ドコモのクレジットカードにdカードと呼ばれるカードがあります。このゴールドカードであるdカード GOLDにはドコモ利用者にうれしい“dカードケータイ補償”という付帯保険がセットされています。この保険があれば、ドコモのキャリアオプション(有料)として提供されているケータイ補償は不要なんじゃないか?という声もあります。
果たして本当でしょうか?今回はそんなdカード GOLDのケータイ補償と、ドコモが提供しているキャリアのケータイ補償の内容を比較しながら、両者のメリット、デメリットを比較していきます。
ちなみに、恥ずかしながら私はdカードGOLDのケータイ補償も、キャリアのケータイ補償も両方とも利用したことがありますので、その経験をもとに紹介できればと思います。
dカード GOLDのケータイ補償とキャリアのケータイ補償
まずは、両方のケータイ補償について、保険としてのスペックを比較していきたいと思います。
そもそもdカード GOLDってどんなゴールドカード(クレジットカード)なの?という方は以下の記事を先にご一読ください。
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ケータイ補償 | dカード GOLDケータイ補償 | |
---|---|---|
いつ加入できる? | スマホ購入時のみ(後日加入は不可) | 申込なしにdカード GOLDのホルダーは保険対象となる |
保険期間の長さ | ケータイ補償を解約するまで | 機種購入から3年間 |
保険料はいくら? | 携帯電話、スマートフォンの機種によって異なる。 iPhone 12 Pro:1200円/月 Galaxy S21 Ultra 5G SC-52B:825円/月 |
クレジットカードの年会費に含まれているので不要(年1.1万円) |
対象となる機種はどれ? | オプションに加入したスマホ、タブレット、iPhone | dカード GOLDと紐づけをしているスマホ、タブレット、iPhone |
トラブル別の保険対応 | 破損(修理可能):〇 水濡れ:〇 全損:〇 紛失:〇 盗難:〇 |
破損(修理可能):× 水濡れ:〇 全損:〇 紛失:〇 盗難:〇 |
保険事故発生時対応 | リフレッシュ品との交換 | 同一機種で機種変更 支払いは一旦dカード GOLDで行い、保険金で相殺される |
免責(自己負担) | iPhoneX:11,000円 その他スマホ:7,500円 |
機種変更の費用を最大10万円まで補償(事務手数料を含む)。超過分があれば自己負担 |
利用可能回数 | 年2回まで | 年1回まで |
ちなみにキャリアのiPhoneのケータイ補償は“ケータイ補償サービス for iPhone & iPad”と呼ばれています。
このように、それぞれで違いがあります。それぞれで一長一短がありますし、その人の状況によってどちらがよいとは一概には言えません。
キャリアとdカードGOLDのケータイ補償への加入時期
まず、ドコモのケータイ補償に加入をするのであれば、新規契約や機種変更時しかダメです。あとから、やっぱり入りたいとなっても加入できません。
dカード GOLDのケータイ補償があるから加入しないという選択をして、あとからdカード GOLDを解約したという場合でもキャリアの保険には入れませんのでご注意ください。
ケータイ補償の料金(保険料)
dカード GOLDの場合は年会費に含まれているので保険料の追加負担はゼロです。そうしたコストを考えるとdカード GOLDのケータイ補償は非常に魅力的です。dカード GOLDの年会費は11,000円(税込)ですので、ドコモ(キャリア)のケータイ補償(最新機種なら1万円台に乗る)と比較しても年会費とほぼ同額に近くなっています。
また、dカード GOLDの場合、ドコモの利用金額の10%相当(1000円につき100ポイント)が戻ってくるという特典などがあること(ahamoの場合は月300ポイント相当まで10%ポイント還元)を考えるとコスパ的にはdカードGOLDの方がよさそうな気がしますね。
保険期間はdカード GOLDは3年まで
ドコモのケータイ補償は保険料(オプション料)を支払い続ければ保障はずっと続きます。一方でdカード GOLDは購入から3年で保険は切れてしまいます。
これだけ見るとdカード GOLDのケータイ補償の方が弱いと思われるかもしれません。ただ、丸3年以上使っているケータイ(スマホ)が壊れたら普通買い替えませんか?
