自転車保険という保険が脚光を浴びています。いわゆる「自動車保険」の自転車版のようなもので、自転車を利用している時の事故による怪我や相手への賠償等を補償するための損害保険です。

自治体によっては、罰則規定はないものの、自転車保険への加入を義務付けるところも増加しており、2025年10月時点で全国34都府県で義務化されています。

自転車事故による高額な賠償事例も出てきており、電動アシスト自転車の普及によって事故のリスクも高まっています。通勤・通学などで日常的に自転車を利用する方はぜひ活用しておきたい保険です。

今回はそんな自転車保険についてその特徴や加入するべきかどうかの必要性などについて紹介していきます。

自転車保険とそれを取り巻く環境

自動車に乗る方は万が一の事故のため、任意保険と呼ばれる自動車保険に加入する方がほとんどかと思います。また、自動車の場合には強制保険である自賠責保険も存在するため全くの無保険ということはありません。

その一方で自転車についてはこうした強制保険はありませんのですべて任意となっています。最近では、自転車による接触事故等による賠償額において高額な賠償を命じられたケースも多くでています。

自転車事故による高額賠償事例

  1. 2013年:9,521万円(神戸地裁。小学5年生(11歳)が夜間走行中に横断歩道の女性と衝突し、重度後遺障害が残った事故)
  2. 2008年:9,300万円(東京地裁。男子高校生が車道を斜めに横断し対向自転車の男性に衝突し、言語機能喪失等の重大な後遺障害を負わせた事故)
  3. 2003年:6,800万円(男性による事故。死亡事故)
  4. 2007年:5,400万円(男性による事故。死亡事故)

特に、2013年の事故の時は9,521万円という高額な賠償金額と加害者の年齢(小学校5年生)ということもあり話題となりました。未成年者が事故を起こした場合、民法714条の規定に基づき、親権者(保護者)が監督義務者として損害賠償責任を負うケースがあります。子供が乗る自転車であっても、万が一に備える必要があります。

さらに近年では、車体が重くスピードが出やすい電動アシスト自転車の普及により、衝突時の衝撃が大きくなる傾向があり、重大な事故につながるリスクも高まっています。

自転車事故のヒヤリハット事例

インターネット調査によると日常的に自転車に乗っている方の約87%もの方がヒヤリとした経験があると回答しています。このヒヤリがいつ重大事故につながるか分かりません。もしかしたら、次はあなたかもしれません。

最近では、企業側も社員の健康のために自転車通勤を推奨する会社も出てきていますが、通勤中に第3者を怪我させた場合には、会社側も使用者責任を負うことになります。こうしたリスクもあるため、自転車通勤をする社員には自転車保険への加入を義務付ける会社も増えています。

自転車保険への加入義務化をおこなう自治体も増加

前述のような自転車事故による巨額賠償を受けて、自治体レベルで自転車保険への加入を義務付ける自治体が増加しています。2015年10月に兵庫県で義務化されたのを皮切りに、埼玉県、大阪府、京都府、東京都などでも義務化が行われました。

2025年10月時点では、北海道、宮城、山形、福島、関東7都県、中部から九州に至るまで、全国34都府県で義務化されており、努力義務を含めると44都道府県以上に広がっています。

現在のところ罰則まで設定している自治体はありませんが、それだけ自転車事故のリスクが高く、保険加入が求められていることの裏返しといえます。

なお、こうした自治体が義務化している自転車保険は、専用の自転車保険だけでなく、後述する個人賠償責任保険など相手に対する賠償責任をカバーする保険も含む、広義の自転車保険となります。

自転車保険とは何か?保険としての特徴

自転車保険とは、自転車を利用中に発生した事故や怪我に対して一定の補償を行う損害保険の一種です。年間の保険料は3,000円程度から存在し、他人を怪我させた場合の損害賠償を補償する保険となっています。

