学生のアルバイトはいくらまで?2026年の扶養控除・税金・健康保険を親子で確認

子どものアルバイト収入を考えるとき、「扶養はいくらまで?」という一つの金額だけでは判断できません。親の税金、子ども本人の税金、健康保険、勤務先の家族手当で条件が違うからです。
2026年の給与収入を考える19〜22歳の子なら、親の所得税の控除は給与159万円以下まで満額63万円です。一方、親の健康保険の被扶養者の収入条件は原則年間150万円未満。税の控除が満額でも、健康保険の条件を満たさない場合があります。
2026年の税制改正を反映し、給与のみの子を中心に確認します。以下の税の金額は、親子が生計を一にするなど、その控除の要件を満たす場合です。健康保険も収入以外に生計維持などの条件があります。
最初に「何年の収入」と「年末の年齢」を確認
親の所得税はその年の収入、住民税は前年の収入を基に計算します。2026年のアルバイト収入に対応するのは、2026年分の所得税と2027年度の住民税です。2026年度の住民税は、2025年の収入が対象です。
表の金額は子の給与年収です。「満額」は親の所得税の控除を指します。
| 確認する基準 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 一般の扶養親族 | 123万円以下 | 136万円以下 |
| 19〜22歳:満額控除 | 150万円以下 | 159万円以下 |
| 19〜22歳:控除が残る上限 | 188万円以下 | 197万円以下 |
2026年分の改正は12月の年末調整などで反映されます。11月までの毎月の源泉徴収が直ちに新しい金額になるわけではありません。また、給与所得控除74万円を使う表は2026・2027年分の取扱いです。将来も同じ「壁」が続くと決めつけないようにします。
年齢は原則としてその年の12月31日現在で判断します。大学生でも年末時点で18歳なら、19〜22歳の特例は使えません。反対に、19〜22歳であれば、学校に通っていること自体が親の特定扶養控除・特定親族特別控除の条件ではありません。
4つの確認先を分けて考える
親の税金
年末の年齢と年間所得で判定。19〜22歳には段階的な控除がある。
子どもの税金
本人の給与とほかの所得で計算。親の控除とは別に確認。
健康保険
今後の収入見込みと勤務条件を確認。税の年収枠だけで決めない。
家族手当
親の会社の支給条件を確認。税制改正と同時に変わるとは限らない。
19〜22歳の子:159万円を超えても控除が急にゼロにはならない
2026年分では、給与のみなら年収136万円以下は親の「特定扶養控除」の対象です。136万円を超えると「特定親族特別控除」に切り替わり、159万円以下まで親の所得税の控除額63万円が続きます。
159万円を超えた部分からは、子の所得に応じて親の控除が段階的に減ります。次の表は2026年の給与のみ、年末19〜22歳の場合です。住民税欄はその収入に対応する2027年度の控除額です。
| 子の給与年収 | 親の所得税の控除 | 親の住民税の控除 |
|---|---|---|
| 136万円以下 | 63万円 | 45万円 |
| 136万円超〜159万円以下 | 63万円 | 45万円 |
| 159万円超〜164万円以下 | 61万円 | 45万円 |
| 164万円超〜169万円以下 | 51万円 | 45万円 |
| 169万円超〜174万円以下 | 41万円 | 41万円 |
| 174万円超〜179万円以下 | 31万円 | 31万円 |
| 179万円超〜184万円以下 | 21万円 | 21万円 |
| 184万円超〜189万円以下 | 11万円 | 11万円 |
| 189万円超〜194万円以下 | 6万円 | 6万円 |
| 194万円超〜197万円以下 | 3万円 | 3万円 |
| 197万円超 | なし | なし |
これは税金そのものが返る金額ではなく、親の所得から差し引ける金額です。親の税率やほかの控除によって実際の負担軽減額は変わります。親の住民税は169万円以下まで45万円の控除が続くため、所得税と同じ境界ではありません。
子の年収が159万円から160万円になった例
