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資産運用に毎月分配型投資信託が不適切な理由。毎月分配型は買ってはいけない

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最近は若い方でも投資をして自らの老後資産をはじめとした資金を運用されている方も多いようです。ただ、銀行や証券会社の窓口に行って、何かいい投資信託はありませんか?と聞くと大抵勧められるのが「毎月分配型の投資信託」です。確かに(表面上の)利回りは高いものが多いのですが、これらの投資信託は単に投資元本を払戻しているにすぎないものも多く、複利運用できていないので問題が大きい商品です。

今回は、特に若い人、20代~30代の方にとって、なぜ毎月分配型投資信託が無駄なのか?ということをまとめていきたいと思います。

毎月分配型投資信託の問題点

まず、毎月分配型の問題点を考えていきます。大きく、「非効率」「高コスト」「税金の無駄」という3つの問題が毎月分配型投資信託にはあると考えています。

 

毎月分配型の投資信託はそもそも非効率

まず、毎月分配型に限らず、収益を投資家に対して分配(還元)するタイプの投資信託の場合、単利運用となります。投資信託が生み出したリターンはそのまま投資家の手元に戻ってしまうので収益が収益を生むという複利効果を活用することができません。特に、若い人にとって複利効果は時間を味方につける最高の武器の一つです。
参考:金融知識として知っておきたい複利と複利効果の大きさ

仮に、年利5%で運用ができると仮定した場合、20歳のころの1万円は30歳の方にとっての1.62万円、40歳の方にとっての2.65万円、50歳の方にとっての4.32万円もの価値があるわけです。
(1万円を毎年5%で複利運用した際の運用後金額)

毎月分配型の投資信託は分配されることによってこの武器が使えないのです。もちろん、分配されたお金を別の投資に使えば、結果的に再投資となるわけですが、それなら最初からその別の投資にお金を振り分けておけばいい話になります。あえて分配型を選ぶ必要が小さくなります。

また、あえて分配することでファンド自身が分配金のために多額のキャッシュポジション(現金)を抱えておく必要があり、投資効率的にもよくありません。

 

実際はタコ足配当?

また、毎月分配型の投資信託の多くは、支払っている分配金について、実際のファンドの運用によって得られた収益ではない部分で配当を行っているものが多いです。

つまり、タコ足配当(タコ配当)です。

投資信託においては一定の条件を満たせば、実際のファンドがあげた収益を超えて分配することが許されています。

たとえば、基準価額(投資信託の時価のようなもの)1万円で買った毎月分配型の投資信託があるとします。この投資信託から毎月50円の配当が得られました。1年後、その投資信託の基準価額は9500円に下落していました。

見た目の利回りは50円×12カ月=600円。600円÷10000円=6%となり、利回り6%の投資信託に見えますが、基準価額が9500円に低下しているということは、受け取った600円の分配金のうち、500円は投資元本の払い戻しにすぎないということになります。
よって、これも考えた実際の利回りは、(600円-500円)÷(10000円-500円)=1.0526%になります。

ちょっと極端な例かもしれませんが、毎月分配型投資信託の多くは、基準価額を落としております。

これは、実際に毎月分配型投資信託がタコ配当をしていることの証左であるといえるでしょう。なぜタコ配するかというと、そのほうが儲かってる感があるからです。100万円投資をして毎月5000円(年6万円)も分配金がもらえたら、儲かってる気になりませんか?

でも実は全然儲かってるわけじゃなくて、元本を払い戻しているだけにすぎないわけですから……。残念。

投資信託における分配金は、通常の利益から還元している配当金は「普通分配金」、タコ足配当は「特別分配金」と呼ばれています。

ただ、この特別分配金という表現。呼び名が誤解されるとして最近では“元本払戻金”という表記とするよう金融機関も増えています。

 

儲かっているとしてもあえて分配して課税されることで投資効率が低下する

仮に、毎月分配型ファンドが儲かっていると仮定しても、長期投資という観点で考えると分配するのは不利です。

理由は分配することで利益が確定することになり課税されるからです。日本では2017年現在、株や投資信託の利益の20%が課税されます。税金がかかるということは手取りが減ります。
仮に分配された利益を再び別の投資に回すとしても20%が減少した分しか投資できません。一方で分配されずに投資信託の中で再投資されたとすれば課税されませんので100%がそのまま再投資できます。

仮に20年間、年利5%で運用できるファンドがあるとして、そのファンドが「無分配型」と「分配型」であった場合、税金の差で大きく結果が変わってきます。

仮に100万円を最初に投資したとしましょう。20年後はどうなっているでしょうか?

