お金を預ける時や運用するとき、またはお金を借りる時に使われる「利子」「利息」「金利」「利率」といった言葉。

それぞれおなじような意味で使われることが多いですが、実際にそれぞれの意味の違いについてはご存知でしょうか?今回はこの利子と利息の違い、また金利と利率と利回りの違いについてまとめていきたいと思います。

金融の一般常識として押さえてきましょう。

金額とレート(%)の違い

まず、「利子」「利息」「金利」「利率」という言葉は大きく「金額」と「レート(%)」で分けることができます。「利子と利息」は実際の金額を指し、「金利と利率、利回り」はレート(%)を指します。

お金を運用したり、借りたりして支払う金額のことを「利子・利息」と呼び、その計算レート(通常は%で表示)を「金利・利率・利回り」と呼びます。

100万円の定期預金を年利(1年あたりの利率)3%で1年間運用したとします。税金と費用を考えない単利の例では、利息は3万円、年利は3%です。
税引後に受け取る金額は小さくなります。

それでは、利子と利息、金利・利率・利回りにはそれぞれ違いはないのでしょうか?

利子と利息の違い

基本的に意味の違いはありません。貸したお金や借りたお金にかかる費用を利子、利息と言います。

「受け取る側は利子、支払う側は利息」と一律に分ける決まりはありません。
銀行預金にも「利息」という表現が使われます。
言葉の使い分けより、金額なのか割合なのかを確認すると読み違いを減らせます。

金利と利率、利回りの違い

金利や利率は利息を計算する割合です。
利回りは投資額に対する収益の割合で、売却損益や費用を含むかによって変わります。通常は1年あたりの%(パーセント)で表示されます。

一方で、割(10%)、分(ぶ)(1%)、厘(0.1%)のような形で表現されることもあります。2割5分3厘なら「25.3%」と同じ意味ですね。

もう一つの利率表現として「日歩」というものもあります。こちらは100円に対して1日当たりの利息額を示すものです。

利率は年利・月利・日利(日歩)があり、付与期間が違う

○○%という利率は特に何も前置きがない場合1年あたりの金利である「年利」を指します。

ただし、状況によっては「月利(1カ月当たり)」「日利・日歩(1日当たり)」などを指す場合もあります。単利で期間を換算する場合、年率を12で割ると月あたりの率の目安になります。
日割りの計算は、契約に定められた年間日数と対象日数を使います。
複利の実効年率や、100円あたりの金額で表す日歩は別に計算します。

このあたりはしっかりと確認しておく必要があります。

たとえば、お金を借りる時、カードローンやキャッシングなどは実質年率という「年利」で表現していますが、質屋の質入れについては「月利」で表示されているのが一般的です。

月利5%という場合で10万円を借りた場合、1カ月分の利息は5,000円です(100,000円×0.05)。なお、単純計算(単利ベース)で月利を年利に直す場合は12倍すればよいです。月利5%=年利60%となります。(※実際に複利で計算すると約79.59%となり大きく異なります)

また、違約金などは日歩で表示されることが多いです。日歩というのは1日当たりという意味ですが、日歩は%表示ではなく、○銭というように率ではないことが多いです。日歩○銭は、100円あたり○銭(1銭は100分の1円)という意味になります。

日歩4銭なら、100円あたり4銭(0.04円)の利子が発生するという意味になります。ちなみに、日歩4銭(日歩4銭×365÷100)は年利換算で14.6%となります。

日歩4銭や日歩5銭の計算方法を確認するイメージ
日歩とは?日歩4銭と5銭の意味、年利換算、利息計算を解説 日歩(ひぶ)は、元金100円に対する1日あたりの利息を表す古い利率表記です。 たとえば日歩4銭なら、100円につき1日0.04円の...

借入時の利息計算式と上限金利

お金を借りる際の利息は、以下の計算式で求めることができます。

利息 = 借入金額 × 年利(%) ÷ 100 ÷ 365 × 借入日数

例:10万円を年利15%で30日間借りた場合

100,000円 × 0.15 ÷ 365 × 30日 ≒ 1,233円

また、借入時の金利には「利息制限法」によって以下のように上限が定められています。出資法の上限(年20%)とは異なるため注意が必要です。

借入元本 上限金利(年)
10万円未満 年20.00%
10万円〜100万円未満 年18.00%
100万円以上 年15.00%

名目金利と実質金利の違い

金利を理解する上で、「名目金利」と「実質金利」の違いも重要です。

  • 名目金利:金融機関の店頭などで実際に表示されている金利(例:年0.1%)
  • 実質金利:名目金利から物価上昇率(インフレ率)を差し引いた金利

物価が上昇している局面では、預金の利息(名目金利)がついても、物価上昇によってお金の価値が目減りするため、実質的な金利はマイナスになることがあります。

同じ率(%)で表現する金利・利率・利回りの意味の違い

さて、金利と利率、利回りの違いですが、金利と利率については違いは基本的にありません。どちらも同じ意味で用いられます。年利表示なら「1年分の利息の元本に対する割合」です。
月利表示もあるため、割合と期間をセットで確認します。

一方で利回りというのは、投資や資産運用で使われる言葉で“投資した資金に対しての何%の利益があるか”という意味になります。投資という視点である以上様々な計算方法があり、結果が変わることがあります。

また、投資先によって使われる利回りの意味が違う場合があります。

  • 年平均利回り(預金・複利型)
  • 表面利回りと実質利回り(主に債券や不動産)

複利分を考慮したり、投資にかかる諸経費を含む含まない、といったように計算方法がいろいろあります。

利回り(年間利回り)の計算方法

利回り(%)=(分配額(収益)÷投資元本)÷運用年数×100

100万円の5年満期の債券に投資をして15万円の分配を受けたとしましょう。計算すると「15÷100÷5×100=3」となり、この場合の利回りは3%ということになります。