スマートフォンの機種代金は分割でも2年間で払い終えているわけですし、機種変更をする場合も月々サポートなどの割引は新しく受けられるわけです。4年もたった機種に対して500円~という決して安い金額でないオプション料を払い続けるのは逆に無駄だと思います。
dカード GOLDのケータイ補償は修理可能なら1円も補償されない
ここは少し重要なところです。
dカード GOLDのケータイ補償のは全損、紛失、盗難が保険対象です。
全損というのは修理ができないと判断されたスマホ(iPhone)ということになります。
なので、スマホやiPhoneが壊れたからdカード GOLDのケータイ補償を使おうと思っても、ドコモ側(iPhoneの場合はAppleStore)で修理可能といわれたら、1円も補償されません。ここはある意味でdカード GOLDケータイ補償のリスクといえそうです。
全損というのは「修理不能」という状態になります。なお水没も修理不能となります。最近のスマホは防水機能がかなり高くなっていますが、それでも基盤にまで水が入ったような場合は修理できなくなります。
ここは注意なのですが、dカードGOLDのケータイ補償は100%補償されるわけではありません。保険会社による「審査」があります。補償対象となるのは偶発的な事故でなければなりません。
故意的に破壊した場合、水没させた場合などは保険が下りない可能性もありますので、そういうことはしないようにしてくださいね。
保険事故発生時対応(破損や紛失時の対応と流れ)
保険対象のスマホやiPhoneが破損(全損)や紛失(盗難)となった時にはどのような流れになるのかをまとめてみましょう。
ドコモのケータイ補償の流れ
- マイドコモ(WEB)から申し込みまはたサービスセンターに電話で連絡
- 1~2日で指定住所にリフレッシュ品(※1)が届く
- 返信用封筒に破損したスマホを入れて返送(※2)する
※1:リフレッシュ品は中古スマホを新品同様にしたものです
※2:紛失や盗難時は遺失届(盗難届)を警察に提出する必要があります。
特に面倒な手続きもなく、システム的にはかなり手軽に使えます。
ただし、ドコモのケータイ補償を利用する場合、たとえば、iPhone6S以降なら11,000円(それ以前は7,500円)、その他スマートフォンの場合7,500円のケータイ補償利用料金が必要となります。
dカード GOLDのケータイ補償の場合、10万円以下であれば事務手数料を含めて保険で自己負担なしで機種変更できるのと比べるとここはデメリットといえそうです。
dカード GOLDのケータイ補償の流れ
- ドコモショップに来店し、dカード GOLDケータイ補償を利用したい旨伝える
※iPhoneの場合は先にApple正規プロバイダでの対応が先 - 全損したスマホの確認(iPhoneはAppleStoreで確認)
- 機種変更するスマホの選択
- 新端末をdカード GOLDで決済(全額一括払い)
- (後日)保険利用のための書類を書き返送する
- 審査後、dカード GOLDに決済分が払い戻される
ケータイ補償と比べると少し流れは複雑です。dカード GOLDのケータイ補償を利用する場合は、必ずドコモショップで手続き(来店)をする必要があります。そちらでdカード GOLDのケータイ補償を利用したいと伝えてください。
この時、全損状態のスマートフォンを持ち込み確認してもらいます。
紛失や盗難の場合は警察へ遺失届や盗難届の届け出が必要になります。
Apple製品は「正規プロバイダ」に行く必要あり
まず、iPhoneの場合はドコモショップではなく先に、Appleの正規プロバイダ(AppleStoreや正規登録されている家電量販店など)に行く必要があります。そこで「修理不能」という判定をいただかなくてはだめです。
修理不能の場合、dカードGOLDのケータイ補償の対象となります。そのショップで補償対象外修理サービスで端末交換が可能な場合は、そちらで「同一カラー、同一機種」のiPhoneを購入する流れになります。購入するときは必ず「dカードGOLD」で行います。また、クレカの明細書とAppleStoreから渡される書類は保険申請に必要なので無くさないようにしましょう。
同ショップで購入できない場合(同一カラー、同一機種のiPhoneがない場合)、ドコモショップに行く流れとなります。
