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株主番号とは何か?株主番号が変わる条件や調べ方、株主優待との関係

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株を買って、株主になると“株主番号”という番号が各企業の株主名簿管理人である信託銀行によって附番されます。この株主番号をもとに株主を管理しているわけです。配当金を送金したり株主優待を送付する住所管理などについても株主番号を利用しています。

さて、この株主番号、通常はあまり意識する必要はないのですが、最近増えている長期保有で株主優待内容が拡充するという企業においては重要な要素となります。なぜなら、その長期保有を確認するために、株主番号を用いているからです。
今回はそんな株主番号について、株主番号の確認方法(調べ方)や、株主番号が変わってしまう条件などについてまとめていきます。

そもそも株主番号とは何のために使われているのか?

株主番号は企業が自社の株主を管理するために利用している番号です。同一住所・同一氏名の株主に対して企業は一つを割り振り附番します。
1単元(100株)を保有しても10単元(1000株)を保有したとしても振られる番号は一つです。また、2社以上の証券会社で同じ会社の株を保有した場合も番号は一つになります。

これは、株主管理についてはほふり(証券保管振替機構)を通じてまとめているからですね。

株主番号の確認は株主総会の招集通知などに書かれている

まず、自分の株主番号の確認については株主総会の招集通知や配当金等に関する郵便物に記載があります

そうした通知状が届くのが待てないという場合、その企業の名簿管理人である信託銀行に連絡をしたら確認することが可能です。

企業の株主を管理している信託銀行の調べ方

会社四季報を見るのがわかりやすいです。
四季報の企業概要のところに以下のような項目があります。
【証券】[上]東京[幹](主)野村(副)日興,みずほ[名]三井住友信[監]PwC京都

この[名]と書かれているところです。ちなみに、会社によって[名簿]となっているかもしれません。上記のケースでは「三井住友信託銀行」が名簿管理をしているという事がわかります。

株主番号が変わる条件

株主番号はその企業の株主である限りは不変です。ただし、以下のような条件を満たした場合には株主番号が変わることがあります。

  • 株をすべて売却したとき
  • 貸株サービスを利用して名義を変更したとき

株をすべて売却すると株主番号が変わる

保有する株をいったんすべて売却をすると株主番号が変わる可能性があります。

可能性があるというようにぼかしているのは、株主番号に対する対応が企業あるいは管理する信託銀行によって異なるためです。株主の管理を「毎日」行っているのであれば、日をまたいだ瞬間で株主番号が変わるでしょう。

一方で月1回ならそのタイミング、四半期に1回ならそのタイミングです。なので全株を売却すると株主番号が変わる可能性があるというわけです。

貸株をすると株主番号が変わる可能性がある

証券会社に保有株を貸し出すことで、貸株料を受け取ることができる貸株サービスの利用も注意が必要です。

こちらは売却するわけではないのですが、貸株をすることによって、名義が変わることになるため、売却と同様に、貸株をした状態で基準日(権利確定日)を迎えてしまうと株主番号が変わることがあります。

ことがあります”としているのは証券会社自身も明確に株主番号が変わると言っていないからです。タイミングや状況によっては株主番号が変わらないケースもあるようで、絶対ダメというわけではないようです。
これも先ほどの全株売却と同じで企業や信託銀行の対応によって異なるのでしょう。

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リスクがある以上は長期保有で株主優待内容がグレードアップするタイプの株は貸株をしないほうがいいでしょう。

ただ、前述の株の売却と同様に、1株以上を保有していればいいので、たとえば1単元100株の株を1000株保有しているなら900株だけ貸株をして100株を貸株しなければ株主番号は変わりません。

そもそも、株主番号が変わると何が困るの?

株主番号が変わる条件を説明する前に、それに何の問題があるのか?という事について説明します。株主番号が変わったとしても、普通は特に問題ありません。

この株主番号が重要になるのは長期保有株主に対する株主優待などが設定してあるケースです。株主優待を提供する企業の中には数年以上株主だと株主優待の内容がグレードアップする会社があります。

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こうした場合、“長期株主の判定基準は一般に株主番号で行う”のが一般的であるため、株主番号が変わってしまうと、同一株主としてみられず、保有期間がリセットされてしまうので

株主番号を変更させないテクニック

株主番号を変更させないのは簡単です。1株だけでもいいので株主になっておけばいいのです。一部のネット証券が提供している単元未満株取引というサービスがありますので、これを利用しましょう。

単元未満株取引(プチ株、S株、ワン株)のメリット・デメリットと「ミニ株」や「るいとう」との違いネット証券各社においてプチ株、S株、ワン株といった名称の「単元未満株取引」という取引が利用可能になっています。これは名前の通り単元株数未...

こちらは単元未満株(1株単位)で株を売買できるサービスとなっており、ミニ株(株式ミニ投資)と違って株主名簿に投資家の名前が載ります。そのため、単元未満株取引で1株だけ購入しておけば残りの単元株を売却しても同一株主番号で記録が残り続けることになります。

おすすめはSBI証券です。単元未満株取引ではもっともコストが安い投資をすることができます。

なお、小額投資サービスの中には「SMBC日興証券のキンカブ」のような金額単位で小額投資ができるサービスもありますが、こちらは株主となりませんのでご注意ください。あくまでも、株数単位で投資をしておくことが条件となります。

まとめ

株主優待において重要になることがある株主番号についてまとめます。

  • 会社は株主を株主番号で管理している
  • 全株売却や貸株をすると番号が変わる恐れがある
  • 単元未満株で1株だけ買っておくだけで株主番号は変わらない

主に、株主優待における長期保有は同一株主番号であることが条件であることが多く、優待投資家の方はこれまであまり重要視されることがなかった「株主番号」を気にする必要が出てきたわけです。