クレジットカードや電子マネー決済を自分のお店やビジネスに導入したいという場合に、低コストで導入できるのがモバイル決済サービスです。

お手持ちのスマートフォンやタブレット端末を利用して、決済端末を接続し、それを利用してクレジットカードや電子マネーでの決済を可能にします。最近では、専用の決済端末すら不要でスマートフォン単体で決済ができる機能も登場しています。

従来型のクレジットカード決済サービスと違って固定回線や大掛かりな専用端末を必要としないため、ローコストかつスピーディに導入することができます。お店での決済システムとしてだけでなく出張で仕事をする場合や路面店などでもクレジットカード決済ができる手軽さが魅力です。

固定費もかからず、決済手数料も安い水準に抑えられているため、キャッシュレス決済を導入したいと考えているのであればぜひとも検討していただきたいサービスです。

モバイル決済サービスとはどんなサービスなのか?

モバイル決済サービスとは、スマートフォンやタブレット端末を利用して、クレジットカード決済、電子マネー決済、さらにはQRコード決済などができるサービスです。

クレジットカード決済をお店やサービスに導入する場合、これまでは大手のカード会社経由でお願いすることが多かったと思いますが、モバイル決済サービスを利用することで初期費用も月々のランニングコストも、決済手数料も大幅に節約することができるようになります。

  • 楽天ペイ
  • Square(スクエア)
  • AirPay(エアペイ)

現在、日本国内では主に上記3つのサービスが代表的ですが、他にも「STORES決済」や「stera pack(ステラパック)」「PAYGATE」など、事業者のニーズに合わせた様々なサービスが普及しています。これらと契約することで、クレジットカードや電子マネー、交通系ICカード、QRコードを利用した決済サービスを自分のお店・サービスに導入できます。

モバイル決済サービスのメリット

具体的に、モバイル決済サービスを導入するメリットについて考えていきましょう。従来のクレジットカード決済サービスよりも圧倒的に魅力的なのがコストと手軽さです。

  1. 決済手数料が2.20%〜3.2%程度と安い
  2. 初期費用はほぼゼロで月額固定費もなし(スマホ単体決済も可能)
  3. 入金サイクルは最短翌日など早い
  4. 会計ソフト(クラウド会計)やPOSレジとの連携ができる
  5. 電子マネー決済や多種多様なQRコード決済に対応

全体的にはこのような特徴があります。一つずつ見ていきましょう。

決済手数料が2.20%〜3.2%程度と安い

クレジットカード決済サービスの手数料は、かつては飲食店などだと10%近い手数料が設定されていることも少なくありませんでした。

ところが、現在のモバイル決済サービスの手数料は、決済手段やプランによって差はあるものの2.20%〜3.2%程度の水準となっています。各社の競争により手数料の引き下げも進んでおり、クレジットカード決済の手数料負担がネックで導入を見送ってきた方にとっても十分魅力的な水準と言えます。

初期費用はほぼゼロで月額固定費もなし(スマホ単体決済も可能)

ランニングコストは無料で、必要な費用といえば決済をするための専用端末を購入する程度です。

しかも、これらの決済端末についても、現在では「無償貸与(0円)」や、所定の条件を満たせば「全額キャッシュバック」とするモバイル決済サービス事業者が多く、初期費用も実質無料にできるケースがほとんどです。

さらに、近年では「Tap to Pay(タップで支払い)」という機能も登場しています。これは、専用カードリーダーを用意しなくても、iPhoneまたはAndroidスマートフォン単体でタッチ決済を受け付けられる仕組みです。ハードウェア費用ゼロで即時導入できるため、露店・訪問販売・イベント出店者などにとっても大きなメリットとなっています。

入金サイクルは最短翌日など早い

クレジットカード決済は一般的に、月1回〜数回の締め日があり、その数日後に振り込み入金というのが一般的でした。ただ、それだと売上入金が遅くなるという資金繰り問題が発生することになり、大きなデメリットだと感じている方も多かったようです。

多くのモバイル決済サービスは、短期間の入金サイクルを実現しており、特定の銀行口座を指定することで「最短翌日入金(振込)」といったような超短期での支払いを可能にしており、資金繰り改善に役立ちます。

会計ソフト(クラウド会計)やPOSレジとの連携ができる

インターネットを利用したクラウド会計ソフトやタブレット端末を利用したPOSレジサービスなどとの連携も容易です。

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こうしたクラウド会計やPOSレジアプリと連携して、会計処理の自動記帳やPOSと連動したクレジットカード決済に対応しているのは、モバイル決済サービスの大きな強みです。

電子マネー決済や多種多様なQRコード決済に対応

SuicaやPASMO、ICOCAといった交通系ICカード、iDやQUICPayなどの電子マネーに対応しているのはもちろん、近年急速に普及しているQRコード決済(PayPay、d払い、楽天ペイなど)にも幅広く対応しています。一つのサービスを導入するだけで、マルチなキャッシュレス決済環境を構築できます。

