WealthNavi(ウェルスナビ)はロボアドを利用した自動運用サービスを提供する資産運用サービスです。ロボアドとは、ITを駆使して最適な資産運用のためのアセットアロケーション(資産配分)やポートフォリオ構築をサポートしてくれるツールで、フィンテックの大本命の一つとされています。
ロボアドは、一部のネット証券で顧客向けに提供されていますが、今回紹介しているWealthNavi(ウェルスナビ)のように独立系の資産運用サービスとしても登場しています。今回はそんなWealth NAVIについてサービスの特徴やメリット、デメリット、他のサービスとの比較をしていきたいと思います。
そもそもロボアドとは何か?
ロボアドは「ロボ・アドバイザー」と呼ばれる金融サービスです。投資において「分散投資は重要」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。そんな分散投資の最大のメリットは「最適な分散投資を行えば、リターン(期待収益率)を減らさずにリスクだけを落とすことができる」ということになります。
ただ、難しいのはやみくもに分散投資をすればいいというわけではなく、投資商品ごとの値動きの相関性(関係性)などを分析して適した配分をする必要があります。
この配分は「国内株○%、国内債券×%、先進国株式○%、新興国株式×%……」といった具合になるわけですが、そんな分析を一介の投資家が行うというのはかなりの手間とコストがかかります。しかも、一度きりではなく定期的に見直しや再配分をする必要があります。
そんな面倒なことを、システムに代わりにやってもらうというのがロボアドです。システムが投資家の求める収益性や取ることができるリスクの大きさなどをもとに、最適な資産配分を考えて、実行、さらには定期的な見直し(リバランス)も行ってくれるというわけです。
ロボアドの大きな特徴といえるのが「投資家の資産運用の判断がほとんど不要になる」ということです。資産運用や資産形成には興味があるけど、個別の投資についてイチイチ判断したり、考えたりするのはいやという方にとってほったらかし投資ができるというのは大きな魅力です。
ちなみに、ロボアドは今回紹介するウェルスナビ以外にも複数の証券会社がサービスを提供しています。詳しくは「ロボアド(ロボアドバイザー)を利用した資産運用の特徴とサービス比較」も御覧ください。2018年現在におけるロボアドサービスとしては下記表のような提供状況になっています。
ロボアド名 | 提供証券会社 | 投資形態 | 最低額 | 特徴・特色 |
---|---|---|---|---|
楽ラップ | 楽天証券 | 投資一任 | 10万円 | 国内の投資信託を投資対象 |
MSV LIFE(マネラップ) | マネックス証券 | 投資一任 | 1万円 | 海外ETFを対象 |
ウェルスナビ | ウェルスナビ | 投資一任 | 10万円 | 海外ETFを対象 |
ウェルスナビ(WealthNavi)とは?
ウェルスナビという会社名は聞いたことが無いかもしれません、上記のロボアド比較のところでも挙げた楽天証券やマネックス証券、松井証券、SBI証券といった大手証券会社と比べると知名度がいま一つですよね。
それもそのはずで、ウェルスナビの設立は2015年4月のベンチャー企業です。
ただ、2015年10月にはSMBCベンチャーキャピタル・みずほキャピタル・三菱UFJキャピタルなど大手のベンチャーキャピタルからの出資を受け、2016年10月にはネット証券の最大手であるSBI証券と業務提携を行っています。
結果としてSBI証券を通じて、WealthNavi(ウェルスナビ)のロボアドを利用した資産運用サービスも利用できるようになっています。
ウェルスナビ(WealthNavi)のサービスの特徴
国際分散投資を全自動でお任せというタイトルのように、ウェルスナビは資産運用を投資一任勘定で委託するタイプのロボアドサービスです。投資家は運用資金を預けて、投資方針を決定するだけです。後は、ウェルスナビが最適な形で資産配分をしてくれます。
投資対象は低コストで人気の海外ETF
ウェルスナビの投資対象は米国に上場しているETFです(左記のETFは一例)。
米国は日本よりも投資が盛んなこともあって、取引されているETFもグローバルな物が多い上に、コスト(手数料が安いことで知られています。ウェルスナビではこうしたETFの中から7種類程度を選びリスク許容度に合わせたポートフォリオを作成してくれます。
VTIやVEA、VWO、AGG、GLD、IYRといった海外ETF(米国ETF)として人気の高い商品を組み合わせて投資をすることになります。
