外貨建て保険をおすすめしない理由とは?メリット・デメリットと為替リスクを徹底解説
米ドル建て保険、豪ドル建て保険という商品があります。これは契約者から預かった保険料を日本よりも金利の高い外貨で運用する保険の一種です。大きく保険タイプ(終身保険など)と年金タイプの種類があります。
外貨建ての保険は、金利が上昇傾向にあるとはいえ海外に比べるとまだ低金利な円建てでの運用ではなく、金利の高い外貨で運用することでより運用性を高めた保険といえます。高い利回りが期待できる一方で為替レートの変動によるリスクもある保険となっています。
今回はそんな外貨建て保険(ドル建て保険・豪ドル建て保険)についてその商品性やリターン、メリット、デメリットなどをわかりやすくまとめていきます。
外貨建て保険とは?
外貨建て保険というのは支払う保険料や受け取る死亡保険金、解約返戻金、年金などが外貨になっているタイプの保険です。対象となる外貨は「米ドル」「ユーロ」「豪ドル」などがあります。
なぜ外貨建てなのかというと「日本よりも金利が高いから」です。
「金利変動が学資保険などの貯蓄性保険に与える影響」でも解説しましたが、日本の政策金利はかつてのマイナス金利政策を解除し、2026年現在は0.75%程度まで引き上げられましたが、世界的に見ると依然として低水準です。保険における運用部分は基本的に国債などの金利商品で運用されます。
そのため、日本円のみで運用するのは市場的に厳しく高いリターンを見込むことができません。
一方で、米国(米ドル)の政策金利は約4.25〜4.5%程度、高金利通貨として知られる豪ドルの政策金利は約4.0〜4.35%程度で推移しています(2026年現在概算)。日米や日豪の金利差は一時期より縮小したものの、依然として外貨の方が高い金利水準にあるため、運用先の通貨として選ばれています。
外貨建て保険のメリット
外貨建て保険を利用するメリットは大きく「金利が相対的に高いので運用性に優れる」「予定利率も高く同じ保障でも保険料は割安」「外貨を通じて分散投資ができる」という3つの点が挙げられます。
金利が相対的に高いので運用性に優れる
前述の通り豪ドルや米ドルなどの外貨で運用できる外貨建て保険は、日本円に比べて金利が高い分、運用性に優れています。外貨建て年金保険や外貨建て終身保険などの「運用部分」については円運用よりも有利に資産を増やせる可能性があります。
予定利率も高く同じ保障でも保険料は割安
外貨建て保険は日本円よりも高金利な分、保険会社が契約者に約束している予定利率が高いです。予定利率が高いということはその分必要な保障(死亡保障など)のために必要となる保険料も割引されるということになります。
円建ての生命保険の予定利率(標準利率)は日本の金利上昇に伴い少しずつ上向いてはいますが、まだまだ外貨には及びません。そのため、必要な保障をより低コストで手に入れるという面でも予定利率の高い外貨建て保険は有効だといえます。
外貨を通じて分散投資ができる
為替には当然リスクがあります。為替レートが変動することで円高になれば損失が生じます(円安になれば利益)。その一方で「円だけを保有するリスク」というものも考える必要があります。
将来の日本の経済力が他の国と比較して相対的に落ち込んだ場合、円安が進み、輸入品の価格上昇などのリスクが生じることになります。
こうしたリスクをカバーするために自分の資産の一定割合を外貨で保有するというのは決して悪いことではありません。むしろ、日本円に偏った資産のポートフォリオを分散することにつながります。
外貨建て保険のリスク、デメリット
もちろん、いいことばかりではありません。外貨建ての保険にはリスクやデメリット(問題点)も多数あります。
為替コストは意外と高い
外貨建て保険は当然、契約者が日本円で払った保険料を一旦外貨に交換する必要があります。外貨への交換にかかる手数料を「為替手数料」といいますが、このコスト、外貨建て保険の場合は比較的高いコストがかかっているようです。
こうした問題点について「外貨預金をお勧めしない3つの理由」でも紹介しましたが同じようなものです。単純に外貨に投資をして金利差による収益を得たいというのであれば為替コストの安いFXなどの運用を利用するほうが効果的です。
FXについては「FXは怖いと考えている方へ。FXと外貨預金のリスクの差を比較」でも説明しています。
為替リスクの具体的なシミュレーション
外貨建て商品は、受け取り時の為替レートによって資産が大きく目減りするリスクがあります。具体的にどれほど影響があるのか、以下のシミュレーションを見てみましょう。
