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株主優待のタダ取り。クロス取引・つなぎ売りで株主優待だけを受け取る方法

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money最近では多くの企業が株主に対しての還元策、個人投資家を増やす為の施策として「株主優待」という制度を設けています。株主に対して自社の商品やサービス券などをプレゼントするもので、各社とも様々なサービスを用意しています。

そうした株主優待だけをタダ(無料)でゲットするという方法があります。この方法は使える方法なのですが、しっかりと内容を理解しておかないと思わぬ損をすることにもなります。注意点もしっかりとお読みください。

株主優待の基本

株主優待はある特定の日に株主でいる人に対して配られることになります。この日のことを【権利確定日】といい、企業ごとに異なります。

権利確定日の時点で株を持っていれば(株主名簿に名前があれば)、たった1日だけの株主であっても株主優待を受け取ることができるようになります。なお、各企業の権利確定日についてはYahooファイナンスなどで確認することができます。

また、SBI証券などの証券会社では「株主優待から探す」という機能があり、そちらから各優待企業の権利付き最終日も確認することができるようになっています。

一般的には、3月決算の企業であれば3月末日が「権利確定日」となりますが、一部の企業では3月15日といったように変則的な日付を採用しているケースもあるのでご注意ください。

株主優待の基本については以下の記事でまとめています。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/asset-management/588″]

 

実際に購入する日は権利確定日ではなく権利付最終日

正確には株式には受け渡し日という名簿に名前が載るまでに2日かかりますので、権利確定日の時点で株主名簿に名前が載るにはその2営業日前に株を買っていればいいということになります。

たとえば、3月31日が権利確定日の場合は3営業日前の3月29日の日に株を買う必要があります(権利付き最終日)。そしてその翌日以降なら株をうっても株主優待を受け取る権利は残ります。

なお、いつまでに買えばいいのか?ということについては「株主優待受取カレンダー」で毎年まとめていますので、こちらも参考にしていただければと思います。

 

権利付き最終日に買って次の日売ったらどう?

たった1日だけ株主で株主優待がもらえるなら権利だけもらってすぐに売ればいいんじゃない?

正解です。それだけで優待を受け取る権利は取得できます。

これは正しいのですが、これはみんな知っていることです。1日のずれで株主優待(や配当金)を受け取れなくなるわけですから、その分の株価は下落するのが一般的です。

たとえば12月末が権利確定日の人気株主優待銘柄の「カゴメ」の株価推移をみてみましょう。

  • 12/25(権利付き最終日の終値):2115円
  • 12/28(権利落ち日の始値):2100円(-15円)
    ※ちなみにこの日の日経平均株価は前日比69円プラスでスタートしています。

上記のように、株価は株主優待が受け取れなくなることを織り込んでスタートしますので、権利付き最終日の翌日は高配当銘柄、人気の優待銘柄は理論上はその金額分、下落することになります。これを“権利落ち”と呼びます。

ただし、持ち株数に応じて比例的(公平)に受け取れる「配当金」と違って、株主優待は少数の株主のほうが有利になるように設計されていることが多いので、権利落ちの幅はそこまで大きくはありません。

 

株式を買っておいて信用取引で売る優待クロス

一般に株主優待のタダ取り(株主優待クロス取引)といわれるのはこの「株式を買っておいて信用取引で売る」という方法を指すことがおおいです。

この取引をするためには信用取引の空売りという方法を利用する必要があります。空売りというのは証券会社から株を借りて市場で売却し、後ほど同じ株を買い戻して証券会社に返却することによって差額を取引する方法です。

たとえば、カゴメの株式を12月25日に2115円で売って、その翌営業日の12月28日に2100円で買い戻して、株を証券会社に返却するという方法になります。このとき空売りをした投資家は12月25日の売値と12月28日の買い戻し価格との差額を受け取ることになります。上記のケースと15円が利益となります。

空売りについてもっと詳しく仕組みを知りたい方は「空売りとは(信用取引講座)」が参考になります。

ピーンとくる方も多いかもしれませんが、カゴメの株を100株買っておいて、同じ日に100株を空売りしておけば、買った株は15円の損がでますが空売りをした方で15円の利益が出るのでプラマイゼロにできるわけです。

この取引をすると配当金の分は「配当落調整金」という形で空売りをしている投資家から調整されるのですが株主優待の分は調整されません。そのため、この取引をすれば、株の売買手数料はかかりますが、株価変動のリスクはゼロで株主優待だけを受け取ることができるのです。

このような取引方法のことをクロス取引とかつなぎ売りと呼びます。

 

実際の優待クロス取引の方法、やり方

実際にどうやってやったらこのような取引ができるのかというこをと簡単に紹介します。
まずは、証券会社に口座があり、信用取引ができるようになっていることが条件です。

  1. 権利付き最終日の前日(あるいは当日の9時前)にログインする
  2.  株主優待銘柄を同じ株数で「現物買い」「信用売り」の2注文を「成行」で出す
  3.  買い注文と信用売りが成立していることを確認する
  4.  翌営業日(権利落ち日)に「現渡し」を使って両方の株式を処分する

以上で完了となります。
少し用語が難しいのでもう少し解説します。

現物買いというのは通常の買い注文のことです。そして信用売りは信用取引での売り、つまり空売りのことです。

これを権利付き最終日の市場が開く前に「成行(価格は決めずに数量だけを決める売買指示)」で注文を出すと、当日の寄り付き(最初に値段が決まる時)に売買が成立します。この場合、売買が成立すれば買い注文と売り注文(空売り)の価格は必ず同値となります。

