高校卒業まで支給拡大!2026年最新の児童手当の仕組み・金額と知っておくべき手続き
児童手当とは、子育て世帯を対象に支給される大変重要な公的手当金制度です。この児童手当について、かつては毎年6月に受給要件を確認するための「児童手当現況届」の提出が義務付けられていましたが、法改正により2022年度(令和4年度)からは原則として提出が不要になりました。
さらに、児童手当は大幅な制度改正が実施され、支給対象の拡大や金額の増額、所得制限の撤廃など、子育て世帯にとって極めて大きな転換期を迎えています。今回は、最新の児童手当の仕組みや受給可能な金額、変更時の手続き、そして現況届の取り扱いについて詳しくまとめていきます。
児童手当とは?歴史的な変遷と最新の制度改正
児童手当とは、子どもを養育している家庭に給付される公的な手当です。時代にともない名称や内容が変化してきた歴史があり、子どもをめぐる公的手当の変遷をまとめると以下のようになります。
| 制度名 | 支給年齢 | 支給金額 | 所得制限 |
|---|---|---|---|
| 旧児童手当 〜2010年3月まで |
小学校卒業まで | 3歳未満:1万円 3歳以上:原則5,000円 (第3子以降は1万円) |
あり 一定額を超えると支給額はゼロ |
| こども手当 〜2011年9月まで |
中学校卒業まで | 一律:1.3万円 | なし |
| こども手当 〜2012年5月まで |
中学校卒業まで | 3歳未満:1.5万円 小学校修了まで:1万円(第3子以降1.5万円) 中学校修了まで:1万円 |
なし |
| 新児童手当 2012年6月〜2024年9月 |
中学校卒業まで | 3歳未満:1.5万円 小学校修了まで:1万円(第3子以降1.5万円) 中学校修了まで:1万円 |
あり 所得制限限度額を超えると特例給付(一律5,000円)に減額。さらに2022年10月からは所得上限限度額超で支給ゼロに。 |
| 現行の児童手当 大幅拡充 |
高校卒業まで (18歳到達後最初の3月31日まで) |
3歳未満:1.5万円(第3子以降3万円) 小学校修了まで:1万円(第3子以降3万円) 中学校修了まで:1万円(第3子以降3万円) 高校修了まで:1万円(第3子以降3万円) |
なし 所得制限・所得上限ともに完全に撤廃 |
最新の制度における支給額を整理すると、以下の通りとなります。
- 3歳未満:月額1.5万円(第3子以降は3万円)
- 3歳〜小学校修了まで:月額1万円(第3子以降は3万円)
- 中学校修了まで:月額1万円(第3子以降は3万円)
- 高校修了まで:月額1万円(第3子以降は3万円)
大きなポイントは、支給期間が「高校卒業まで」へ延長されたこと、そして第3子以降の多子加算が一律3万円へと大幅に引き上げられたことです。
この拡充により、子ども1人あたりに給付される総額(出生から高校卒業まで)は、第1子・第2子の場合でも約230万円〜250万円超となり、以前の基準よりも大幅に手厚くなっています。生まれた月によって金額が前後し、一番お得なのは4月生まれ、一番支給月数が少なくなるのは3月生まれとなる構造は従来通りです。
支給回数も変更!年6回の偶数月払いに
以前は年3回(4か月分ずつ)の支給でしたが、現在の制度では年6回の「隔月払い」に変更されています。2か月分がまとめて、偶数月に指定口座へと入金されます。
- 2月(12月・1月分)
- 4月(2月・3月分)
- 6月(4月・5月分)
- 8月(6月・7月分)
- 10月(8月・9月分)
- 12月(10月・11月分)
劇的に変わった「第3子」のカウント方法
多子加算(月額3万円)の判定における子どものカウント方法も、非常に有利な形に改定されました。これまでは高校卒業までの子どもを基準に第1子、第2子と数えていましたが、新しい仕組みでは22歳到達後の最初の3月31日(大学卒業年齢相当)までの子どもをカウント対象に含めることができます。
これにより、例えば「21歳(大学生の第一子)、16歳(高校生の第二子)、12歳(中学生の第三子)」というご家庭の場合、一番下の中学生の児童が「第3子」とみなされ、月額3万円の増額支給を受けられるようになっています。
所得制限・所得上限は完全に撤廃!