モバイル決済サービスのデメリット

続いては、モバイル決済サービスのデメリットや注意点を見ていきたいと思います。

  • 決済の安定性は従来型に劣る場合がある
  • 途上与信はやや厳しめ、不審な使い方をすると利用停止も

決済の安定性は従来型に劣る場合がある

決済機器はスマートフォンやタブレット端末とBluetooth接続して、インターネット回線(Wi-Fiやモバイル通信)を利用して決済を行います。そのため、通信環境が不安定な場所では、決済に時間がかかったり、エラーになったりする可能性があります。

ただし、この点については事業者側も対策を講じており、例えばSquareなどでは「オフラインモード」を提供しています。ネット環境が不安定な屋外イベントや電波の届きにくい店舗でも、一時的に決済を受け付けることができる仕組みがあり、デメリットは解消されつつあります。

途上与信はやや厳しめ、不審な使い方をすると利用停止も

これはメリットの裏返しでもあります。モバイル決済サービスは導入時の審査スピードが速く、非常に手軽にクレジットカード決済を導入することができます。

一方で、クレジットカード決済はお金のやり取りになります。クレジットカード枠の現金化のように禁止されている取引も多数あります。手軽に導入できるがゆえに、各社とも途上与信(利用状況のモニタリング)はしっかり行っています。

自分自身のクレジットカードで何度も決済を行うなど、不審な取引をすると利用停止や強制解約となることもあるため、正しく利用することが重要です。

主要なモバイル決済サービスを徹底比較

以下では実際に導入可能な主要モバイル決済サービスを比較していきます。2026年現在、各社ともに独自の強みや特色を打ち出しています。自社のビジネス規模や取引環境などに応じてどれを利用するかを検討しましょう。

Square AirPay 楽天ペイ
評価・評判 スピーディーな導入が可能。「Tap to Pay」でスマホがそのまま端末に。電子マネーやQR決済にも対応し隙がない。 リクルート系。ソツなく対応するイメージ。インバウンド向けのQR決済や、Vポイントなどのポイント払いにも力を入れている。 楽天系。「最強プラン」の登場により決済手数料が業界最安水準に。QR決済も65種以上に対応し、楽天銀行なら翌日振込。
初期費用 0円
(端末は別途購入、Tap to Payなら不要)
0円
(カードリーダー無償貸与)
0円
(端末代金は条件達成でキャッシュバック)
月額費用 無料 無料 無料
(最強プランのスタンダードは月額費用あり)
決済手数料 対面 2.5%
(年間3,000万円未満)
3.24%〜3.74% 2.20%〜
(最強プラン適用時)
入金サイクル 最短翌営業日 月3回〜月6回 最短翌日
入金手数料 無料 無料 無料
クレジットカードブランド 主要6ブランド
(JCB, VISA, mastercard, AmericanExpress, DinersClub, DISCOVER)
主要6ブランド
(JCB, VISA, mastercard, AmericanExpress, DinersClub, DISCOVER)
主要6ブランド
(JCB, VISA, mastercard, AmericanExpress, DinersClub, DISCOVER)
電子マネー Suica等(交通系IC)/iD/QUICPay Suica等(交通系IC)/ApplePay/iD/QUICPay/nanaco/WAON 楽天Edy/Suica等(交通系IC)/ApplePay/iD/QUICPay/nanaco/WAON
QR決済・アプリ決済 PayPay/d払い/楽天ペイ/au PAY/メルペイ/WeChat Pay/Alipay+など d払い/PayPay/LINE Pay/ALIPAY/微信支付(WeChatPay)など 楽天ペイ/PayPay/d払い/Smart Code/WeChat Pay/Alipay+など合計65種
ポイント決済 なし Vポイント/Pontaポイント/WAONポイント/dポイント 楽天ポイント
審査期間 最短当日
(JCBは5〜15日)
3日程度 3日〜2週間程度
継続課金 対応 非対応 別のサービスと連携すれば可能

Squareのメリット、デメリット、評判

とにかく利用のハードルが低く、導入スピードが速いのが特徴です。申し込み後、VisaやMastercardなどは最短当日から利用可能です。

特筆すべきは、初期費用0円・月額費用0円であることに加え、対面決済(クレジットカード・IC・タッチ決済)の手数料が2.5%に大幅値下げされている点です(年間キャッシュレス決済額3,000万円未満の場合)。

また、専用端末を購入しなくても、スマートフォンを決済端末として使える「Tap to Pay」機能が利用できるため、文字通りすぐにキャッシュレス決済を始められます。以前は弱点とされていた電子マネーやQRコード決済(PayPay、d払い、楽天ペイなど)にもしっかり対応済みで、2025年11月からは銀聯(UnionPay)にも対応します。

