が小さい時の対策

50歳未満の方は、前述の通り老齢年金の見込み額は現在までの年金保険料の納付分のみで計算されています。当然、今後も60歳までは保険料を納めることになりますので、金額が少なく表示されているわけです。

一方で50歳以上の方は、現状で払い込みを続けた場合の見込み額となっています。これを見て危機感を覚えたという方は、何らかの年金対策を早めに始めた方が良いかもしれません。

  • 65歳以降も働き、繰り下げ受給で年金額を増やす
  • iDeCo(イデコ)などで備える

この辺りが主な対応策になります。

65歳以降も働き、繰り下げ受給で年金額を増やす

長く働くことで老後も収入を得て、年金を繰り下げ受給(66歳以降に受給を遅らせること)することで、完全リタイア後の年金受給額を生涯にわたって増やすというものです。

繰り下げ受給をすると、1ヶ月ごとに0.7%増額されます。70歳まで繰り下げると42%増額され、2022年4月の制度改正により引き上げられた最大上限である75歳まで繰り下げると、最大84%の増額が可能になります。

受給額を大きく増やしていけるので、長生きリスクへの対策としても非常に効果的です。

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iDeCo(イデコ)などで備える

現在収入があるという方は、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入して追加で掛金を払うことで、老後に備えることもできます。全額が所得控除となるため、節税メリットも大きいです。

法改正により、iDeCoの加入可能年齢は2022年5月から65歳未満に拡大されており、さらに2027年12月からは70歳未満まで拡大予定となっています。また、2027年1月からは拠出限度額の引き上げ(企業年金なしの会社員は月6.2万円まで等)も予定されています。

このように運用期間が延びる方向へ制度が変わっているため、50歳以降であっても、運用によるメリットや節税効果を考慮した貯蓄目的として十分に利用価値があります。

定年前(50歳代)の人でも個人型確定拠出年金(iDeCo)を上手に活用する方法個人型確定拠出年金は掛金所得控除、運用益非課税などの税メリットを活用しながら老後の年金資産を積み上げていくのに大変有利な制度となっていま...

ねんきん定期便で老後の年金見込み額を知り備える

実際の見込み額の目安を知ることができるのは50歳以降になりますが、自分が受け取れるであろう金額を把握し、それに応じて必要な対策を取れるうちに取ることが重要です。

一般的な家庭では、子供が独立してから定年までが家計収支が大幅に改善し、最も貯蓄しやすい環境になってきます。

ねんきん定期便やねんきんネットを活用して年金受給見込み額を知り、iDeCoや働き方の見直しなど必要な対策を考えるのは、このタイミングがベストです。

ABOUT ME
ふかちゃん
マネーライフハックの編集長 兼 管理人です。節約やマネー術などについての情報発信を2004年から続けています。
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