楽天証券の人気トレードツールであるマーケットスピード(通称:マケスピ)は2000年6月に提供されて以来、絶大な人気を誇ってきました。また、個人投資家にプロ投資家に近い環境を初めて提供したサービスでした。
そんなマーケットスピードもサービス開始から18年経過し、さらなるトレード環境を提供するために新ソフトウェア「マーケットスピードⅡ(MARKETSPEEDⅡ)」が2018年10月14日にローンチされます(延期されました)。
今回は、ご縁があって、メディア向けの説明会に参加させていただきましたので、その内容と、私が感じたマーケットスピード2の特徴や活用方法などについて紹介したいと思います。
楽天証券 MARKET SPPED Ⅱのメディア向け説明会に参加
2018年9月13日(木)に渋谷の楽天カフェにてマーケットスピード2の説明会に参加してきました。
時間まで余裕がありましたので、カフェで紅茶を頂きましたが、楽天ペイ(QRコード決済)なら半額という事で、格安で読書タイムができました。
並んで決済してたのですが、皆さん現金決済をされていて、キッシュレス決済の浸透していなささも痛感しました。
さて、説明会では、マーケットスピード2の資料を中心にその特徴や魅力を教えていただきました。
- 楽天証券 代表取締役社長(楠雄治氏)のあいさつ
- MARKET SPPEDⅡのここがスゴイ!
- MARKET SPPEDⅡ使い倒しのヒント
- ブース体験
でございました。以下は、そんな発表会で教えていただいた内容を紹介したいと思います。私は現行のマーケットスピードも使っているので、現行との違いも併せて紹介出来たらいいなと思います。
楽天証券のマーケットスピード2とはどんなツール?
従来のマーケットスピードを正当進化させたトレードツールとなっています。
- 現在のPC環境にマッチした取引画面、ツールの改善
- ヘッジファンドが活用する「アルゴ注文」が利用できる
といった点が従来のマーケットスピードを進化させたポイントとなっています。現行のマーケットスピードからのデータ引継ぎが可能ですが、従来のマーケットスピードのサービスも継続されるので両方を利用することもできます。
利用料金は、従来と同様の月額2,500円(税別)ですが、無料条件も豊富なので従来と同様に99.9%の方は無料利用できる予定です。
現在マーケットスピードを利用している方は特別な申請などは不要で申し込みが可能です。
現在のPC環境にマッチした取引画面、ツール改善
最近はパソコン画面の大型化や、マルチディスプレイなども一般化してきています。特に積極的に株取引をしている方はマルチディスプレイ環境を用意して様々な情報を得ている方も多いかと思います。
- マルチディスプレイ対応
- 一画面で必要な情報を手に入れられる
- ヒートマップに対応
マルチディスプレイ対応
従来のマーケットスピードはマルチディスプレイに対応していませんでしたが、マーケットスピード2からは対応となっています。
必要な情報をディスプレイ単位で切り分けることで情報がより見やすくなります。
一画面で必要な情報を手に入れられる
マーケットスピード2では、銘柄画面には必要な情報が表示されるようになっており、タブで切り替えをすることでほしい情報にシームレスでアクセスできるようになっています。
現行のマーケットスピードのようにページ遷移(画面切り替え)を必要としないので機動的な情報収集が可能になります。
この切り替えがカンタンなのはいいですよね。
ヒートマップやチャート注文に対応
今までのマーケットスピードにない新しい機能がヒートマップです。
ザラバ情報での株価の上昇(赤)、下落(緑)として色が濃くなるほど勢いがあるということを示しており、現在の保有株やマーケット全体の状況を視覚的に判断することができるようになっています。
また、チャート画面から直接注文を出せるほか、注文状況や実際の約定価格などもチャート上で確認することができ、注文価格の変更(指値変更)もチャートから実施可能です。
スクリーニングも強化、チャートフォリオ
銘柄のスクリーニングも強化されています。チャートフォリオというチャートの形状から該当する銘柄をスクリーニング可能です。
- 上昇一服
- そろそろ天井
- 上昇
- まだ上昇
- 急上昇
- ウリ
- 上昇ストップ
- 上昇基調
- 強含み
- しっかり
- 行って来い
- 下押し
- 弱含み
- 下落基調
- 下落ストップ
- これから上昇
- 急落
- まだ下落
- 下落
- 下げ渋る
といったような様々な形のチャートから該当する銘柄をピックアップすることができます。
楽天RSS2も便利
楽天RSS(リアルタイムスプレッドシート)はExcelにアドインとして入れることで株価情報などをエクセルに自動出力させることができるツールです。旧マケスピでも使えましたが、マケスピⅡの方がセル参照ができるなど利便性が向上しています。
もちろん、これまでの情報も全部見られる
楽天証券のマーケットスピードは充実した情報収集ツールとしても魅力的でしたが、マーケットスピード2でも同様に四季報、ニュース、日経テレコンなどの情報はもちろん、適時開示情報などもリアルタイムで確認できます。
さらに、銘柄ニュースはチャート上にも表示できるので「その時株価が動いた」という過去の動向も知ることができます。
ヘッジファンドが活用する「アルゴ注文」が利用できる
今回のマーケットスピード2の中でも目玉といえるのがアルゴ注文(アルゴリズム注文)と呼ばれる特殊注文です。
- トレイリング注文
- スナイパー注文
