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所得税における所得控除と税額控除の違いは何か?

tax議論が進められている配偶者控除の廃止、夫婦控除の新設議論。基礎控除の見直し議論において、税制における控除を「所得控除」から「税額控除」に切り替えるという方針が打ち出されています。こうした方針は基本的には「低所得者にとっては減税で高所得者にとっては増税」という税制改正となります。

今回はそんな税制における所得控除と税額控除の違いをわかりやすくまとめていきたいと思います。

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所得税の計算方法を理解しよう

まず、控除について考えるとき所得税の計算の仕組みを知る必要があります。

たとえばサラリーマンの場合は2016年現在、下記のようにして所得税は計算されて最終的な納税額が決まります。
所得税は実際の総支給金額(給料)から下記の所得控除を差し引いた控除後の金額に「税率」をかけて計算することになっています。

 

1)給与所得控除
いわゆる給料を稼ぐための経費を簡易的に計算したものです。たとえば、年収500万円の方の場合154万円が給与所得控除として給与から差し引くことができるようになっています。サラリーマンでない方は実際にかかった経費を申告することで控除可能です。

 

2)基礎控除
基本となる所得控除です380,000円を所得から差し引けます。なお、住民税計算の場合は330,000円です。

 

3)配偶者控除やその他控除
所得が38万円以下の配偶者がいる場合に利用できる控除です。こちらは380,000円を所得から差し引けます。なお、住民税計算の場合は330,000円です。このほか、扶養親族がいる場合などはその数や年齢に応じて控除が細かく決められています。

 

4)社会保険料控除
厚生年金保険料や健康保険料などを払った分については所得から差し引くことができるようになっています。サラリーマン以外の方は国民健康保険料や国民年金保険料が該当します。他にも「個人型確定拠出年金」の掛け金や「小規模企業共済」などの保険料もこちらで控除できます。

 

そのうえで、計算された所得税の金額から支払う税金を差し引くことができるのが税額控除となります。

 

日本の所得税率は下記の表のように所得が増えるほど適用される税率が高くなるという超過累進税制が採用されています。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 

所得控除による影響は高所得者ほど大きい

本題に戻すと、所得控除というのは税金を計算するための所得を差し引くいというものです。一方の税額控除は計算された税額から一定額を差し引くことができるというものです。

たとえば、「配偶者控除の廃止と夫婦控除新設の議論」において所得控除方式から税額控除方式への変更が検討されているのは、所得控除による影響は高所得者ほど大きいというものがあるからです。

現行の配偶者控除は所得から38万円を差し引くことができます。この所得控除による影響は税率によって変わってきます。

5%:1.9万円の減税効果
10%:3.8万円の減税効果
20%:7.6万円の減税効果
23%:8.74万円の減税効果
33%:12.54万円の減税効果
40%:15.2万円の減税効果
45%:17.1万円の減税効果

というように、配偶者控除が行われることによるその最終納税額への影響は税率の高い高所得者の方が負担軽減につながっています。

ただ、勘違いしてほしくないのは高所得者の方が納める税金が少なくなるというわけではありません。配偶者控除だけに対しての減税効果は大きいですが、そもそも高所得者はその所得に高い税率が課せられているため、所得控除による影響が大きいというお話になります。

 

税額控除も場合によっては高所得者優遇となるケースも

じゃあ、税額控除なら低所得者にも有利なのか?と言われたら必ずしもそうはいえないケースがあります。税額控除というのは発生した税金から差し引くことができる制度です。そのため、そもそも納める所得税(税金)が発生していなければ利用すらできないわけです。

 

住宅ローン控除(減税)

代表的なものの一つが住宅ローン控除ですね。こちらは住宅ローン残高の1%相当を税額控除できる制度です。景気対策的に使われることが多い制度なので、時期によって異なりますが、仮に4000万円の住宅ローンを組んでいるなら1%の40万円の減税にできるわけです。

昨今の住宅ローン金利の水準を考えると「住宅ローンを借りただけお金がもらえる。金利と減税の逆ざや(実質マイナス金利)を活用」でも指摘したように住宅ローンを借りていることで逆にお金をもらっているマイナス金利状態にすることだってできています。

こうした税額控除が利用できるのはある程度所得がないと無理です。そもそも4000万円の住宅ローンを借りれるという時点でそれなりの所得がないと無理というのもりますし……。

こういうことを利用して税金を安くできるのは高所得者の方ほど有利になります。

 

ふるさと納税(寄付金控除)

人気のふるさと納税も「寄付金控除」という税額控除のシステムを利用しています。寄付自体はいくらしてもいいのですが、最低自己負担の2000円で済むのは、住民税所得割額の2割が寄付上限額となっています。

これはどういうことかというと2000円の自己負担で済む寄付金額は「所得が多い人ほど大きくなる」ということなのです。ふるさと納税はお礼の品がもらえるため実質2000円で色々な地域の特産品などがもらえる制度になっています。

ちなみに「ふるさと納税の限度額の目安。年収や過去の住民税から計算する方法」で寄付可能な目安額を紹介していますが、年間の所得が200万円ならおよそ5万円くらいですが、所得が1000万円だと35万円くらい寄付が可能になります。

そう考えると、ふるさと納税は高所得者ほど恩恵が受けられる制度ということになりますね。

 

以上、所得税における所得控除と税額控除の違いは何かということをまとめてみました。

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