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信託銀行とは?一般の銀行との違いを分かりやすく解説

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信託銀行とは、一般の銀行業務に加えて「信託業務」を行うことができる銀行となっています。じゃあ、信託業務って何か?という話になりますよね。

信託業務とは、個人や企業の持つ財産を受託者(信託銀行)に任せて、財産を運用・管理してもらうサービスです。

うーん、これだけだと何が何だか……という感じですよね。今回は信託銀行とはどんな銀行なのか?ということを「信託」というサービスの意味から、実際にどんなサービスがあるのか?という点を分かりやすく解説していきます。

信託銀行と一般の銀行の違いはなに?

信託銀行は通常の銀行業務以外にも「信託業務」と「併営業務」を行うことができる銀行です。

信託業務
委託者が受託者に信託をする、「信託とは何か?」で紹介する信託サービスを行う業務です。

併営業務
遺言の保管、遺言執行業務などの相続関連業務や企業の株主名簿を管理する業務(証券代行業務)、不動産売買仲介業務などです。

こうした業務を行う銀行が信託銀行となっています。

 

信託銀行の一覧

以下はリテール(個人)向けの信託サービスを行っている信託銀行です。

多くは「信託銀行」という名称が付いていますが、法律上必須ではないため、信託銀行ではあるもののオリックス銀行のように「信託」という名称が付いていない銀行もあります。

  • 三菱UFJ信託銀行
  • みずほ信託銀行
  • 三井住友信託銀行
  • SMBC信託銀行
  • 野村信託銀行
  • オリックス銀行

また、上記以外の銀行でも「信託銀行」とは称してはいませんが、信託業務を兼営の認可を受けた銀行があります。

  • 三井住友銀行
  • りそな銀行
  • 東邦銀行
  • 群馬銀行
  • 常陽銀行
  • 千葉銀行
  • きらぼし銀行
  • 八十二銀行
  • 北陸銀行
  • 北國銀行
  • 静岡銀行
  • スルガ銀行
  • 大垣共立銀行
  • 京都銀行
  • 南都銀行
  • 中国銀行
  • 広島銀行
  • 山口銀行
  • 阿波銀行
  • 百十四銀行
  • 伊予銀行
  • 四国銀行
  • 福岡銀行
  • 西日本シティ銀行
  • 佐賀銀行
  • 肥後銀行
  • 鹿児島銀行
  • 琉球銀行
  • 沖縄銀行
  • あおぞら銀行

上記銀行は「信託」と称してはいませんが、信託業務を行えます。

 

そもそも信託とは何か?

文字通り「信じて託す」ことです。

自分の持っている財産を託して、目的のために管理・運用してもらうことが「信託」というサービスです。

  • 委託者(財産を預ける人)
  • 受益者(財産から利益を得る人)
  • 受託者(財産を管理する人・信託銀行)

この3者がいます。委託者と受益者は同一人物の場合もありますし、家族であるようなケースもあります。

委託者は信託銀行(受託者)に財産を信託し、受益者のために管理・運用をします。

なお、委託者と受託者は信託契約を結び、信託する財産の所有権は受託者(信託銀行)に移ります。これが信託の大きな特徴です。

 

信託できるものは何?

制度の制限はありません。現金はもちろん、株式、債券などの有価証券、土地建物といった不動産など様々です。

 

信託はどのような目的で利用されるのか?

以下のような目的で利用されます。

  • 資産の運用・保全(金銭信託など)
  • 資産の継承(贈与、相続)
  • 資金調達(資産流動化)
  • 社会貢献(公益信託など、寄付や慈善活動)

後述しますが、信託は目的を持って財産を管理することができます。たとえば、子どもや孫に資産を残したいけど、無駄遣いが心配だから毎月○○万円ずつを渡すような信託契約を結ぶといったものもあります。

また、「教育資金贈与信託」や「結婚・子育て支援信託」「暦年贈与信託」のように贈与に関するような信託サービスもあります。

 

信託を利用する大きなメリット

  • 目的を定めての財産管理や運用ができる
  • 財産的価値があれば何でも信託可能
  • 委託者の財産とは分離されて管理される(倒産隔離機能)
  • 信託受益権とすることで財産管理や運用ができる
  • 税制上の優遇が受けられるケースもある

これらが大きなメリットとして挙げられます。

信託財産は冒頭でも書きましたが委託者の財産ではなく、受託者の財産へと移転されます。

仮に委託者が倒産したとしましょう。こうした場合でも、信託財産は委託者と切り離されているため債権者が取り立てることはできません。

証券会社が自己の財産と顧客(投資家)の財産を分別管理(切り分けて管理する)のもこの信託の機能を使っているわけです。

なお、受託者(信託銀行)が破綻した場合でも、固有の財産とは切り離して扱われますので信託財産が差し押さえられることはありません。

資産を守るという意味でも信託は有用に利用されています。

また、税制上のメリットもあります。前項で紹介した「教育資金贈与信託」や「結婚・子育て支援信託」などは贈与税が非課税になるなどのメリットがあります(条件あり)。

 

代表的な個人向けの信託サービスの特徴

個人向けの信託サービスの種類と特徴を一部紹介します。

信託サービス 特長
教育資金贈与信託 1500万円を限度に贈与税が課税されずに、子や孫の教育資金を援助することができる信託サービスです。
結婚・子育て支援信託 1500万円を限度に贈与税が課税されずに、子や孫の結婚資金、子育て資金、出産資金を援助することができる信託サービスです。
遺言信託・遺言代用信託 遺言書の作成から保管、執行といった相続手続きを委託できます。
本人が死亡した場合には、本人名義の銀行口座は凍結されますが、遺言代用信託を利用すれば自分の死後、配偶者や子どもに相続財産をスムーズに引き継ぐことができます。
暦年贈与信託 家族への生前贈与をスムーズにするために、贈与契約書の作成から贈与取引を行う信託サービスです。
生命保険信託 万が一の場合の死亡保険金を信託して、配偶者や子供、孫などに代わって管理してもらうサービスです。
予め決められた人に決められた方法でお金を渡すことなどができます。
金銭信託 金銭を信託して、信託銀行がその金銭を運用する商品。資産運用の他、その他の信託される資金の基本的な仕組みとして利用されています。
合同運用指定金銭信託(一般口)と実績配当型指定金銭信託に分かれます。
年金信託 金銭信託に預けた資金を年金のように毎月(一定期間ごとに)受け取ることができる信託サービス。
退職金などのまとまった資金を定期安定的に受け取れるようにすることができる。
寄付信託 金銭信託に預けた資金を、特定の団体等へ寄付することができる信託サービス。団体によっては寄付金控除(税制上の優遇)を受けることができます。
貸付信託(終了) 金銭信託の一種で合同運用の特殊な形。長期的な資金需要のために用いられてきましたが、2009年に新規取り扱いは終了し、現在はすべて償還済み。
ビッグの商品名で知られています。
財産形成信託 企業が従業員の賃金から積立金を天引きして貯蓄を行う物。いわゆる「財形」というやつです。

 

資産の使い方を考えるときのパートナー

金銭信託のように資産運用を目的に利用することもできますが、信託銀行は、資産形成というよりは、自分の資産の使い道や管理方法、処分方法を考えるときのパートナーとなる銀行です。

個人で一番お世話になるケースとしては、やはり相続や贈与を考えるときでしょうか。