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外貨建て保険(米ドル建て保険)をおすすめしない理由。メリット、デメリットを分析

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foreign米ドル建て保険、豪ドル建て保険という商品あります。これは契約者から預かった保険料を日本よりも金利の高い外貨で運用する保険の一種です。大きく保険タイプ(終身保険など)と年金タイプ3種類があります。

外貨建ての保険はマイナス金利政策などによって低金利が続く円建てでの運用ではなく、金利の高い外貨で運用することでより運用性を高めた保険といえます。高い利回りが期待できる一方で為替レートの変動によるリスクもある保険となっています。

今回はそんな外貨建て保険(ドル建て保険・豪ドル建て保険)についてその商品性やリターン、メリット、デメリットなどをわかりやすくまとめていきます。

外貨建て保険とは?

外貨建て保険というのは支払う保険料や受け取る死亡保険金、解約返戻金、年金などが外貨になっているタイプの保険です。対象となる外貨は「米ドル」「ユーロ」「豪ドル」などがあります。

なぜ外貨建てなのかというと「日本よりも金利が高いから」です。
マイナス金利が学資保険などの貯蓄性保険に与える影響」でも解説しましたが、日本の金利はマイナス金利政策などもあり最低水準です。保険における運用部分は基本的に国債などの金利商品で運用されます。

そのため、日本円で運用するのは市場的に厳しく高いリターンを見込むことができません。

一方で高金利通貨として知られている豪ドルは金利自体下落傾向とはいえ政策金利で1.5%あります(2016年8月)。米国(米ドル)でも0.5%です。

 

外貨建て保険のメリット

外貨建て保険を利用するメリットは大きく「金利が相対的に高いので運用性に優れる」「予定利率も高く同じ保障でも保険料は割安」「外貨を通じて分散投資ができる」という3つの点が挙げられます。

 

金利が相対的に高いので運用性に優れる

前述の通り豪ドルや米ドルなどの外貨で運用できる外貨建て保険は金利が高い分、運用性に優れています。外貨建て年金保険や外貨建て終身保険などの「運用部分」については円運用よりも優れています。

 

予定利率も高く同じ保障でも保険料は割安

外貨建て保険は日本円よりも高金利な分、保険会社が契約者に約束している予定利率が高いです。予定利率が高いということはその分必要な保障(死亡保障など)のために必要となる保険料も割引されるということになります。

円建ての生命保険の予定利率(標準利率)はマイナス金利の影響もあって下落しています。そのため、この低金利のタイミングで円建ての生命保険に加入すると保険料全体が割高となってしまいます。必要な保障をより低コストで手に入れるという面でも予定利率の高い外貨建て保険は祐子公だといえます。

 

外貨を通じて分散投資ができる

為替には当然リスクがあります。為替レートが変動することで円高になれば損失が生じます(円安になれば利益)。その一方で「円だけを保有するリスク」というものも考える必要があります。
将来の日本の経済力が他の国と比較して相対的に落ち込んだ場合、円安が進み、輸入品の価格上昇などのリスクが生じることになります。

こうしたリスクをカバーするために自分の資産の一定割合を外貨で保有するというのは決して悪いことではありません。むしろ、日本円に偏った資産のポートフォリオを分散することがで着ることにつながります。

 

外貨建て保険のリスク、デメリット

もちろん、いいことばかりではありません。外貨建ての保険にはリスクやデメリット(問題点)も多数あります。

 

為替コストは意外と高い

外貨建て保険は当然、契約者が日本円で払った保険料を一旦外貨に交換する必要があります。外貨への交換にかかる手数料を「為替手数料」といいますが、このコスト、外貨建て保険の場合は比較的高いコストがかかっているようです。

こうした問題点について「外貨預金をお勧めしない3つの理由」でも紹介しましたが同じようなものです。単純に外貨に投資をして金利差による収益を得たいというのであれば為替コストの安いFXなどの運用を利用するほうが効果的です。
FXについては「FXは怖いと考えている方へ。FXと外貨預金のリスクの差を比較」でも説明しています。

 

外貨建て保険はコストが高い

保険は全体的に初期コストの高い投資です。

外貨建ての保険は販売した段階で販売会社(銀行の窓口など)に対して4~9%もの手数料が保険会社から支払われるといわれています。

たとえば2000万円の一時払いの外貨建て保険なら80万~180万円もの手数料が加入するだけで抜かれるということになります……。

こうした高い手数料は金融庁も問題視しており、銀行の猛抗議に合いながらも手数料開示が一定の範囲で実現はしました。ただし、手数料の引き下げといった動きには至っていないようです。

これは単に販売した会社の取り分で保険会社自身の利益とは別ですが、こうした手数料も実際には契約者が「付加保険料(経費相当)」として負担しています。

その分だけ、外貨建て保険のリターンは純粋に運用するよりも低くなっているわけです。

 

為替商品としてみた場合の流動性が低い

為替レートはそれなりに変動します。
そのため、外貨投資をするときは円安のタイミングで比較的自由に売買できることが重要です。

一方で外貨建て保険の場合、短期の解約ができません。これは保険は初期の契約コストが異常に高いため、短期的な解約に適さないことが理由です。

学資保険などの貯蓄性の高い保険でも「学資保険の脅威はインフレリスクと途中解約リスク」で説明したように契約して途中で解約すると元本割れしてしまいます。

これは保障関係費用が発生することが大きな理由ですが、外貨建ての保険は前述の通り保険会社が銀行・証券会社などの販売会社に支払っている手数料率が買いことなどを鑑みても、さらに初期コストが高いといえます。

せっかくの為替商品なのに任意のタイミングで円に戻せないというのは大きなデメリットといえると思います。

 

外貨建ての保険はおすすめしない

結論としてはお勧めしません。

外貨建て保険のメリットの多くは、他の外貨建て商品でも得ることができます。
FXなら為替コストは片道0.1銭以下という1/10以下あるいは1/100以下のコストで済ませることができ、いつでも売買(円に戻すことが)できます。

他にも外貨による運用なら外国株式や外貨建ての投資信託など運用商品はたくさんあります。外貨建ての保険をわざわざ買うよりはこのような運用商品を選ぶことをお勧めします。

参考:外国株取引にオススメな証券会社比較

 

以上、外貨建て保険(米ドル建て保険)とは何か?そのメリット、デメリットを紹介しました。