家計が赤字というのは危機的な状況と思われるかもしれません。もちろん、赤字よりも黒字の方がいいに決まっています。ただ、そうした家計の赤字も、今すぐに改善しないと借金地獄に陥ってしまう可能性がある赤字、あるいは一時的なものでそこまで気にする必要がない赤字もあります。
今回はそんな家計の赤字の種類やパターンとそれぞれの危険度や改善方法をまとめていきます。
家計の赤字とはどういう状況か?
まず、家計の赤字、黒字を定義しておきましょう。
一般的には1か月の収支がマイナスを赤字、プラスを黒字と呼びます。
収入は給料などの入ってくるお金、支出は家賃や食費などの出ていくお金です。貯金や投資に回すお金は支出には入れません。
支出を分解して考えてみよう
家計の収支を考えるとき、支出の項目を分解して考えると赤字改善に役立ちます。
(1)固定的にかかる費用・長期ローンの返済額
(2)変動する生活費
(3)短期の分割払いやローンなどの費用
(4)突発一時的に発生する費用
上記の項目別に支出を振り分けて合計金額を計算してみましょう。
1)固定的にかかる費用・長期ローンの返済額
毎月定期的に発生する費用です。家賃や駐車場代、保険料、子供の学費、習い事の費用、携帯電話代、インターネット接続料、定額利用サービスなどの費用があります。他にも住宅ローンのように数年、数十年単位で返済する予定のローン返済もこちらに入れておきましょう。
利用の有無にかかわらず固定的に発生する費用を指します。
2)変動する生活費
利用状況によって変動する生活費です。食費、外食費、電気代、ガス代、水道代、趣味のお金、ガソリン代、洋服代、コスメ代、交際費などです。使用量などによって費用が変動する項目になります。
ただし、厳密に分類する必要はなく、電気代などはほぼ固定なら固定費の方に入れてもいいです。
3)短期の分割払いやローンなどの費用
クレジットカードの分割払いやリボ払い、キャッシング・カードローンなどで借りているお金の返済などの費用です。おおむね1年以内に返済予定のものはこちらに入れておいてください。1年以上かかる費用は(1)の固定費に入れておきましょう。
4)突発一時的に発生する費用
ご祝儀や香典のように冠婚葬祭で発生する費用、そのほか事故やケガなどのように突発的にかかる費用をこちらに入れます。病気やケガでも慢性的なもので、長期的に費用がかかるなら(1)の固定費に入れてください。
家計赤字の深刻度
家計の赤字の深刻度は、上記(1)~(4)のどの合計金額のところで赤字になるかによって変わってきます。
(1)+(2)の時点で赤字・・・緊急に家計改善が必要
(1)+(2)+(3)の時点で赤字・・・何かしらの改善をしたい
(1)+(2)+(3)+(4)の時点で赤字・・・改善の緊急性は低い
(1)+(2)の時点で赤字
固定費+変動費のいわゆる生活費の時点で赤字ということは家計の赤字を時間が解決してくれることは無いという状況になります。
赤字を埋めるためには貯金を切り崩すか外部からの調達(借金)が必要になってくる状況です。
早急に改善の手を打たないと借金地獄に陥ることになります。
改善策としては月並みですが「固定費の削減」を第一優先に進めましょう。具体的な方法については「家計の見直しや節約に効果的なのは「固定費」の削減!」で紹介しています。
・自動車など固定費のかかる資産を売却する
・生命保険や医療保険などを見直す、解約する
・ローンは借り換え等で金利(月々の返済額)を減らす
・家賃交渉あるいは安い家賃の家に引っ越しをする
・年会費や固定費のかかるサービスの見直し
こうした固定費の削減は「1度やれば効果が長期的に継続する」のが強みです。変動費である食費を削るよりは一度のアクションで得られる効果が大きいです。
もちろん、変動費についても節約は必要です。ある銀行の調査では世帯年収が1000万円を超える家庭の30%弱がカードローンを定期的に利用しているという結果もでています。一般に1000万円の年収といえばお金持ちというイメージがありますが、そういう家庭でもお金の使い方で家計は赤字になるんです。
ちょっとした贅沢を否定するわけではありませんが、あらゆることにちょっとした贅沢をしていてはお金はいくらあっても足りません。
(1)+(2)+(3)の時点で赤字
何かの理由で借りたお金や高額商品の分割払いなどによって家計が赤字になっている状況です。
赤字ということで何とかしたいところではありますが、現時点で貯蓄がそれなりにあるなら家計の状況は黄色信号といったところです。分割払いやリボ払いの返済が進めばそれによって毎月の赤字も縮小してくることになるでしょう。
もちろん上記で紹介した固定費の削減などの節約が行えるのであれば行うようにしましょう。
特に、貯金や貯蓄がない状態であれば、返済のためのお金が足りないという状況になりかねません。それを放置して返済が滞ってしまうと、いわゆるブラックリスト入りとなり、今後のクレジットカード作成やローンなどに影響を充てることになります。詳しくは「クレジット・ローンの事故情報(ブラックリスト)はいつ消える?確認は?」もご覧ください。
逆に、現時点で貯蓄があるのであれば「繰り上げ返済・早期返済」も有効です。「借金返済や繰上返済はノーリスクでハイリターンな運用と同じ。借金がある人は運用よりも返済を考えるべし。」で紹介しているようにマイナス金利で預金や運用をしても金利がほとんど期待できない状況では投資よりも返済です。
また、リボ払いなどを日常的に利用している方は「実は危険な「リボ払い」。リボ払い利用の問題点」もご覧ください。特に、家計支出における(3)の割合が多い方は、一度借金をするということについてしっかりと勉強したほうが良いと思います。
(1)+(2)+(3)+(4)の時点で赤字
この状況は、突発的な支出によって一時的に赤字になっているだけです。
そうした状況がなくなれば家計は黒字になる状況です。そこまで深刻にとらえる必要はないでしょう。
単月ベースなら問題ありません。
以上、家計の赤字はどのくらい危険?赤字家計のパターンと改善方法をまとめてみました。
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