分配方針 20年後の投資結果 税引き後利益
無分配型 2,653,298円 2,322,638円
分配型 2,191,123円

こうなります。無分配型は最後に利益確定をすることで20年分の利益に対して課税されますが、分配型と比較して13万円以上の差があります。これが、税金として利益の20%が惹かれることで下がった投資効率の結果です。なお、投資において税金が与える影響については「投資の税金と節税の価値。投資における節税は複利効果を生む」でもっと詳しく紹介しているので、気になる方はこちらもご一読ください。

 

高コスト。たいていの毎月分配型ファンドは手数料が高い

第2の問題は手数料の問題。こうした毎月分配型ファンドは組成に手間がかかるということもありますが、手数料が高めに設定されています、投資信託の手数料には購入時にかかる販売手数料と、毎年の管理費としての信託報酬がありますが、そのどちらも高めです。

たとえば、以下は某証券で人気ランキングに入っている毎月分配型ファンドの販売手数料と信託報酬です。販売手数料は購入時にかかる手数料で、信託報酬は毎年かかる管理料です。

販売手数料 信託報酬
ニッセイグローバル好配当株式プラス 3.24% 1.6956%
グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド 3.24% 1.8712%
日本株アルファ・カルテット 3.24% 1.902%
通貨選択型 米国リート・αクワトロ 3.24% 1.565%
ワールド・リート・オープン 2.7% 1.674%

総じて高いです。ちなみに、日経平均株価に連動するように作られている「たわらノーロード日経225」の場合販売手数料は無料で信託報酬はわずか0.2106%です。いかに毎月分配型ファンドのコストが高コストかわかるのではないでしょうか……。

もちろん、手数料が高いなりに高いリターンがあればよいという話になるかもしれませんが、世の中のアクティブファンドの大半は、上記のたわらノーロードのようなインデックスファンドに運用結果で勝てないというデータが出ています。その理由は言わずもがな手数料が高いからその分負けてしまうわけです……。

この問題は「毎月分配型ファンドの問題というよりも世の中のアクティブファンド全体に言えること」ではありますけど。

 

まとめ 長期投資に毎月分配型投資信託は無駄

まとめとして、毎月分配型投資信託は若い投資家が買うものではありません。

唯一おすすめできるとするならば、資産を多く持っている高齢者のような方です。複利で運用する必要はありませんし、分配型投資信託を持っていれば定期的な収入として年金にプラスする形で受け取ることができます。ただし、その場合でも過剰なタコ配当を行っていないかなど、投資信託を厳選して選別する必要はありそうです。

個人的には毎月分配型ファンドはそもそも存在価値がないと思っています。

 

じゃあ、どんな投資信託を買うべきなのか?

毎月分配型ファンドを買うべきではないということはわかりましたが、それでは、投資をする上でどんなファンドを買えばいいのでしょうか?

  • 指数に連動しているインデックスファンド
  • 販売手数料が無料
  • 信託報酬はできるだけ安いもの

上記の条件を満たしたファンドを組み合わせて買うべきです。卵は一つのかごに盛るなという格言があるように一つに投資をするのではなく、複数に分散して投資をしましょう。
それもどうやって選ぶのかわからないという方には「ロボアドを利用した資産運用サービス」がお勧めです。あなたのリスクレベルに応じて最適な資産配分の方法まで提案してくれます。

特にお勧めなのは松井証券の「投信工房」ですね。こちらは上記の3条件を満たしたインデックスファンドの中から、あなたの投資方針にあった投資信託の組み合わせを提案してくれるサービスが無料で利用できます。詳しくは「松井証券の投信工房のメリット、デメリット。ロボアドで投資信託の積立投資」でも紹介しています。

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以上、若い人の資産運用に毎月分配型投資信託が不要な理由。毎月分配型は買ってはいけないというお話でした。

ABOUT ME
ふかちゃん
マネーライフハックの編集長 兼 管理人です。節約やマネー術などについての情報発信を2004年から続けています。
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