10年積立の為替シミュレーション例
月3万円(1ドル=150円時点で約200ドル)を10年積み立てた場合、満期受取時の為替によって以下のように変動します。
| 満期時の為替 | 積立総額(円) | 受取目安 | 損益 |
|---|---|---|---|
| 1ドル=180円(円安) | 360万円 | 約460万円 | +約100万円 |
| 1ドル=150円(変わらず) | 360万円 | 約380万円 | +約20万円 |
| 1ドル=120円(円高) | 360万円 | 約304万円 | -約56万円 |
このように、運用自体がうまくいってドルベースで資産が増えていても、為替が円高に振れることで日本円での受取額が元本割れしてしまう危険性を孕んでいます。
金融庁も注視する苦情・トラブル事例
外貨建て保険は仕組みが複雑なため、トラブルに発展するケースが後を絶ちません。国民生活センター等にも以下のような苦情が寄せられています。
- 「円建てで元本保証と説明されたのに、実際は為替変動で元本割れする商品だった」
- 「途中で解約したら、ペナルティで想定以上にお金が戻ってこなかった」
- 銀行窓口において、リスクを十分に理解していない高齢者へ不適切な販売が行われている
金融庁もこうした販売体制を問題視し、繰り返し注意喚起を行っています。契約内容を完全に理解できない場合は手を出さないのが無難です。
外貨建て保険はコストが高い
保険は全体的に初期コストの高い投資です。
以前は、外貨建ての保険を販売した段階で販売会社(銀行の窓口など)に対して4~9%もの手数料が保険会社から支払われるといわれていました。たとえば2000万円の一時払いの外貨建て保険なら、80万~180万円もの手数料が加入するだけで抜かれる計算です。
こうした高い手数料は金融庁も問題視しており、2025年4月以降、生命保険各社は外貨建て一時払い保険の販売手数料体系を見直し、1年目の手数料率を従来の約半分に引き下げています。しかし、これは単に後年に手数料が分散されただけで、総コスト自体は劇的に改善されていないとの批判もあります。
結局のところ、これらの手数料も実際には契約者が「付加保険料(経費相当)」として負担しています。その分だけ、外貨建て保険のリターンは純粋な運用商品よりも低くなっているわけです。
為替商品としてみた場合の流動性が低い
為替レートはそれなりに変動します。
そのため、外貨投資をするときは円安のタイミングで比較的自由に売買できることが重要です。
一方で外貨建て保険の場合、短期の解約ができません。これは保険が初期の契約コストが非常に高いため、短期的な解約に適さないことが理由です。
学資保険などの貯蓄性の高い保険でも「学資保険の脅威はインフレリスクと途中解約リスク」で説明したように契約して途中で解約すると元本割れしてしまいます。
これは保障関係費用が発生することが大きな理由ですが、外貨建ての保険は前述の通り販売会社に支払う手数料等を含め、さらに初期コストが高いといえます。
せっかくの為替商品なのに任意のタイミングで円に戻せないというのは大きなデメリットといえると思います。
外貨建ての保険はおすすめしない
結論としては、純粋な資産運用目的であればお勧めしません。
外貨建て保険のメリットの多くは、他の外貨建て商品でも得ることができます。
FXなら為替コストは片道0.1銭以下という1/10以下あるいは1/100以下のコストで済ませることができ、いつでも売買(円に戻すこと)ができます。
他にも外貨による運用なら外国株式や外貨建ての投資信託など運用商品はたくさんあります。外貨建ての保険をわざわざ買うよりはこのような運用商品を選ぶことをお勧めします。
【補足】外貨建て保険が例外的に向いているケース
基本的におすすめしませんが、以下のような特別な条件に当てはまる場合に限り、検討の余地があります。
- 将来的に海外移住や留学を控えており、外貨のままで死亡保障や年金を受け取りたい場合
- 20年以上の超長期保有を大前提とし、為替リスクの仕組みを完全に理解している場合
- すでに十分な額の「円資産」を保有しており、純粋な通貨分散として少額だけ組み込む場合
以上、外貨建て保険(米ドル建て保険・豪ドル建て保険)とは何か?そのメリット、デメリットを紹介しました。
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