大学生が就職先を探すときや、転職をしようと考えているときなどは企業のホームページやパンフレットなどを参考にすることが多いかと思います。
今回はそこから視点を少し変えて有価証券報告書というデータを使った企業分析や業界分析についてのやり方を説明していきます。大学生はもちろん、転職先を探していると言う方にもお勧めです。
有価証券報告書(有報)とは?
有価証券報告書とは、上場企業が投資判断材料を提供するために金融商品取引法によって定められた書類です。フォーマットが定められいるうえ、非常に詳細な情報が欠かれており、その会社、企業のことを知ろうと思ったときに非常に役立つ資料となります。
監査法人による監査が入っていることや、虚偽の記載がある場合は企業が罰せられる仕組みになっていること。また、フォーマットが決まっているので、複数の企業を比較する場合にも適しています。
有価証券報告書で何がわかる?
有価証券報告書を実際に見てもらうとわかりやすいかと思います。
最新の有価証券報告書は「EDINET」と呼ばれる電子開示システムで開示されており、誰でも見ることが出来ます。
また、Googleなどで「有価証券報告書 企業名」と入れたり、各企業のIRページなどからも有価証券報告書を探せるでしょう。
有価証券報告書というと、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書といった財務諸表が中心と考えている方も多いかもしれませんが、それ以外にも様々なことがわかります。
- 決算情報(企業の売上や収益状況)
- 会社の沿革(これまでどのような事業を行ってきたか?)
- 事業内容(現在の事業の内容)
- 従業員の状況(従業員数、平均年収、平均年齢、平均勤続年数等)
- 事業の状況(今の事業環境や今後の展開など)
- 事業リスク(企業が自社の将来について何をリスクと考えているか?)
- 財務状況(各財務諸表)
などが挙げられます。有価証券報告書は100ページ以上のPDFファイルであることも珍しくなく、全部を読むのは大変です。
ただ、その会社のことがかなり詳しく書いてあるので就職活動をしており、企業研究、業界分析、企業の比較などをしている方にとってはかなり優れた情報ソースとなります。
会社の状況を知ることで面接時にも役立つ
そんな会社の現状や将来の予想や展望などが記載されている有価証券報告書ですから、これを読み解くことで、企業研究にも大変役立ちます。
事業内容や事業の状況、事業のリスクで会社の今を知る
会社の仕事について「イメージ」でこんな会社と捉えている方も多いかもしれません。有価証券報告書の「事業内容や事業の状況、事業のリスク」などの項目を読めば、その会社の今がわかります。
今どのような事業に取り組んでおり、状況はどうなのか?企業がリスク要因として今考えていることは何なのか?ということを文章や図で読めます。
また、有価証券報告書は企業のIRライブラリーなどのページで「過去分」も読むことが出来ます。その会社が過去何を考えて事業展開をして、今の状況になっているのか?ということも知ることが出来て面白いです。
従業員の状況で待遇を推し量る
まずは、就職活動をするうえで気になるものの一つが、入社したときの待遇となる「従業員の状況」の部分かもしれません。
平均年収、平均勤続年数、平均年齢などが書かれています。
平均年収、平均勤続年数、平均年齢は長い(高い)ほうが働く環境としては一般的に良いということに違いはありません。平均年収が高いと言うことは高待遇、平均勤続年数、平均年齢が長いほど従業員を大切にしている会社と考えることが出来るからです。
巷にはびこるブラック企業などは大抵この数字が低い(短く)なっています。
ところが、それだけでブラックと判断することは出来ません。
たとえば、平均値というのは、従業員の数がどのように増えたか?によっても変わってきます。たとえば業績が急上昇している会社は、新規に新しく従業員が入ってくることになりますので、その新入社員によって平均勤続年数や平均年齢、平均年収も押し下げられてしまいます。
また、数字が高くても昨今の不況下で新規採用を手控えていた会社などは従業員の年齢構成がいびつ(50代社員が多く中堅がすくないなど)となっている会社もあります。そのような会社は年収が高い社員が平均年収を押し上げており、若手の報酬は底まで高くないというようなケースもあります。
このように、従業員待遇は目安の一つにはなりますが、必ずしもこの数字だけで待遇の良し悪しを図ることは出来ません。
財務分析で企業の収益性や健全性を知る
有価証券報告書には貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書といった各財務諸表も載っています。これを読むことで企業の健全性や収益性なども読むことが出来ます。
就職活動をするというときに、会社名で選んでいませんか?いくら名前が知られている会社でも、JALが破たんした事例や、シャープの身売り、東芝の不振といったように日本でも一流の会社がダメになった事例はいくらでもあります。
こうした財務諸表を読むことでそんなヤバい会社に就職・転職しないで済むかもしれません。
各財務諸表の読み方についてこのページで説明しつくのは無理です。さわりだけを知りたいなら「財務諸表の種類と読み方」などが役立つでしょう。もっと詳しく勉強したいなら決算書の読み方のような本なども販売されているので、そうしたものを有価証券報告書をテキスト代わりに活用しても面白いと思います。
あと、今回の有価証券報告書とは関係がないですが、転職・就職に役立つ情報サービスとして無料で利用できる「グッドポイント診断」というサービスがあります。こちらは無料の登録をするだけで自分の強みを知ることができるリクルートのサービスです。こちらもおすすめですよ。
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