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健康お祝い金付きの医療保険の問題点とリスク。掛け捨てとの比較

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ネットやテレビCMなどで医療保険の広告をみると、健康お祝い金のようにお祝い金(一時金)が給付されるようなタイプの保険をよく見かけます。

呼称は様々なで「お祝い金」「健康ボーナス」「給付金」などと呼ばれ、一定の期間に保険を使わなかった場合に金銭がもらえるというタイプの保険になります。

今回はこの「お祝い金」についての考察を、いわゆる掛け捨て型の医療保険と比較してどちらに加入するべきなのか?という点について比較、検証していきます。

医療保険の健康お祝い金の仕組み

健康お祝い金というのは、冒頭でも紹介したように、対象期間中に入院給付金などの支払いがない場合に受け取ることができるお金です。

ただ、保険によって違いもあり、10日以上の入院がない場合というように、小額の保険支払いなら祝い金の対象となるケースもあります。

・無事故タイプ
期間中保険を使わなければ戻ってくるボーナス。

・生存給付タイプ
途中の保険使用・未使用は問わず、生存していれば受け取れる一時金

医療保険で多いのは「無事故タイプ」と呼ばれるタイプです。

 

アクサダイレクトの終身保険の祝金特則

アクサダイレクトの終身医療保険には祝金特則というものがあります。

月々1,000円の追加の保険料が必要になりますが、3年間の間に保険金給付(給付事由)がなければ5万円が受け取れます。保険料3万6千円で5万円が受け取れるというのであればお得に見えるかもしれません。

祝い金というのは、医療保険には興味があるけど、保険料の掛け捨ては嫌だ……という方にささる内容ですよね。

 

掛け捨て保険との比較

まず、生命保険や医療保険における保険料の内訳は、支払われた保険料から、営業にかかる費用(事務費用等)を差し引き、その残りの保険料が「保障のために使用される分」と「将来の一時金等の支払いのために使用される分」に分けられます。

つまり、掛け捨てタイプの医療保険と、お祝い金があるタイプの医療保険とでは、お祝い金に相当する額を「保険料」として積み立てているだけにすぎないわけです。

単純に考えと、同じ保障内容で掛け捨てタイプの医療保険「月額3000円」、一時金付きの医療保険「月額3500円」というケースでは、保険会社は差額の500円分を積み立てておき、それをお祝い金(ボーナス)として支払う時期に払うだけということになります。

保険料に関する詳しい解説は「生命保険料の決まり方」をご参照ください。

お祝い金のような一時金が生じる保険は「医療保険」の他にも「子供保険(学資保険)」なども同様です。原則的にはその一時金・ボーナス・お祝金の支払いのために別途、保険契約者が保険料を上乗せして払っているのです。

忘れたころにもらえるボーナスでうれしい!みたいな気持はあるかもしれませんが、あくまでもそれは感覚的なもので、その分を保険に回さずに貯蓄していてもそれに近い金額はたまっているはずなのです。

 

保険が使える場面でも使いにくくなるインセンティブが働く

前述のアクサダイレクトの終身医療保険のように、36,000円の支払いで50,000円が受け取れるなら祝い金はお得に見えます。

ただし、実際に考えてみると、少し違う側面も出てきます。それは、保険が使える場面でも保険を使わないインセンティブが働いてしまうということです。

アクサダイレクトの終身医療保険の祝金特則は、期間中に保険事由がないことが給付の条件となります。

つまり、保険金を受け取る=5万円損するということになります。

受け取れる入院保険金などが5万円を超えるというのであれば保険金を受け取った方が当然お得になるわけですけど、それを超えないような場合、保険を使えるのに使わないという場面が出てくることになるわけです。

また、5年間で2回以上のケガや病気で入院・通院をするようなこともあり、最初の入院・通院で保険を使っていなかった場合、2回目でも使いにくくなります。

こんな風に、祝金があることで、保険が使えるのに使わないというインセンティブを与えることになるわけです。

お祝金・一時金といったアメをちらつかせることで、保険金請求を抑制しようという保険会社のいやーな意図が見え隠れするのです。

 

モデルケース。あと半年で祝金10万円がもらえるような場合

たとえばですが、Aさんは入院1日1万円+手術給付金5万円がもらえる医療保険に加入しているとします。長年保険料を支払っており、あと半年保険を使わなければ10万円の祝金がもらえるようになっています。

こうした時、怪我をして手術+3日間の入院となりました。

この場合、医療保険として保険金を請求すれば8万円の保険金を受け取ることができます。一方で「保険を使わずにいたら半年後には10万円を受け取ることができる」というインセンティブも働きます。

結果的に、保険を使えば8万円はもらえるけど、半年後の10万円はもらえない。保険を使わなければ10万円もらえるけど、手術+入院で本来もらえるはずの8万円がもらえないという選択をする必要が出てくるわけです。

保険料の安い掛け捨てタイプの医療保険に加入しておけば、怪我や病気をしたときは気兼ねなく保険金の請求をすることができるのです。なんでわざわざ自分を縛るために健康ボーナスとかがあるような医療保険に入らなければならないのかが疑問でなりません。

こうしたお祝金や一時金などは医療保険にとって不要なものだと思います。

 

入院日数は短縮化が進む

また、医療技術の進歩の他、医療費全体の縮小が求められている中で、入院日数というものは年々短くなってきています。

平成29年(2017年)患者調査の概況(厚生労働省)における退院患者の平均在院日数は以下のようになっています。

  • 15歳~34歳:11.1日
  • 35歳~64歳:21.9日
  • 65歳以上:37.6日

年々短縮化されており、医療保険における入院給付金の金額もそれに合わせて小さくなるということになります。

 

基本的に医療保険は損をする前提に立って必要最小限を

そもそも論ですが、医療保険や生命保険といったタイプの保険は万が一のリスクに備えるためのモノであり、期待値的には損をする商品です。

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その前提に立ったうえで、現在の自分の資産状況等では賄えないリスクをカバーするためのものです。

一定以上の現預金があり、入院や手術費用を賄えるのであれば、そもそも医療保険は不要です。高額の医療費が必要になる場合でも、わが国の場合「高額療養費制度」がありますので、自己負担はそこまで大きくなりません。

死亡保険、医療保険については色々ごちゃごちゃと特約等をつけると、保険料が高くなるだけでなく、よく分からなくなってきますので、シンプルなのが一番だと考えます。

ABOUT ME
ふかちゃん
マネーライフハックの編集長 兼 管理人です。節約やマネー術などについての情報発信を2004年から続けています。
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