楽天銀行では、登録配当金受領口座方式を利用して株式の配当金を口座で受け取ると、件数に応じてもれなく現金がもらえる「株式配当金受け取りプログラム」というサービスが継続的に提供されています。これは配当金の振り込み1回あたり10円という金額ですが、まさにちりも積もれば山となる非常にお得な仕組みです。

今回は、この株式配当金受け取りプログラムを最大限に活用するために、株価の安い低位株を1株単位の単元未満株取引で購入し、10円のキャッシュバックを効率よくたくさん受け取るという実戦的な投資方法について、最新の手数料環境やリスクを踏まえて検証・解説します。

株式配当金受け取りプログラムのおさらい

楽天銀行 株式配当金受け取りプログラム

株式配当金受け取りプログラムというのは、楽天銀行が提供している常設のサービスで、配当金の受取先を楽天銀行に指定している場合、配当金の振込ごとに現金プレゼントがもらえるという仕組みです。

株式の配当金の受け取りについては、1回あたりの振込金額の多寡に関係なく、一律で1回あたり10円を受け取ることができます。

日本の多くの株式の場合、配当金は年に2回支払われますので、1銘柄を保有していれば年間で20円の現金プレゼントを受け取ることができるわけです。年4回配当(四半期配当)の会社であれば、年間40円になります。

ちなみに、株式の配当金の受け取り方については「株の配当金を受け取る3つの方法・受け取り方」でまとめられていますが、楽天銀行を振込先にするには「登録配当金受領口座方式」を選択して楽天銀行の口座を指定しておく必要があります。

こちらは各ネット証券の口座管理ページなどで簡単に変更することができます。

端株取引(単元未満株取引)との組み合わせで高利回りを実現する仕組み

これと「端株取引(単元未満株取引)」を掛け合わせていくことで、どのような効果が生まれるのかを検証します。

単元未満株とは、通常の売買単位である単元株(現在は一律100株)に満たない1株単位の株を指します。

※正式には単元未満株は単元株より少ない株、端株とは1株に満たない株(0.1株など)を指しますが、投資の世界では1株投資の総称として使われることが多いです。

単元未満株取引を利用すれば、単元株数が100株の銘柄でも1株単位で売買できます。例えば、株価が300円の銘柄を通常の100株で買うなら3万円の予算が必要ですが、単元未満株取引なら1株あたり300円の予算で買うことができるわけです。

仮にこの株価300円の会社が年に2回、1株あたり2円ずつの配当金(年間計4円)を出していると仮定します。この場合、1株のみを所有している状態であっても、半年に2円の配当金を受け取ることができます。

これに楽天銀行の株式配当金受け取りプログラムを上乗せします。年に2回の配当振込があるわけですから、プログラムから20円の現金プレゼントを受け取ることができます。

結果として、300円の投資に対して「本来の配当金4円」+「株式配当金受け取りプログラム20円」の合計24円の年間インカムゲインとなります。投資総額は300円なので、利回りに換算するとなんと8%という高い利回りになります。

毎月分配型・隔月分配型のETFも活用できる?

普通の株式の配当は多くても年2~4回ですが、ETF(上場投資信託)の中には分配金の支払い回数が毎月(年12回)や隔月(年6回)となっているものもあります。もしこれが対象であれば、毎月分配型なら年12回(120円)、隔月分配型なら年6回(60円)の振込がある計算となります。

  • 1677:上場インデックスファンド海外債券(Citigroup WGBI)毎月分配型
  • 1345:上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型
  • 1555:上場インデックスファンド豪州リート(S&P/ASX200 A-REIT)隔月分配型

しかし、楽天銀行の公式規約において、ETFやREITの分配金は「株式配当金受け取りプログラム」の対象外と明記されています。これらは株式配当金ではなく投資信託の収益分配金という扱いになるためです。これらを買い集めても10円のキャッシュバックはもらえませんのでご注意ください。

手数料環境の大激変!現在は主要ネット証券での運用がおすすめ

この戦略において、かつて最も大きな障壁となっていたのは単元未満株取引における売買手数料の存在でした。1株買うごとに数十円の手数料がかかっていては、10円をもらっても赤字になってしまうためです。

以前は月額定額制の手数料を提供していたSBIネオモバイル証券(ネオモバ)がこの戦略の定番口座として知られていましたが、同社は2023年1月にSBI証券へ統合され、サービスを終了しています。

しかし、ネオモバがなくなった現在、主要ネット証券が単元未満株取引の手数料を大幅に引き下げ・無料化したことで、さらに有利な環境が整っています。現在の主要各社の対応状況は以下の通りです。

