マイナンバーの導入によって一般のサラリーマンにも発生するかもしれない問題の一つとして、配偶者や子供のパートやアルバイトなどで収入(所得)があるということがバレるということです。

一定の範囲内であれば問題ないのですが、範囲を超えていた場合は、扶養者に対して手当の返金や追徴課税といった問題が生じる可能性があります。

実際のところ、マイナンバー制度が導入される前からもこうしたことがバレるケースはあったはずですが、マイナンバーの導入によってそうした可能性はかなり大きく上昇することになると思います。

今回はそうしたケースでも自分だけでなく、親にも迷惑がかかる可能性がある、子供のアルバイトと扶養控除(税金)の関係について紹介していきます。学生で親に黙ってアルバイトしているという場合は必読です!

子供のアルバイトで親に迷惑がかかる可能性?

所得税という税金の存在を聞いたことがある人も多いでしょう。所得税はその人に所得があることでかかる税金の一つです。

ただ、計算方法は複雑で、収入から必要経費、各種控除を差し引いて計算されます。

その中で子供のアルバイトと関係があるのが「扶養控除」と呼ばれる所得控除です。
2025年(令和7年)の税制改正により、これまで常識だった「103万円の壁」は大きく変わりました。

本記事を読まれているあなたが親なら子のアルバイトの収入総額には注意をしておくべきですし、あなたが子供なら親に迷惑をかけないためにも、知っておくべきです。

2025年税制改正による「扶養控除」の新しい仕組み

扶養控除というのは、子などを扶養している人が利用することができる税制上の控除です。
これまで「子供のアルバイトは年収103万円まで」と言われていましたが、2025年分以降はこの基準が引き上げられました。

新しい収入の基準(壁)

子の年齢 改正前(〜2024年) 改正後(2025年分〜)
16〜18歳・23歳以上 103万円以下 123万円以下
19〜22歳(大学生など) 103万円以下 150万円以下

特に、大学生に該当することが多い19〜22歳の場合、「特定親族特別控除」が創設されたことにより、年収150万円以下であれば63万円の満額控除が受けられるようになりました。
また、150万円を超えても188万円までは段階的に控除が受けられる仕組みになっています。

給与所得控除と所得要件の計算

アルバイト収入は給与所得となるため、収入総額から給与所得控除(最低55万円)を差し引いた金額が「所得」となります。
例えば、19〜22歳の「150万円の壁」の場合、150万円(収入)− 55万円(給与所得控除)= 95万円(所得)という計算になります。

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扶養控除による税制上の優遇

具体的な扶養控除の金額について説明します。
扶養控除は16歳以上の子が利用できます。なお、16歳未満は児童手当の給付がされていることから扶養控除の対象外です。また、16~18歳の控除額については、高校授業料の完全無償化に伴い、2026年度(令和8年度)税制改正でさらに控除額が削減される方向で検討が進んでいます。

現行(2025年分以降)の控除額は以下の通りです。金額は所得税の所得控除額で、()内は住民税の所得控除額です。

  • 16歳~18歳:38万円(33万円)
  • 19歳~22歳:63万円(45万円)※年収150万円以下の場合
  • 23歳~69歳:38万円(33万円)

子供が扶養控除から外れた時の影響

親の年収(所得)の大きさによって大きく変わります。たとえば、あなた(子)が20歳でアルバイトで年160万円(段階的控除の範囲内だが満額ではない)や、188万円を超えて完全に扶養から外れてしまったとしましょう。あなた自身にはさほど影響はありませんが、親にとっては大きな税負担上昇となります。

父親の年収は800万円とします。母は共働きをしており、あなた以外に子どもはいないとします。
子供に所得があると、外れた控除額×税率に相当する金額が扶養者の税負担増加につながります。

年収800万円
▲190万円(給与所得控除)
——————
所得:610万円
▲48万円(基礎控除)
▲110万円(社会保険料控除)
——————
課税所得:452万円

この場合、父親の所得税率は20%、住民税率は10%になります。
あなたが大学生20歳で満額の控除を受けられていた場合、特定扶養控除として63万円(所得税)、45万円(住民税)を受けることができました。

