痴漢冤罪保険という保険があります。満員電車で痴漢と間違われてしまったらどうするか?という事が社会問題化した中で登場した保険です。
正式には「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険」という名称となっています。いわゆる少額短期保険(ミニ保険)で、ジャパン少額短期保険株式会社が提供しています。
痴漢と間違われてしまった時だけでなく、痴漢被害に遭った時にも利用することができる保険となっており、男女どちらも利用できる保険となっています。
痴漢を疑われたら、圧倒的に不利な男性
痴漢というものは疑われてしまうと、疑われた側が圧倒的に不利です。
痴漢冤罪をテーマとした周防正行監督の「それでもボクはやってない」という映画もありますが、無罪を主張しても長期間の勾留や裁判などで生活がボロボロになってしまうというお話です。
捕まったら最後だから、疑われたら逃げるのが最善の手であるという専門家もいました。一方で、逃走して逃走中に事故死してしまったという話もあります。
もちろん、痴漢という卑劣な行為を行う不届き者もいるわけで、痴漢=冤罪ではありません。
ただし、自分ではやっていなくても痴漢として捕まってしまうと冷静にふるまえる人はまずいません。
一方で痴漢冤罪事件においては初動が重要とされます。仮に逮捕されたとしても、状況や証拠を集めて対応できれば勾留されずに短期間で釈放されます。一方で勾留が決定されてしまうと長期間にわたって身柄が拘束される可能性が貯まってしまいます。
そうした、問題がクローズアップされる中で注目が高まっているのが、「痴漢冤罪保険」です。痴漢と間違われてしまった時に、弁護士にその場で電話相談ができ、その後の対応もお願いすることができます。
そもそもの弁護士費用保険とは?
痴漢冤罪保険という名前が先行していますが、こちら保険としては「弁護士費用保険」というタイプの保険になります。
少額短期保険という、短期間かつ小額の補償を行う保険です。いろいろな種類があり「モバイル保険」なども少額短期保険です。
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弁護士費用保険とは、法的なトラブルが発生したときに弁護士等へ相談や依頼をしたときにかかる相談料、着手金、報奨金といった費用を補償することができる保険となっています。
- 離婚問題
- 遺産相続トラブル
- 近隣問題、トラブル
- リストラやパワハラ
- いじめ
- 医療トラブル
- 交通事故
- 第三者に対する賠償責任
こうしたトラブルが発生したときに法律の専門家である弁護士に相談する費用を補償する保険となります。最近では自動車保険などの特約にも「弁護士費用特約」としてセットされるものも増えてきましたが、弁護士費用保険として単体で加入することもできます。
痴漢ヘルプコール付弁護士費用保険の仕組み
今回の話の中心となる「痴漢冤罪保険(痴漢ヘルプコール付弁護士費用保険)」というのは、弁護士費用保険に「痴漢ヘルプコール」というサービスを組み合わせた保険となります。
ただ、実際に加入される方は、このヘルプコールの方に大きな魅力を感じている方が多いですね。もちろん、弁護士費用保険なので痴漢に限らず法律トラブルについての相談も可能です。
月額590円(年払6,400円)となっていて、補償内容は弁護士費用(最大300万円)、法律相談費用(最大10万円)、個人賠償責任保険(最大1000万円)となっています。
痴漢と間違われたときの痴漢ヘルプコールとは?
通常の弁護士費用保険にプラスして、「痴漢に間違われたときに弁護士にすぐヘルプコールができ、弁護士がその時に取るべき対応などをアドバイスしてくれる」というサービスになります。
前述のように痴漢冤罪の場合、初動が重要になります。被害者から痴漢と指摘された時に、どのように対応するべきなのかをその場で相談に乗ってもらえながら対応できるのは大きいです。
利用可能時間は午前7時~10時、午後17時~24時の平日と満員電車での通勤や帰宅を想定したものとなっています。
事件後48時間以内に発生した弁護士への相談料や接見費用は保険でカバーされます。ただし利用できるのは保険期間中に1回だけとなります。
女性にも役立つ、痴漢被害ヘルプコール
痴漢冤罪保険(痴漢ヘルプコール付弁護士費用保険)は、痴漢の被害者となることが多い女性向けのサービスもあります。自分自身が痴漢被害に遭った場合に弁護士にヘルプコールをすることができます。
痴漢冤罪保険で補償される内容
保険が効くのは以下の内容です。
- 弁護士ヘルプコール(電話での相談)
- 逮捕された場合、48時間以内の弁護士費用
- 勾留された場合の弁護士費用
- 裁判となった場合の弁護士への着手金、報酬
一方で、逮捕勾留となったことによる損害(経済的損害、社会的信用の失墜)については補償されません。たとえば休職や失職した場合の給料の補償などはありません。
また、裁判で有罪となった場合や被害者と示談した場合、48時間以内の弁護士費用は補償されません。被害者との間の示談金も対象外です。
これを許してしまうと、痴漢をする人がこぞって加入してモラルハザード(※)が起きてしまいますからね。ただ、日本の痴漢裁判の現状(有罪とされる率)を鑑みると裁判にまで発展したら、かなり意味を失ってしまうような気もしますね。
※保険に入ったことにより加入者が果たすべき注意を怠ったり、故意に事件・事故を起こしてしまう危険性の事
もっとも、冤罪であれば逮捕されない、勾留されないようにすることが第一なので、初動で迅速に動いてもらうという意味でヘルプコールが使える痴漢冤罪保険は有効だと思います。
逮捕された後であれば「当番弁護士」を利用することもできますが、何より逮捕されないという意味では、事件現場で相談ができるというのはかなり大きいはずです。
満員電車に乗る機会がおおく、痴漢冤罪のリスクを感じているという方にとっては有効な保険の一つだと思います。
以上、痴漢冤罪保険とは何かについてまとめてみました。
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