かつては高所得世帯に対して手当を減額する「所得制限」や、支給を完全に停止する「所得上限」が設けられていましたが、これらは完全に撤廃されました。養育者の年収や所得の高さに関わらず、すべての対象世帯において満額の児童手当が支給されます。そのため、以前のようにiDeCoなどを活用して所得をコントロールするような制限対策を考える必要はなくなりました。
児童手当の現況届は原則不要に!ただし提出が必要な例外ケース
毎年6月の恒例行事であった現況届の提出ですが、自治体が住民基本台帳等で世帯状況を確認できるようになったため、原則として提出が不要となりました。しかし、以下の条件に該当する「状況の変化を自動で追えない世帯」には、現在も6月上旬頃に自治体から現況届が郵送されてきます。その場合は、6月末日までに必ず提出する必要があります。
- 住民票の住所とは異なる市区町村に子どもと別居している場合
- 離婚協議中で配偶者と別居している場合
- 配偶者からのDV(家庭内暴力)などの理由により、避難先で受給している場合
- 戸籍や住民票がない子ども(無戸籍児童)を養育している場合
- 施設等に入所している児童の施設受給者である場合
- その他、市区町村から個別に提出の案内があった場合
また、現況届の提出自体は不要な世帯であっても、以下のような世帯状況の変更があった場合には、その都度、速やかに市区町村へ届け出を行う必要があります。
- 就職や退職などにより、加入する年金の種類が変わった場合(例:厚生年金から国民年金になった、またはその逆など)
- 配偶者と婚姻した、あるいは離婚した場合
- 他の市区町村へ転出する配偶者や子どもがいる場合、または別居になった場合
- 公務員になった、もしくは公務員を退職した場合(児童手当の支給元が自治体から勤務先に変わる、あるいは勤務先から自治体へ変わるため、15日以内に手続きが必要です)
児童手当の受給資格と「監護・生計関係」のチェックポイント
児童手当は子どもを対象とした手当ですが、実際の受給者(請求者)となるのは、その子どもを「監護・保護し、生計を維持している人」です。夫婦と子どもが同居している通常の世帯では、夫婦のうち「継続して収入が多い方(生計維持者)」が受給者となります。
別居や特別な家庭環境にある場合、誰が受給者になるのかを判断するため、税関や自治体の審査では以下の概念がチェックされます。
だれが児童手当の支給対象になる?(同居・別居のルール)
父母が離婚協議中などにより別居している場合は、子どもの生活を直接支えている側を優先するルールがあるため、子どもと同居している父または母が請求者となります。例えば、収入は父の方が大きくても、母が子どもと同居して別居中の場合は、母が請求者となります。
ただし、単身赴任などによる一時的な別居であり、経済的な生計関係が同一のままであるという場合は、これまで通り主たる生計維持者(単身赴任している親)が、その赴任先の市区町村に対して請求することになります。
「監護の有無」と「生計関係の同一・維持」の意味
手続きの書類で見かける専門用語の意味は以下の通りです。ほとんどの一般家庭では「監護:有」「生計:同一」に該当します。
| 監護(かんご)の有無 | 要するに、子どもを自分の保護下において日常生活の面倒を見ている、あるいは教育や養育を行っている状態のことです。特別な事情がない限り、親権者や実際の養育者は「有」となります。 |
|---|---|
| 生計関係の「同一」 | 子どもが受給者自身の実子や養子などであり、受給者と同じ財布(生計)で生活しているケースです。同居している場合はもちろん、進学による一人暮らしや単身赴任での別居でも、仕送り等で生活を支えていれば「同一」とみなされます。通常はこちらを選択します。 |
| 生計関係の「維持」 | 子どもが受給者自身の子ども(実子・養子)ではないものの、受給者がその子どもの里親になっていたり、生活費の大半を拠出して実質的に面倒を見ているケースです。 |
同居か別居かという物理的な距離だけで単純に決まるものではありません。生計を一にしている実態があるかどうかが基準となりますが、家庭の状況が複雑な場合は、事前にお住まいの市区町村の窓口へ直接確認することをおすすめします。
手続きを忘れた・トラブルが起きた場合の対応方法
児童手当の手続きや案内をうっかり放置してしまった場合、どのような影響が出るのかを解説します。
現況届の提出を出し忘れたらどうなる?