翌日以降はこの買いと売りを処分します。最初と同じように買った株を成行売り、空売りした株を成行買い戻しでも良いのですが、手数料のことを考えると「現渡し(げんわたし)」をする方が安く付きます。これは自分が持っている株を証券会社を渡すことで買い戻しをせずに信用取引(空売り)を清算する方法になります。

 

逆日歩で大損 優待クロスで高額逆日歩負担

上記の方法は、理屈の上では株主優待をタダでゲットすることができますが、例外的に追加のコストがかかる場合があります。それは「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という存在です。

逆日歩というのは、空売りが急増した時に証券金融会社が空売り用の株を確保できず、その株を外部から調達するのにかかった費用のことをいいます。この調達費用は「空売りをしている投資家が負担」をすることになっています。

この詳しい仕組みは「逆日歩とは(信用取引のコスト)」のページが参考になります。

つまり、株主優待のタダ取りをしても逆日歩が発生すると、その負担で損をしてしまうことも多いにあるわけです。

実際には毎回のように株主優待のタダ取りが原因と考えられる逆日歩事案が発生しております。
以下で紹介する事例はやや極端な例ではありますが、こうしたことも発生する可能性があるという事を知ってもらうために紹介しております。

2017年12月:ホットランドの高額逆日歩

ホットランドは築地銀だこなどを経営している会社で、たこ焼きなどでりようできるお買い物券を優待として提供しています。優待券は100株あたり1,500円相当の商品券。一方で空売りが急増したことで、逆日歩が発生。1株当たり135円(6日分)となり、100株を空売りした人は13,500円の逆日歩支払い義務が生じました。1,500円の優待券のために13,500円の逆日歩を払う羽目になります。

2016年3月:伊藤ハムの高額逆日歩

伊藤ハムは1000株株主に5000円相当の自社商品(ハム詰め合わせ)がもらえる株主優待として人気銘柄です。同月、優待クロス取引急増で逆日歩が発生、1株36円で36,000円となりました。5,000円のハムに36,000円の逆日歩です。

2015年12月:日本研紙の高額逆日歩

同社は1000株の株主に対して3kgのお米の株主優待を行っていますが、株主優待のタダ取りを目的とした空売りが急増したため、株不足が生じ、1株あたり40円の逆日歩が発生。3kgのお米の為に4万円もの逆日歩が発生したケース

2012年9月:音通の高額逆日歩

5000株以上で優待品(蕎麦3000円分)のタダ取りのために空売りが急増。1株当たり18円の逆日歩発生。5000株×18円=9万円もの高額な逆日歩が発生することになった。

他にも怖い逆日歩の事例はいっぱいあります。空売り怖い(参考:高額逆日歩の事例と発生理由

特に、受渡日の関係で休日・祝日が絡み逆日歩日数が長くなるケースは危険度が大幅アップしますのでご注意ください。

毎月の権利付き最終日と逆日歩日数については以下のページで紹介しています。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/asset-management/stock-trading/yutai/15666″]

 

逆日歩リスクを回避するためには一般信用取引での空売り

こうした逆日歩は、証券取引所によってルールが決められた「制度信用取引」で発生します。実は信用取引には制度信用取引の他に「一般信用取引」というものが存在します。

この一般信用取引はルールを証券が社が個別に定めることができるようになっています。この一般信用取引でも空売りができる証券会社があり、この一般信用取引であれば逆日歩は仕組み上発生しませんので逆日歩リスクを考えることなく空売り(株主優待のタダ取り)が可能です。

一般信用取引で空売りができる証券会社は少なく、空売りができる銘柄も証券会社によって異なりますので株主優待を無料でゲットしたい!という方はこちらの利用をお勧めします。

なお、一般信用取引の空売りはそれぞれの証券会社が空売り用の株として確保できた分しか空売りできないので、すべての銘柄が対象となるわけではありません。

 

初めての株主優待のタダ取り(一般信用クロス)ならSBI証券がおすすめ

一般信用取引で売り建てが可能になっています。証券取引所での売買はもちろんですが、夜間でも取引ができるPTS市場も用意されています。

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上記のように、株主優待のタダ取りがやりやすい管理画面も魅力的で、株主優待情報の検索ページではSBI証券で一般信用取引の売り建てができるかどうかが一目でわかるようになっているというのも魅力です。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/securities/11471″]

>>SBI証券公式ホームページはこちら

 

なお、他にも一般信用で空売りが可能な会社としては「auカブコム証券」が代表的です。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/securities/11544″]

 

最近は長期保有を前提とする株主優待制度とする会社も増加

株主優待だけを手に入れるための信用取引を使ったクロス取引はかなり知名度もアップしました。
それを受けて、企業側が対策に乗り出す例も増えてきています。

通常の優待は「権利確定日時点の株主」に対して提供していますが、一部の企業では連続して2回以上・かつ同一の株主番号といった縛りをつけているケースもあります。

たとえば「ブルボン」や「極楽湯」などがあげられます。これらは最低でも2期(たとえば3月末と9月末の約6か月)は株を保有しておかないと株主優待がもらえません。

株主優待はあくまでも個人株主増加や長期保有を期待して実施されるものですから、それに反する方法についてはやはり苦々しく思っているところもあるのでしょう。今はまだ、こうした対応をしているのは少数の会社ですが、今後これにならってくる会社もふえるかもしれません。

以上、株主優待のタダ取り(クロス取引・つなぎ売り)して無料で株主優待だけを受け取る方法というお話でした。