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家族が死亡した時の銀行口座の凍結と出金、解除の方法

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locked-door-1419610銀行口座は名義人が死亡したことが金融機関に知られると口座が凍結されてしまい、入出金ができなくなります。引き落としや口座振替なども不可能になってしまいます。ただ、そうはいってもその後の生活費や葬儀費用なども含めてお金が必要と言うケースも多いことでしょう。特に、一家を支えていた人が死亡したケースではなおさらです。

今回はそんな家族が死亡した時の銀行口座の凍結と凍結前に出金する方法、統計解除の方法やその際の注意点などをまとめます。

 銀行はどうやって故人の死亡を知るのか?

基本的には家族からの申し出により銀行が死亡を知り凍結します。

中には市役所に死亡届を出すと銀行に通知が行くのでその前に出金しないといけないという人もいますが、それは間違いです。自治体から銀行に通知が行くことはありません。よくある誤解です。

ただし、遺族(家族)からの申し出がない場合でも新聞のお悔やみ欄、取引関係などで把握することもあり、そうした場合でも凍結されます。なので家族が銀行に知らせていないにも関わらず口座が凍結されていた……ということもあり得ます。

そのため、銀行が死亡の事実を知らずに死後もそのまま使えている口座というのも一定数あるようです(もちろん、知れたらすぐに凍結されますよ)。

 

なぜ口座が凍結されるのか?

預金口座の財産というのは故人固有の財産です。
相続財産となりますので、たとえ家族であっても勝手に引き出すことはできません。

一部の相続人が勝手に口座から現金を引き出してしまって、他の相続人から銀行の過失(本人確認の不手際)などを指摘されるのを恐れているという面もあるでしょう。

 

口座凍結前に出金するのは問題がある?

家族が死亡した場合などで、口座が凍結される前にATMや窓口でお金を出金するのは問題があるのでしょうか?問題ある?と聞かれると問題あるとしか回答できませんが実際のところ、一家の大黒柱が死亡した場合には葬儀費用や生活費を含めてそうはいってられないケースも多いはずです。

対銀行を考えると、ATMなどで暗証番号を入力した出金でとやかく言われる可能性は低いです(暗証番号を知られている時点で銀行の過失ではなく、預金者の過失)。一方の窓口などで出金をする時は近年、本人確認が厳格化されているので難しい場合もあります。)

本当に注意したいのは故人の相続人(法定相続人)です。

故人の財産は相続財産となり、相続人の共有の財産となります。あとから、勝手に出金したと後々で相続人の間でもめごとになる可能性があります。特に、相続人が複数いるような場合は注意が必要です。

可能であれば事前の根回しをしておくこと。どうしても連絡が取れないような場合には、使ったお金が分かるように領収証などの記録を取っておきましょう。

 

凍結されたけど必要なお金が無い時の対策

銀行口座が凍結されてしまったという場合で、他に預金などが無い場合に困るのが「葬儀費用」「当面の生活費」「各種引き落とし」でしょう。

この辺りは銀行も多少の理解を示すので銀行が求める資料等を提出することで一定額の引き出しを認める場合があります。なお、各種引き落としについては引き落とし不可と言う形になるので、引き落とし口座の変更依頼などをかけておきましょう。

公共料金とかクレジットカードの支払いとかがある場合は要注意です。

 

どうやったら口座凍結が解除されるの?

故人の財産が相続財産として適切に処理されたことが分かるものを銀行に提出する必要があります。
誰が受け取るのかということがはっきりしている必要があります。ただし、正直かなり面倒ですし時間もかかります。

必要書類
・被相続人(故人)の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明
・同印鑑が押された相続届け(遺産分割協議書)

なお、公正証書遺言書がある場合は手続きが簡単になります。

 

最低限の預金は夫婦で分散して持っておくのが安心

こうした凍結は長い時は数カ月以上続く場合があります。
特に相続関係でもめてしまうと長期化する恐れもあります。

そうしたリスクを回避するためにも夫婦それぞれが自分の口座に数カ月程度の生活費を預けておくようにしておくとよいでしょう。ただし、相続対策として妻(夫)名義の口座にお金を預金するのは「名義預金」と判断される可能性があります。

ただ、名義預金と判断された場合でも、相続財産とみなされることはあっても、口座が凍結されるということはまずないと思います。名義預金については「夫婦間で注意したい「名義預金」。相続時に課税対象となることも」をご覧ください。

 

以上、家族が死亡した時の銀行口座の凍結と出金、解除の方法でした。