現況届の提出を求められている対象者であるにもかかわらず、提出を忘れて期限を過ぎてしまった場合、手当の支給が一時的にストップ(差し止め)されてしまいます。実際の振込月になっても口座に入金がされなくなります。
提出が少し遅れたからといって、受給権そのものが剥奪されたり手当が減額されたりすることはありませんが、書類の処理に時間がかかるため振込日は確実に遅くなります。出し忘れに気づいたら、一刻も早く市区町村の窓口へ書類を提出してください。提出すれば、止まっていた期間の児童手当もさかのぼって満額受給することができます。
ただし、児童手当の請求権には2年間の時効が存在します。手当が差し止められた状態のまま2年間放置してしまうと、時効によって過去の分の受給資格が消滅し、二度と受け取れなくなってしまうため絶対に放置しないでください。
現況届の書類を紛失した、または届いていない場合
現況届が必要なケースなのに書類を失くしてしまった、あるいは6月中旬になっても届かないという場合は、自治体の窓口へ連絡すればすぐに再発行してもらえます。
なお、他の市区町村から引っ越してきたばかりで書類が届かないという場合は、新しい住所地で必要となる「児童手当認定請求書」の提出手続き自体を忘れている可能性があります。児童手当は引っ越し日(転出予定日)の翌日から15日以内に新しい自治体へ申請しないと、遅れた月分の手当が受け取れなくなる「15日特例」のルールがあります。申請が遅れると遡って受け取ることはできないため、速やかに新しい役所の窓口で手続きを行ってください。
一般的な申請手続きの際には、以下のものが必要となります(自治体や世帯状況によって異なる場合があります)。
- 申請者の健康保険証の写し
- 申請者名義の振込先金融機関の口座通帳やキャッシュカード
- 申請者および配偶者のマイナンバー確認書類(マイナンバーカードなど)
- 本人確認書類(運転免許証など)
確定申告を行う場合の注意点
会社員の方などで、株式投資の利益を確定申告することにともなってふるさと納税の上限枠を広げるケースや、その他の理由で確定申告を行う場合、児童手当への影響を気にする方もいるかと思います。以前の制度であれば、確定申告によって「総所得金額等」が上がると児童手当の所得制限に引っかかるリスクがありましたが、現在の児童手当は所得制限が完全に撤廃されているため、確定申告によってどれだけ所得が増加したとしても、児童手当が減額されたり停止されたりする心配は一切ありません。
ただし、高校生のお子様がいる世帯における「高等学校就学支援金(高校授業料無償化)」の判定など、他の子育て支援制度においては依然として住民税所得割額や所得の制限が残っているため、株の利益などをあえて確定申告する際は、児童手当以外の制度への影響を個別に見極める必要があります。
なお、児童手当の申請や確定申告を自身で行う場合、ふるさと納税のワンストップ特例制度は併用できなくなります。確定申告書を提出する際は、ふるさと納税の寄付金控除の入力も忘れずに行ってください。
確定申告を行った場合のふるさと納税の手続きや、ワンストップ特例との違いについては、以下の記事で詳しくまとめています。
まとめ
2022年以降の現況届の原則不要化に加え、最新の制度拡充によって、児童手当は高校卒業までの支給延長や多子加算の増額、所得制限の完全撤廃など、子育て世帯へのサポートが大幅に強化されました。
毎年の現況届の提出は基本的には不要となりましたが、別居や家庭環境の変化など特定の条件に当てはまる場合は引き続き提出が必要となります。また、支払い回数も年6回の偶数月振込へと変更されていますので、家計の管理や口座の入金状況を改めて確認し、大切な給付漏れがないように制度を賢く活用していきましょう。
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