ヤフー(Yahoo)やNTTドコモ、LINEが「信用スコア事業」を開始することを発表しました。信用スコアというのは個人の信用情報を、様々なビッグデータから算出するスコアリングサービスです。
信用情報に関しては「クレヒス(クレジット・ヒストリー)」とよばれる情報がクレジットカード会社や個人信用情報機関で取り扱われてきてはいますが、集められている情報は限定的です。
今回報道されている信用スコア事業は、従来の信用情報を拡大的に利用するものです。中国では既にジーマ信用(芝麻信用)という信用スコアが様々な分野で利用されています。今後、ヤフーやドコモが参入する信用スコア事業もそれに近いものになると思います。
信用スコアとはどんなもので何に使われるのか?

信用スコア事業への参入をほぼ同時期に発表したYahooとドコモ、それに一足先に参入していたソフトバンクはそれぞれどんな情報を使ってスコアを計算し、それをどう使う予定なのでしょうか?
ヤフーの信用スコア事業
ヤフーではYahoo!JAPAN IDに紐づいているユーザーの購買行動(Yahoo!ショッピング)などを利用してスコアとして算出するとしています。2019年7月に正式スタート。
(追記:2020年8月末でサービス終了)
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- 購買履歴
- 検索履歴
- 性別
といった様々な情報を分析し、100点満点でスコアを算出。
ヤフーのパートナー企業はそのスコアを利用してサービスに活用するとしています。一例としてシェアリングサービスでは、信用スコアの高いユーザーに対しては保証金を無料にするといったことを想定しているとしています。
ドコモの信用スコア事業
2019年8月29日にドコモスコアリングという名称でサービスを開始しています。
- ドコモとの契約期間
- 携帯料金の支払い履歴
- コンテンツサービスの利用状況
などを元にして、信用スコアを算出するとしています。算出されたスコアは金融機関と連携して、融資(ローン審査)などに利用されるという事です。まずはSBI新生銀行と提携するということです。ただ、2021年8月現在でもそれ以上の進展は特になさそうです。
ソフトバンクの信用スコア事業
ソフトバンクは2017年にJ.Score(ジェイスコア)という個人の信用スコアを元に貸付を行うAIスコア・レンディングというサービスを提供しています。
質問への回答の他、「みずほ銀行の口座情報」と「ソフトバンクの利用情報」「Yahoo!JapanのID」などを連携しビッグデータをまとめることで、信用度を判定し、融資金利・融資可能額などを優遇するようになっています。
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LINEの信用スコア事業
2018年11月にLINEも「LINEスコア(Score)」という信用スコアリング事業を開始すると発表しました。同時に「LINEポケットマネー」という小口融資サービスを開始しています。スコアによって融資利率の優遇があったり、LINE系サービスでの特典があったりします。
さらに、LINE上の友人・知人とのコミュニケーション頻度、ニュースとの接触などを活用して信用スコアを計測するとのことです。決済情報があるのはLINEスコアの強みですね。さらに、人とのつながりまでを信用スコア計算に使うというのは、少し怖い面もあります。
信用スコアによって生活や社会はどう変わる?
信用スコアというのは何も全く新しい概念ではありません。
そもそも論ですが、“信用”というものは日常生活においても商売においても大変重要なものです。なので、様々な方法でその人(会社)が信用できるかどうかをチェックします。
- 信用できる人からの紹介
- 信用調査会社のレポート
- ネットの評判、口コミ
- SNSでの評価
といった具合です。ネットオークションの「ヤフオク」やフリマアプリの「メルカリ」でもよい評価・悪い評価を使って信用できるかを判断していますよね?
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信用スコアというものは、そうした個別個別の情報をまとめ上げて一つの数字というわけです。信用を調査しなければならない会社にとっては、信用スコアを確認することによって、その人が信用できる人なのかどうかを確認するためのコストを大きく減らすことができるわけです。
信用スコアが導入されるメリット、デメリット
信用スコアが高ければ、あらゆる場面で有利になるかもしれません。
お金を借りるときは金利が安くなるでしょうし、ホテルやレストランなどで予約するときも優先的に案内されたり優待などを受けることができるかもしれません。信用スコアが高い人にとってはね。言い換えると、信用スコアが低い人にとっては生きづらい社会になるという事です。
実際に信用スコアで先行する中国のジーマ信用(芝麻信用)では信用スコアが低いと、公共交通機関の利用に制限がついたり、企業での採用で不利になったりする事例もあるそうです。
信用スコアによって行動が抑圧的になる?
社会全体で見れば信用スコアが導入されることで、人々は“信用スコアを下げる行動”をとれなくなります。
現段階ではヤフー、ドコモ、ソフトバンクといった一企業が持つデータという話ですが、そのデータだって拡大していけば際限が無くなります。
たとえば、飲食店で予約をしたのに無断キャンセルしたらスコアが下がります。ホテルで部屋の備品を持ち帰ったらスコアが下がります。ゴミをポイ捨てしたら、交通違反をしたら、会社で遅刻したら……。極端な話ですが、そうしたこともできなくもないというわけですね。
どんなディストピアだ、って話になる可能性があります。
情報の流出や悪用もリスクも高まる
また、信用スコアとして情報が集まれば集まるほど、情報の重要度が高まります。
たとえば、ヤフーの件で、検索履歴やショッピング履歴などの中には重大な個人情報やプライバシーにかかわる部分もあるでしょう。そうした情報が流出でもしたら大変なことになります。
まとめ
個人情報の保護という観点とは完全に逆行する信用スコア。
ただ、ビッグデータを重視しビジネスに活用する流れはおそらく止まらないでしょう。そうなると、どのようにして個人情報やプライバシーを守るのか?というルール作りが必要になってきます。日本で本格的に普及をさせるのであれば、そうした情報保護の仕組み、オプトアウト(情報提出拒否)とオプトアウト時の不利益扱いの禁止といったような共通のルールが必要になるのではないでしょうか。
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