新NISA(ニーサ)とは?旧制度との違いやメリット・注意点、おすすめ口座まで徹底解説
NISA(ニーサ)とは画像の通り、Nippon Individual Savings Accountの略です。直訳すると日本個人貯蓄口座になりますが、「少額投資非課税口座」と呼ばれる投資優遇制度です。
もともとはイギリスにあるISA制度を日本に輸入したもので、年間120万円まで(2024年からの新NISAでは年間最大360万円まで)の投資に対する売買益や配当益などの税金を非課税とする制度です。利用する年の1月1日時点で18歳以上の日本国内の居住者等が利用でき、未成年の方には少し制度が違うジュニアNISAという制度がありましたが、2023年で新規投資が終了しました。
今回はそんなNISAについて、その内容や要点を理解できるまとめ情報として記事にしてみました。新NISAの全体像や旧制度との違いも詳しく解説します。
NISAの基本。NISAとは何か?
まずは抑えておきたいNISAの基本をまとめます。
NISAとはイギリスの投資非課税制度(ISA)を日本版にアレンジした少額投資非課税制度です。
株式等の売買益や配当課税の税率が10.147%の軽減税率から20.315%(復興特別所得税を含む)の通常税率に戻る際に採用された、2014年に導入された制度です。年間に投資する一定の金額であれば、その投資から得られる収益が非課税となります。
2024年からは制度が抜本的に拡充され、「新NISA」として生まれ変わりました。制度が恒久化され、非課税期間が無期限となったことが大きな特徴です。
NISA口座の作り方
証券会社や銀行に申し込みを行います。ただ、銀行の場合は投資信託のみの投資に限られてしまうため、よっぽどの理由がない限りは証券会社にNISA口座を開設することをお勧めします。
その年に買い付けるNISAの金融機関は1人1つで、つみたて投資枠と成長投資枠を別の金融機関に分けることはできません。
年単位で金融機関を変更でき、変更前の金融機関で買った商品を非課税のまま保有し続けることはできます。
現在も申請書類に加え、本人確認書類とマイナンバーを確認できる書類が必要です。
マイナンバーカードを使う場合など、提出方法は金融機関により異なります。
なお、証券会社のNISA口座については多くの証券会社が優遇制度やキャンペーンなどを実施しています。おすすめのNISA口座(証券会社)については「証券会社のNISA口座の選び方・比較」でもまとめているので口座開設を考えている方は参考にしてみてください。
NISAの非課税枠と新NISAの全体像
旧NISAの非課税枠は当初年100万円(2016年からは120万円)となっていました。1月1日から12月31日までの1年間が対象で、NISA口座内で上限額までの購入分が非課税対象の商品となっていました。
しかし、2024年からの新NISAでは、投資枠が大幅に拡大されました。
新NISAの年間非課税枠
・成長投資枠:年間240万円
・つみたて投資枠:年間120万円
合計で年間最大360万円まで投資が可能です。
また、生涯非課税保有限度額(総枠)として1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)が設定されています。旧NISAの資産はこれとは完全に別枠で管理されます。
NISAの非課税期間と枠の再利用
旧NISAの非課税期間は5年間(つみたてNISAは20年間)でしたが、新NISAでは無期限に変更されました。旧制度では年をまたいでの繰り越しができず、売却しても非課税枠は回復しないため、短期売買には全く向かない制度でした。
新NISAの最大の改善点として、「非課税枠の再利用」が可能になったことが挙げられます。投資商品を売却すると、翌年以降に売却した分の枠(簿価ベース)が復活します。これにより、ライフイベントに合わせて柔軟に資金を引き出し、後から再び非課税で投資を再開しやすくなりました。
旧制度で購入した商品については、一般NISAは5年、つみたてNISAは20年の期間が終了するまで非課税で保有できますが、新NISAへのロールオーバーはできません。
これについては「NISAが満期になったら預けている株や投資信託はどうなる?」でもまとめています。
旧NISAと新NISAの制度比較表
旧制度と新制度の違いを分かりやすく比較表にまとめました。
| 現在のNISA | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 保有限度額 | 2枠合計で1,800万円。うち成長投資枠は1,200万円まで | |
| 売却後の再利用 | 取得額の分を翌年以降に再利用。年間投資枠の上限は別に適用 | |
旧一般NISAの年間上限は120万円、保有期間は5年、旧つみたてNISAは年間40万円、20年でした。旧制度で買った商品は、それぞれの非課税期間が続きます。
NISAの非課税対象商品
上場株式、株式投資信託などが対象です。なお、株式投資信託に「株式」とついていますが、証券会社や銀行で販売されている投資信託のほとんどは債券に投資をするタイプでも株式投資信託に分類されています。
基本的には長期保有が前提です。非課税期間が無期限となったことで、より長期投資タイプの投資商品を選択するメリットが大きくなりました。
NISA口座に向いている投資商品の選び方については「NISA口座で買うべき投資商品の選び方」でもまとめています。
「つみたてNISA」から「つみたて投資枠」への進化
2018年1月よりスタートした「つみたてNISA」は、以下の特徴を持った制度でした。
- 年間の非課税枠は40万円
- 非課税期間は20年