ただし、上記の計算は単利計算です。金融商品によって複利で計算されるものもあります。複利というのは得られた収益を再投資することで利息が利息を生むような運用や利率計算方法です。

たとえば定期預金などは3年以上のものは、単利型と半年複利型を選べるのが一般的です。半年複利型の場合は、半年ごとの複利計算で利息額を計算しています。

半年複利の計算方法

たとえば、年利3%の5年間の定期預金(半年複利)という商品を例に考えます。

利率(年利)は表記の通り3%となりますが、利回りは異なります。

この定期預金は年利3%ですが、半年複利なので半年ごとに1.5%相当の利子(利息)が計算され残りの半年はそれが上乗せされた状態で次の利息が計算されます。

仮に100万円をこの定期預金に預けた場合、半年後に3%の1/2である1.5%が上乗せされ、その半年後には上乗せされた預金に1.5%が上乗せされます。

具体的な数字で見ると

  • 半年後:101.5万円
  • 1年後:103.0225万円
  • 1.5年後:104.5678万円
  • 2年後:106.1363万円
  • 2.5年後:107.7284万円
  • 3年後:109.3443万円

    ・・・

  • 5年後:約116.0541万円(税金・端数処理を考えない概算)

となります。税引前の利息合計は約16万541円です。これを5年で割った単純な年平均利回りは約3.2108%になります。一方、1年の複利効果を表す実効年率は1.015の2乗−1=3.0225%です。期間全体の利益を年数で割った値と、複利の実効年率を区別します。

表面利回りと実質利回りの違い

たとえば、アパート経営(不動産投資)で表面利回りというのは、投資額(不動産価格)に対する家賃収入の割合です。一方の実質利回りは、家賃収入額から各種諸経費(管理費や税金など)を引いたもので計算します。一般的な実質利回り(NOI利回り)はローン返済額を含めずに算出します。

実態に即したものは実質利回りの方ですね。

<例>3000万円の物件。家賃収入は年間180万円で年間の管理費と税金が20万円かかるとしましょう。

  • 表面利回り = 180 ÷ 3000 = 6%
  • 実質利回り = (180 – 20) ÷ 3000 = 5.33%

注意点

大抵の不動産広告は利回りが高く見える“表面利回り”で表示されるのが一般的です。このように利回りというのは表現の仕方次第で高く見せたり、低く見せたりすることもできるので、ミスリーディングに注意が必要です。なお、上記の計算においてローンの利息(例:年間50万円)を差し引いた場合は、手残り利回りは(180-20-50)÷3000=3.67%となり、さらに低くなります。

あと、不動産投資では「想定利回り」という利率が使われることもあります。これは賃貸物件などが一定の条件(満室など)で稼働した場合の想定される利回りとなります。当然、空室などがあれば、実際の利回りはこれ以下になるわけです。

保有期間だけでなく売却損益を加味して利回りを計算(株式投資など)

利回りを計算する際に保有期間だけでなく、売却による損益も加算して計算する場合があります。株式投資や投資信託などに投資をして、その後売却をするという場合は、期間中には配当金だけでなく、売却損益も加算して利回りを計算することができます。

期間中の配当金(配当利回り)や分配金(分配利回り)が高くても、保有株や投資信託が値下がりし続けていて、トータルの利回りにするとそんなにプラスではなかった……。みたいなこともありえるものです。

運用期間全部のトータルの収益率を出す場合も

一般的に利回りは年間利回り(1年単位)でだしますが、場合によっては通期のリターンとして表示する場合があります。学資保険や養老保険といった貯蓄型保険などに多いですね。

親(30歳)に対して第1子が誕生して、学資保険に加入。18歳の時に230万円の満期保険金を受け取る計算にしたとします。このとき、月々の保険料は9,752円、累計保険料は2,106,432円となります。

上記の場合、2,300,000 ÷ 2,106,432 × 100 = 109.18 で9.18%の利回りといったような表記です。ここまでお読みいただいた方はこれが年率(利率)とイコールではないということはお分かりかと思います。

これを計算するにはエクセル(RATE関数)で計算できます。毎月末に216回払い込み、その最終払込時に230万円を受け取る仮定なら、月利はRATE(216,-9752,0,2300000)で求められます。
実効年率は(1+月利)の12乗−1で約0.97%です。
払込日と受取日が変われば結果も変わるため、保険の返戻率をそのまま年利として比べないようにします。

アドオン金利に注意

分割払いや一部の自動車ローンなどでは「アドオン金利」という方式が使われることがあります。これは、残高に対してではなく「当初の借入元本」に対して利息を計算する方式です。返済で残高が減っても当初元本を基準に計算するため、残高に対して計算する年率と、その数字のまま比較できません。
返済回数と各回の支払額から求めた実質年率、支払総額を確認します。

利子、利息、金利、利率、利回りについてちゃんと理解しよう

金融取引や投資、保険、ローンなどで、利子、利息、金利、利率、利回りという言葉はよく用いられます。それぞれの意味を理解して間違った選択をしないようにしましょう。

  • 利子・利息:運用やローンで受け取る(支払う)金額
  • 金利・利率:利子や利息を計算する数字(率)
  • 利回り:投資や運用において年間あたりで得られる収益(率)

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たとえば年1%の預金へ100万円を3カ月預ける場合、税引前利息の目安は100万円×1%×3÷12=2,500円です。
「年1%」だから3カ月で1万円を受け取れるわけではありません。
実際の金額は日数、課税、端数処理で変わります。

預金の税引後利息を求めたい場合は、利息と税金の計算方法を使って比較できます。

ABOUT ME
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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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