公的な申込やローンなどを利用するときに「課税証明書」や「非課税証明書」を求められることがあるかもしれません。この課税証明書(非課税証明書)とはいったいどのような書類で、どこで取得できるものなのでしょうか?また、どのような情報が書かれている書類なのでしょうか?
今回はそんな課税証明書(非課税証明書)の内容や発行方法や受け取り方などをまとめていきたいと思います。
課税証明書・非課税証明書とは何か?
まず、課税証明書(非課税証明書)は各市区町村において住民税がいくら課税されたのか(あるいは課税されなかったか)を証明する書類です。課税証明書は住民税が課税されている場合、非課税証明書は住民税が課税されなかった場合に発行されるもので、両者は同じものです。
年収や所得などを証明するための書類として課税証明書が利用されり、年収がなかった・無職であるということなどを証明するためによく利用されるのが非課税証明書となります。
課税証明書・非課税証明書の内容は何?
課税証明書・非課税証明書の様式は市区町村によって異なりますが、多くのケースでは課税証明書に対して課税根拠となった所得(収入)金額やその所得区分(給与所得、年金所得、一時所得など)、課税標準額、各種控除額などが記載されています。
非課税証明書は同じ手続きでもらえますが、内容が異なり課税されていないことを証明する書類となっています。
課税証明書や非課税証明書を発行してほしいときの手続きの流れ
課税証明書(非課税証明書)は市区町村の役所で発行してもらうことができますが、証明してほしい年度や発行できる市役所などでいくつか注意点があります。
課税証明書・非課税証明書の取得可能時期と対応する所得
たとえば、2016年度(平成28年度)の課税証明書(非課税証明書)はおおよそ5月~6月中旬ごろから取得可能になります。基本的に住民税は1年遅れで課税されることになるので、2016年度(平成28年度)の課税証明書は2015年(平成27年)1月1日~12月31日までの所得に対する課税証明書となります。
証明書は「年度」なのに所得を証明する期間は「年」なので少しわかりにくいですね……。
さかのぼって発行してもらう場合、特定の年の課税証明書が必要な場合はご注意ください。
平成28年度(非)課税証明書:2015年1月1日~12月31日までの収入に対する証明
平成27年度(非)課税証明書:2014年1月1日~12月31日までの収入に対する証明
平成26年度(非)課税証明書:2013年1月1日~12月31日までの収入に対する証明
平成25年度(非)課税証明書:2012年1月1日~12月31日までの収入に対する証明
平成24年度(非)課税証明書:2011年1月1日~12月31日までの収入に対する証明
ちなみに、(非)課税証明書は、現年度を含む5年分まではさかのぼって取得請求が可能です。
課税証明書・非課税証明書を取得できる市役所(区役所)はどこ?
ただし、証明書を発行してほしい年の1月1日時点で住所があった役所が対象となります。
住民税の納付は1月1日時点で住所で課税されます。
たとえば、平成28年度の課税証明書は平成28年1月1日時点で住所のある市役所(区役所)で取得することができます。途中で何度引っ越しをしても同じです。
たとえば、2015年(平成27年)6月20日にA県B市から、E県F市に引っ越しをしたという例で考えてみます。
2015年1月1日時点はA県B市にいる
→2014年の所得に対する住民税をA県B市に支払うので課税証明は「A県B市」からもらえる
2016年1月1日時点はE県F市にいる
→2015年の所得に対する住民税をE県F市に支払うので課税証明は「E県F市」からもらう
課税証明書・非課税証明書を受け取るときに必要なもの
運転免許証、パスポート、マイナンバーカード(顔写真付き)などの本人確認書類が必ず必要になります。顔写真付きの本人確認書類がない場合は健康保険証や年金手帳などの身分証が複数必要となります。そのほかに印鑑も必要です。
また、証明手数料も200円~300円程度必要になります。
なお、基本的に課税証明書は極めてプライバシー性の高い書類なので第三者が勝手に取得することができません。そのため、課税証明書を本人以外が取得する場合には委任状が必要になります。
課税証明書と源泉徴収票との違い
サラリーマンの方などは年末に源泉徴収票を受け取っているかと思います。こちらにも収入や所得などが記載されいているので、所得証明として利用可能です。「知っておきたい源泉徴収票の見方、読み方、使い道」でも書いていますが、源泉徴収票も所得証明にはなります。ローンなどの審査などで所得証明が必要な場合、課税証明書ではなく、源泉徴収票でもOKというところは多いです。
ただし、源泉徴収票はそこに記載された金額以上の所得があることは証明できても、それ以下の所得しかないことを証明はできません。
他に事業所得があるかもしれませんし、不動産などの所得があるかもしれません、あるいは複数の職場で働いている(Wワーク)をしていたり、副業収入があるかもしれません。そうした所得がある場合は普通は確定申告をしていますが、こうした所得は源泉徴収票には反映されません。
なぜなら、源泉徴収票は1か所のお給料に対する所得証明でしかないからです。
一方で、課税証明書には反映されます。
そのため、公営住宅の入居などのように一定以下の所得が要件といったように所得制限がある審査では源泉徴収票ではだめで、課税証明書や非課税証明書が必要になるわけです。
もっとも、確定申告をしていないケースではこうした所得は反映されませんが、そちらは脱税になります。
以上、課税証明書や非課税証明書とは何か?発行方法や受け取り方などをまとめてみました。参考になれば幸いです。
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