2016年9月現在において個人投資家でも利用可能な現物株式の時間外取引ができるのはSBI証券だけです。SBI証券はSBIジャパンネクストPTSとういPTS(私設取引システム)による株式の時間外取引(夜間取引)に対応しています。
こちらを利用すれば、取引時間終了後や夜の時間も株の売買が可能です。上手に利用すれば投資の戦略の幅も広げることができます。今回はそんなSBI証券のPTS取引の活用方法や利用上の注意点などを紹介していきます。
そもそもPTS取引(時間外取引)とはどんな取引なのか?
普段、株式の売買を実際に行っているのは東京証券取引所などの「証券取引所」と呼ばれる場所で行われています。各証券会社に出された投資家からの注文は証券会社を経由して証券取引所に出されてそこで、売買されるわけです。
一方でPTSというのは「Proprietary Trading System・私設取引システム」と呼ばれるもので、証券取引所以外で株を売買できる場所を指します。市場外取引です。
証券取引所売買時間は平日9時~15時ですが、PTS(私設取引システム)ではそのサービス事業者が取引ルールを決めることができます。
1998年11月までは上場企業の株取引は「取引所集中義務」といって証券取引所でしか売買が認められていなかったのですが、12月以降は解禁され、その後、個人向けにはネット証券がサービスを開始しています。
ただし、2017年8月現在で、個人投資家向けにサービスを提供しているのはSBI証券による「SBIジャパンネクストPTS」のみとなっています。
以前は、松井証券が「夜市(2007年11月終了)」、auカブコム証券が「kabu.com PTS(2011年10月終了)」、マネックス証券が「 マネックスナイター(2011年12月終了)」といった具合で多くのネット証券がPTS取引(夜間取引サービス)を提供していました、終了してしまいました。
SBIジャパンネクストPTSの基本と活用方法と注意点
2016年9月現在で個人投資家がアクセス可能な唯一のPTS取引となっています。個人投資家向けには「SBI証券」のみがサービスを開放しています。
以下では、断りが無い限りはSBI証券を通じてのPTS取引について説明していきます。
SBIジャパンネクストPTSとは?
SBIジャパンネクスト証券株式会社が提供している私設取引システムです。
日系証券会社、外資系証券会社の合わせて24社が参加しています(2016年9月)。なお、SBIジャパンネクストPTSを利用した株取引サービスを個人投資家に対して提供しているのはSBI証券のみとなっています。
取引可能時間
8:20 ~ 16:00(デイタイム・セッション)
17:00 ~ 23:59(ナイトタイム・セッション)
日中の取引時間より早くはじまって遅く終わるデイタイムセッションと、夜間取引であるナイトタイムセッションの2部構成となっています。
PTS取引のメリット・活用方法
時間外に株の売買ができるPTS取引にはどのようなメリットや活用ができるのでしょうか?
15時以降(引け後)の適時開示情報やニュースをもとに売買できる
一つは、「時間外」に発表された適時開示情報やニュースなどを見たうえで株の売買や投資家の動向を知ることができるという点が挙げられます。
上場企業が開示する情報は、15時の大引け(当日の取引時間終了)で発表されることが多いです。これは「適時開示情報の自動通知サービスを上手に活用して重要情報を見逃さない方法」でも書いたとおりです。
こうした適時開示情報は株価に影響をあたえると判断される情報です。
こうした情報をいち早く手に入れ、投資判断ができればSBIジャパンネクストPTSを通じてすぐに株の買う(売る)などして時間差を活かした取引をすることができます。
また、こうしたニュースに対して投資家がどのように反応するのか?ということを知ることができるというのも大きなメリットといえそうです。
ただし、こうした開示情報に対して時には過剰な値動きをする銘柄もあります。これは取引所での売買と比べて取引されている量が少ないという理由もありますが、過剰な動きを逆に利用してやれば利益を出すことも可能です。
(逆に考えると流動性には難があるということになりますが・・・)
昼間は仕事などで株の売買ができない人にもおすすめ
ナイトセッションでは17時00分~23時59分まで株取引が可能です。昼間の時間は忙しくて株を売買したりすることができないという人にもうれしいですね。
PTS取引を利用するうえでの注意点、デメリット
以下は、PTS取引を利用するうえでの注意点やデメリットと思われる部分です。
取引量が少ないので、株価が過剰に動くことがある
PTS取引の最大の問題点はその取引ボリューム(流動性)です。
一般の証券取引所を通じた株取引と比較すると出来高はかなり小さいです。
出されている注文が少ないため、ちょっとした注文でも株価が変動してしまうことがあります。「適時開示やニュースを見て売買できる」というメリットを紹介する部分でも書きましたが、思いがけない極端な動きをしてしまうケースもあります(それがチャンスになる場合もあるのですが……)。
この辺りはPTS市場の取引参加者が増えることで改善しているものではありますが、現状ではまだまだといったところです。
ナイトセッションの場合は「翌営業日」扱い
これは配当金や株主優待などの権利取り関連に関する注意点です。
ナイトセッションにおける売買で成立した株は翌営業日の購入したというのと同じ扱いになります。
たとえば、8月25日(月)のナイトタイムセッションで購入した株は8月26日(火)に市場で購入したのと同じ扱いとなります。株主優待や配当金の権利取りを目的とした売買の際にはご注意ください。
[bloglink url=”https://money-lifehack.com/asset-management/6993″]
SBIジャパンネクストPTSはSBI証券で取引できる
最初にも書きましたが、同PTS取引は個人投資家向けというところでは現状SBI証券のみでサービスを提供しています。メリット、デメリットのある取引市場ではありますが、取引できる環境だけでも作っておくと、いざ取引したいというときに役立ちます。
なお、SBI証券のサービスや特徴等は下記の記事でも詳しくまとめています。
[bloglink url=”https://money-lifehack.com/securities/11471″]
以上、SBI証券のPTS取引(時間外取引)を活用した投資を活用しようというお話でした。
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