ロボアド(ロボットアドバイザー)というのは金融とITの融合であるFintech(フィンテック)における一分野といわれている金融サービスです。ロボット(システム・プログラム)による金融的なアドバイスを行ってくれるサービスです。
金融とITはそもそも非常に相性が良いいわれている分野ですが、ロボアドは資産運用のアドバイスをシステムによって実施するという新しいサービスです。今回はそんなロボアドというものがどんな金融サービスで、どのようなサービスが現在提供されているのかを比較していきます。
投資における分散投資の有効性とその難しさ
たとえば、投資信託や株式などを購入するときに「分散投資」が重要ということは多くの方がご存知かと思います。そんな分散投資は、それぞれの値動きが相反するような資産を組み合わせることで、全体のリターンは維持したままリスクだけを小さくするようなことが可能です(平均分散アプローチ)。
つまり、ただしく分散投資をすればリターンは維持したままリスクだけを小さくすることが可能なのです。
こうした資産クラスの組み合わせのことをアセットアロケーション(資産配分)といいますが、これを一個人が分析して最善の手を考えるのは極めて難しいです。
最善の組み合わせを考えるには。各資産の値動きとそれぞれの相関関係をしらべ、リスクとリターンのバランスが取れた配分(有効フロンティアに近い配分)を決定する必要があります。
ところがこれの計算は複雑すぎるのと、相場動向の変化などで、組み合わせが変化することもあるため、これを考えるのはかなり難しです。
こうした不可能なことをFintechによって可能にしようとするのがいわゆる「ロボアド(ロボットアドバイザー)」です。
ロボアドによって最適な配分で資産運用を自動化する
ロボアドはこうした資産(アセットクラス)ごとの情報を保有していおり、その組み合わせなどを提案してくれるプログラムです。
投資家が取ることができるリスクに応じた様々な投資商品の組み合わせを提案して、それによってリスクとリターンの有効フロンティア(効率的な資産クラスの組み合わせ)上の投資ができるというわけです。
AI(人工知能)についての話題が増えていますが、こうした分野はテクノロジーが最も得意とする分野の一つです。
もともとはプロ向けに稼働していたプログラムで非常に高価なものでしたが、近年ではネット証券を中心としてこうしたロボアドを利用した投資サービスを個人投資家に対しても提供し始めました。
日本では2016年くらいからサービスが登場しており、2020年現在では主要な投資サービスの一つにまで成長しています。
ロボアドで実際に投資ができるサービス比較
以下はロボアドを利用して実際にポートフォリオの構築(投資信託等の購入)ができるサービスです。
ロボアド名 | 提供証券会社 | 投資形態 | 最低額 | 特徴・特色 |
---|---|---|---|---|
ウェルスナビ | ウェルスナビ | 投資一任 | 10万円 | 海外ETFを対象 |
THEO(テオ) | お金のデザイン | 投資一任 | 10万円 | 海外ETFを対象 |
MSV LIFE(マネラップ) | マネックス証券 | 投資一任 | 1000円 | 海外ETFを対象 |
楽ラップ | 楽天証券 | 投資一任 | 10万円 | 国内の投資信託を投資対象 |
投信工房 | 松井証券 | 投信積立 | 毎月500円~ | 国内の投資信託を対象 |
ウェルスナビ(Wealth NAVI)
国産のロボアドサービスです。口座数、預かり資産額は第1位。国内トップのロボアド投資サービスとなっています。税金の自動最適化DeTAX(デ・タックス)のサービスなどが魅力の一つです。
投資対象は米国上場のETFで、投資一任契約によるサービスとなります。手数料は年間1%ですが、長期割などの割引サービスもあります。
手数料率が1%というは少し高いような気もしますが、数多いロボアド投資の中でも洗練度は一番高いように思います。ロボアド投資の中ではいの一番におすすめできるサービスです。
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THEO(テオ)
お金のデザイン社が運営しているロボアド投資サービスです。ラップ口座(投資一任)による運用を行います。グロースポートフォリオ、インカムポートフォリオ、ヘッジポートフォリオの3種類の投資信託を運用しており、投資家のリスクレベルに応じて、その配分を決めています。
国際分散投資が手軽にできます。10万円という小額から始めることができるというのも大きな強みですね(2020年4月より1万円から引き上げ)。