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インターネットが不安定な場所でも決済ができる「オフラインモード」や、毎月の定期請求に使える「継続課金」にも標準対応しており、非常にバランスの取れたサービスです。

 

AirPayのメリット、デメリット、評判

リクルートが提供するモバイル決済サービスです。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済、そしてVポイントやPontaポイントなどのポイント払い(別途申し込みが必要)にも対応しており、お店の決済手段を幅広く多様化させたい方に適しています。

カードリーダーは無償貸与されるため初期費用は0円です。さらに「キャッシュレス導入0円キャンペーン」などを利用すれば、決済に必要なiPadも無料で提供される場合があります。リクルートのPOSレジアプリ「Airレジ」と組み合わせることで、レジ周りのオペレーションが非常にスムーズになります。

注意点としては、入金サイクルがみずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行の場合は月6回、その他の銀行は月3回となっているため、毎日の入金を希望する方にはやや不向きな点です。資金繰りに余裕があるお店におすすめです。

 

楽天ペイ(実店舗決済)のメリット、デメリット、評判

楽天グループのモバイル決済サービスです。クレジットカードや主要な電子マネーに対応していることに加え、最大の強みはQRコード決済の対応ブランド数です。PayPay、d払い、Smart Code、WeChat Payなど合計65種類以上の決済ブランドに対応しています。

また、2024年12月より中小事業者向けに開始された「最強プラン」が非常に魅力的です。自社の売上規模に応じてプランを選ぶことで、業界最安水準の手数料を実現できます。

  • スタンダードプラン:月額費用あり → クレカ・楽天ペイ手数料 2.20%
  • ライトプラン:月額費用なし → クレカ・楽天ペイ手数料 2.48%

入金スピードの速さも健在で、「楽天銀行」を振込先に指定していれば、最短翌日(土日祝日も入金)という驚速の入金サイクルとなっています。資金繰りを重視する方や、楽天経済圏のお客様が多いお店に最適です。

※楽天銀行は「法人口座/個人事業主口座」としても評判の良い銀行です。

決済端末代金(18,800円)についても、導入後の利用条件を満たせば全額キャッシュバックされるため、実質無料で導入可能です。

 

インバウンド(訪日外国人)決済対応の重要性

2026年現在、訪日外国人の増加に伴い、海外の決済ブランドへの対応が店舗の競争力を大きく左右するようになっています。
特に、WeChat PayやAlipay+、UnionPay(銀聯)といった中国・アジア圏で主流の決済手段に対応しているかどうかは、売上アップの重要な要素です。

楽天ペイ:WeChat Pay、Alipay+、UnionPay、JKOPAYなどを含めた65種の決済に対応しており、インバウンド対策として非常に強力です。
AirPay:ALIPAYや微信支付(WeChatPay)などの主要なQR決済をカバーしています。
Square:WeChat Pay、Alipay+に対応しており、2025年11月からは銀聯(UnionPay)にも対応するため、海外顧客への対応力が高まっています。

インバウンド需要の取り込みを狙う店舗は、これらの対応状況も踏まえてサービスを選ぶと良いでしょう。

年間売上高や規模による手数料最適化の視点

モバイル決済サービス選びでは、お店の売上規模によって最適なサービスが変わってきます。

例えば、楽天ペイの「最強プラン」では、月額費用を支払う代わりに決済手数料を2.20%に下げる「スタンダードプラン」と、月額無料で手数料2.48%の「ライトプラン」が用意されています。月間のキャッシュレス決済売上が一定額を超える場合は、月額費用を払ってでも手数料率が低いプランを選んだ方が、トータルコストが安くなります。

また、Squareも年間キャッシュレス決済額が3,000万円以上の事業者に対しては、個別のカスタム料金プランを提供しています。事業が成長して決済額が大きくなってきた段階で、プランやサービスの乗り換え・交渉を行う視点を持つことも大切です。

その他の主要なモバイル決済サービス

上記で紹介した3社以外にも、現在では魅力的な競合サービスが多数存在しています。用途に合わせて比較検討してみてください。

  • STORES決済:オンラインストア構築の「STORES」と連携しやすく、交通系ICの手数料が1.98%と非常に安いのが特徴です。
  • stera pack(ステラパック):三井住友カードが提供するサービス。レシートプリンター内蔵のマルチ決済端末が利用でき、Squareとも提携関係にあります。月額利用料はかかりますが、手数料率が低く抑えられています。

手軽さ、コスト、入金サイクル、そしてお客様が使いたい決済手段が揃っているか。これらを総合的に判断して、あなたのお店にベストなモバイル決済サービスを見つけてください。

ABOUT ME
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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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