扶養控除による減税額=63万円×20%+45万円×10%=17.1万円

かなり大きな金額になります。
基準となる収入を超えてしまうだけで、家計には一気にこの負担が乗っかってくることになるわけです。

税金や社会保険の「その他の壁」にも要注意

親の扶養控除の基準が変わったとはいえ、アルバイトをする際に気をつけるべき基準は他にもあります。

106万円・130万円の壁(社会保険)

従業員51人以上の企業(2024年10月から拡大)で、週20時間以上等の条件を満たしてアルバイトをする場合、年収106万円を超えると自分自身で社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する義務が発生します。
また、企業規模に関わらず、年収が130万円を超えると親の健康保険の扶養から確実に外れ、自分で国民健康保険などに加入しなければならず、手取りが大きく減る可能性があります。

97万円の壁(住民税)

所得税がかからない範囲であっても、前年の所得が一定額(一般的には45万円=年収100万円、あるいは自治体によっては年収97万円)を超えると、住民税が発生する場合があります。また、住民税の扶養控除の適用基準も自治体によって異なる場合があるため、注意が必要です。

勤労学生控除の注意点

学生のアルバイトには「勤労学生控除」という制度があり、これを利用すると控除額が27万円追加され、子供本人の所得税は年収130万円まで非課税となります。
しかし、勤労学生控除を利用して本人の税金がゼロになっても、親の扶養控除の判定基準(150万円や123万円)には一切影響しません。本人は非課税でも、親は扶養控除を外れて税金が高くなるケースがあるため混同しないようにしてください。

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アルバイト以外の収入がある場合はさらに注意

インターネットを利用して収入を得ている場合、それは「事業所得」や「雑所得」となります。
アルバイトのような給与所得控除(最低55万円)が使えないため、「収入額 − 必要経費 = 所得」で計算されます。ネット収入は経費が少ないことが多く、わずかな収入でも所得要件を超えてしまうリスクがあるため注意してください。

https://money-lifehack.com/working/9576

基準を超えてしまった場合の実務的対応とリスク

もし、アルバイトの収入が基準を超えてしまった場合や、後になってそれが発覚した場合には、迅速な対応が必要です。

まずは速やかに報告し、修正申告を行う

基準を超えていることに気づいたら、まずは親に速やかに報告してください。年末調整の時期であれば、親の会社に変更を伝えて手続きを行います。すでに年末調整が終わっている場合は、親自身が確定申告を行って修正する必要があります。

後になってバレた場合には追徴課税も

マイナンバーの導入で子供に所得があることが判明して、過去にさかのぼって調査された場合、納めていなかった本来の税金に加えて、過少申告加算税や延滞税などのペナルティ分が加算されることになります。
所得税に関する時効は基本的に5年間ですが、収入を意図的に隠していたなどの仮装・隠蔽行為(故意の脱税)があったとみなされるケースでは、最長で7年間までさかのぼって追徴される可能性があります。

父親(扶養者)の扶養手当がもらえなくなる場合もある

父親の勤務先が「扶養手当(家族手当)」を支給している場合、妻や子供に基準以上の所得がある状態にもかかわらず手当を受け取っていると、「不正受給」扱いになります。
この場合は手当の返金だけでは済まず、最悪の場合は懲戒処分が行われる可能性もあります。各企業の就業規則などで支給要件を必ず確認してください。

マイナンバーでアルバイトなどの所得捕捉がより容易に

意図していた、意図していなかったは別として、子供や配偶者に所得があって税法上の扶養から外れるはずが外していなかった、というケースは昔から度々発覚していました。

しかし、マイナンバー導入によって給与所得の捕捉は、源泉徴収をしていればかなり確実に把握されることになります。複数個所で働いていても、勤務先にマイナンバーを提出すればそこから収入の名寄せが容易に可能です。
このように、導入前後では収入・所得の捕捉率が大幅に上昇しているため、放置していると問題が生じやすくなります。

とくに大学生の場合、2025年分からは150万円まで枠が広がったとはいえ、社会保険の壁(106万円・130万円)など考慮すべきラインは増えています。
少なくとも、アルバイトをしている子供がいるご家庭では、各基準を超えないようにシフトを調整するよう、しっかり話し合っておくべきでしょう。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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