「預金している分だけ住宅ローンの利息が0円になる」という衝撃的なキャッチコピーで有名になった預金連動型の住宅ローン。東京スター銀行が2003年に初めて導入したローンで、最近では他の銀行でも提供されています。手元に資金を残しながら利息負担を減らせるのはとても魅力的です。

さらに、昨今の日銀の利上げを背景とした金利上昇局面において、「金利が上がっても預金で相殺できる」という点で、預金連動型住宅ローンは再び大きな注目を集めています。

しかしながら、メリットだけの商品ではありません。今回はこのような預金連動型住宅ローンのメリットとデメリットを、最新の動向を踏まえてわかりやすく比較していきます。

【他行での提供状況について】
預金連動型住宅ローンは東京スター銀行の「スターワン住宅ローン」が代表的ですが、現在では以下のような金融機関でも提供されています。
・山陰合同銀行(利息の一部キャッシュバック方式)
・関西みらい銀行(3ヵ月ごとキャッシュバック、家族名義預金も対象)
・西武信用金庫、琉球銀行、北日本銀行、荘内銀行、愛媛銀行、JAバンクあいち など
金融機関によって商品性が異なりますが、本記事では代表的な東京スター銀行の最新情報をもとに解説します。

預金連動型住宅ローンの基本的なしくみ

預金連動型住宅ローンは、同じ銀行内に預金として預けている金額相当分について、住宅ローン金利がかからないという内容になっています。

たとえば、住宅ローン3000万円、金利1.15%というローンを借りているとします。
この場合、普通なら年に約34.5万円のローン金利が発生することになります(3000万円×1.15%)。しかしながら、預金として1000万円を預けている場合、その預金相当額分の金利が実質0%になります。
よって、(3000万円-1000万円)×1.15%=約23万円となり、住宅ローンの金利負担を抑えることができます。

預金連動型住宅ローンのメリット

このタイプのローンのメリットは「手元流動性を確保できる」「住宅ローン減税(住宅ローン控除)を有効に使える」「外貨預金との連動が可能」など、資金を有効活用できる点にあります。

手元流動性(キャッシュ)を確保できる

通常、住宅ローンでは「繰上返済」というものが利用できます。
簡単に説明すると通常の住宅ローンの返済とは別に、まとまった額を返済することを意味します。繰上返済をすることでその分元本が減るので、以後のローン金利は少なくなります。ただし、「返済」をしているわけですから、後からその返済分をやっぱり返して!とは言えないわけです。

一方で、預金連動型住宅ローンの場合、「預金」しているだけで繰上返済と同じような効果が得られます。ただし、「預金」なので後から自由に預金者が引き出すことができます。

もちろん、預金残高が減ったらその減った分にはそれ以後住宅ローン金利がかかってしまいますが、いつでも自由にお金を使えるというのは大きなメリットです。
繰上返済をする場合、そのお金は使えないお金なのである程度「使わないお金(余裕があるお金)」しか返済できませんが、預金連動型住宅ローンの場合は余裕資金も生活資金もすべて預金しておくだけで金利負担が減少するわけです。

万が一のため、生活防衛資金として生活費の6カ月~2年程度を預金として置いておくべきといわれていますが、こうした生活防衛資金を預金していれば、生活防衛資金としての性格を維持したまま、住宅ローン金利を抑えるという二重の効果をもたらすことができます。

【返済休暇サービスでさらに安心】
東京スター銀行のスターワン住宅ローンでは、借入開始2年目から最長36ヵ月間、元本返済を1円まで減額できる「返済休暇」サービスも手数料無料で利用可能です。一時的な収入減や支出増にも柔軟に対応できる強みがあります。

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住宅ローン減税(住宅ローン控除)を有効に使える

メリットが強いのがこれです。住宅ローン控除は住宅ローンの年末残高に応じて、一定の割合を所得税等から控除できるという仕組みです(現行制度では原則0.7%)。

この税金の控除額は、住宅ローンの「残高」が上限のベースとなります。手元の資金で繰上返済をしてローン残高を減らしてしまうと、その分税額控除の額も小さくなります。
たとえば3000万円のローン残高があって1000万円を繰上返済してしまうと、残高が2000万円に減り、控除額も縮小してしまいます。

