投資初心者の方にとっても比較的、投資をしやすい金融商品である投資信託。投資信託は、投資家から集めたお金(資金)を運用会社が代わりに投資・運用をしてくれる金融商品(仕組み)です。そんな投資信託には、いろいろな種類のファンドがあります。

そんな投資信託の中でも代表的な運用商品としてETFと呼ばれるファンドがあります。「Exchange Traded Fund」の頭文字をとったもので日本語だと「上場投資信託」と呼ばれます。

今回はそんなETFについて、ごく一般的な投資信託との違いや、株式との違いについてわかりやすく紹介していきます。

ETFとは何か?

ETFというのはざっくりいうと、株式のように市場で売買することができるインデックスファンド(指数に連動するように作られた投資信託)です。

そのため、特徴としてはソニー株や任天堂株といったような個別の株式と同じ様な特徴と、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数に連動して価格が変動するインデックスファンド(投資信託)と同じ様な特徴の両方を兼ね備えた金融商品となっています。

ETFと投資信託(インデックスファンド)と株式(個別株)の違い

まずは、ETF、投資信託(インデックスファンド)、株式(個別株)の3つの金融商品の投資商品としての特徴と違いを簡単にまとめてみます。

ETF 投資信託 株式
投資対象 株価指数など 株価指数など 個別企業
上場・非上場 上場(証券取引所) 非上場 上場(証券取引所)
取得価格 リアルタイム 1日に1回決定される基準価格に基づく リアルタイム
売買方法 証券会社で注文。価格・数量の指定が可能。 証券会社・銀行の窓口・ネットなどで購入申し込み。現在は金額単位(100円〜等)での指定が主流。 証券会社で注文。価格・数量の指定が可能。
売買単位 口数(株数)単位 金額単位 株数単位
売却時の手数料 証券会社の売買手数料。ネット証券なら0.1%以下。 信託財産留保額・換金手数料の設定がある場合のみかかる。設定がなければ無料。 証券会社の売買手数料。ネット証券なら0.1%以下。
保有期間中の手数料 信託報酬と呼ばれる手数料が発生。ただし、ファンドの純資産から直接引かれるので、投資家の直接の負担はない。 ETF同様に信託報酬が必要。一般的にETFよりも高く設定される傾向があったが、近年は差が大幅に縮小している。 なし

ざっくり書くとこのような違いがあるということになります。

そのため、ETF、投資信託、株式の違いを見るという場合、投資商品としての運用対象は投資信託とETFは同じ様なものになっていますが、売買自体は個別株式と同じ様に取引ができるというタイプの運用商品になっているといえます。

ETFで投資をするメリット

それでは、実際にETFを使って投資をするメリットは何があるのでしょうか?

通常の投資信託よりもコスト面で優れる傾向がある

まず、長期投資という視点で考えた場合、ETFは一般の投資信託よりも信託報酬が安く設定されている傾向があります。

ETFの信託報酬の例
上場インデックスファンドTOPIX:0.088%

投資信託の信託報酬の例
一般的なインデックスファンド:0.143%程度〜0.6%前後

かつては投資信託の手数料が0.6%程度かかることも珍しくなく、ETFとのコスト差は非常に大きいものでした。しかし近年は「eMAXIS Slimシリーズ」などをはじめとする超低コストな投資信託が登場し、信託報酬が0.143%以下まで引き下げられているため、ETFとの差は以前に比べて大幅に縮小しています。

それでも、ETFの方が維持コスト(信託報酬)において最安クラスを維持しているケースは多いです。「資産運用は徹底的に手数料(コスト)を引き下げることを考えよう」でも紹介しましたが、信託報酬のように100%確実に発生するコストはその分だけ運用利回りを確実に引き下げることになるので、こちらを引き下げることはリターンの確実なアップにつながります。

リアルタイムで売買できるという透明性が高い

ETFは通常の株式と同じ様に証券取引所に上場しているため、リアルタイムに価格が変動し、随時売買することができます。○○円で××株(口)の買い付けといったように、価格と数量の指定も可能となっています。

その一方で通常の投資信託の場合は、買い付け時には価格はわかりません(ブラインド方式)。その後、その日の売買価格が決まるので、その価格で買える金額や数量を買うという仕組みになっています。

そういった意味でETFは売買の透明性が高いといえます。

海外ETF(米国ETF)ならさらに低コストで世界へ投資可能

最近では、海外ETF(特に米国ETF)に大きな注目が集まっています。
たとえば「VOO(バンガード・S&P500 ETF)」のような代表的な米国ETFは、経費率(信託報酬に相当)が年0.03%と非常に低く設定されています。