- アイスバーグ注文
- リザーブ注文
- リンク注文
という5つの新注文方法が用意されています。それぞれのアルゴ注文を組み合わせることも可能で、その連携によって様々な投資が可能になります。
なお、従来こうした、アルゴ注文は「マネックス証券」がかなり強かったのですが、今回のマーケットスピード2によって楽天証券に逆転されてしまう感がありますね。
トレイリング注文
損失は押さえつつも利益も伸ばしたいという、ロスカット注文ができる機能です。逆指値注文になるのですが、その指値価格を株価上昇に連動させる仕組みになっています。
たとえば、現在800円で今より100円下がったら売る(逆指値700円)と注文をトレイリングで出すと、株価が850円に50円値上がりした時、逆指値も50円引き上げて750円にします。その後900円まで上昇したら逆指値を800円にするといったようになります。
値上がりに追従する逆指値というわけです。
スナイパー注文
これは自分の出した注文を他の投資家に見せないという注文方法です。
たとえば、板に1000円での売り注文がない時、1000円で買い注文を出すと板に乗ってしまい、他の投資家に注文が出ていることがわかってしまいます。
スナイパー注文を出しておけば、対応する注文が出されたときに瞬時に発注することによって板に注文を載せずに売買させることができます。
板が薄い銘柄などでは有効になりそうです。
アイスバーグ注文
大量の株を売りたいという時、一度に売ると自分の注文によって値段を下げてしまうこともあります。アイスバーグ注文を利用すれば1万株売りたいというときに、注文を分割し、約定するごとに次の注文を出すことができます。
こちらも板の薄い銘柄などで有効になりそうです。
リザーブ注文
最長1カ月先の注文を「予約」しておくことができます。
たとえば、株主優待銘柄を権利付き最終日に買う(売る)といった注文を予め出しておくことで注文忘れを予防することができます。
たとえば、年初来安値を更新したら買い、直近高値更新で買いといったように条件設定をすることも可能です。
リンク注文
連続した注文を事前に登録しておき、連続10件までの注文をリレーのようにつなげていくことができる注文方法です。
リザーブ注文とも連携が可能で、特定の注文を予め予定に組み込み、それをリンクさせることで一連の取引を行うことができます。
たとえば、株主優待の権利取りと売却などもリザーブ注文+リンク注文で可能になりますね。
アルゴ注文とマーケットスピード2の組み合わせで投資を便利に
マーケットスピード2では、トレーディングソフトとしての基本機能も使いやすく改善されていたり、機能強化されていたりします。
前述のアルゴ注文と組み合わせることによってマーケットスピード2はその価値をさらに高めることができることでしょう。
以下に紹介するのは、説明会でご紹介いただいた楽天証券シニアマーケットアナリストの土信田氏が教えてくれた使い倒しのヒントを私なりにまとめたものです。
- リザーブ注文、リンク注文+チャートでトレンド転換で売買
- 上昇トレンドの銘柄はトレイリング注文
- トレンドラインをチャートで活用し、チャート注文できる
リザーブ注文、リンク注文+チャートでトレンド転換で売買
リザーブ注文はアルゴ注文の一つで注文を予約できるというものでしたね。
これを利用して、たとえば移動平均線を上抜けるような条件でリザーブ注文を出しておき、それが下抜けるタイミングで売りのリンク注文を出すといった具合することでトレンド転換に合わせた売買が可能です。
ポイントは下抜けをしたときには売るようにリンク注文を出すことで、そうすることでトレンド転換チャートの「騙し」があった時も機械的にロスカットをすることができます。
上昇トレンドの銘柄はトレイリング注文
一方で明確な上昇トレンド入りしているような銘柄であれば、トレイリング注文を出しておくことで、相場の上昇に応じて利益確定ラインを徐々に切り上げていくことで、リスクを限定しつつ、利益水準を上昇させていくことができます。
トレンドラインをチャートで活用し、チャート注文できる
マーケットスピード2ではチャート画面から自由に売買注文を出すことができます。これを利用してチャート上に自分で引くトレンドラインを引いて、自分で売買のタイミング(水準)を決めておき、それに合わせて発注をすることもできます。
※投資は自己責任です。あくまでもチャートの使い方の一つとしての提案で、このやり方なら必ず勝てるといった類のものではございません。
最新だけど違和感のない楽天証券マーケットスピード2
マーケットスピード2は、最新のテクノロジーを利用したトレードツールでありながら、従来のマーケットスピードを利用している方にとって、不安や使いにくさがないという点を重要視して開発されているそうです。
実際に私も当日、デモ機を触らせてもらいましたが、これまでのマーケットスピードを利用している感覚からさほど大きな違和感なく使うことができました。
個人投資家向けののトレードツールとしては歴史あるマーケットスピードの正当進化バージョンは十分期待できるツールに仕上がっていると思います。
リリースは10月14日(予定)です。楽しみですね。
以上、楽天証券 マーケットスピード2についてメディア向け発表会に参加した感想と、ツールの紹介をしました。
なお、楽天証券というネット証券全体についての特徴を知りたいという方は以下の記事でまとめていますのでぜひご一読ください。
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