会社勤めをしているときは会社が実施してている健康診断を毎年受けてきたけど、主婦になったとたんにそんな健康診断がなくなってしまって、自分の健康状態が心配というかたも少なくはないかと思います。
健康診断を受けたいと思ってもどのように受けたらいいのかわからないとか、費用が心配とか、家事や育児があるので時間がないというようにわからないことも多いかと思います。今回はそんな主婦が健康診断を受けるための方法や費用、公的な制度などについてまとめていきます。
主婦でも健康診断は必要?健康診断を受けたい?
まず、法的な制度として主婦向けに誰かが健康診断を受けさせなければならないというものはありません。むしろ健康診断を義務付けられているのはサラリーマン(を雇用している会社)だけなんですね。費用負担も会社です。会社からも健康診断を受けるように促されますので、受診率は高いです。
一方で、主婦(専業主婦)の方は基本的に健康診断の受診を強制されることはありません。自分自身で健康診断を受けようとしない限り受けられないわけです。
主婦の健康診断の受診率は33.3%
少し古いデータですが、オンラインアンケート会社のライフメディアが行った“専業主婦の定期健康診断に関する調査(2013)”によると、専業主婦の方が健康診断を受けているという割合は33.3%と少なく、特に20代では11.6%となっていました。
健康診断を受けない理由としては
- 子育てが忙しい
- 面倒
- きっかけがない
- お金がかかる
- どこで健康診断を受けられるか知らない
といった項目が上位となっています。
主婦も健康診断を受けるべき
ただ、そうはいっても専業主婦を何年も続けて健康診断を受けていないというのは、自分の体のチェックがずっとできていないということです。不調を感じていないから大丈夫!と思っていても、病気の中には自覚症状が出ないものも多いです。
同調査では、過去1年以内に健康診断を受けた主婦の方の全体の91.6%の方が今後も定期的に健康診断を受けたいと回答しています。自分のためというのはもちろんですが、家族のためにも、健康診断は定期的に受診しておくべきだと思います。
主婦でも受けられる健康診断は3タイプ
専業主婦の方が利用できる健康診断としては大きく以下の3つのタイプがあります。
- 夫の会社の健康保険の健康診断
- 自治体が実施する健康診断
- 病院に自ら申込をする健康診断
それぞれの特徴や費用などをまとめていきます。
夫の健康保険の主婦健診(家族健診)を利用する
ご主人が会社員の場合、社会保険(健康保険+厚生年金)に加入しているはずです。そのうち夫の健康保険の中には主婦(被扶養者)に対する主婦健診・家族健診を実施していいます。
全国的には「協会けんぽ」があるほか、大きな会社の場合は「○○健康保険組合」があり、そのどちらかに加入しているはずです。
こうした健康保険においては、一定の範囲で条件を満たせば健診費用の一部の補助してくれる制度があります。条件を満たしているなら被保険者だけでなく、家族・主婦も利用することができます。
1)特定健診(特定健康診査)
特定健診は生活習慣病やメタボリックシンドロームを早期に発見、改善するための健康診断です。こちらは被保険者(サラリーマン)の家族(被扶養者)も対象となります。
主婦の場合は、別の健康保険に加入しておらず、社会保険上の扶養(年収130万円以下の見込み)であれば利用することができます。年齢上の制限があり、受診できるのは40歳~74歳までとなっています。39歳以下の方は利用できません。
金額の一部の協会けんぽが出してくれるので自己負担の金額は少なくて済みます。主婦の方で、夫が会社員であればもっとも一般的な健康診断だといえるでしょう。
- 一般健診( 診察・問診・身長・体重・視力・BMI・体脂肪)
- 眼検査( 眼底検査(医師の判断により実施))
- 循環器( 中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール・血圧・心電図)
- 泌尿器( 尿沈渣・尿蛋白・尿潜血・尿比重)
- 糖代謝( 血糖またはHbA1c・尿糖)
- 肝機能( GOT・GPT・γ-GTP)
- 貧血( 赤血球・血色素・ヘマトクリット)
※一部は医師の判断により実施
健康診断による補助金額は基本的な健診で最高6,520円(H29年度)となります。健康診断費用は実際に受診をする病院によって違います。
2)健康保険組合独自の家族健診(主婦健診)
健康保険組合は主に大企業などが独自に行っている健康保険です。一般的に協会けんぽよりもより手厚い保健サービスが行われています。
