個人型確定拠出年金(iDeCo) PR

iDeCo(イデコ)は年払い(年単位拠出・後払い)が可能。手数料節約にもなる

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iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の掛け金の納付は2017年までは毎月拠出が基本でした。たとえば、企業年金なしのサラリーマンの場合は月額23,000円といった形です。これが2018年からは年単位の管理になります。1年間に276,000円までといった具合です。掛け金の納付について1か月5,000円という下限額があり、経過払いであるものの、上限額まで一度に支払うことができるようになりました。

より納付の自由度が高まるだけでなく、上手に利用すればイデコの毎月の手数料を節約することもできます。今回はそんなiDeCo(イデコ)の年単位拠出と手数料の仕組みを紹介していきます。

iDeCoの年単位拠出(後払い)のしくみ

まずは、年単位拠出の仕組みを見ていきましょう。

<これまで>

毎月の上限額までの範囲でしか支払えませんでした。上限額は以下の通りです。

月額下限 月額上限 年間上限
第1号被保険者
(自営業・無職など)
5,000円 68,000円 816,000円
サラリーマン
(企業年金なし)
5,000円 23,000円 276,000円
サラリーマン
(企業型DCあり)
5,000円 20,000円 240,000円
サラリーマン
(確定給付年あり)
5,000円 12,000円 144,000円
公務員 5,000円 12,000円 144,000円
第3号被保険者
(専業主婦など)
5,000円 23,000円 276,000円

たとえば、サラリーマン(企業年金なし)の方が、6月からiDeCoに加入したときは上限額を払ったとしても23,000円×6か月=138,000円までしか納付できませんでした。納付額は月によって変更できるものの、上限は23,000円までです。

<これから>

上限額が「年間上限」で管理されます。

サラリーマン(企業年金なし)の方なら年末だけに276,000円を納付という納付も可能です。また、毎月1万円ずつ納付して、冬のボーナスなどを原資に年末だけまとまって納付するという方法も可能です。

ちなみに、あくまでも“経過払い(後払い)”となります。たとえば年始(1月)にまとめて1年分を払うということはできません。たとえば6月なら6ヵ月分の合計額しか払えません。先払いはできないわけです。

また、後払い時には注意点があり、“月あたり5,000円”の下限額は残るということです。
たとえば、半年間納付をお休みすることはできますが、6月に始めて納付するときはそれまでお休みしていた下限額(5000円×6か月分=3万円)は最低でも納付する必要があります。

なお、年の途中でiDeCoに加入した場合、加入時点からしか納付できません。加入月から12月26日引落分までの拠出限度額の合計金額がその年のiDeCoの拠出限度額となります。たとえば6月が加入月の場合は6か月分が年間上限ということになりますね。

 

1年分の計画を立てて拠出頻度や拠出額を自由に設計できる

より具体的に説明すると、掛け金の拠出について、12月分の掛け金から翌年の11月分の拠出期間を1年としてその期間の確定拠出年金の拠出額を設定します(実際の納付は1月~12月)。隔月納付でもいいですし、夏と冬のボーナス時期だけといった方法もできますし、年末に一括納付といったことも可能です。

年末に一括納付するという前提だと以下のような記載方法になります。

各金融機関に「加入者月別掛金額登録・変更届」というものがありますので、こちらを提出する必要があります。なお、拠出計画は年1回見直しもできます。

 

iDeCo(イデコ)の一括納付(年払い)のメリット

iDeCo(イデコ)が年単位で拠出できるようになったことでのメリットを紹介します。

年の途中で加入した場合でもフルでの所得控除が利用できること、それに加えて事務手数料を節約できるということが挙げられます。また、後払いにできるので金銭的な余裕ができるというのもメリットといえるかもしれません

 

国民年金基金連合会手数料を節約できる

iDeCoの利用にかかる手数料は以下の3種類があります。

  1. 国民年金基金連合会手数料(共通):105円(月額)
  2. 事務委託金融機関手数料(共通):66円(月額)
  3. 運営管理機関手数料(金融機関で異なる):無料~450円程度(月額)