親の所得税の控除は63万円から61万円へ2万円減り、住民税の控除は45万円のままです。親の増加した課税所得全額に所得税20%がかかり、ほかの条件が変わらないなら、所得税等の増加は概算で2万円 × 20% × 1.021 = 4,084円です。
「159万円を1円でも超えたら親の税金が一気に十数万円増える」という仕組みではありません。ただし、健康保険や家族手当への影響は、この税額の例とは別に確認します。
16〜18歳・23歳以上の子は136万円の基準に注意
2026年の給与収入だけなら、一般の扶養親族の所得条件は給与136万円以下です。これは給与所得控除74万円を差し引いた所得が62万円以下になる金額です。
16〜18歳や23〜69歳の一般の控除対象扶養親族では、親の所得控除額は所得税38万円、住民税33万円です。19〜22歳の特定親族特別控除のような段階的な延長はありません。子が23歳になる年は、前年と同じ収入でも扱いが変わります。
16歳未満は扶養控除の対象外ですが、住民税の非課税判定などで扶養親族としての情報が必要な場合があります。「控除がないから申告書へ何も書かなくてよい」と判断しないようにしましょう。
健康保険は原則150万円未満:159万円以下とは違う
会社員などの親の健康保険に被扶養者として入る19歳以上23歳未満の子は、2025年10月から年間収入の条件が原則150万円未満になっています。150万円ちょうどは、この原則の収入条件を満たしません。年齢は認定日の属する年の12月31日時点で判定します。
同居なら原則として親の収入の半分未満、別居なら仕送り額未満といった生計維持の条件もあります。19〜22歳以外の子は一般に130万円未満が基準ですが、障害のある人などには別の基準があります。親が国民健康保険の場合は、会社の健康保険のような被扶養者制度ではありません。
税金は基本的に1月〜12月の所得で判断しますが、健康保険は今後1年間の収入見込みなどで判断します。今年の累計がまだ少なくても、勤務を増やして今後の収入が基準以上になる見込みなら、年末まで扶養のままでよいとは限りません。
健康保険では非課税の通勤手当なども収入に含む場合があります。掛け持ちの給与、通勤手当、ほかの収入、勤務を増やす期間を分けて、親の勤務先や加入している保険へ確認してください。
2026年4月からは労働契約による収入判定も確認
給与収入のみで、労働条件通知書などから見込まれる年間収入が基準未満と明確に分かる場合は、労働契約の内容による被扶養者認定の取扱いがあります。19〜22歳の子では基準は150万円未満で、諸手当や賞与も含めて判断します。
日本年金機構は、この取扱いに必要な資料として労働契約の分かる書類と、給与収入のみである旨の申立てを案内しています。契約期間が認定日から1年未満、勤務時間が「シフト制」とだけ書かれている、手当の金額が不明といった場合は、この方法で年間収入を判定できません。
一時的に給与が増えた場合も、月額を12倍した数字だけで直ちに扶養を外れると決めず、契約と実際の収入を示して加入先へ確認します。ただし、契約上の収入を恒常的に増やす変更は別です。「残業ならいくら増えても対象外」と考えないようにしましょう。
勤務先の社会保険への加入は、年収だけで決まらない
勤務先で健康保険・厚生年金に加入する条件を満たす場合は、親の健康保険の被扶養者にはなれません。短時間労働者の加入には企業規模、週の所定労働時間、雇用見込みなどの条件があり、通常の昼間学生はこの短時間労働者の対象から除かれます。ただし、休学中・定時制・通信制などは別の扱いです。
また、学生でも、適用事業所で週の所定労働時間と月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上になる場合は、加入対象です。「学生だから勤務先の社会保険には入らない」とは限りません。
短時間労働者の月額8.8万円の賃金要件は、厚生労働省が2026年10月の撤廃を予定しています。いわゆる「106万円」を年間給与の上限と考えるのではなく、これから働く時期の加入条件を勤務先に確認しましょう。