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健康保険組合の場合、それぞれの組合で主婦や扶養家族に対する健康診断サービスの内容が違いますので、ご主人を通じて確認してみてください。年齢による制限も協会けんぽの場合よりも緩いケースもあります。
また、健康診断の費用についても、多くのケースでほぼ無料やそれに近い金額で健康診断が受けられるようになるはずです。
大企業勤務の大きな魅力ともいえるのがこうした健康保険組合などの保健サービスや福利厚生が充実していることですね。ただ、近年は健康保険組合も財政悪化により解散となるケースが増えてきているようです。
自治体が実施する健康診断を利用する
通常、各自治体では職場などで健康診断を受診する機会がない市民を対象として健康診断やがん検診といった各種検診サービスを行っています。
「お住いの市区町村名 健康診断」とGoogle等の検索エンジンで探したら、お住いの自治体が実施している健康診断のメニューや料金などを書くにすることができるはずです。
料金も自治体の補助があるからなのかかなり割安な価格で受診することができます。また、住民税非課税世帯や生活保護世帯、高齢者の方などについては健康診断の費用が無料になることもあります。
以下は、世田谷区における健康診断サービスです。いずれも健診費用は500円です。
世田谷区の健診 | 年齢制限 | 健診内容 |
---|---|---|
区民健診 | 16歳以上39歳以下で健康診断を受ける機会のない方 | 問診・計測・診察・血圧測定・尿検査・血液検査といった基本的な健診が行われます。 |
特定健診 | 40歳以上74歳以下で国保に加入している方。 | 問診、診察、身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図、眼底検査、胸部X線等 |
長寿健診 | 後期高齢者医療制度に加入している方 | 問診、診察、身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図、眼底検査、胸部X線等 |
それぞれ条件があり、39歳以下の方は専業主婦の方なら、受けられるでしょう。
一方で40歳以上の特定健診については、「国保(国民健康保険)に加入している方」という条件が付いています。
自営業者の方やその妻は対象になりますが、社会保険に加入しているサラリーマンの妻は、国保加入ではないので利用できません。この場合は、最初のほうでも紹介した「協会けんぽの特定健診」を利用する必要があります。
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自治体によってはがん検診などのプラスアルファの健康診断もある
このほか、市区町村によって、様々な健康診断を行っています。たとえば世田谷区の場合は下記のようながん検診も用意されています。
- 乳がん検診
- 子宮がん検診
- 胃がん検診
- 大腸がん検診
- 肺がん検診
- 口腔がん検診
- 前立腺がん検診
- 胃がんリスク(ABC)検査
いずれも、指定の年に自治体から受診に関するお知らせが届くので自治体からの郵送物はしっかりと確認するようにしましょう。
自分で直接病院を通じて健康診断を申し込みする
健康保険(協会けんぽ)や自治体の健康診断の場合、受診できる内容(検査できる内容)は所定の内容となります。
より詳しい検査や健診を受けたい方は、全額自己負担で健康診断を受ける必要があります。
大きな病院であれば基本的に健康診断や人間ドックといったサービスを行っています。全額自己負担になりますが、より詳細な検査を受けたいという場合、病院を通じて申し込みをするのが良いでしょう。
最近では病院もこうした健康診断メニューに力を入れるところが増えており、病院独自のプランがあることもあります。健康診断の料金自体もメニューに合わせて数千円台~数万円台とかなり幅広くなります。
中には宿泊付きの人間ドックプランや食事付きのプランなどもありますので、
補助金や助成金などがないため、主婦が受ける健康診断としては高額になりやすいですが、その分だけ詳しく調べることができます。
主婦が受診する健康診断のフローチャート
以上をまとめますと、専業主婦の方が健康診断を受けたいという場合の対象となる健康診断は下記のようになります。費用的には自治体の健康診断や夫の会社の健康診断が安いです。
一方で、より高度な健康診断をしたいというのであれば費用は万単位になりますが、病院の人間ドックなどの健康診断を受けることになります。
主婦の方が健康診断を受けるにあたっての参考になれば幸いです。
以上、専業主婦が健康診断を受けるための方法や費用、公的制度についてまとめてみました。
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