これまでインターネットの発達とともに、個人の様々な情報は多くの企業によって収集され活用されてきました。そのおかげで費用を出さずに様々なWEBサービスが使えてきたという面もあります。
一方で、世界的にIT巨大企業が個人の様々な情報を集約して活用することへの危機感も高まってきています。
そんな中で、情報銀行というサービスが新しく誕生しつつあります。日本IT団体連盟と総務省が共同で指針を作成したもので、個人個人が、自身の個人情報を同意の上で提供し、その見返りとして便益や対価を受け取るという仕組みです。
今回はそんな情報銀行というものがどのようなサービスで、今後の私たちの生活とどうかかわってくるのかについて紹介していきたいと思います。
個人データをめぐる環境とプライバシー保護
TiwtterやFacebook、GoogleといったIT大手は多くのサービスを私たちに無料で提供してくれています。その代わりに、私たちの行動を集約しそれを広告などの分野に活用して収益を上げています。
他にも共通ポイントカードなどもお買い物でポイントを付与する代わりにキャンペーンの実施などで個人データを利用しています。
ビッグデータの活用などにより、そうした情報はより細かく、より広範囲に利用されるようになってきています。
匿名でもパーソナル化されたマーケティング
個人情報というと、住所や電話番号、職業、年齢などの個人を特定する情報のことを指す場合が多いですが、最近では個人を特定できない情報であってもアドテクノロジー(広告)と組み合わせることでターゲティングなどに活用されています。
たとえば、検索履歴や訪問したウェブサイト、SNSにおける行動などの情報を蓄積することで興味や関心のある広告やサービス、キャンペーンを提供するということがここ数年で飛躍的に増加しています。
- 性別
- 趣味
- 特技
- 年収
- 家族の有無
- 行動範囲
- 健康状態
こういった情報は、個人としてのデータでなくてもビッグデータを組み合わせることで、出来上がったモデルとしての貴方は実際の貴方に近い存在としてとらえられ、活用されるわけです。
気持ち悪いと考える方も多いと思います。
個人データ保護の流れが強まる
一方、その活用のされ方が拡大していくなかで、プライバシー保護に関する機運も高まっています。
欧州ではGDPR(一般データ保護規則)という形で“市民と居住者が自分の個人データをコントロールする権利を取り戻すこと”を目的とした新ルールを開始しています。
また、IT大手もこうした規制の流れに従ってきています。たとえばAppleは自社が提供しているウェブブラウザでITPと呼ばれるcookieの利用制限を行っています。これによってターゲティング広告に対しての制限がかかるようになっています。
そうした中で、日本国内でもこうした個人情報の扱いについて総務省が中心となって取り組んでいるのが「情報銀行」という概念です。
情報銀行とは何か?
総務相の指針によると以下のように規定されています。
情報銀行(情報利用信用銀行)とは、個人とのデータ活用に関する契約等に基づき、PDS等のシステムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示又は予め指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、データを第三者(他の事業者)に提供する事業。
(総務省:情報信託機能の認定に係る指針ver1.0)
※PDS
PDS(Personal Data Store):他社保有データの集約を含め、個人が自らの意思で自らのデータを蓄積・管理するための仕組み(システム)であって、第三者への提供に係る制御機能(移管を含む)を有するもの。
情報銀行は個人の情報・データについて個人自らが管理し、提供する/しないを決めることができるというものですね。
そして個人情報を提供する場合、それに対する対価を直接的または間接的に受け取ることができるとされています。自分の情報を預けることで対価が受け取れるということで、お金を預けて金利がもらえる「銀行」にかけて「情報銀行」と呼んでいるわけですね。
また、預けている情報の内、どれだけの個人情報・データをどれだけの企業に提供するかを同意/不同意することができる点も情報銀行の特徴です。
そうした中で、自分の信用情報、個人情報を個人がコントロールし、使用するのであれば対価を受け取るというものが情報銀行です。
信用スコアと情報銀行の違い
すでに個人の様々なデータを利用してスコアリング、格付けを行っている会社は多数あります。JscoreやNTTドコモ、ヤフーなどが参入しています。
[bloglink url=”https://money-lifehack.com/webservice/fintech/18325″]
こうした信用スコア事業自体は情報銀行ではありません。ただし、こうした信用スコア事業者が情報銀行となる、あるいは信用スコア事業者が情報銀行に対して信用スコアや信用スコアの元となるデータを提供することはあるでしょう。
実際に「スコア・レンディング(信用スコアをもとにした融資)」を行っているJscoreは2019年3月報道では情報銀行の認定取得に動いているそうです。
情報銀行って「銀行」を名乗っていいの?
なお、「銀行」という名称は銀行法によって銀行以外が名乗ってはならないことになっているので、情報「銀行」と呼ぶのは微妙な気がしますが、情報を守る安心感という意味で「銀行」と呼んでいるのでしょう。
銀行法を改正しないとだめなので、実際にサービスとして提供される際は別の名前になるような気がします。
個人データを活用することは多くの企業にとって莫大な利益を生み出すことになります。そうしたデータの活用で個人が「搾取」されないための仕組みが情報銀行であるべきだと思います。今後、情報銀行界隈は注目されることは間違いないと思いますので、サービス事業者が認定されたり、実際のサービスが開始されるなどがあれば、この記事を修正・加筆していきます。
情報銀行って個人情報出すの怖くない??
という人もいらっしゃるかと思います。
とはいえ、何でもかんでも情報を出すわけではなく提供される情報は大部分が普通のサイトで入力するような情報ですし、これがダメならTポイントやPontaポイントといったような共通ポイントカードだってダメだという話になると思います。むしろ、こうした共通ポイントの方が提供されるデータはセンシティブなものが多いイメージです。
ルールに基づいて運用されるものであれば情報銀行のサービスも特に心配するほどのものではないと私は考えています。
三菱UFJ信託銀行のDprime
情報銀行サービスとして2021年に三菱UFJ信託銀行が開始したサービスです。
日本の金融機関としては初めて2021年7月1日にサービスを開始。同社が作ったDprimeアプリに個人データを登録することで利用できます。
- 位置情報等の個人データ
- アンケート
- 金融機関の情報(MoneyTree利用)
を組み合わせて情報を提供します。企業はそうした情報を利用してマーケティングや商品開発に活かします。一方の情報を提供する個人は対価として割引クーポンなどを提供するようにしています。
サービス開始書記は正直、結構残念な感じではありましたが、最近になって販促のためか結構力を入れている感じです。タリーズのコーヒーチケットやLINEポイントなどをバラマキしてくれています。私もかなり利用させていただいております。最新のキャンペーンはtwitterで発信します。案件の大部分は先着順であることに加えて本人確認があるため、登録してすぐに使えるわけじゃないので先にアカウント作っておきましょう。
なお、今はポイントサイト案件があります。おすすめは「ハピタス」経由でDprimeに登録(アプリDL&登録)をするとポイントがもらえます。ハピタスで獲得したポイントはTポイントなどの共通ポイントに交換できるほか、銀行振り込み(出金)もできます。
今、一番おすすめのモバイル回線は「楽天モバイル」です。
今は『楽天モバイル』が最強。楽天リンクを使えば通話かけ放題だし、パケットも使い放題で月々3,168円。データ通信をあんまり使わない人は1,078円で回線を維持できます。
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