一方、預金連動型住宅ローンの場合、1000万円を「預金」しているだけで、3000万円の住宅ローン残高はそのまま維持されます。そのため、金利負担を抑えながらも、3000万円に対する最大控除(0.7%で計算すると最大21万円など、制度の適用上限額による)をフル活用することができるのです。

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外貨預金との連動で円安ヘッジも可能(東京スター銀行の場合)

2025年1月より、東京スター銀行では米ドルなどの「外貨普通預金」も預金連動の対象となりました。外貨預金には特別金利も適用されるため、資産を外貨で持ちながら円安ヘッジを行い、同時に住宅ローンの金利負担も軽減するという高度な資産運用が可能となっています。

預金連動型住宅ローンのデメリット・問題点

しかしながら、預金連動型ローンはメリットばっかりの商品ではありません。原則として「かなり人を選ぶ」商品だと言えます。

金利水準の高さと事務手数料

預金連動型住宅ローンは、一般的なネット銀行の変動金利と比べるとベースとなる金利が高めに設定されています。たとえば現在の変動金利は年1.150%程度となっており、他行の最安水準(年0.4%台など)と比較すると割高です。

また、融資時の事務手数料として「借入元金の2.2%(税込)」がかかる点にも注意が必要です(保証料は無料です)。
預金残高が少ない状態であれば、他行の低金利な住宅ローンを利用した方がお得になってしまうケースがあります。

申込条件の厳しさ(年収要件)

東京スター銀行のスターワン住宅ローンを利用するには、「税込年収1,000万円以上」という高い申込条件をクリアする必要があります(年収合算の場合はそれぞれ500万円以上かつ合算で1,000万円以上)。実質的に富裕層・高所得者向けに絞られた商品設計となっています。

5年ルール・125%ルールの非適用

一般的な変動金利の住宅ローンには、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わらない「5年ルール」や、返済額が見直される際もこれまでの1.25倍までしか上がらない「125%ルール」が存在します。

しかし、スターワン住宅ローンにはこれらのルールが適用されません。そのため、金利上昇局面では毎月の返済額がダイレクトに上がってしまうリスクがあります。

その他の注意点

円預金には預金金利がつかない
ローン残高と同額分の対象預金には、預金利息が付与されません。他行の高金利な定期預金(年0.5〜1.0%台など)に預けた場合の利益と比較し、機会損失について考慮する必要があります。

団信特約金利等の上乗せ
がん団信(+年0.504%)やワイド団信(+年0.204%)などを付帯した場合、その上乗せ金利部分は預金連動の対象外となり、預金残高に関わらず負担が生じます。

預金連動型住宅ローンがおすすめの人、向いている人

具体的に預金連動型住宅ローンが適しているという人はどんな人なのでしょうか?それは、この預金連動という仕組みを100%活用できるかどうかという点に尽きます。

中途半端な預金額くらいなら、金利の安い住宅ローンを利用した方がよっぽど金利負担は少なくて済みます。ですので、原則的には「キャッシュリッチな方(多額の現預金を持っている方)」に適している住宅ローンであるといえます。住宅ローンの借入額に対して大きな割合の預金ができるというのであれば、このポテンシャルを生かせるかと思います。

職業でいえば自営業のような運転資金がある方向け?

年収1,000万円以上という条件をクリアできることを前提とした場合、預金連動型住宅ローンを活用できる代表的な方は「自営業(個人事業主)や会社経営者」の方ではないでしょうか。
仕事上で必要となる事業用の運転資金や、納税資金などを個人名義の口座で管理している方には非常に有効です。

もちろん、事業で使うお金ですから住宅ローンの繰上返済に回すことはできません。しかしながら、単に預金しておくだけというのであれば流動性を損なうことなく問題なく活用できます。

手元のキャッシュを確保しながら住宅ローンの金利負担を大きく減らし、かつ住宅ローン減税の税メリットは最大限に享受する。こういったケースにおいて、預金連動型住宅ローンは非常に強力な選択肢と言えるでしょう。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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