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自営業・個人事業主のiDeCo(確定拠出年金)と国民年金基金、付加年金の比較。どちらがお得?

nenkin自営業者やフリーランス、あるいは無職の方などは公的年金の区分として「第1号被保険者」となります。第1号被保険者は公的年金として1階部分である国民年金に強制的に加入することになります。一方で、サラリーマンが加入している厚生年金と比較すると、保障も老後の年金も少なくなりがちです。

そのため、自営業などの第1号被保険者の方は任意で「個人型確定拠出年金」「国民年金基金」「付加年金」などの追加的な年金制度に加入することができます。

今回はそんな第1号被保険者(自営業・フリーランス)の方向けにiDeCo(個人型確定拠出年金)と国民年金基金、付加年金の3つの任意加入の年金制度についてどれがお得なのかを比較していきます。

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自営業の年金はサラリーマンの年金よりも少ない

日本の年金制度は3階建てといわれています。
図にすると下記のようになります。

nenkin2017

オレンジ色の国民年金(1階部分)がベースでそのうえに「厚生年金」や「企業年金(共済年金)」が2階建て部分。さらに一部の企業では企業年金(厚生年金基金・確定給付年金・企業型確定拠出年金)が3階建て部分として用意されています。

こうした年金制度の中で、もっとも年金が充実していないのが第1号被保険者(個人事業主・自営業・フリーランス・無職)と第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者で収入が年130万円以下)です。

ただ、第3号被保険者(いわゆるサラリーマンの妻)は保険料を納めなくても年金保険料を払ったことになるというむしろ優遇された立場にあります。詳しくは「年金の第3号被保険者制度の問題点とその廃止議論についてのまとめ」。

となると、公的年金制度においてもっとも、充実していないのが第1号被保険者です。

よく比較対象となるサラリーマン(厚生年金加入)との比較については「意外と知らない国民年金と厚生年金の違い」や「実際に支給されている国民年金、厚生年金の平均受給額はいくら?」でもまとめています。老後の年金額はもちろんですが、その他の保障(障害年金・遺族年金)などの面でもサラリーマンの加入する厚生年金に劣ります……。

 

第1号被保険者は標準だと国民年金のみの加入となります。ただ、それだけでは不安という人のために任意で加入できる年金制度があります。それが「個人型確定拠出年金(iDeCo)」「国民年金基金」「付加年金」の3つです。

 

付加年金は自営業者の強い味方

毎月の国民年金にプラスして保険料を払うことで老齢基礎年金に上乗せをすることができる制度です。国民年金加入者(第1号被保険者)のみ加入できます。

2016年の保険料は月額400円で、老齢年金(老後にもらえる年金)に対して「200円×付加保険料を支払ってきた月数」の年金受取額がアップします。仮に20年(240か月)付加年金に加入したとします。

支払う保険料:400円×12カ月×20年=96000円
受け取る年金:200円×240カ月=48000円(年額)

単純に老齢基礎年金を2年以上もらえるなら得ができるというというお得な制度で、2年1ヶ月目から払った保険料以上の年金受け取りが始まるということになります。

国民年金は終身年金(死ぬまでもらえる)のでお得です。長生きリスクに備えるには非常に魅力的な年金といえそうです。

これから紹介する個人型確定拠出年金との併用は可能ですが、国民年金基金の場合は利用できません(国民年金基金に含まれる形となっているため)。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)と国民年金基金

続いての個人型確定拠出年金(iDeCo)と国民年金基金はどちらも国民年金とは別に加入する年金です。それぞれ別物の年金で、併用することもできます。

ただし、毎月納付することができる保険料の上限額は個人型確定拠出年金と国民年金基金の両方を合計して月額68,000円までと決まっています。どのように振り分けるか、あるいはどちらに加入するかを決めておく必要があります。

まずは、それぞれの特徴を比較してみましょう。

個人型確定拠出年金 国民年金基金
支払う年金保険料
(積立金額)
定額(変更可能)、両者を合算して月額68000円まで。
支払った保険料は全額所得控除される。
保険料の変更 可能(5000円~68000円)
ゼロにすることも可能
口数単位で変更可能。
1口あたりの金額は契約時の年齢・性別で変動
受け取れる年金額 支払った保険料+運用成果 契約時の年齢や性別に応じて決定(確定給付)
利回り 運用によって異なる 確定利回り
利用停止 特になし。会社員になった場合でもそもまま掛け金の拠出が継続できる(ただし、支払う保険料の上限は12,000円~23,000円) 第1号被保険者でなくなった時には掛け金の拠出ができなくなる。
受け取り方法 60歳の受給のタイミングにで決める
・一括
・終身年金
・その併用
最初に決める必要あり
・終身年金(有期保証)
・終身年金(保証なし)
・有期年金
年金の信用リスク 自分のお金(運用資金)は個人用のアカウントで管理されているので年金の破たんとかは関係ない。 自分の掛け金も一緒に厚生年金基金として管理されている。