- 投資対象は一部の投資信託に限定(インデックスファンド中心)
- 投資は積立投資
旧制度では一般NISAとつみたてNISAは選択制でしたが、2024年からの新NISAでは「つみたて投資枠」として統合され、年間120万円まで投資可能となり、「成長投資枠」との併用が可能になりました。より長期投資に向いた制度に進化しています。
ジュニアNISA廃止後の未成年向け代替手段
旧制度にあった未成年向けの「ジュニアNISA」は、2023年で新規投資が終了しました。既存の保有分には継続管理の仕組みがあります。現在、未成年者が新たにNISA口座を開設することはできません。
代わりの手段として、親権者が自身の上限1,800万円の非課税枠を活用して子供の教育資金等を運用するか、子供が18歳になるのを待って自身の新NISA口座を開設する形になります。
NISAを利用するメリット
メリットは「投資による収益が非課税となる」ということです。非課税の範囲は「売買益」「配当金(分配金)」となります。
株の売買や配当金の税率は20%(+復興特別所得税がかかり20.315%)となります。この分がゼロになるわけです。たとえば、100万円の運用で年間5%、5万円の利益を確定したと仮定すると、通常の課税額の目安は50,000円×20.315%=10,157.5円です。
NISAの非課税対象に収まれば約1万円の差になります(端数処理前の概算)。
値上がりしただけの含み益には通常まだ譲渡益課税がないため、売却益や対象となる配当と区別します。新NISAでは非課税期間が無期限なため、非課税で再投資できる利益が増えれば、その後の運用にも使えます。
ただし、利益の発生や年5%の運用成果が保証されるわけではありません。
非課税のメリットは、課税対象になる利益が出たときに生じます。損失を補ってくれる制度ではありません。
売却後の枠を使い直すときの計算
100万円で買った商品を130万円で売った場合、翌年以降に空く非課税保有限度額は取得額の100万円です。
利益を含む130万円ではありません。
その年の年間投資枠が売却直後に戻るわけでもなく、翌年も年間360万円などの上限内で買い付けます。
100万円で購入。
その年の年間枠は戻らない。
総枠100万円分が空く。年間上限は別。
積立額を決める前に、生活費や近く使う資金を分けておくと、値下がり時に売らざるを得ない状況を減らせます。
家計診断ツールで資産と負債、手元資金を点検してから、続けられる額を決めましょう。
NISAを利用にするにあたって抑えておきたい注意点
NISAには多くのメリットがある反面、注意点も存在します。
1)配当金の受け取り方法次第では課税対象になる
国内上場株式等の配当金の受け取り方法は「株式数比例配分方式」を選択しておく必要があります。これ以外の方法を選択すると非課税口座からの配当金かどうかが判断できないため課税されてしまいます。
変更の方法と配当の権利確定に間に合う受付期限を、利用する証券会社で確認します。
制度スタートの2014年はこれによって課税されてしまった人が多数いたようです。こちらについては当時「NISA口座で買った株の配当金に税金がかかっていると言う人が多発。原因は何?」でも取り上げました。取り戻す方法はないので、ご注意ください。
2)NISAが節税を考えたときの最高の運用方法とは限らない
NISA口座による運用は節税効果がありますが、単純な節税だけを考えると「iDeCo(確定拠出年金)」の方が掛金まで所得控除できるというメリットが大きいです。
一方でiDeCoは「老後(原則60歳)まで資金を引き出すことができない」という大きなデメリットもあります。投資する資金の性質や目的に合わせて最良な選択をするようにしましょう。
詳しい比較については「確定拠出年金とNISAの比較」の記事でも行っています。
3)損をしたときは損益通算ができない
これは新NISAになっても変わらないデメリットです。NISA口座は課税されない口座です。そのため、売買によって損失が発生した場合も、その損失は税務上考慮されません。
たとえば、通常の課税口座ならAとBという株に投資をしてAで30万円の利益、Bで10万円の損失が発生した場合、損益通算をして、年間20万円の利益が発生したものとして税金の計算が行われます。
一方で上記のケースでA(課税口座で売買)、B(NISA口座で売買)という場合、Bの損失10万円は税金の計算上はなかったものとなり、Aによる30万円の利益が丸々課税対象となります。損失の繰越控除もできないため、注意が必要です。
NISA口座を開設するのにおすすめの証券会社
その年にNISAで買い付ける金融機関は一つです。金融機関を変更した場合は、以前の口座の商品を引き続き保有できます。基本的にはNISAは株(個別株)も投資できるので、証券会社へのNISA口座開設がおすすめです。
詳しい比較は以下の記事でもまとめています。
証券会社を選ぶときは、買いたい商品を扱っているか、売買や保有にかかる費用、積立の管理方法を比べます。銀行で投資信託だけを使う場合も、同じ商品の費用を比べて判断できます。
SBI証券を候補にする場合は、投資信託の保有で付くポイントも補助的な比較項目です。対象商品や付与率は一律ではないため、ポイントだけを理由に商品を選ばないようにしましょう。
生活に必要な資金を確保し、購入する商品の費用と値下がりリスクを確認してから、無理のない額で利用しましょう。
制度の基準日:2026年9月16日。
参考:金融庁のNISAのよくある質問、国税庁のNISA制度。
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