手数料はWealthNaviと同様に1%ですが、割引サービスが豊富です。「THEOカラーパレット」という新手数料体系が2019年4月より導入されており、コスト重視ならTHEOがおすすめです。
実際にTHEOのユーザーの80%は投資未経験者が占めているということで、初心者向けのロボアド運用サービスといえそうです。
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MSV LIFE(マネックス証券+セゾン+バンガード)
MSV LIFE(マネラップ)はマネックスグループ、クレディセゾン、ザ・バンガードグルプ・インクの3社の合弁会社として登場したロボアドを利用した投資一任運用型のロボアドによるラップ口座運用サービスとなります。
なお、投資対象はファンド(投資信託)ではなく、国内外のETF(上場投資信託)です。後述するの楽天証券の楽ラップが非上場型の投資信託を投資対象とするのと違いがありますね。
運用の目標を重視しており、豊富なシミュレーションツールで投資資金の目的に応じたプランニングやリスクレベルの選択などが可能になっています。特定の目的のために資産運用をしたいけど、投資のことはあまり考えたくないという方に最適です。
私は資産運用というのは“殖やすことが目的ではなく、その資産で何をするか?”が重要だと思います。MSV LIFEはそんな人生設計と資産運用を上手にミックスできたロボアド投資になっていると思います。
最初のプランニングができればあとはほぼ全自動です。運用中の状況に応じてのアドバイスもしてくれます。
なお、マネックス証券に口座を持っていれば資金の振り替えは簡単にできます。
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楽天証券「楽ラップ」
ロボアドとファンドラップ口座を組み合わせたサービスとなっています。
口座自体はファンドラップと呼ばれる投資家が預けた資金を証券会社が代行して運用してくれるというサービスで、実際の投資商品(投資信託)はロボアドがチョイスして運用することになります。
ロボアドは最初にあなたに運用方針や預けるお金の性質、お金に対する考え方などを参考に、リスク性向を判断し、そのリスクに応じた最適なアセットアロケーションを投資信託で実現するようになっています。
定期的なリバランスもロボアドがファンドラップ口座内で実施してくれるので、今回紹介するロボアドサービスの中でももっとも自動化できているサービスといえます。
一方でファンドラップの形(投資一任契約)を取っているため、管理料が必要となります。手数料は残高に対して最大で0.702%となります。
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投信工房(松井証券)
投信工房は松井証券が始めたロボアドによる投資信託の積立投資サービスです。いくつかの質問に答えるだけであなたに合ったポートフォリオを提案してくれるようになっています。
積立投資は毎月500円の少額スタートさせることができます。
ちなみに、松井証券の投信工房はいわゆるファンドラップ口座(投資一任契約)ではありません。そのため、サービス利用にかかる「投資顧問料」や「管理料」などの費用は掛かりません。
もっとも投資信託自体にかかるコスト(信託報酬等)は発生しますが、多くのファンドラップと比較してコスト面で非常に魅力あるサービスとなっています。組み込み可能な投資信託も低コストファンドで代表的な、たわらノーロードやSMTシリーズ、eMAXISなどとなっており、充実しています。
完全全自動というよりも、どちらかというと自分自身の投資判断の裁量を残しておきたい方や徹底的にコスト(手数料)にこだわる方に特におすすめです。
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投資や資産運用をすることは重要だとは思うけれども、日々の仕事が忙しい方などにとってこうしたロボアドのようなトレードツールは低コストで資産運用を効率的に行うことができるとても魅力的なツールです。
今、一番おすすめのモバイル回線は「楽天モバイル」です。
今は『楽天モバイル』が最強。楽天リンクを使えば通話かけ放題だし、パケットも使い放題で月々3,168円。データ通信をあんまり使わない人は1,078円で回線を維持できます。
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