この手数料のうち、“国民年金基金連合会手数料”は掛け金の収納にかかる手数料とされています。そのため、掛け金の収納がない場合は手数料がかかりません。

毎月納付の場合は年間で105円×12か月=1,260円の手数料が必要ですが、年1回まとめて納付にすれば手数料を105円とできます。こうすることで年間のiDeCoの運用にかかる手数料を1,155円節約できます。この金額を大きいとみるか小さいとみるかは人それぞれでしょうが、個人的には馬鹿にできない金額だと思います。

 

ボーナスや年末などの時期に資金計画を立てられる

たとえば、毎月上限の掛け金を払うのは難しいけど、非課税枠は使いたいという場合、夏と冬のボーナスの時期にボーナスを当て込んで年2回という拠出計画を立てることもできます。

柔軟な拠出計画が立てられるというのは大きなメリットといえそうです。

 

iDeCo(イデコ)の一括納付(年払い)のデメリット

今度は逆にデメリットを見ていきましょう。

一つはドルコスト平均法が使えなくなることで、まとめて投資をすることになるということ。もう一つは年払い(一括納付)の場合は結果的に年末納付となるため、運用期間が短くなってしまうということが挙げられます。

 

一括納付でドルコスト平均法が活かせない

毎月決まった掛け金を納付するという低額投資法(ドルコスト平均法)は時間分散効果があります。一括納付をする場合はこうしたドルコスト平均法運用ができなくなります。

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運用期間が短くなるので投資効率が下がる

どちらかというとデメリットとしてはこちらのほうが挙げられます。イデコの年払いは前払いはできず、後払いとなります。

運用益が非課税となるiDeCoであれば、できるだけ早い時期から運用するほうがお得です。毎月積立投資をする場合、積立額は1年という期間を見ても以下の期間だけ運用されることになりますよね。

  • 1月分:11か月運用
  • 2月分:10か月運用
  • 3月分:9か月運用
  • 4月分:8か月運用
  • 5月分:7か月運用
  • 6月分:6か月運用
  • 7月分:5か月運用
  • 8月分:4か月運用
  • 9月分:3か月運用
  • 10月分:2か月運用
  • 11月分:1か月運用
  • 12月分:0か月運用

平均:5.5か月運用(0.458)

年払いにする場合、iDeCoの掛け金は年末納付になりますので、実際の運用期間が年平均で5.5か月短くなります。これを年間の掛け金で見てみましょう。サラリーマンの場合、iDeCoには年276,000円(毎月23,000円)の運用が可能です。これを年間のリターンで見た場合、初年度の運用益は以下のようになります。

  • 1%:276,000円×0.01×0.54≒1264円
  • 2%:276,000円×0.02×0.54≒2528円
  • 3%:276,000円×0.03×0.54≒3792円
  • 4%:276,000円×0.04×0.54≒5056円
  • 5%:276,000円×0.05×0.54≒6320円

概ね上記のようになります。実際には手数料分を差し引いて考える必要がありますが、運用期間を遅らせるということで発生する機会損失は利回り別にみると上記のようになります。となれば節約できる手数料分(1,155円)というのはさほど大きい金額ではないということもできると思います。

もちろん、100%発生する手数料と、不確実性(リスク)のある期待リターンを同等に考えることはできないと思います。ただ、月105円の手数料節約効果というのは運用リターンに対するところからみれば少し勿体ないといえるかもしれません(特にポートフォリオを株式中心とする場合)。

一方で、iDeCoを利用している人の中には運用益ではなく、所得控除などの税制上の優遇を中心に考えている方も多いかもしれません。こうした預金中心でやっている方は逆に年末に一括納付という方法が逆に効率的といえそうです。

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まとめ。iDeCoの年払い(年単位拠出)を上手に活用しよう

2018年(平成30年)より個人型確定拠出年金(iDeCo)については年間払いができるようになったということを説明しました。

掛け金の拠出については月単位から年単位に変更できるようになりますが、事前に計画提出が必要なため、その場の思い付きで掛け金を増額、減額はできません。ある程度計画的に活用するようにしましょう。

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以上、iDeCo(イデコ)は年払い納付(年単位拠出)が可能になったというお話でした。

ABOUT ME
ふかちゃん
マネーライフハックの編集長 兼 管理人です。節約やマネー術などについての情報発信を2004年から続けています。
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