国内ETFは海外ETFと比べて種類が少なく、流動性も低い傾向がありますが、米国ETFを利用すれば、より低コストで世界中の株式や米国市場全体に投資をすることが容易になります。また、米国ETFは基本的に1株から購入可能なため、少額から投資しやすいという魅力もあります。

ETF投資のデメリットと注意点

一方でETF投資は通常の投資信託と違ってマイナス面や気をつけるべきポイントもあります。

金額単位の投資がしづらく、積立設定が限定的

通常の投資信託は「1万円分購入する」といったような金額単位での投資が可能です。
一方でETFは、10口単位、100口単位といったように口数単位での注文が基本となります。そのため、特定のETFをきっちり1万円分だけ買うといった取引は原則としてできません。

ただし近年、東京証券取引所ではETFの売買単位を引き下げる動きが進んでおり、1口から買える銘柄が増加したことで、最低取引金額が大幅に下がりデメリットは緩和されつつあります。

また、「ドルコスト平均法による自動積立運用ができない」というのもかつての常識でしたが、現在はSBI証券や楽天証券などの主要ネット証券で、東証ETFや米国ETFの「積立設定サービス」が提供されています。対応している証券会社や銘柄に限定はあるものの、ETFでも積立投資を行う環境は整ってきています。

売買手数料やスプレッド(隠れコスト)がかかる

コスト面でETFは優れると書きましたが、これはあくまでも中長期的な運用において信託報酬を抑える場合です。
最近は一般的な投資信託に「ノーロードファンド(購入時の手数料が無料の投資信託)」が増えており、信託財産留保額も無料というファンドが多いため、売買手数料だけを見たら一般の投資信託の方がコスト的に安い場合も多いです。

ETFの売買にかかる手数料は、各証券会社で個別株式を購入する場合と同額が必要になります。ETFを買う場合は、コストの安い証券会社で売買することをおすすめします。

スプレッドコスト(流動性リスク)にも注意
ETFは市場でリアルタイムに売買されるため、売値(Ask)と買値(Bid)の差である「スプレッド」が発生します。これが実質的なコストとなります。流動性が低い(取引参加者が少ない)ETFほどこのスプレッドが大きくなるため、信託報酬以外の見えないコストに注意が必要です。

分配金の自動再投資ができない

投資信託の場合、分配金の受け取り方法として「受取型」か「再投資型」を選択でき、再投資型を選べば自動で複利運用を行ってくれます。
しかしETFの場合、分配金は自動的に証券口座へ現金として支払われます。これを再投資に回すには、手動で改めてETFを買い付ける手間がかかります。
また、少額の分配金では最低購入単位に満たず、すぐに再投資できないケースがある点もデメリットといえます。

新NISAにおけるETFと投資信託の違い

2024年からスタートした「新NISA」を活用する上でも、ETFと投資信託の性質の違いを理解しておくことは重要です。

  • つみたて投資枠(年120万円)
    国の基準を満たした「投資信託」がメインの対象です。一部のETFも対象ですが、事実上は投資信託を利用することが主流です。
  • 成長投資枠(年240万円)
    個別株、ETF、投資信託のいずれも幅広く購入可能です。

新NISA口座でETFを運用して分配金を受け取る場合、その分配金も非課税となります。しかし、受け取った分配金を手動で再投資する際には「新たなNISAの非課税枠(成長投資枠)」を消費してしまうというデメリットがあります。

一方、投資信託を「再投資型」で運用している場合は、ファンド内で自動的に再投資が行われるため、投資家自身のNISA枠を消費せずに効率よく複利運用を行うことができます。

ETFと投資信託の違いと使い分けまとめ

ETFはトータルでみたら、一般の投資信託よりも信託報酬の面で安くつく可能性が高い魅力的な金融商品です。

金額指定での買い付けや自動での分配金再投資、NISA枠の効率的な活用を重視する方には「投資信託(インデックスファンド)」が向いています。
一方で、よりコストを極限まで抑えたい方や、海外ETFを活用して幅広く世界へ投資したい方、特定のタイミングで株価指数をリアルタイムに売買したい方には「ETF」を購入する方がメリットは大きいといえます。

最近では様々なETFが登場しており、海外ETFなどを利用すれば比較的低コストで世界株や米国株全体に投資をすることも容易になっています。ご自身の投資スタイルやNISAの活用方針に合わせて、投資信託とETFを上手に使い分けてみてください。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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