証券会社・サービス名 買付手数料 売却手数料 サービスの特徴
SBI証券(S株) 無料 無料 買付・売却ともに手数料が完全無料となっており、コスト面では最も有利な水準です。
楽天証券(かぶミニ) 前場・後場の寄付:無料
リアルタイム:スプレッド0.22%
前場・後場の寄付:無料
リアルタイム:スプレッド0.22%
2023年に始まったサービス。寄り付き注文なら手数料無料で、楽天銀行とのマネーブリッジ連携もスムーズです。
マネックス証券(ワン株) 無料 0.55%(最低52円・税込) 買付時の手数料は無料ですが、売却時に最低52円の手数料が発生します。
松井証券(単元未満株) 無料 0.55%(税込) 新しくサービスが開始され、買付手数料無料で1株から投資可能です。

現在この戦略を実行するのであれば、買付・売却ともに完全無料化されたSBI証券のS株、あるいは、寄り付き注文で手数料が無料になり楽天銀行との口座連携(マネーブリッジ)による恩恵も受けられる楽天証券のかぶミニが有力な選択肢となります。手数料を気にすることなく、多くの銘柄に1株ずつ分散投資を行うことができます。

詳しい単元未満株の比較については、以下の記事でも詳しく解説しています。

単元未満株取引(プチ株、S株、ワン株)のメリット・デメリットと「ミニ株」や「るいとう」との違いネット証券各社においてプチ株、S株、ワン株といった名称の「単元未満株取引」という取引が利用可能になっています。これは名前の通り単元株数未...

実は少額配当金特有の税制上のメリットもある

なお、単元未満株(1株投資)での配当金受け取りには、楽天銀行側でのキャッシュバックメリットだけでなく、税制上の小さなメリットが生じるケースもあります。

株式の配当金には通常20.315%(国税15.315%、地方税5%)の税金がかかりますが、税額の計算において1円未満の端数は切り捨てられます。

通常の単元株(100株)で配当金5円×100株=500円を受け取る場合、国税は76.575円(0.575円切り捨てで76円)、地方税は25円となり、合計101円が源泉徴収されます。

一方で、単元未満株として1株単位で配当金5円をそのまま受け取る場合、国税の計算(5円×15.315%=0.76575円)も地方税の計算(5円×5%=0.25円)もそれぞれ1円未満となるため、端数切り捨てルールにより実質非課税(源泉徴収税額0円)で配当が振り込まれることがあります。

ただし、この恩恵は1株あたりの配当金が数円程度と極めて少ない低位株に限られる話であり、1株あたりの配当額が10円以上になる銘柄や、保有株数を増やした場合には通常通り課税されますので、あくまで付加的な特徴として覚えておいてください。

新NISAを利用する場合は要注意!

2024年からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)を利用する場合は、この戦略との併用に重大な注意が必要です。

新NISA口座の成長投資枠などを利用して単元未満株を購入する場合、配当金を非課税にするためには、配当金の受け取り方法として、証券会社の口座内で持ち株数に応じて受け取る「株式数比例配分方式」を選択しておく必要があります。

もし、楽天銀行のプログラム特典を目的に、受け取り方法を「登録配当金受領口座方式(銀行振込)」に変更して楽天銀行口座を指定してしまうと、せっかく新NISA口座で購入した株式であっても、配当金が非課税にならず通常課税されてしまいます。

そのため、新NISAの配当金非課税メリットと、楽天銀行の配当金受け取りプログラム(1回10円)を同時に重ねて利用することはできません。本戦略を実践する場合は、新NISA口座ではなく、通常の特定口座(課税口座)側で株を購入して運用するという棲み分けを行う必要があります。

なお、本プログラムは楽天銀行が長年提供している魅力的なサービスですが、銀行側の規約変更やプログラム自体の条件変更・終了が将来的に行われるリスクも考慮する必要があります。運用を始める前には必ず楽天銀行公式サイトで最新の実施要項を確認してください。

私もやってみた結果とポイ活投資の視点

私も実際にこの戦略を試してみました。投下資金50万円ほどを目安に、年2回配当銘柄や、一部の「四半期配当銘柄」を中心に、可能な限り株価の安い低位株を選別して1株ずつポートフォリオを構築しました。その結果、1年間の集計で5,700円(計570回の配当振込)分のプログラム収益を得ることができました。

投下資本に対する利回りはこれだけで+1.14%です。これは株式本来の配当利回りとは別枠でもらえるわけですから、資金の置き場所として十分に妙味のある運用と言えるでしょう。

以前流行した「投資信託をクレジットカードで積み立てて即座に売却し、ポイント還元だけを獲得する」といった極端な手法は、楽天証券側での度重なる規約改定や還元率の条件変更により、現在では旨みが大幅に減少しています。しかし、この配当金受け取りプログラムを活用した手法は、ルールに則った健全な役割の範囲内で、現在の手数料無料化の波を味方につけて効果的に立ち回ることができます。

楽天銀行の口座開設を行う際は、楽天証券との一括開設が非常にスムーズです。口座連携サービス(マネーブリッジ)を設定することで、普通預金金利の優遇なども受けられます。

特定口座における1株投資のパートナーとして、手数料無料化を達成している証券会社を上手に選んで活用してください。

以上、楽天銀行の株式配当金受け取りプログラムと端株取引(単元未満株取引)を活かした利回り底上げ戦略についてまとめました。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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