また、自転車保険によっては自分自身のケガや死亡、後遺障害に対する保険が下りるタイプもあります。

専用の自転車保険以外にも火災保険や自動車保険などにも付帯できるようなケースもあります。自転車事故に対応する保険としては「個人賠償責任保険」と「自転車専用の保険(自転車保険)」、「TSマーク付帯保険」の3種類があります。

個人賠償責任保険

第3者に対して賠償責任を負う事態が発生した場合に使用できる保険です。自分自身に対する補償はありませんが、他人を怪我させた場合などには利用できます。

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この個人賠償責任保険は日常生活における偶発的な事故による損害賠償を補償することができる保険となっています。この中には日常利用による自転車事故も含まれます。

火災保険などに付帯しているケースも多く、気づいていないだけで加入しているケースが多いです。

注意点としては「日常利用」での事故だけが対象だということです。通常、通勤や通学は日常利用とみなされますが、業務中に自転車で移動して事故を起こした場合などは日常利用とはみなされません。

個人賠償責任保険については基本的には単独ではなく、他の保険とセットで加入するのが一般的です。

  • 住宅用火災保険
  • 自動車保険の特約
  • クレジットカードの付帯保険の特約

などでセットをすることができます。多くの方は火災保険の特約で個人賠償責任保険に加入されていると思われます。

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専用の自転車保険に加入する

自転車の利用時に補償される保険です。自転車による事故での相手への賠償責任をカバーするというものが中心です。前述の個人賠償責任保険と違って、自転車事故であれば、日常利用、業務利用を問わず補償されるタイプもあります(※)。

※補償範囲については保険商品によって異なる場合がありますので、業務利用(仕事利用)される場合は仕事中の自転車事故が補償されるかどうかについて必ず確認するようにしてください。

さらにこれに加えて、自分自身のケガなどに対する保障(傷害保険)としての機能がついているものもあります。

自転車保険は自転車事故単体への補償という面では手厚いのですが、自転車事故以外は対象外であること、日常利用であれば個人賠償責任保険と保険が重複するケースが多いという点は留意しておく必要があります。

TSマーク付帯保険に加入する

TSマークとは、自転車安全整備士が点検を行った自転車に貼られるステッカーで、傷害保険・賠償責任保険が付帯しています。整備代金を支払うことで自動的に保険がセットされます。保険は1年間有効です。

保険を継続したい場合は年1回以上は点検と整備を受ける必要があります。2022年12月1日より新たに第三種TSマーク(緑色)が新設され、現在は「青色」「赤色」「緑色」の3種類が存在します。

TSマークの種類 緑色TSマーク 赤色TSマーク 青色TSマーク
賠償責任補償(限度額) 1億円(すべての人身事故) 1億円(死亡・重度後遺障害のみ) 1000万円(死亡・重度後遺障害のみ)
自身の死亡・重度後遺障害 50万円 100万円 30万円
自身の入院(15日以上) 5万円 10万円 1万円
示談交渉サービス あり なし なし

加入するなら、賠償責任補償が1億円であり、示談交渉サービスも付帯する緑色TSマークがおすすめです。

個人賠償責任保険や自転車保険は「自転車の使用者」が保険の対象となりますが、TSマーク保険は「自転車そのもの」に付帯する保険となります。そのため、家族の誰が乗っていても、あるいは友人に貸した際に事故が起きても有効です。事業所などで不特定多数の人が同じ自転車を利用する場合にもTSマーク保険が適しています。

自転車保険の選び方のポイント

具体的に自転車保険はどうやって選べばいいのでしょうか。確認しておくべきポイントを紹介します。

賠償額は最低でも1億円以上

第3者に対する賠償額は1億円は最低でも確保しておきたいところです。過去の自転車事故における賠償額として9,500万円を超える金額の損害賠償が命じられたケースがあるためです。

個人賠償責任保険や自転車保険の場合、最高保険金額が5,000万円でも1億円でも保険料はそれほど大きく変わりません。現在は最大で3億円まで補償される商品も存在します。最低でも1億円以上は確保するようにしましょう。