なお、20歳以上の学生の国民年金は別の話です。親の健康保険の扶養に入っていても、子が国民年金の第3号被保険者になるわけではありません。支払いが難しい場合は、要件を満たせば学生納付特例を申請できます。
子ども本人の税金:178万円と住民税を混同しない
2026年分は、給与収入のみでほかに所得がなければ、給与178万円以下では本人の所得税等はかかりません。給与所得控除74万円と基礎控除104万円によるものです。本人に所得税がかからなくても、親の控除や健康保険の条件は別です。
住民税はもっと低い収入からかかることがあります。たとえば、扶養親族がなく給与収入だけの人の所得割の非課税基準は、2026年度なら給与110万円以下、2027年度なら給与119万円以下です。均等割まで含めた非課税基準には自治体差があり、未成年者などには別の非課税条件もあります。
勤労学生控除は本人の税金の計算で使う控除です。2026年分の合計所得要件は89万円以下(給与だけなら163万円以下)に変わり、給与所得などの勤労による所得以外が10万円以下などの条件もあります。本人が勤労学生控除を使っても、親の控除判定のための所得が減るわけではありません。
掛け持ちや副業がある場合は「合計所得」で確認
給与所得控除は勤務先ごとに74万円ずつ使えるものではありません。二つのアルバイトの給与は合算して計算します。給与明細の手取り額ではなく、源泉徴収票の支払金額につながる課税対象の給与で確認しましょう。
たとえば2026年に給与140万円、別の仕事の雑所得が20万円あるなら、給与所得は140万円 − 74万円 = 66万円、合計所得は86万円です。年末19〜22歳なら、親の所得税の控除は満額63万円ではなく61万円の区分になります。
雑所得20万円とは、収入からその仕事に必要な経費を差し引いた後の金額です。事業や雑所得にはアルバイトと同じ給与所得控除を重ねて使えません。配当などがある場合も申告方法による影響を確認します。
シフトを増やす前に親子で共有する5項目
- 対象年と年末の年齢:2026年の給与か、2025年分の申告を直す話かをそろえる。
- 給与の累計と年末までの予定:全勤務先を合算し、賞与や給与の支給日も確認する。
- 給与以外の所得:売上と経費、申告する配当などを分けて集計する。
- 健康保険:今後の勤務時間・収入見込み・通勤手当と、勤務先での加入条件を確認する。
- 親の会社の手続き:扶養控除等申告書、特定親族特別控除の申告、家族手当の変更期限を確認する。
たとえば8月までの課税給与が100万円で、税の計算上159万円以内を目安にするなら、年内に支払われる残りの給与は59万円です。残り4か月で単純に割ると月14万7,500円ですが、これは税の年間給与を管理するためだけの計算です。その月額が続く見込みなら年換算177万円となるため、健康保険の150万円未満という条件を別途確認する必要があります。
12月に働いた分が翌年1月払いなら、原則として支給日が属する年の給与になります。勤務日だけで年内の収入を足さず、給与明細や勤務先の説明と照合しましょう。
見込みを超えたときは、年末調整の前に連絡する
予定より収入が増えたら、まず子から親へ、次に親から勤務先の給与担当へ伝えます。年末調整に間に合うなら、控除申告書の見積額や区分を訂正します。すでに年末調整が終わっている場合は、再調整や確定申告など、必要な手続きを確認してください。確定申告済みかどうかでも対応は変わります。
健康保険の見込みを超える場合は、税金の年末調整を待たずに加入先へ連絡します。家族手当も会社の支給規定に従って変更を届け出ます。税の基準が上がったからといって、手当の基準も自動的に上がるとは限りません。
シフトを抑えるか増やすかは、本人の収入増、親の税額、保険料、家族手当を合わせて比較しましょう。親の控除額が小さくなることだけで、必ず働き損になるとは限りません。
確認先:国税庁「家族と税」、日本年金機構「19歳以上23歳未満の被扶養者の収入要件」、猪名川町「2027年度以降の個人住民税改正」。税の表は2026年の給与に対応する金額、制度の確認時点は2026年9月です。
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