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奨学金を一括返済・繰り上げ返済するときのポイントと注意点

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jasso日本で最も利用されている日本学生新機構(旧:日本育英会)の奨学金。事実上の学生ローンでもあるこちらの奨学金は2種利用の場合は金利も発生しています。

そのため、資金的に余裕があるというのであれば一括返済・繰り上げ返済によって早期に返済してしまうというのも一つの手だと思います。

その一方で奨学金の金利は低金利だから、わざわざ一括返済や繰り上げ返済をする必要はないという意見もあるようです。

今回はそんな奨学金を一括返済(繰上返還)するメリット、デメリットを中心に奨学金の返済について考えていきたいと思います。

奨学金の一括返済(繰上返還)とは?

奨学金は毎月一定額を返済(返還)していく形になっていますが、まとまったお金を一度に返済する方法があります。これを日本学生新機構では「繰上返還」と呼んでいます。

 

全部繰上返還(一括返済)

借りている全額を一括返済することになります。まとまった資金が必要になりますが、利用すれば奨学金とはこれでおさらばできます。

 

一部繰上返還(一部繰上返済)

借りている奨学金について月々の返済とは別にまとまったお金を返済することをさします。全額ではなく、一部の金額となります。なお、一部繰上返済については「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類がありますが、日本学生新機構では期間短縮型という形になります。

翌月以降の返済額は変わらず、一部繰上返還した分だけ返済期間が短くなります。

 

奨学金を繰り上げ返済するメリット

まずは奨学金を繰り上げ返済・一括返済するメリットから紹介していきます。やはり大きいのは金利負担が減少するということです。

 

金利負担が減少する

日本学生支援機構(旧:日本育英会)の第2種奨学金の場合は未返済の奨学金の残高に対して金利がかかっています。

平成19年4月以降に登場した利率固定方式による奨学金の場合、高い時期に契約した人は1.5%ほどの利率がかかっているケースもあります。こうしたケースでは「借金返済や繰上返済はノーリスクでハイリターンな運用と同じ」でも説明したように、積極的な繰り上げ返済で高い経済効果が期待できます。

最近は固定金利タイプ(利率固定方式)も出ていますが、過去の契約の多くは変動金利タイプ(利率見直し方式)となっています。

一方で変動金利タイプの場合、金利は平成27年のケースで0.1~0.2%程度となっており、かなり低金利となっています。そのため、わざわざ繰り上げ返済・一括返済をするほどの価値があるかどうかは微妙な判断とする人も多いようです。

ちなみに、奨学金の返済利率については平成19年4月以降から利率固定方式と利率見直し方式を選択できるようになっています。詳しくは「奨学金の利率固定方式と利率見直し方式はどちらがお得?」もご参照ください。

 

報奨金がもらえる人もいる

平成16年度までに第1種奨学金の貸与を受けた人だけが利用できる制度です。
現時点ではほとんど対象者の方はいないのではないでしょうか。

第1種奨学金はそもそも無利息なので繰り上げ返済をする金利的なメリットはないのですが、一括返済をすることで繰り上げ返済した金額の3~10%を報奨金として受け取ることができます。

 

返済をすることで身が軽くなる

奨学金は事実上の借金ですので一括返済をして奨学金の残高がなくなってしまえば、無借金という軽い体になることができます。

 

奨学金を一括返済・繰り上げ返済するデメリット

一括返済や繰り上げ返済をすることでのデメリットや注意すべき項目を紹介していきます。

直接的に一括返済や繰り上げ返済をすることで問題が生じることは少ないですが、「他に使ったほうが良かった」というケースは多々あります。

 

そもそも変動タイプなら0.1%程度の金利なので利息負担は少ない

2016年9月現在の奨学金の利率は平成19年3月以前の利用者やそれ以降でも利率見直し方式を採用している人は0.1%程度の利率で借りることができているはずです(利率見直し方式でも借りた時期によってはもう少し高い金利が適用されている可能性もあります)。

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上記の記事でも書いたように、繰り上げ返済自体はその借金の金利がゼロになることにより、同じだけの利回りを得るのと同じ効果があります。

ところが、そもそも金利の低い奨学金の場合、経済的効果が限定的です。

100万円の奨学金を一括返済した場合、1年に得られる経済的メリットは1,000円にしかなりません。言い換えてしまうと0.1%以上の金利(利回り)で投資や運用ができるのであれば繰り上げ返済をするよりも、自分で投資をしたほうがお得という事になります。

 

少なくとも一定の貯金・預金は持っておくべき

人生においては何が起こるかわかりません。

たとえば、病気やケガによって収入が少なくなる可能性もあります。失業するというリスクだってあります。そうしたリスクに対して最も強い味方となるのが預金や貯金といったキャッシュです。

奨学金の一括返済や繰り上げ返済を否定する話ではありませんが、少なくとも一定の生活を安定させるための資金は預貯金で確保し、それでも余った部分を繰上返済するようにしましょう。

ちなみに生活のための預貯金については「万が一のための生活防衛資金を貯めておく必要性」の記事でも具体的に紹介しています。

 

結局、奨学金の一括返済・繰り上げ返済はするべき?しないべき?

日本学生支援機構の奨学金といっても利用している人によって適用されている金利などは異なります。

また、預貯金等の余裕度も違ってくるでしょう。そうしたことを総合的に見て一括返済や繰り上げ返済をすることをお勧めします。

あくまでも、個人的な意見としては1%を下回る金利水準であれば、あえて繰り上げ返済や一括返済を積極的にする必要性はそう高くないと思います。

 

もちろん、メチャクチャお金があって何も使わないお金が預金口座にあるというのであれば、繰り上げ返済をすればいいと思います。借金しているという気持ちの問題もありますし……。

 

以上、奨学金を一括返済・繰り上げ返済するときのポイントと注意点を紹介しました。