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投資信託の保有ポイント制度でネット証券を比較
ネット証券の中には投資信託を保有することでポイントが付与するところが数社あります。これらのサービスを利用すれば、投資信託の保有コストである信託報酬の一部を実質的に値引きしてくれることになります。最近ではローコストで運用可能な投資信託(インデックスファンド)も増えていますが、ネット証券のこうしたポイントサービスを活用することで、さらに得をすることができます。
今回は2019年9月時点で投信ポイントサービスを提供している「SBI証券」「auカブコム証券」「楽天証券」「マネックス証券」のそれぞれのサービス内容の比較や対象外ファンドなどについてわかりやすく紹介、比較していきます。
目次
まずは投資信託の手数料(コスト)の仕組みを知ろう
投資信託には大きく「販売手数料(購入時にかかる手数料)」と「信託報酬(投資信託の保有する期間中かかる運用経費)」「信託財産留保額(投資信託を解約するときの手数料)」の三つがあります。
手数料の特徴 | |
---|---|
販売手数料 | 販売会社により異なります。同じファンドでも銀行では手数料が2%かかるけど、ネット証券なら無料というものも多いです。 |
信託報酬 | どの証券会社で買っても共通です。 |
信託財産留保額 | どの証券会社で買っても共通です。 |
こちらで紹介しているように、販売手数料については投資信託を売っている証券会社によっても差があります。「投資信託はどこで買うのがおすすめ?銀行・証券会社・ネットバンク・ネット証券を比較」などで銀行や証券会社の窓口でファンドを買うべきではないと書いているのは手数料が高いからというのが理由の一つです。
その一方で、投資信託で中長期の資産運用を考えたときに、コストとして大きなものは「信託報酬」という管理手数料です。こちらはファンドごとに定められており、どの証券会社で購入しても同じです。
ファンドによって差があるので「投資信託の選び方と資産配分(アセットアロケーション)の考え方」で紹介しているように、投資をするときは信託報酬の安いものを選ぶことが重要です。実際にインデックスファンドでコストの安いものについては「日経平均株価に連動するおすすめの投資信託(インデックスファンド)」などでも紹介しています。
投信ポイントサービスは事実上の信託報酬の割り戻しになる
さて、そんな信託報酬ですが、安いファンドを探すというのももちろん大切なのですが、投信ポイントサービスを活用するという方法も検討してはいかがでしょうか。
投信ポイントサービスとは、提供している証券会社(ネット証券)によって差があるものの、投資信託の保有残高に応じて残高の一定割合をポイントとしてキックバックしてくれる制度です。
たとえば、「SBI証券の投信マイレージサービスのメリット、デメリット」でも紹介したSBI証券は投信マイレージとして投資信託として預けている金額(残高)の0.1%~0.2%をSBIポイントとして還元してくれます。
これは言い換えれば、0.1%~0.2%分の信託報酬がキックバックされるということになるわけです。たとえ0.1%という数字でも投資金額が1000万円なら年間で1万円も差が出る計算になるわけで決して馬鹿にはできません。
ネット証券各社の投信ポイントサービスの比較
ネット証券 | 投信ポイントの特徴 |
---|---|
SBI証券 | 投信マイレージプログラムとして、保有残高の0.1~0.2%分がSBIポイントとして還元されます。 2019年よりSBIポイントではなく、直接Tポイントに交換することもできるようになり利便性UP。また、Tポイントを使って投資信託を買うこともできます。 ※信託報酬が極端に安いファンドは例外ファンドとして0.01%~0.05%のポイント還元となります。 |
auカブコム証券 | 100万円ごとに毎月1ポイントがポイントバックされます。率にすれば0.12~0.24%とSBI証券よりもバック率は高いです。ただし、換金制限とポイント有効期限の関係から最低でも300万円以上の投資をしていないとキャッシュバックの対象になりません。 ※ポイント付与の対象外ファンドが多数あります |
楽天証券 | 投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイント(年間0.048%) (ハッピープログラム・楽天銀行の口座が必要) |
マネックス証券 | 月の平均投資信託残高の0.03%または0.08%のマネックスポイントがたまります。 還元率はファンドによって異なります。 たまったマネックスポイントはdポイントやTポイントなどと交換できます。 |
松井証券 | 各投資信託の信託報酬のうち、松井証券の受取分として0.3%を設定し、それを超えて金額を全額キャッシュバック。0%~0.7%程度。 |
せっかくなら還元率が高いところを利用したいところですよね。でも、説明にも書いていますが、いくつか注意点があります。
ポイント対象外ファンドがある
注意点として大きいのはこの「対象外ファンド」の存在です。
特に、上記の証券会社の投信ポイントサービスのうち「auカブコム証券」「松井証券」は対象外(あるいは実質的に対象外)のファンドが数多く存在する仕組みになっています。信託報酬(保有コスト)の高いファンドしかそもそも還元対象ではないのです。理由は信託報酬の額が小さすぎて、ポイント還元すると逆に証券会社側が赤字になってしまうということがあげらるでしょう。ただ、ポイント目当てにあえて手数料が高いファンドを買うというのも無駄ですよね。
見た目では、松井証券の最大0.7%、auカブコム証券の最大0.24%還元が大きく見えますが、実際のところだと還元があまり期待できなかったりします。
SBI証券や楽天証券、マネックス証券についてはポイントバック率がたかくないだけで、ローコストのファンドでも投信ポイントが付与されます。そのため、投資信託を保有するならSBI証券か楽天証券。マネックス証券のどちらかということになりそうです。
SBI証券とマネックス証券、楽天証券ならどれがお得?
両社のポイント付与率は下記のようになっています。
SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|---|
基本ポイント付与率 | 0.1%~0.2% | 0.08% | 0.048% |
制限対象のファンド | 0.01%~0.05% | 0.03%(一部ファンドは0%) |
私は投資信託の保有は原則としてコストの安いインデックスファンドであるべきだと考えています。
eMAXIS Slimや<購入・換金手数料なし>シリーズ、たわらノーロードシリーズなどが代表格ですね。こうしたファンドは基本的にネット証券の投信ポイントでは「制限ファンド」となります。となれば、基本的には制限ファンドとして最も高い還元率を出しているところを利用するべきだと思います。
まず、どこか1社に絞って投資信託への投資を始めるというのであれば、現状だと「楽天証券」をもっとも推奨します。
- どのファンドでも0.048%分のポイントが付与される
- 購入時(積立投資時)には楽天カードで買い付けをすると1%分の楽天ポイントが戻る
という点です。この二つの合わせ技が楽天証券をおすすめする理由です。投信ポイントについては以下の記事もご参照ください。
続いてはTポイントがたまるSBI証券でしょうか、同社も2021年にはクレジットカードを使った投信買い付けサービスを始めるという話もありますので期待したいところです。
マネックス証券は投信ポイントという面ではもうちょっと特徴が欲しいところです……。
以上、投資信託の保有ポイント制度でネット証券を比較してみました。
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