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個人年金で老後に備えるとき、年金受給時に所得扱いとなる注意点

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個人年金(保険会社の年金保険)を使って老後のためにお金を積み立てている人もいらっしゃるかもしれません。

この個人年金で老後のための資金を積立するときに注意点があります。それは個人年金の受取額の一部は“所得”となってしまうという点です。

そうなると、健康保険や介護保険などの面で所得面での問題が生じてしま事があります。今回はそんな注意点をピックアップしたいと思います。

個人年金を受け取るときは雑所得として課税対象になる

個人年金は保険金を受け取るとき、その年金受け取りの一部は「所得」として課税対象になります。

所得となる金額=総収入額-必要経費

必要経費となる金額は、個人年金の種類(終身年金、確定年金、保証期間付終身年金、有期年金)によっても変わりますが、要するに年金受取額の内、これまで払った保険料に相当する部分を差し引いた額が所得(雑所得)となります。

たとえば、年金として50万円を受け取り、その内40万円が必要経費の場合、10万円が所得となり、課税されるわけです。

※契約者と年金受取人が同一の場合

 

課税されると増えるのは税金だけじゃない?

老後であっても一定の所得がある場合は、所得税や住民税といった税金が当然かかります。もちろん、所得がある以上は仕方がない面もあります。

ただし、高齢者の場合、“所得があること”によって不利益を被るケースもあるので注意が必要となります。いわゆる所得制限に該当してしまうことで、それがないケースよりも高い負担が必要になるケースがあります。

  • 子どもの扶養に入れないケースがある
  • 健康保険料が所得に応じて高くなることがある
  • 介護保険の一定以上所得者として自己負担額が増加する
  • 後期高齢者医療制度における自己負担額が増加する

代表的なケースとしては上記項目が挙げられます。

 

現役世代の子どもの扶養に入れない

定年後にサラリーマンを辞めたとしましょう。この時、一番金銭的な負担が軽くなるのは、サラリーマン(第2号被保険者)の子供の扶養に入ってしまうことです。

社会保険(健保)の扶養に入った場合、健康保険料負担はゼロになります(子の保険料負担も増えません)。

たとえば、サラリーマンをしている子どもと同居しており、あなたが75歳未満で年収が130万円未満の場合、あなたは子どもの健康保険に加入することができます。言い換えると、老齢年金や私的年金等によって収入が年130万円を超えてしまうと扶養に入れません。

この他にも、年間の所得が38万円以下であるような場合、扶養してくれている家族の扶養に入ることができますが、こちらも所得が一定を超えてしまうと扶養に入れなくなってしまいます。

 

健康保険や介護保険、後期高齢者医療保険などの負担増

高齢化社会が進む中、高齢者に対する社会保障等の政策は負担する能力がある人はより多くを求められる社会になってきています。

健康保険(国保)などに加入する場合も所得に応じて保険料が上がっていきます。
また、介護保険や後期高齢者医療制度では、所得がある高齢者は所得に応じて介護費用や医療費に対する自己負担割合も大きくなっていきます。

社会保障給付が増大し政府財政が厳しい中、こうした方向はさらに強化されていくと思います。

 

どういうケースで気を付けたほうがいい?

個人年金だけで、そうした高額所得を手にすることはないかもしれません。

ただ、企業年金が太い会社などに属していた方や、あるいは老後も一定の収入がある人など、こうした人が個人年金の所得によって基準をオーバーするといったことになると、せっかくの老後のための保険(年金)で負担が逆に増えてしまうという可能性もあるわけです。

予定利率の高いお宝保険(年金保険)なども注意

 

一方で、株や投資信託の利益は分離課税なので関係ない

現役時代に個人年金保険に加入して老後に備えるという方法の場合、“受け取り時に所得として扱われる”事によって、老後に所得税や住民税といった税負担が生じるだけでなく、健康保険、介護保険、後期高齢者医療制度などにおいても不利益を被るケースも出てくるわけです。

一方で、株式投資や投資信託などの投資の収益(利益)については、税金はかかりますが、分離課税となりますので、前述のような不利益が生じることはありません。

  • 預金利息
  • 債券利息
  • 株式の配当金
  • 投資信託の収益分配金
  • 株式投資の売買益
  • 投資信託の売買益

いくら株や投資信託で利益が出たとしても、健康保険や介護保険などにおける「所得」としてはカウントされません。“分離”課税だからですね。

さらに、20年間投資信託の積立を非課税で可能な「つみたてNISA」であれば、運用益自体も非課税で受け取ることができます。

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一方で、個人年金は保険料払い込み時(入り口)に「保険料控除」という形で税制上の優遇がありますが、老後の受け取り時(出口)は逆に負担を生じる形になる可能性があるわけです。

 

ちょっと意外な「個人年金」で老後の蓄えを考えている方が注意しておくべき点を紹介しました。