示談交渉サービスはないよりはあったほうがいい

自転車事故を起こしたとき、示談交渉サービスが付帯していれば、保険会社が間に入ってくれて被害者の方と慰謝料や治療費などの交渉をしてくれます。

一方で示談交渉なしのプランだと、その交渉を自分自身で行う必要があります。事故の加害者・被害者という関係で直接交渉をすると感情的になってトラブルになるケースも多いです。

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各保険の示談交渉サービスの有無の目安は以下の通りです。

  • 個人賠償責任保険:保険によって異なる
  • 自転車保険:通常は示談交渉付き
  • TSマーク保険:緑色はあり、赤色・青色はなし

また、示談交渉サービスが付帯していない保険であっても、「弁護士費用特約」が付帯していれば、交渉を弁護士に依頼する際の費用を保険でカバーすることができます。

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ロードサービスの有無を確認しよう

一部の自転車保険には、外出先でパンクやチェーン外れなどのトラブルが発生した際、希望の場所まで自転車を搬送してくれる「自転車ロードサービス」が付帯しています。通勤・通学で長距離を走る方や、高価なロードバイクに乗る方は、ロードサービスの有無も比較のポイントになります。

自分に対する補償は他の保険でもカバーされているかも

個人賠償責任保険は「相手に対する補償」が主目的のため、自分がケガをした場合の補償はありません。自転車保険については、ケガや死亡、後遺障害に対する傷害保険をセットすることができます。

ただし、自動車保険の人身傷害補償保険(車外での事故も補償されるタイプ)や、医療保険などに加入している場合は、自転車事故でケガをした際もそちらから保険金が支払われるケースがあります。補償内容が重複していないか確認することが大切です。

補償の範囲は契約者かそれとも世帯かを考えよう

家族がいる場合は保険の対象範囲も確認しましょう。

個人賠償責任保険 生計を共にする世帯全体が対象となるのが一般的です。
自転車保険 個人型(本人のみ)、夫婦型、家族型などから選べるケースが多いです。
TSマーク付帯保険 整備した自転車が対象です。運転者は問われません。

具体的な自転車保険の比較例

代表的な自転車保険には以下のようなものがあります。加入を検討する際の参考にしてください。

  • 損保ジャパン「サイクル安心保険」
    賠償責任は国内無制限。示談交渉サービスや自転車のロードサービスが付帯しています。
  • 楽天損保「サイクルアシスト」
    楽天ポイントが貯まる・使えるのが特徴。賠償責任補償は最大1億円で、示談交渉サービスも付帯します。
  • au損保「Bycle(バイクル)」
    賠償責任は最大3億円。ヘルメット着用時の死亡補償の倍額増や、充実したロードサービスが特徴です。

自分に最適な自転車保険はどれ?

業務利用がある場合、一般的な個人賠償責任保険では補償の対象外となります。業務利用する自転車には自転車保険の専用プランに入るか、緑色または赤色TSマーク保険を付けておく必要があります。

一方で、業務利用がない場合は、火災保険や自動車保険の特約である「個人賠償責任保険」で相手への補償をカバーできているケースが多く見られます。自分自身へのケガの補償も医療保険等でカバーできるのであれば、専用の自転車保険に単独で加入しなくても済む場合があります。そうしたほうが保険料としての負担も少なくて済みます。

何かしらの自転車事故への保険は絶対に入っておくべき

世の中の動きとして、自転車の左側通行の厳格化や悪質な交通違反への罰則強化など、自転車も「車両」としての責任が強く求められるようになっています。

未成年者であっても、保護者の教育が不十分であったとして親に約9,500万円もの損害賠償を認める判決が出ています。高額な賠償金を支払うことができず、自己破産をしたというケースもあるようです。破産する本人はもちろんですが、賠償金を受け取れない被害者も救われません。

自転車に乗るということは、これだけの賠償責任を負う可能性があるということを理解して、任意保険や自転車保険(または自転車事故を担保できる保険)に積極的に加入するようにしましょう。

ABOUT ME
ふかちゃん
マネーライフハックの編集長 兼 管理人です。節約やマネー術などについての情報発信を2004年から続けています。
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