まあ、言えることは国民年金基金に入るくらいなら個人型確定拠出年金(iDeCo)の方が圧倒的に商品性が優れているということでしょうか。

個人型確定拠出年金のリスクとしては「運用の結果が自己責任である」というところはあります。一方の国民年金基金は確定利回りです。そのため、リスクは負いたくないという人は国民年金基金を選ぶかもしれません。

でも止めておいた方がいいです。その理由は下記の2つ。ちなみに、いかで説明するのは国民年金基金の悪口みたいになっています。確定拠出年金のメリット、デメリットについては「」のページで詳しく紹介しているので、こちらもぜひご一読ください。

 

国民年金基金は過去の高利回りを約束した受給者の負担を新規加入者が負っている

まずはこれが第1の理由。国民年金基金にはすでに「積立不足」が生じています。これは何かというと、国民年金基金は確定給付の年金です。国民年金基金は1991年に登場しました。

実は積立不足がすでに発生しています。積立不足というのは運用の失敗というよりも高利回りを当初に約束したため、約束した予定利率(利回り)で加入者に年金を支払う時に理論上必要な金額に達していないということです。

つまり、財源的にはすでに痛んでいる年金というわけです。利回りを過去にさかのぼって下げるわけにはいかないので新規の加入者(あるは将来の加入者)がこれを負担することになります。

国民年金基金の予定利回りは2016年現在で1.5%です。

ちなみに、過去の国民年金基金の予定利率の推移を見ていきます。

1991年:5.5%
1995年:4.75%
2000年:4.0%
2002年:3.0%
2004年:1.75%
2014年:1.50%

設立当初に入った方はおめでとうございます。ですね。これからはいる方は5.5%の高い利回りで運用できている人のために高い掛け金を納める必要があるわけです。
また、このまま積立金不足が深刻になれば年金の存続も危ぶまれるかもしれません。

一方で個人型確定拠出年金の場合、あくまでも個人単位のアカウントで積立が管理されますのでこうしたことは起こりません。

 

国民年金基金ではインフレリスクに対応できない

あと2016年現在で1.5%ならまだいいと思うかもしれません。世の中マイナス金利で騒がれていて、個人向け国債で運用しても0.05%しかつかないし、預金金利もほぼゼロですからね。

ただ、国民年金基金の場合、ずーっとこの利率が適用されます。そのため、将来インフレになった場合にはkのリスクに対応できません。

一方の確定拠出年金の場合には、通常の運用商品で投資されているので、インフレになれば当然運用商品の利回りが向上するため、インフレリスクにも比較的対応できます。

 

唯一のメリットは「終身年金」としての選択があること

国民年基金の唯一のメリットといえるのは「終身年金」としての利用ができること(最初に選ぶ必要がある)です。

確定拠出年金は基本的に自分で積み立てて運用したお金が払われます。一方の国民年金基金の場合、一定以上に長生きをした場合はその分得をできる可能性があります(逆に早死にしたら損)。

年金の目的の一つを「長生きリスクに対するヘッジ」と考えるのであれば大きなメリットといえるかもしれません。

 

自営業者の節税という意味なら「小規模企業共済」もアリ

iDeCo(確定拠出年金)と国民年金基金、付加年金の加入について掛け金の所得控除を利用した税効果(所得税や住民税の節税)にあるとういうのであれば、年金ではなく小規模企業共済という選択肢もありです。

iDeCo(確定拠出年金)と国民年金基金、付加年金はいずれも老後まで引き出しができないという点に注意が必要です。

資金繰りを考えた金額の掛け金にしておくというのも重要です。ただ、確定拠出年金は「年金」なので差し押さえされない資産です。万が一、事業に失敗して自己破産した場合でも、年金資産は保護されます。

一方の「小規模企業共済」については掛け金について一定の範囲で借りることができる、というメリットがあります。ただし、個人資産として扱われるため、差し押さえの対象資産となります。

それぞれ長所と短所があるので両方を上手に活用するのがお勧めです。

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