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定年前(50歳代)の人でも個人型確定拠出年金(iDeCo)を上手に活用する方法

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teinen_slowlife個人型確定拠出年金は掛金所得控除、運用益非課税などの税メリットを活用しながら老後の年金資産を積み上げていくのに大変有利な制度となっています。

そのため、活用できるのは比較的若い人と考える方も多いかもしれません。そのため、もう自分は50歳代だから……、という理由で確定拠出年金に加入をしないと決めている人もいるかもしれませんが、それはもったいないです。

運用という部分を除いたとしても「掛金の全額所得控除」というのは実は結構大きかったりします。今回はそんな定年前(50歳代)の人が上手に確定拠出年金を活用する方法を紹介していきましょう。

iDeCoによるの税金の所得控除(節税効果)は大きい

個人型確定拠出年金のメリット・デメリット」でも紹介していますが、確定拠出年金の大きなメリットは「掛金の全額所得控除」「運用的非課税」です。確定拠出年金として拠出した保険料部分は全額所得控除の対象となります。

仮に所得税率が20%とすると住民税(10%)も合わせれば、負担している税率は30%となります。ここで確定拠出年金として年間で20万円の掛け金を拠出すれば、税金が6万円も安くなります。20万円の掛け金に対する節税効果が6万円なら利回り30%となります

あくまでも、所得控除による節税効果は初年度だけですが、50歳代の方であってもこの節税効果を考えれば、たとえ定期預金(元本保証商品)であってもiDeCoに加入するほうがお得になる公算が大きいです。

 

限界税率と確定拠出年金拠出による節税効果

限界税率とは所得が1円増加したときに増加する税金の割合のことです。

日本の所得税は超過累進税率が採用されており所得が一定を超えると超えた部分の税率が高くなります。なので一定以上の所得水準を超えると1円の追加所得があったときの支払うべき税額は高くなります。

逆を言えば所得を減らせばそれだけの税率で税金が安くなります。たとえば、所得が195万円超330万円以下は10%なので、300万円の所得の人が30万円分を確定拠出年金に拠出すれば税金は30万円×10%=3万円分税金がくなります。

一方で所得が330万円超695万円以下の部分は20%になるので、600万円の所得の人が同じ30万円を確定拠出年金に拠出をすれば30万円×20%=6万円分税金が安くなります。

所得別の所得税率(平成30年分)

  • 195万円以下:5%
  • 195万円超330万円以下:10%
  • 330万円超695万円以下:20%
  • 695万円超900万円以下:23%
  • 900万円超1800万円以下:33%
  • 1800万円超4000万円以下:40%
  • 4000万円超:45%
    ※上記に復興特別所得税として2.1%が上乗せされます。

なお、住民税(所得割)は10%固定なので所得による影響なく課税されます。

ちなみに上記の金額は年収ではなく所得です。違いについては「収入(年収・給与)と手取り、所得の違いを理解しよう」をご覧ください。

 

入り口は全額非課税となり、出口では税金が優遇される

仮に拠出時の所得税+住民税の税率が30%として100万円拠出すると30万円分が節税となります。出口(受け取る)タイミングでは所得税がかかりますが、優遇されているので仮に10%分課税されたとしても10万円の税払いとなり、差額の20万円分だけ得をすることができるのです。

定年前(50歳代)の方は若年層と比較して相対的に年収が高いケースが多いため、負担している所得税率も高いはずです。そのため、この税率差は大きくなりやすくお得といえます。所得税率文だけ節税効果は高まるので「高所得者の方ほど有利(税効果が高い)」になります。

また、50歳代から10年間の加入ということであれば60歳から受け取れるため、掛け金として固定される期間が短くて済むというのも大きなメリットです。

ちなみに加入期間が8年以上なら61歳から、6年以上なら62歳から、4年以上63歳から、2年以上なら64歳から、それ未満なら65歳から受け取ることができます。

なお、個人型確定拠出年金は60歳までしか加入できません。

 

所得控除(節税効果)をメリットとするなら別に運用しなくてもいい

50歳代の人が確定拠出年金に加入する場合で所得税率による差が大きい場合は、その税メリットだけでもそれなりの金額になります。極論、運用ではなく目減りしない定期預金で運用していても税メリット分だけは得をすることができます。

もちろん、投資信託などでも運用を否定するわけではありません。ただ、401kの運用は投資信託等で運用しなければ意味がないという発言もある中で、50歳代の方であれば、必ずしもそうではなく税メリットだけでもかなりのものになるという意味です。

 

一時金として受け取る場合

加入年数が10年以上なら60歳から受け取ることができます。この一時金の場合「退職所得控除」が適用されます。

退職所得控除=40万円×加入年数
なお、加入年数が20年を超えた部分1年あたり70万円が控除額となります。

加入年数は確定拠出年金の掛け金を払った期間です。長くなるほど控除額が大きくなります。
仮に10年加入していた場合は400万円以下しか401kの財産がなければ非課税ということにできるわけです。これは大きい。

所得税+住民税率が30%だとすると、10年間の加入期間で120万円相当の税金が節税できた計算になるわけです。ちなみに掛金の合計額は400万円と考えると10年運用(平均積立期間は5年)なので、実質的な利回りは6%となります。

 

年金として受け取る場合

一時金として受け取らずに年金として受け取る場合には「公的年金等控除」が利用できます。

所得=(a)×(b)-(c)によって計算されます。

年金を受け取る人の年齢 (a)公的年金等の収入金額の合計額 (b)割合 (c)控除額
65歳未満 (公的年金等の収入金額の合計額が700,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
700,001円から1,299,999円まで 100% 700,000円
1,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円
65歳以上 (公的年金等の収入金額の合計額が1,200,000円までの場合は、所得金額はゼロとなります。)
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円

年金の場合も給与所得等と比べると優遇はされています。こちらのケースは65歳以上なら年120万円までは非課税となります。どのくらい年金収入があるかは現役時代の年収などによっても大きく変わってくるため、何とも言えません。

厚生年金(サラリーマンの方)の平均受給額は月14万円程度ということを考えると年168万円となるため、これに401kの年金分が加算されるとなると「非課税」とはいかないですね。

 

運用を考えないなら一時金がお得

以上を考えると一時金として受け取る方がメリットが高そうです。実際のところ、50歳から401kに加入するというケースは所得税率の差をりようして節税するという部分の方が大きいです。

そう考えると一時金として早く受け取る(現役時代中に節税した税金分の果実を早く受け取る)方が魅力的といえるでしょう。

なお、個人型確定拠出年金を受け取るときの方法については、退職金の有無や金額、401k以外の年金への加入状況などによって、取るべき選択は変わってきます。詳しくは「個人型確定拠出年金(iDeCo)の年金の受給方法による違いとそれぞれのメリット、デメリット」で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。

 

確定拠出年金は50歳代でも十分魅力的

確定拠出年金は20年、30年と運用をして自分の年金財産を有利に運用するという形で活用するのが本筋かもしれませんが、50歳代の方でも入り口(掛金拠出時)の所得税、住民税の限界税率と受け取り時の税率の差という強みを十分に活かすことができます。

こうしたメリットは若い人にも当然ありますが、それが実現するには60歳まで待つ必要があります。40歳の方なら20年必要なわけです。一方58歳の方なら6年後(64歳受け取り可能)にはその果実を手にすることができます。

税率の差をわずか6年という短い期間で、ノーリスクで受け取れるというのも十分な魅力だと思います。

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以上、定年前(50歳代)の人でも個人型確定拠出年金を上手に活用する方法を紹介しました。