海外ETF(米国ETF)は低コストで世界中に分散投資をすることができるという特徴がある為、魅力度の高い商品です。
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税金の最適化(DeTax)
ウェルスナビのユニークなサービスの一つが自動税金最適化(DeTax)という仕組みです。分配金の受け取りやりバランスなどによって税負担が生じる時に、ポートフォリオ組み入れ銘柄の含み損を一旦計上することで、税金の発生を翌年以降に繰り延べするというものです。
手数料や税金は100%確実に発生するマイナスリターンといえます。この方法は単なる繰り延べになりますが、税負担を発生させないことによって複利効果を発揮することができるため投資効率がアップします。
電子マネーのお釣りで投資ができるサービス「マメタス」
クレジットカードや電子マネーでお買い物をした時、そのお釣りに相当する部分を積み立てて投資をしていくというものです。財布の小銭を貯金する小銭貯金というものがありますが、その投資版のようなものですね。
少し似たサービスにクレディセゾン(セゾンカード)が自社の「永久不滅ポイント」を使ってETF投資ができるというサービスを開始しました。こういった風に、投資をより身近に感じさせてくれるサービスは面白いですね。
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ウェルスナビのリスク・デメリット
ロボアドを利用した投資といっても100%勝てるというわけではありません。当然ですが、投資によるリスクはあります。リーマンショックのような大きなショックの際には運用資産が大きく毀損(減る)可能性も十分に考えられます。
リスクの程度としては株式投資や投資信託への通常の投資と大きくは変わりません。
また、ウェルスナビ独自のデメリットとしては下記の点が挙げられます。
最低投資額が高い
ロボアドを利用したファンドラップ・投資一任サービスの中では最低投資額が100万円~はややハードルが高いです。
こちら、最低投資額が100万円から30万円へと引き下げられハードルがより低くなりました。歓迎すべきことかと思います。さらに2018年2月1日からは30万円→10万円となりました。最低投資額というハードルは全くなくなりましたね。
投資は原則として「ドル建て」になる
ウェルスナビの投資先は米国の海外ETFです。これらはいずれも米ドル建てになります。ウェルスナビのサイト上では円建てで資産が表示されますが、実際の運用は米ドルで行われます。長期的な資産運用においてドル建て資産での運用は別に問題ないと思いますが、すでに別の形で米ドル建てで運用している場合は、資産の比重がドルに傾きすぎるかもしれません。
そういう方は日本の投資信託が対象のロボアドである「楽ラップ(楽天証券)」や「投信工房(松井証券)」の方がいいかもしれません。
WealthNaviは本家と提携企業経由のどちらがいい?
ウェルスナビ(WealthNavi)のサービスは、WealthNavi自体に口座を作って取引する方法以外に、SBI証券や住信SBIネット銀行などの他の金融機関経由。あるいはANAやJALなどの提携企業と連携したタイプがあります。
ただ、口座を作るならWealthNavi本家がおすすめ。理由はWealthNaviの手数料は通常は残高の1%(年率)になりますが、本家だと半年ごとに割引されて、0.9%にまで落ちます。
提携サービスの場合「長期割」はありません。
ウェルスナビを通じて投資をする方法
ここからはウェルスナビを実際に使う(投資をする)という方法について紹介していきます。
1)まずは無料診断(最短1分)
ウェルスナビの公式サイトから「無料診断」をしてあなたにあった投資のポートフォリオ(リスク許容度の診断)を行えます。年齢、年収、金融資産、毎月の投資予定額、資産運用の目的、投資に対する考え方を入力することでどういう結果になるか(予想されるか)が診断されます。
2)口座開設
口座開設はメールアドレスを登録してから、登録したアドレスに口座開設用のURLが届くのでそこから可能です。
3)入金して投資開始
運用するプランを決めて、WealthNavi指定の口座に10万円以上を入金すると資産運用が始まります。運用が始まるとこちらは何もしなくても自動的に運用がスタートします。
毎月積立投資をしていく場合は指定の銀行口座から自動引き落としの設定も可能です。引き落としにかかる手数料は無料で、1万円単位で設定できます。
以上、人工知能のロボアド WealthNavi(ウェルスナビ)のメリット、デメリットを紹介しました。
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