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奨学金の人的保証と機関保証の違いを比較。それぞれの注意点や問題点

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jasso日本最大の奨学金は日本学生支援機構(JASSO)が提供している奨学金です。多くの人が利用している奨学金で、一般に奨学金という場合はこちらの奨学金を指すことが多いです。一方でこの奨学金は貸与型であり、将来は返済をしなければならないタイプの奨学金です。

事実上の借金です。そのため、日本学生支援機構は取り立てを確実にするために保証人を求めます。保証人を用意できない場合は機関保証とよばれる保証会社を設定する必要があります。

今回は日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を利用する方が機関保証を利用するときの注意点や問題点をまとめていきます。

奨学金の保証人は2つ

日本学生支援機構では奨学金の申込で保証人をつけなければなりません。この保証人は「人的保証」か「機関保証」のどちらを選ぶ必要があります。

 

人的保証は親や親戚に保証人になってもらう制度

要するに連帯保証人(父母またはそれに代わる者)と保証人(4親等内の親族で連帯保証人と別生計)の2名を選出する必要があります。父母はともかくとして4親等内の親族で別生計となると叔父とか叔母、あるいは別に暮らしている祖父母とかになるわけですがハードルが高いです。

借金の連帯保証人に安易になるべきではない理由とその断り方」でも記事にしていますが、そもそも保証人(特に連帯保証人)にはなってはいけないということは社会の常識でもあるので見つけるのは大変です。

 

万が一返済できないときや親や親戚に請求が行く

卒業後に奨学金の返済で困窮している人がいるという話は多方面で話題になっていますが、そうした人が破産をすると親はもちろんですが保証人になってくれた伯父叔母などにも迷惑をかけてしまうことにあるわけです……。

仮にあなたが自己破産をしたとしても、連帯保証人や保証人の行った保証は消失しませんので保証をしてくれた親や親戚に請求が行きます。

 

機関保証は保証料を払うことで保証人になってくれる

機関保証は保証人を求めない代わりに保証会社に保証人となってもらうというものです。万が一あなたが返済できないときは保証会社が日本学生支援機構(JASSO)に対して代位弁済(代わりに返済する)を行います。

要するに人的保証で求められている保証人の代わりにん保証会社がなってくれるわけです。一方で保証人を引き受ける保証会社にはリスクがあるわけですから、その対価として「保証料」を支払う必要があります。

 

機関保証料ってどのくらいかかるの?

JASSOのホームページで公開されています。

たとえば平成28年採用者の第2種(有利子)で月額8万円(48カ月)を借りた人のケースの保証料は4,297円です。保証料は在学中(貸与中)に発生しますので206,256円となります。
この保証料は毎月の奨学金から差し引いて保証会社に支払われます。上記のケースでは毎月の奨学金は8万円ですが、実際に入金されるのは保証料を差し引いた75,703円ということになります。

なお、保証料は早期の返済(繰り上げ返済)を行った場合には一部が戻る場合があります。

 

機関保証を設定しておけば奨学金を返せなくなっても大丈夫?

JASSO(日本学生支援機構)的には大丈夫です。奨学金は保証会社が代わりに返済(代位弁済)をしてくれます。ただし、請求権がJASSOから保証会社に移りますので、奨学金の未返済分を保証会社はあなたに一括返済するように求めてきます。

保証というのはあくまでも貸し主である日本学生支援機構に対する保証であってあなた(借り手)に対する保証ではありません。

 

人的保証と機関保証の比較

人的保証と機関保証を利用するそれぞれのメリット、デメリットをまとめてみます。

人的保証 機関保証
保証人 連帯保証人+別生計の保証人を探す必要がある。 保証会社が対応
保証料 基本的には無料(保証人へのお礼は必要かも) 保証料の支払いが必要となる
返済中 万が一、返済が滞った場合には連帯保証人や保証人に奨学金の返済が求められることがある 保証会社が支払いをする。ただし請求権はあるので保証会社はあなた(債務者)に返済を求める
自己破産した場合 連帯保証人、保証人としての義務は消えないので、あなたが返済できなかった奨学金を連帯保証人または保証人が返済する義務を負う 保証会社が負担する

 

保証料というコストがかかることを考えると、人的保証を選択した方が費用的には当然お得です。保証料も決して安いものではありません。

その一方で、奨学金の保証人は2名を立てる必要があり、連帯保証人は親がなるとしても別生計のもう一名に保証人となってもらうというのは正直難しいというケースも少なくないでしょう。奨学金が返済できない人が増えているということは報道でも報じられることが多いので、不安な気持ちになる人も多いはずです。

前述の通り保証料は月に8万円借りるケース(総額384万円)で約20万円です。決して安くはありませんが、早期返済ができれば一部は戻ってきます。万が一の時に親や新族に迷惑をかけるリスクを考えるのであれば機関保証を選択するというのも一つの選択だと思います。