ドコモショップで新品を機種変更で買う
Androd端末やiPhoneで正規プロバイダで端末交換ができない場合はドコモショップでの手続きになります。dカード GOLDの場合は、リフレッシュ品ではなく新品との機種変更という形になります。ただし、この時の機種変更は“同一機種、同一カラーであることが条件”となります。
ただし、ドコモショップ内に同一機種がない場合は“ドコモショップが指定した機種”となります。基本的には在庫がある後継機種でOKという判断になると思われますが、対応はドコモショップによって違うかもしれません。私が一度、iPhoneを全損させてしまったときはAppleStoreに在庫がなかったこともあり、ドコモショップで最新機種への機種変更で対応できました。
支払いは必ずdカード GOLDで全額を一括払いする
そして、変更端末を選んだら“必ずdカード GOLDで全額を一括払い”で購入します。なぜなら、この支払金額が支払われる保険金額の上限になるからです。くれぐれも分割購入してはいけません。その場合は頭金+事務手数料しか保険対象になりません。
この時のクレカの明細書は保険申請に必要なので無くさないようにしましょう。
保険金の上限は10万円まで、それを超えた場合は自己負担あり
保険金の上限は10万円までです。これには事務手数料も含まれます。10万円以上の機種の場合は差額が自己負担となりますが、それ以下の場合は手出しゼロにできます。
ただ、最新のスマホやiPhoneには10万円を超える金額のものも少なくありません、。そうした場合は超過分が自己負担となります。
ちなみに、保険の書類提出や締め日等の関係で、いったん利用金額が口座から引き落とされ、その後に返金という形になるのが一般的です。引き落としの残高にはご注意ください。
保険が使えるのは年1回まで
dカード GOLDのケータイ補償は年に1回までとなっています。前回の補償適用から1年を経過していない場合は利用できません。ドコモのケータイ補償は年2回まで利用できるようになっているので、少し差がありますね。年に何度も全損や紛失するということはあまりないとは思いますが、嫌なことは続くこともありますからね。
保険申請書が届くので早めに記入返送する
保険サービスデスクから後日自宅宛てに書類が届きます。
事故の状況などを記載する項目がありますが、ちゃんと正確に正しく記載しましょう。また、必ず事故日から60日以内に相手に届くように返送します。時間がたつと記憶もあいまいになるでしょうから、なるべく早めに手続きしましょう。
なお、保険金が下りるまでに、ドコモの契約解除やdカードGOLDを解約したりすると保険金が下りない可能性がありますのでご注意。
まとめ、dカードGOLDのケータイ補償は付帯保険としては最高
ドコモのケータイ補償とdカード GOLDのケータイ補償とを比較すると、それぞれで一長一短はあるものの、dカード GOLDの保険もかなり使える保険であることがわかっていただけると思います。
たとえば、夫婦でiPhone12Proをお持ちでドコモのケータイ補償を利用すれば1200円(月額)×2名×12か月=28,800円も保険料が必要ですが、dカード GOLDなら11,000円の年会費だけで2名分のケータイ補償が利用できます(dカードGOLDは家族カード1枚無料)。
さらに、dカード GOLDにはこれ以外にもポイント10倍(10%還元)などの特典も多数用意されているので、ドコモのケータイ補償をなんとなくオプション契約している方にとってはかなりお得なクレジットカードになるはずです。
もちろん、キャリアのケータイ補償の方が使いやすい面もあります(画面割れなどの軽度な故障の対応も可能)。とはいえ、その程度なら自費でも対応するよ。という人はdカードGOLDのケータイ補償(保険)はかなり有用です。
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以上、dカード GOLDのケータイ補償とドコモのケータイ補償の違いとそれぞれのメリット、デメリットについて紹介してみました。
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